抜群のスピーチ力を誇るAKBメンバー

今、話題となっているのが、コミュニケーションストラテジストの岡本純子さんが、東洋経済オンラインで公開している記事です。岡本さんは、AKBのスピーチを、次のように評価しています。
「(AKBは)幼い風貌とは裏腹に、実は恐るべきコミュ力を持った異色のグループであり、その意外なコミュ力こそが彼らの人気を長年、不動のものにしてきたといっても過言ではない。(中略)AKBのコミュニケーションの3つの黄金則を導き出してみた」

その3つの黄金則とは、
①Confession(告白)
②Conflict(葛藤)
③Connection (共感・つながり)。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。

本音をさらけだす「素直さ」が人を惹きつける

まずはConfession(告白)です。
「大分県で学生をしているときは、自分のことをまあかわいいと勘違いしていました」
「私はブスで、貧乳で、いいところは本当に少ないです」
こう話したのは、指原莉乃さんです。
また、総選挙で13位となった松村香織さんは、あろうことか「ハゲ」を告白。
「ずっとハゲてて。去年までずっと粉をふりかけていたんですけど、やっと治りました」
アイドルなのに「ブス」や「ハゲ」をさらけだすなど、ひと昔前では考えられなかったこと。この点について、前出・岡本さんは、記事中で次のように述べています。
「人はとりつくろわない、本音の告白にどうしようもなく魅かれるものだ。自分を強く見せよう、いい部分だけを見せようとする人に対しては、警戒感を抱いてしまうが、多少かっこ悪くても、弱い部分や素の自分をさらけ出す、そんな「本音」には思わず心を開いてしまう」

これは、就活中の面接でも通じることでしょう。
飾らない自分を見せることで、面接官との距離が縮まることがあるのではないでしょうか。

葛藤を乗り越えて手にした勝利をアピール

次に、2つめのConflict(葛藤)です。
「一期生として入って、たくさんのメンバーの卒業を見送ってきました。いろんな葛藤やいろんな思いがありました。私は入って一年ぐらいの時に、あることに気づきました。私はこのグループでは一番になれない、ということです。同期には前田敦子がいました。次の期には大島優子がいました」
「どうすれば人気が出るのか、とかも分からなくて……。でもこのグループがすごく好きになったから、すごく頑張りたいなって思って。気づいたらキャプテンになって、総監督になっていました」
スピーチでこう話したのは、高橋みなみさんです。こうした葛藤を乗り越え、高橋さんは、卒業前に過去最高の順位である4位を手にしました。こうした「葛藤の末の勝利」を、スピーチ内でしっかりと魅せることで、ファンはますます引きつけられるのだそうです。

同様に、面接の場では「苦労の末に手に入れたもの」をアピールしてみてはいかがでしょうか。

相手を共感させるコミュニケーション能力

3つ目のConnection(共感・つながり)は、AKBのメンバーは、常にファン目線である点にあります。ファンが、まるで「自分1人のために話してくれている」と錯覚するようなスピーチをするわけです。
今回、特にそれが顕著に現れていたのが、指原莉乃さんの、このスピーチでしょう。
「今年は、こんなに自分に自信のない指原が1位になることができました。全国の、自分に自信のないみなさん。私のように、いじめられて、ひきこもりになって、親にたくさん迷惑をかけてしまったみなさん。日の当たっていないみなさん。私は、もう一度1位になることができました。奇跡の1回ではなく、自分が1年がんばってきたことを評価されての1位だと信じています。私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位を、どうか自信に変えてください!」
まさに、日本中の「落ちこぼれ」を味方につけたスピーチといえますね。

面接でも、「自分だからこそ、クライアントから共感され、喜んでもらえる“なにか”」を伝えることができれば、きっと面接官にも好印象となることでしょう。

「ギャップ法」と「リピート法」を駆使する

一方、ダイヤモンドオンラインでも、『伝え方が9割』の著者である佐々木圭一さんによる記事が、就活生たちの関心を集めています。佐々木さんは、AKBメンバーのスピーチは、企業家や米国大統領にも通じるスピーチであると評価しています。
たとえば、高橋みなみさんのこの言葉。
「努力は必ず報われるとは限らない。そんなの分かっています。でもね、私は思います。頑張っている人が報われてほしい」
佐々木さんによれば、「報われるとは限らない」↔「報われてほしい」のように正反対の言葉を入れる「ギャップ法」を使うと、言いたいことがより明確に伝わるのだそうです。
また、指原莉乃さんのスピーチでは、「奇跡の1回ではなく、自分で1年頑張ってきたことを評価されての1位だと信じています」というように、繰り返し「1」という数字を使っています。このように、同じ言葉を何度も繰り返す「リピート法」を使うことで、スピーチの内容を、人の心により強く残すことができるといいます。

どちらも、有名な企業家や米国大統領が使っているスピーチ法。ぜひ、面接の場でも上手に取り入れていただきたいと思います。

まとめ

多くのファンをひきつけてやまないAKB。
その背景には、ファンの心をグッと掴んで離さない、一流のスピーチ術があったのですね。
彼女たちのスキルを学んで活用すれば、就活の結果にも大きな差が生まれること間違いナシです!

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