自己PRで部活経験をアピールするために考えることは3つ

部活で自分を売り込む際、考えることは3つあります。「強みを最優先に伝える」「強みと話を繋げる」「貢献できる理由を明確に示す」です。就活に十二分に活用できる部活動であっても、3つの要点をおさえていないと内定にはつながりません。それぞれ確認していきましょう。

最優先で伝えたいのは自分が持っている「強み」

最優先に伝えるべきことは自分の「強み」です。自己PRとは、「自分の強みを伝える手段」に他なりません。自分が持っている「強み」は文章内で最も訴えたい部分といえます。話の内容を考える前に、自分の強みを明確にしてください。

文章として書く際は強みを冒頭に持ってきます。冒頭に主張(=自分の強み)を持ってくることで、文章の明確さが格段に向上し、論点もブレません。そのため、相手に自分の強みを短時間でストレスなく理解してもらえます。

また、結論(=主張)を先に述べることは、ビジネスシーンでも必須のスキルです。結論を把握し、最優先に伝えるのが鉄則と覚えておいて損はありません。

自分のアピールポイントに繋がるエピソードを構築する

話の内容は、必ず自分の強みに繋がるものにします。ストーリーは、自分の強みを裏付ける重要なものです。途中の文章は、自分の強みを証明するためにあると言っても過言ではありません。

どれだけ自分の強みを主張しても、話の内容と関連性がなければ低評価でしょう。話の内容を選ぶ際は、自分の強みに繋がるか否かにのみ焦点を当てて選ぶのがオススメです。良い話を選ぶのではなくあくまで自分の強みに繋がる話を選びましょう。

強みに繋がる話が見つからないという方は、紙に出来事を洗い出してみてください。紙に書き出すことで頭が整理され、強みに繋がる物語が見つかるはずです。

エピソード内では企業に貢献できる要素を明確に示す

話を通して貢献できる人材だと明確に示しましょう。そもそも就活とは、例外なく内定をもらうためのものです。内定を目的とした場合、自分が貢献できる人材だと示す必要があります。文章を読んで、「必要な人材だ」と感じてもらえたら文章は成功といえるでしょう。

貢献できる要素を示すために重要な役割を果たすのが、「話の内容」です。話は自分の強みに繋がっていることはもちろん、相手のニーズを汲み取ったものがベストです。具体的には、「〜だから私は貴社に貢献できます」と文章を締められる内容にします。なぜ企業に貢献できるのかが明確な文章を意識してみてください。

自己PRで部活経験をアピールするために考えることは3つ

そもそも自己PRで部活はアピールとして有効なのか

中には、そもそも部活は就活に有効なのか疑問に思っている方もいるはずです。結論から言うと、とても有効です。部活が就活に有効な理由は主に2つあります。

1つ目は「組織の経験」です。部活に所属することは、「組織に属する」ことを意味します。競技や活動内容は違っていても、一つの組織で共通の物事に取り組むというプロセスは同じです。組織で同じ目標や活動に取り組む構図は、会社そのものといえます。組織に属し、集団で一つのことに取り組んだということは、採用する側にとって魅力的なものです。

2つ目は「課題の経験」です。部活を行なっていると必ず課題に直面します。個人単位でも組織単位でも、このプロセスが部活には不可欠です。当然入社後も同様の状況は出てきます。課題に直面した際、向き合い乗り越えられるか否かは、社会人として重要な資質です。その点、社会に出る前に課題の経験がある部活は、高評価の対象となります。

自己PRで部活の経験アピールを企業に印象づける6つのポイント

印象づける要点は6つです。部活は経験としての価値が高いので、6つの要点をおさえることで効果的な文章にすることができます。6つの要点をそれぞれ解説していますので目を通してみてください。ポイントを踏まえて、担当者の印象に残る文章を作っていきましょう。

当時の役職は重要ではない

まず、部内での役職は重要ではありません。大切なのは自分が組織にどのように貢献したのか、どんな強みを発揮したのかです。部活での物語は自分の強みを裏付け、自分が必要な人材であることを示すためのものといえます。

大切なのは、キャプテンだった事実よりもキャプテンとしてどうしたのか、という物語です。役職についていなくても、話の内容から必要な人材であることが伝わりさえすれば、十二分魅力的な文章となるでしょう。

