【志望動機を書く前に】金融業界ってどんな業界?

◇「金融」とは

そもそも金融とは何か考えたことはありますか?
金融とは「資金を融通しあうこと」。資金を融通しあうとは、例えばお金が余っている人はお金が不足している人に対して、お金を返す際に利息を払うことを条件にお金を貸すということができます。余っている部分から不足している部分へお金が流れるということ、これが金融です。
金融業界の仕事とは、そのような資金の融通の際に橋渡しする役割のことを主に指します。
 

◇金融業界の業種

金融業界のなかにも、業種によって得意なサービスやできる業務が変わってきます。
業界内でどのように細分化されているのか押さえていきましょう。
 

①銀行業界

口座開設などで顧客からお金を預かり、そのお金を元手にお金を借りたい個人や法人に向けて利息を付けてお金を貸し利益を上げたり、国内外問わず口座間の送金を顧客に代わっておこないその際の手数料をとって利益を上げるのが銀行のビジネスモデルです。銀行業の中でもどの地域を得意としているか、対象とする顧客、業務内容の違いなどから「メガバンク」「地方銀行」「信託銀行」「信用金庫」に分かれます。

・メガバンク
展開エリアが広く取引企業も多いため、巨大な収益があり、そしてそれらを使って資産を運用する銀行のことを指します。国内に限らず海外事業への投資なども手がけていきます。まさにドラマ「半沢直樹」の世界観です。
・地方銀行
業務内容はメガバンクと変わりませんが、地域に密着してビジネスを展開するのが地方銀行です。地域の実情に根ざしたサービスを展開することで、メガバンクにはできないサポートをその地域の住民や中小企業などにおこないます。
・信託銀行
銀行業務のほかに信託業務をおこなうのが信託銀行です。信託とは個人や法人の財産(お金、有価証券、不動産、金銭債権など)を代わりに管理、運用していく業務です。
・信用金庫
ある一定の地域に居住する個人やそこでビジネスをおこなう企業を会員とし、会員から集めたお金を元手に、その地域の発展を目的に融資をおこないます。利益が目的ではなく、その地域の発展を目的に作られたのが、銀行との大きな違いです。
 

②生命保険・損害保険業界

保険加入者から集めた資金を元手に、加入者が怪我や病気、物品の損害を被った場合に保険金を払うというのが生命保険、損害保険業界のビジネスモデルです。
 

③証券業界

投資家を主な顧客とし、株式や投資信託などの金融商品を購入する際の仲介をおこなって仲介手数料を得たり、株式の運用をおこなって利益をあげるビジネスモデルです。最近はオンラインで仲介取引ができるシステムが増えてきています。
 

◇金融業界の職種

金融業界の中の業種がわかりましたが、実際にどのような業務につく仕事があるのでしょうか。

・営業職

金融をおこなう上での要ともいえる職種です。金融業務を始めるにはまず資金を集めなければいけません。それをおこなうのが金融業界の営業職です。金融業界に入る多くの新卒社員はまず営業職について金融業界のビジネスを体感し、顧客との関係づくりを学びます。
個人向けには資金運用の提案や金融商品の案内、法人向けには融資の案内やその会社の資金繰りのアドバイスなどをおこないます。どの業界の営業職でもそうですが、ノルマ達成を視野に入れながら顧客の課題解決を提案し、利益をあげていきます。インセンティブを得られる職種でもあり、自分の実力次第では大いに収入をあげられる可能性のある仕事です。外資系は年収数千万ともいわれます。

・事務職

主に個人の顧客向けに窓口となる仕事です。銀行業であれば銀行の窓口業務、保険業であれば給付金請求をしたい顧客の対応をします。近年はオンライン対応やIT化が進み、今後無くなるかもしれない職種ともいわれますが、円滑にサービスを提供するためにも欠かせない存在といえるでしょう。

・バックオフィス

お金を集めて貸し借りをおこなう業界とはいえ、自分自身の経営も円滑に進めなければ元も子もありません。収支の管理や膨大な顧客データの管理など営業職やマーケティング職のサポートをしていきます。

・専門職

金融の専門的な知識を活用して、お金を運用することを中心に業務をおこなう職種です。
個人の資産運用に助言をおこなうファイナンシャルプランナー、経営者や富裕層向けに事業や資産承継、相続などを支援する金融サービスを提案するプライベートバンカー、金融情勢に関する情報を集めて分析する証券アナリスト、顧客から預かった資金で運用をおこない利益を上げる専門家であるファンドマネージャーがいます。

【志望動機を書く前に】金融業界ってどんな業界?

