【ガクチカの書き方の前に】そもそも「ガクチカ」とは?

「ガクチカ」とは?

ガクチカとは「学生時代に力を入れたことは何ですか?」という、学生時代に一生懸命取り組んだことを聞かれる質問のことです。学生時代(ガク)に力(チカ)を入れたことを略したものになっており、「力を入れたこと」という全般的なものから、「力を入れた学業」「力を入れた活動」など何かにフォーカスした質問もあります。企業としてはどの質問においても「その人が学生時代を通して何に取り組んできたのか、そしてどんな体験を得てきたのか」を知るために、質問をしています。
 

自己PRと何が違うのか

「ガクチカ」と同じような就活の質問として「自己PR」がありますが、これらは似ているようで聞く目的が違います。
どちらも過去のエピソードを取り上げて、困難や課題を語り、それを克服した話をし、最終的にどんな学びがあって入社後にどのように活かせるかを話します。しかし「自己PR」はその人の強みや自分を特徴づける長所を企業にアピールするのが目的ですが、「ガクチカ」は学生時代に取り組んだことを通して、自分の性格や価値観をアピールするのが目的です。さらに頑張って取り組んだことの中には、自分なりに難しかったことや悩んだこともあるでしょう。そういった場面で、どんな工夫をしながら解決していったかも「ガクチカ」を通して企業は知りたいのです。つまり「ガクチカ」ではあなた自身の性格や価値観、物事に対する対処の仕方などを見られています。

【ガクチカの書き方の前に】そもそも「ガクチカ」とは?

【ガクチカの書き方の前に】企業はガクチカから何を評価しているのか

私たちにとってのガクチカは「企業へ自分の性格や価値観をアピールしたり、物事への取り組み方をアピールする」のが目的なのはわかりました。一方で企業側はガクチカからその人の何を評価しようとしているのでしょうか。
 

①どのくらい思考力があるか

企業は学生に「今まで頑張ったこと」を聞くことで、その頑張った過程でその人がどのように考えてどんな行動に移したのかを見ています。ここではどのくらいの思考力があるかで物事を解決するスピードや取り組みの結果が変わってきます。思考力があることで、何かに対して様々な方向から考え、物事をとらえ、問題があれば最適な解決方法を選択していくことができます。つまり商品を売る時や、アイデアを出すときなど仕事においても大切な力になってくるでしょう。
 

②なにがモチベーションになっているか

「頑張ったこと」であるならば、「頑張ろう」と思った気持ちがどこかにあるはずです。
仕事においても「取り組むぞ!」という気持ちをもって仕事をしてほしいと企業は考えています。そのため、学生が何にモチベーションを感じるのかを確認することで、実際に業務に着いたときのイメージができます。
 

③社風とマッチする人物か

企業は学生の過去のエピソードを聞くことで、その人が何を考えてどう行動したのかを知り、人柄を捉えます。企業に就職するということは、組織の中で働くことになり、その組織の価値観とと働きたいと考えている人の価値観が合わなければ、早期退職につながってしまいます。そのためガクチカを通してその人の人柄や価値観を知り、社風とマッチするかどうかを判断しています。
 

④学びを得ているのか

ガクチカでよくある伝え方として「経験を詳細に説明しただけになってしまう」というのが挙げられます。何かに取り組んだときに、何も感じずにやる人よりも、その過程の中でいろいろ考えながら学ぶ人のほうが、今後業務についた際にゼロから1を生み出せる可能性があると考えます。そのため「頑張ったこと」を通して「何を学んだのか」を企業は知りたいのです。
 

⑤伝える力があるか

最後は基本的なコミュニケーション能力です。何も知らない人(面接官)に対して、きちんと分かりやすい言葉で自分の経験を伝える能力があるのかどうかも見ています。

【ガクチカの書き方の前に】企業はガクチカから何を評価しているのか

評価されるガクチカを書くためには!ガクチカの書き方・ポイント

評価されるガクチカを書くには、つまり前述した企業がガクチカから見ているポイントを押さえられればいいわけです。評価されるポイント別に、それぞれどのようなガクチカの書き方をすればそのアピールができるのかまとめてみましょう。
 

「どのくらい思考力があるか」を解決する書き方

ガクチカのエピソードで「どんなことを考えたのか」「どんな考えを持ってその行動をおこなったのか」を書きましょう。例えば部活で優勝するために努力をしたガクチカの場合、部活の組織の何が問題で優勝できないと考えたのか、その問題を解決するためにどんなことを考え、実行に移したのかなどを伝えるといいでしょう。
 

「何がモチベーションになっているか」を解決する書き方

ガクチカのエピソードで「なぜそれに取り組んだのか」「なぜその取り組みを続けられているのか」を書きましょう。例えばファミレスのアルバイトのガクチカであれば、なぜファミレスのアルバイトをしようと思ったのか、もしくはずっと続けているのかを伝えます。「売上目標に到達するためにチームで働く雰囲気が好きで4年間続けていました」と一文入れるだけで、組織で働く社風に向いている人なんだと企業は判断できます。
 

「社風とマッチする人物か」を解決する書き方

これは前述した「ガクチカのエピソードでどんなことを考えたのか」「どんな考えをもって行動を起こしたのか」「なぜそれに取り組んだのか」を伝えられれば、その人の性格や価値観が見え、結果的に社風とマッチするかどうかを企業は見ることができます。
なお、志望企業がどんな人材を求めているのか、どういう社風なのか、仕事をする上で何を大切にしている企業なのかを知ることも大事です。志望企業の社風に合っていない価値観をガクチカでアピールしても意味がないからです。企業研究もあわせておこないましょう。
 