とくに役職についていた人ほど「役職は重要ではない」という事を忘れないでください。キャプテンや主務、総務という役職は一度忘れて、自分の行動に目を向けましょう。

部活での実績についても同様

大きな実績を上げていない方の中には、自慢できる事なんてないと考えている方もいるでしょう。しかし、役職と同様実績も重要ではありません。大切なのは結果ではなく、背景や行動したかどうかという過程です。結果が出ていなくても、その過程には必ず自分の強みがあります。過程を通して、自分が必要な人材であることを明確に示しましょう。

だからといって実績が全く使えないかというとそんなことはありません。実績を活かすコツは、結果が出るまでの過程に焦点を当てることです。成果を出すために取り組んだことや、意識したことを述べましょう。自分が考えて行動したことがどう結果に繋がったのか明確に示せれば、強力な文章となります。

部活内で自分が果たした役割はアピール要素

部内で自分が果たした役割に目を向けましょう。部内(=組織)で果たした役割が重要な要素となり得る理由は、会社が組織そのものだからです。組織全体を俯瞰(ふかん)した上で自分の役割を把握し、組織に貢献するための行動をとる、という一連のプロセスは、入社後に求められる能力でもあります。

「組織にどう貢献したのか?」という視点を持ち、文章を考えてみましょう。組織の中での役割や自分が組織のためにとった行動を明確に伝えることができれば、大きな加点となります。

「自分」を売り込むことを意識して考える

就活では、いかに自分を売り込むかが重要です。常に自分を売り込むことを意識して文章を考えましょう。ただし、自分に求められていることが何なのかを考えず、やみくもに自分を売り込んでもうまくいきません。自分を売り込む際、大切なのは相手の立場に立って考えることです。

相手はどんな人材を求めているのか、自分が逆の立場だったら読んでどうか、などできる限り相手側から物事を見ましょう。相手の立場に立つことで、自然と自分の売り込み方が分かるはずです。

また、企業が求めている人材を知るためにオススメなのが、ホームページを確認することです。ホームページには、ミッション、ビジョン、バリューなど、社員の行動指針となるものが掲載されています。その内容からどんな人材が求められているのかを考え、文章に落とし込んでみてください。

説明は相手に分かりやすく、かつコンパクトにまとめる

文章は、相手に分かりやすく、かつコンパクトにまとめることが基本です。分かりやすい文章を書くうえで心がけたいのが5W1Hの徹底です。5W1Hとは、いつ(when)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、を表した言葉です。5W1Hを整理することで、伝えたいことを明確に分かりやすく相手に伝えられます。

また、相手に分かりやすい文章を作る際、時間を置いて文章を見直すことも効果的です。時間を空けることで客観的かつ冷静な視点で文章を見ることができるでしょう。書いている時には気づかなかった、違和感や分かりにくさに気付けるメリットがあります。第三者に文章を見てもらい、文章におかしなところがないか確認してもらうのもオススメです。

自己PRで部活の経験アピールを企業に印象づける6つのポイント

自己PRで部活の経験をアピールしやすい例文(運動部編)

例文1:サッカー部

『私はどんな逆境にも屈しない不屈の精神を持っています。部員140名を誇るサッカー部に所属しており、レギュラーを取るため日々練習に努めていました。しかし、大けが(椎間板ヘルニア)をしてしまい、医師からは選手としての復帰は厳しいだろうと言われました。

そこで諦めるという選択もできましたが、私は常に「自分ならできる」という強い信念を持ち、1年半に及ぶリハビリに取り組み続けました。その結果、プレイヤーとして完全に復帰することができたのです。社会に出ても逆境があるかと思いますが、絶対に諦めない強い気持ちを持って乗り越えます。貴社に入社後も、いかなる困難も乗り越え必ず飛躍します。』

例文2:野球部

『私は、チームの利益を最優先にサポートすることが得意です。大学時代野球部に所属しており、ポジションはキャッチャーでした。ある日野球部のコーチが辞めることとなり、現役選手の中から後輩の指導者を一人出すことになったのです。それぞれ自分の目標もある中で、指導者をやる人はなかなか出ませんでした。

そこで私は、チームとしての結果を最優先に考え、自ら後輩の指導者に立候補しました。自分が活躍するのを諦め、チームのサポートに徹するのは勇気のいる決断でしたが、それでもチームとしてもっと上を目指したいと考えたのです。その結果、最後の大会ではチーム一丸となって過去最高タイの記録を出せました。