【志望動機を書く前に】金融業界で求められる人物像

金融業界の業務内容や職種などがわかりましたが、それらの業務をおこなう上で求められる人物像はどのようなものなのでしょうか。
 

◇信用できる人

金融業は「信用」で成り立っているといっても過言ではありません。
個人や法人などの顧客の資金を扱うため、多くのルールやコンプライアンスを遵守する必要があります。そのため「嘘をつかない」「不正をしない」「ルールを守る」正直な人柄が好まれます。
 

◇相手に合わせられる人

これは顧客への対応、会社内の振る舞いの両方に言えます。顧客相手には相手が何を求めているのかお伺いを立てながら把握し、それに沿って動けるかどうかが特に重要です。相手からの信頼があってからこその金融業ですから、顧客との円滑な関係性を持続できるかどうかが、自分の売上をあげていく活路になります。
また金融業界は特に年功序列などの日本の古いビジネス体質が残っている業界でもあるため、上司や周りの社員といかに上手く合わせて、関係性良く仕事をこなしていけるかが出世のためには必要です。相手に合わせて柔軟に対応できる人は、ある意味金融業界で上手く仕事ができる人ともいえるでしょう。
 

◇数字やお金にある程度強い人

金融業ですから、日々数字やお金とにらめっこをしながら利益を追いかけます。数学が得意でなくても、ある程度数字や計算に対して嫌悪感を抱かない人が金融業界でストレスなく働けるでしょう。
 

◇勉強をする姿勢のある人

金融業界に入ってからも資格の取得などが必要な場面が多いです。そのため金融に関する資格のための勉強を前向きにできる人がいいでしょう。資格の他にも、日々の経済状況に合わせて新しいことを吸収する必要があります。ですから日々勉強する姿勢のある人に向いているといえます。
 

◇ストレス耐性に強い人

営業職を中心に数字、ノルマを追いかける業界です。特に保険業界は企業や職種によっては足で新規の契約を取りに行く肉体派の業務もあります。また営業でなくても、メガバンクなどの大企業に入ると多くの人と関わりながら業務を進めていくため、時にはストレスを感じながら業務をおこなうこともあります。ノルマに対するストレス、社内の環境に対するストレスに強い人が金融業界で長く生き残れるといわれています。それゆえに体育会系の部活動経験者などが好まれる業界でもあります。

【志望動機を書く前に】金融業界で求められる人物像

金融業界の志望動機を書くときのポイント

◇自分の志望動機は「未来志向型」か「適性型」か考える

志望動機には2つの書き方があります。
1つは自分が入社してからやりたいことがあるために志望する未来志向型の志望動機、もう1つは金融業界に自分が適していると考えて志望する適性型の志望動機です。どちらが正しい・良い・評価が高いというわけではないため、自分の志望動機に合うほうを考えてみましょう。
 

◇志望する理由を整理する

どちらの志望動機の形かわかったら、次にその志望動機を深掘りしていきます。
以下でご紹介する項目を書き出してみましょう。

【未来志向の志望動機が軸になっている場合】
・金融業界での将来の夢やキャリアを通して達成したいことは何か?
・なぜそう思うようになったのか、過去のエピソードとは?
・具体的に金融業界に入ってどのような仕事に取り組みたいか?
・なぜ金融業界の中でもその会社なのか?
・企業を選ぶうえで重視しているポイントは何か?企業選びの軸は?
・その軸をもとに他にどんな業界を志望しているか?
 金融業界でないとダメな理由は何か?

【自分の適性が志望動機の軸になっている場合】
・自分自身が金融業界で働くうえで向いていることは何か?
・なぜ金融業界に向いていると思うのか?それを感じたきっかけのエピソードは?
 その適性や性格が活かされた具体的な経験は何か?
・その適性や性格を活かして、具体的に金融業界でどんなことに取り組みたいか
・他に受けている業界はあるか?
 なぜこの金融業界でないとダメなのか?
・金融業界の中でもなぜこの企業がいいのか?