「学びを得ているのか」を解決する書き方

ガクチカのエピソードで最終的に何を学んだのかを書きましょう。具体的なスキルが身についたことでもいいですし、考え方などの目に見えないものでも問題ありません。
 

「伝える力があるか」を解決する書き方

まずは結論から書きましょう。結論→具体的な取り組み→学び→仕事への活かし方というガクチカの基本構成をもとに書くことで、論理的なガクチカになります。具体的な構成や書き方を次で説明していきましょう。

評価されるガクチカを書くためには!ガクチカの書き方・ポイント

【例文あり】企業に評価されるガクチカの書き方・構成

①結論:どのようなことに取り組んだのか

まずは学生時代何に力を入れて取り組んだのかを簡潔に伝えましょう。

例)私が学生時代に頑張ってきたことはバレーボール部での活動です。
 

②動機:なぜそれを取り組んだのか

次になぜその課題に取り組んだのかを伝えます。何かをするときのモチベーションは何なのかを伝える部分です。企業は学生時代に感じたモチベーションが、今後の仕事につながると考えています。自分がどういう気持ちで取り組もうと思ったのか考えてみましょう。

例)中学、高校とバレーボール自体は続けてきましたが、そこまで勝ちたいという思いもなくなんとなく楽しく活動できればいいかなと考えてきたのですが、大学の本格的なバレーボールの試合を見て、学生時代の最後に本気でバレーボールをやろうと思い入部しました。
 

③目標と困難:どのような目標をたて、どんな困難があったか

次に課題に取り組むうえでの目標や、どのような困難やつまづきがあったのかを語ります。
どの項目でも具体的に伝えることを意識しましょう。またここでは、その人がどのようなことを困難と感じるのかを企業は見ています。あまり難しくないことを困難としてしまうと、「そんなことでへこたれてしまうのか」と悪い印象を持つ可能性があるので注意が必要です。

例)初めは私のようなバレーボール部に興味があって入部した人と、バレーボールの推薦で入部してきた人との間にモチベーションのズレがあり、バレーボール部としてチームが1つになっていないのが課題でした。
 

④取り組み:目標を達成するために、困難をどのように対処してどんな取り組みをしたのか

設定した目標を達成するために、何に取り組んだのかを伝えます。その過程の中で生まれた困難については、どのように対処したのかも一緒に盛り込みましょう。「こういう目標をたてたが→こういう困難があったため→これに取り組みました」という順序で具体的に描写しましょう。

例)そこで私はまず、レギュラーと補欠で練習メニューが完全に分かれていたものを、ウォーミングアップでは一緒にやることを提案しました。レギュラーと補欠のメンバーでは実力に差があることはわかっていましたが、まずはチームとして練習に打ち込む姿勢を共有することが大切だと考えました。
 

⑤結果:どのような結果になったか

何かに取り組んだ結果を伝えます。輝かしい賞をとったというインパクトがなくても、結果までの過程が重要なので安心してください。

例)結果的にこのウォーミングアップを通してメンバー間での会話が増え、練習や試合の改善点などを皆で話し合う雰囲気を作ることに成功しました。またバレーボール部としての雰囲気が良くなったためか、私が3年生の時の入部者が例年よりも20%増えたました。
 

⑥学びと今後:取り組みの中で何を学び、仕事でどう活かすのか

結果だけで終わらないのが就職活動のガクチカエピソードです。今までの取り組みの中で何を学んで、それを会社のどのような場面でどういう風に使えるのかを具体的に伝えましょう。会社でどういう風に使えるのかという部分は、その会社の業務内容や社風などを理解していないと、的外れなアピールになってしまいます。しっかりとした企業研究が必要ですね。また文末は「~に活かせます」と言い切りの形で力強くアピールしましょう。

例)私自身は試合に出て大きな活躍はしていませんが、バレーボール部の活動を通して、組織において誰もが気持ちよく活動ができるようにするためには、気軽に話し合える雰囲気を作ることが大切だと学びました。また自分から何かを提案することで、組織の雰囲気が大きく改善することも知れました。御社では風通しのいい組織を作ることをモットーに飲食店のマネジメント事業を進めており、自分の価値観ととても合います。大学時代に身につけた積極性と組織改革の力を活かして御社で働いていきたいと考えています。
 

ポイント:各項目で自分の人柄が伝わるように意識しよう

ガクチカに限らず、ES作成や面接、すべての就職活動の取り組みに通じますが、一番大事なことは「採用担当者に自分の人柄を伝える」ことです。同じ状況であっても、その人の考え方によって、行動は異なってきます。ガクチカを作成する際も、どの項目であってもその行動の裏にはどういう考えがあるのかを常に意識しましょう。

【例文あり】企業に評価されるガクチカの書き方・構成

まとめ

ガクチカの書き方について、企業がどこを見ているのか、それを書くためにはどのようなポイントがあるのかなどを解説してきましたが、いかがでしたか。ガクチカではどんな素晴らしいことを経験してきたのかというよりも、なぜそれに取り組んだのか、どのような姿勢で取り組んだのかということを伝えて、自分の性格や持っている価値観を伝えるものであることがわかりました。ご紹介したガクチカの基本構成に沿って、ぜひ自分らしさが出たガクチカを作成していきましょう。

まとめ

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