人事の本音

まず、会社説明会に“出演”する人事担当者は本当の事を言えるだろうか。人事担当者は必死に自分の会社の素晴らしい所を何回も何回も繰り返し説明する役者さんで、会社説明会や合同説明会は練習してきた演技を説得力あるパワーポイントなどの視覚資料を使いながら披露する発表の場だ。学生側から「サービス残業はありますか?」と聞かれた場合、仮に自身がサービス残業に苦しんでいたとしても「弊社は社員の労働環境を第一に考えており、そのようなものは一切ございません」というセリフを瞬時に考え言わなくてはならない、とてもかわいそうな役回りなのだ。

人事の本音

就活の真実

就活生の皆さんはそんな事は百も承知で、OB訪問で真実を確かめようとするかもしれない。人事と社員で言っている事が違う!!と憤る学生は私の周りにもいたし、この方法に一定の効果があることは認める。説明会で“演技”している人事担当者より日頃の練習が足りていない分本音がこぼれることもあるだろう。しかしよく考えて欲しい。そのOBの方は本当の事を全て教えてくれるだろうか。部活やサークルで直接お世話になった先輩ならば教えてくれるかもしれない。では、大学の名簿で見つけたOBはどうだろう。自分の勤務先の実態を無闇に広めることが、そのOBにとって得策なのかどうか。可愛い後輩のためにホンネも少しは話してくれるかもしれないが、全て真に受けると入社後ガッカリという事になりかねない。

頼れるのは自分だけ

非情なことを言うようだが、結局は自分の経験と勘と嗅覚で判断するしかない。だいたい、社風にしても待遇面にしても人それぞれで感じ方が違うのだから人事と社員で発言が異なるのはある意味当然である上、実態がどうであれ自分の勤務先をボロクソに言う人はそうそういない。人事や社員の言う事はあくまで材料の一つとして、最終的には自分自身で考えて判断しよう。もし悪い方に転んだとしても、自分で出した結論ならば納得しやすいはずだ。

新規会員登録はこちら
ページトップ