ここで書き出したすべてを志望動機に書くことは難しいですが、志望動機をもとに面接でこれらの質問をされる可能性は大いにあります。
 

◇企業研究をする

「銀行業なんてどこも同じ感じで志望動機が書けない…」という人もいるかもしれません。
その際は企業研究を徹底的におこなってみましょう。企業によって得意としている業務、これから力を入れていこうとしている分野などが違います。それらの業務や分野が、自分のやりたいことと重なっていれば、具体的にそれについてどんな風に取り組んでいきたいのかを考えてみましょう。そこから志望動機が生まれます。
 

◇求められる人物像をしっかり理解しておく

前述した金融業界で求められる特徴を認識しておくことも重要です。
もし自分の適性を軸に志望動機を書くのであれば、過去のエピソードで「信用される立場になった出来事」「周りと関係性を築いて何かを達成した出来事」「金融に対する興味から考えたこと・実行したこと」を書き、それに絡めて志望動機を作成すると説得力のあるものになります。

金融業界の志望動機を書くときのポイント

これはNG!金融業界の志望動機に向かないキーワード

◇「経済を回したい」

「経済を回したい」「経済発展に関与したい」という志望動機が多いですが、これだけを語る志望動機は金融業界の採用担当者には響きません。なぜなら経済を回す、経済発展に関与するのは金融業界だけではないからです。どんな業務をして経済を回したいのか、その業務を行うときに自分にはどんな適性があると考えるのかを話しましょう。
 

◇「数字に強い」

金融業界に向いている人として紹介しましたが、「数字に強い」ことを志望動機とするだけでは弱いです。金融業界で使える資格や実務で使えるスキルを証明できればいいですが、「数字に強いから金融業界で働きたい」という志望動機は自分が採用担当者だったらどうでしょうか。少し違う視点から考え直してみましょう。
 

◇「給料がいい」「待遇がいい」

給与の良さ、待遇の良さから金融業界を目指している人もいるかもしれません。しかし志望動機で書くのはおすすめしません。なぜならその待遇や給与が変わってしまったら退職してしまう可能性、仕事に対しては興味がなくモチベーションが低い可能性が考えられるからです。給与や待遇面は心のうちにしまっておきましょう。

これはNG!金融業界の志望動機に向かないキーワード

【例文あり】金融業界の志望動機を書き方

では最後に志望動機の基本的な書き方の流れを把握しながら、例文とともに書き方を確認していきましょう。

①志望動機を一言で(結論ファースト)
→まずはなぜこの仕事をしたいのか、どういう働き方をしたいのかを一言で述べます。

例)私は生まれ育った地域で、金融業務を通じて地域発展に尽力したいと思い貴社を志望します。

②理由(過去の経験)
→次になぜその動機を持つことになったのかを語ります。説得力のある動機には、必ずその気持ちに至るための経験があります。過去にどのようなことがあって、その時に何を考えたのか、その考えをもとに将来はどういう仕事をしたいと思ったのか、自分の考えや価値観、人柄や能力が伝わるような話にしましょう。

例)私は大学で地域コミュニティの衰退や発展について研究してきました。研究を通して、地方銀行がその地域の中小企業へ経営アドバイスをおこなったり、融資のサポートをおこなうことで地域経済の基盤がつくられ、さらには雇用が生まれていることを知りました。私もその地域コミュニティのサポートをおこなう一員になり、地元への恩返しをしたいと考えています。

③入社後にその経験を活かしてどうなりたいか
→最後に自分のどんなスキルや経験で得た価値観を活かして、どのような働きをしたいのかを述べます。例えば、過去のエピソードが自分のスキルに関わることであれば「大学時代に培った〇〇というスキルを活かして~」と始められますし、価値観に関わるエピソードであれば「〇〇という考えを持って△△の業務に携わっていきたい~」など言うことができます。

例)地域発展の研究を通して得た地元への思いを胸に、サークルの経理担当で培ったメンバー間での調整力やコミュニケーション力を活かして、貴社の営業職をして活躍していきたいです。

金融業界への志望を持ったきっかけを中心にした未来志向の志望動機です。
面接ではサークルの経理担当の話や、調整力とコミュニケーション力が活きたエピソードなどを質問される可能性が高いため、ここの深掘りと整理をする必要があります。

まとめ

金融業界の志望動機を書くために、金融業界の中の業種や職種、金融業界に向いている人、志望動機を書くときのポイントやNG例などを解説してきましたが、いかがでしたか。金融業界のなかにも様々な領域で仕事があり、それぞれの目的を持って利益を追求していることがわかりました。自分が興味を持つのはどんな分野なのか、金融業に関わるのであればどんなことに取り組んでいきたいのか、企業研究もおこなって具体的な業務をイメージしながら、志望動機を作成していきましょう。

まとめ

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