経営理念とは、会社を経営する上での強い思い

一言で言うと、そういうことになります。

経営理念には、会社を経営する上での強い思いが端的に表現されています。

そこには、「なんのために経営するのか」「なんのために働くのか」ということが書かれてあると思ってください。

たとえ小さな中小企業でも、経営理念をしっかり考えた、練られた文章で掲げている企業は多いものです。

逆に言うと、経営理念の無い企業は、まだ規模も小さく立ち上げたばかりなので、経営理念を作れていないだけなのか、作る気が無いのか、見極めが必要だと思います。

その経営理念は、あなたの心を動かしましたか?

ここが一番大事なところです。この企業で働く意味が書いてあるのですから、この会社にもし入社したとしたら、毎日唱和することもあるかもしれない文章なのです。

本当に心からこの文章に心を動かされたのなら、あなたはこの会社で働く意味を見出せたのかもしれません。

スターバックスの場合

先日、スターバックスジャパンの元CEOである岩田松雄さんの講演をお聞きしました。

スターバックスには、オペレーションマニュアルはあるが、サービスマニュアルはありません。そこにあるのは、ミッションステートメントです。

「To inspire and nurture the human spirit ―― One person, one cup, and one neighborhood at a time. (人々の心を豊かで活力あるものにするために ―― 一人のお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから)」

お客様のために、営業時間外にシナモンロールを渡した店員さん

重い心臓の病気のためにアメリカで移植手術をする女の子、彼女はスタバの常連客であり、将来スタバで働きたいとまで考えているほどのファンでした。

大好きな焼き立てのシナモンロールを持っていきたいと言い出した彼女が乗る予定の飛行機は、朝一番の店舗開店前に出発予定。

困ったお父さんは、ダメもとで店員さんに相談しました。

そういうご事情でしたら私がご用意しますと店員さん。

出発の朝、営業時間外に焼き立てのシナモンロールを用意して、無事お渡しすることが出来たそうです。

残念ながら渡米の甲斐なく、その女の子は無言の帰国をせざるを得なかったのですが、出発時に特別に出してもらったシナモンロールの味は、最後まで忘れなかったそうです。

お父様から懇切丁寧なお礼のお手紙を岩田さんは受け取ってこの事実を知ったそうです。

普通であれば、営業時間外に商品を提供するなど規則違反で、考えられない行動かもしれませんが、スターバックスのミッションを心に刻んでいる社員にとっては、「やって当然のこと」であったのです。

サービスとか顧客満足とかというような言葉を超越したこの行動は、上記の「ミッション」が社員一人一人の中に息づいているからこそ生まれたものだと、岩田さんは言います。

経営理念が浸透している会社かどうかを確かめる

言葉だけでなく、社員の中に、経営理念、企業理念、ミッション、などと様々なタイトルで表現されている「大事な何か」が、社員のみんなに共有されているのかどうか、経営者が言葉だけの表面だけで掲げているお題目ではないかどうかは、あなた自身が会社を訪問し、採用担当者や他の社員に会い、最終面接で会う役員たちから感じ取らなくてはいけないものだと思います。

あなた個人のミッションは何かを考え、その会社のミッションと一致するか

あなた自身はどうでしょう。なんのために働くのか、よく考えてみてください。

そして心の奥底から、このために働きたいと思う「何か」を見つけることが大事です。

なかなか見つけられない場合は、自分の足で様々な企業を訪問し、OB達に会い、「あなたのミッションは」と聞いてみたらいいと思います。

答えられないOB達も多いかもしれません。もし答えてくれた人がいたら、あなたのミッションづくりにきっと役立ちます。

あなたのその「何か」が、あなたが働く会社が目指す「何か」と一致していたら、あなたはその会社で働きたいと思うだろうし、入社した後に様々な問題に直面したとしても、きっと乗り越えてあなた自身も成長し、会社に貢献することも出来る人間になることが出来ると思います。

是非、気になる会社の経営理念を良く読み込んでみてください。

※参考図書:「ミッション スターバックスCEOが教える働く理由」 岩田松雄著

※個人のミッションづくりにも役立ちます。是非読んでみてください。

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