働く上でもチームワークは必要不可欠だと考えます。私はこの経験を活かし、チームとしての目標を最優先に、自分ができることを考えサポートすることで貴社に貢献します。』

例文3:バスケ部

『私は、リーダーシップを持って目標達成のために必要な行動がとれると自負しております。大学時代にバスケ部の部長をしていました。部では、県大会ベスト4を部の目標としていました。練習試合では、終盤で逆転負けすることが多かったので、ベスト4に行くためにはチーム全体の体力を上げる必要があると考えたのです。

そこで私はチームの体力アップを図るため、朝練にランニングメニューを取り入れました。新しいメニューを取り入れるにあたっては、目標のためにランニングメニューが必要な理由をチームやコーチに説明し、納得してもらいました。毎日ランニングメニューを続けた結果、試合終盤でも体力が続き以前のように逆転負けすることが無くなったのです。

最後の大会ではリードを守り抜き、目標としていたベスト4を達成することができました。貴社に入社後もリーダーシップを発揮し、チームの目標はもちろん、会社のミッション達成のために必要な行動をとり続けていきます。』

自己PRで部活の経験をアピールしやすい例文(文化部編)

例文1:演劇部

『私の強みは、物事に柔軟に適応し主体的に学べることです。私は演劇部に所属しており、裏方をしていました。しかし、舞台2週間前に役者がケガをしてしまい、代役をやる事になったのです。裏方経験しかなかったので不安はありましたが、役をこなすために人一倍練習しました。

大学の講義以外の時間は台本を覚え、顧問の元に毎日通いアドバイスを受けました。夜は役者としてキャリアが長い友人宅に行き演技の練習を中心に行いました。その結果、代役をつとめあげることができ、舞台も大盛況で幕を閉じたのです。

仕事においても、予期せぬ事や分からない事は必ず出てくるはずです。いかなる事に対しても、主体的に学び適応することで、貴社に貢献できると確信します。』

例文2:吹奏楽部

『私の強みは、協調性を持って課題を解決できることです。私は大学時代に吹奏楽部に所属していました。吹奏楽部では定期コンサートに向け、上級生を中心に各々がパート練習に取り組んでいました。

しかし、各々がパート練習に集中することで、部全体としての一体感は薄れている状況でした。とくに、下級生とのコミュニケーションが取れておらず、下級生と上級生の間にメンバー意識がない状態だったのです。

私は、定期コンサートを成功させるためには、部で一体となることが必要だと感じました。そこで、全員練習の日を週1で設けようと、顧問と部長に提案しました。提案が通り、全員練習の日が設けられると、自然とメンバー間にコミュニケーションが生まれ、部としての一体感が向上しました。全員が一丸となることで定期コンサートは成功しました。

とくに舞台袖で見ていた下級生が、コンサートの成功を心から喜んでいる姿が印象的でした。私は社会人としても、組織全体のことを考え、協調性を持って目標達成をサポートし、貴社に貢献します。』

例文3:ボランティア部

『私は物事を冷静に分析することができます。ボランティア部として、地方移住者を増やす活動をサポートしてきました。私がサポートしていた地域では、移住者が増えずに悩んでおり、もっと魅力的な地域にするには何が必要かという話し合いがなされていました。

しかし、私はこの地域に移住者が増えない原因を、魅力度ではなく認知度にあるのではと考えました。そこで、ネット上で簡単なアンケート調査を実施したところ、そもそも地域自体が知られていないことが分かりました。

その後、SNSを中心に田舎暮らしや棚田の景色を配信するなど、広報活動に力を入れました。すると、移住相談者の数は前の年に比べ1.5倍増加しました。仕事で起きる課題にも必ず原因があるはずです。私はこの経験を活かし、物事や課題を冷静に分析し解決策を実行することで、貴社に貢献します。』

まとめ

ここまで自己PRで部活経験をアピールする方法を解説してきました。文章を考える際は、強みを最優先に伝える、アピールポイントとエピソードを繋げる、企業に貢献できる理由を明確に示す、の3つに注意しましょう。

部活は経験としての価値が高いため、書き方のポイントをおさえることで十分高評価を狙えます。部活内での役職や結果は重要ではありません。大切なのは、エピソード(=過程)です。

今回紹介した内容には、魅力的なエピソードを書くためのコツがたくさん詰まっています。ぜひ、当記事を参考に部活動を自己PRに活用し、就活に役立ててください。

まとめ
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