組織体制・企業文化

日本初のグローバル企業で総合商社である。売上の半分はエネルギー部門であり,資源部門も比率は高い。財閥解体前後も人を育てることに長けているため,多くの企業を設立した。代表格は三井造船,商船三井,東レなどがある。ライバルである三菱商事とすべて比べることが多い。世間からは知的な集団と思われるが,銀行などの金融機関と同様で体力と忠誠心がものをいう。数パーセントの知的なメンバーが方向を決めると残りのメンバーが一気に突き進むイメージ。とはいえ,全員は高学歴であるため地頭はとても良い。トップダウンが基本だが,新たなビジネスのアイデアなどボトムアップでの提案もできるため,一人ひとりにチャンスがあり,仕事の質・量・報酬も高い。同期同士はとても仲がよく,ライバル心はあっても互いには見せ合わない。物産に入るために受ける学生は多いが,最も問われるのは物産で自分自身をどう高め,何をするのか,そのために何をしてきたか。そして,体力があるか。

業界内の評価

三井物産というブランドが一人歩きしている印象をもたれている。出世や社内での生き残りに固執し過ぎると客先とのビジネスも自身の上司にむかって仕事をする印象となる。グローバルに外を向いていると思われがち。しかし,新しいビジネスを追い求めるため,常に自己研鑽や経験からの言葉も多く,物産で働いていることを誇りにしている。近年の資源価格の下落は会社の屋台骨を揺らぐ事態に発展した。長らく資源一本足打法をとり続けていたために,非資源部門での収益率の向上が最優先である。資源価格の下落は商社界では死活問題であり,下手な参入や拡大は命取りとなる。

給与・報酬制度

部門によって賞与が変動するが,イメージどおりの高給である。30歳では860万程度,30歳半ばで1000万にはなる。海外出張が多い従業員は手当がつくため,30歳でも手当てを含めると1000万に近づくこともある。報酬が低いと文句を言うタイプもいるが,概ね満足している。しかし,成果がでない従業員は子会社や関連企業への出向や転籍も珍しくなく,物産に居続けるのも苦労する。異動の時期になると落ち着かない社員も多く見られる。それ故に上司に向かって仕事をするタイプも増え,内向きな従業員も少なくはない。
優秀な人材が多いため出世競争はかなり厳しい。上記のように成果が出ない以外で移動はあまりないため、同じ部署に居続けるということになる。新しいことにどんどんチャレンジしていくという思考の人間はほとんどいない。
独立して起業する人や留学先で起業や転職する人もいるのは,否応無しにビジネスのセンスや研鑽し続ける姿勢が染み付いているためである。

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