コンピテンシー面接とは?
「コンピテンシー面接」とは何なんでしょうか?
言葉で説明するより以下の例を見てみたほうが早いと思いますのでご確認ください。
以下面接官Aと学生Aの会話をご確認ください。
面A:「過去1~2年の間に、あなたが特に力を入れて取り組んだことの中で、ご自分で成果が上がったと思われる取り組みには、どのようなものがありますか?」
学A:「オーケストラ部で各地でのコンサートで演奏していました」
面A:「あなたはオーケストラ部の活動にどのような立場で関わり、どの立場で何か成果を上げたというようなことはありますか?」
学A:「3年生の時、副部長で、アメリカへの演奏旅行を企画実施し、成功させました」
面A:「アメリカへの演奏旅行を実現するというテーマに取り組むにあたって、一番最初にあなたがしたことは、どんなことでしょうか?」
学A:「既に実施している他大学のグリークラブに実際に会って、情報収集から始めた」
面A:「情報収集をするにあたって、具体的に最初にあなたが行ったのはどんなことでしたか。いつ、どこで、誰と会って、どんな情報を集めたのですか?」
学A:(詳細に話す)
面A:「その結果どうなりましたか?」
学A:(詳細に話す)
面A:「情報収集では、次に何をしましたか?」
学A:(詳細に話す)
面A:「その結果どうなりましたか?」
学A:(詳細に話す)
面A「情報収集の段階で特に苦労したことはありますか?」
学A:(詳細に話す)
面A:「情報収集の段階でほかに行ったことはありませんでしたか?」
学A:(詳細に話す)
面A:「それでは、情報収集の次にしたことというと、どのようなことになりますか?」
学A:「今お話したことが全てです」
面A:「その計画書は、いつ、誰が用意したのですか?」
学A:「計画書を作成し、ミーティングで発表したことです…」
・・・以下続く。
(出典:『コンピテンシーマニュアル』川上真史著)
以上のように、
コンピテンシー面接とは、『その人の行動を細かく、細かく、ひたすらに細かく聞く面接』のことを指します。
コンピテンシー面接の言葉の由来ともなっている”competency”とは和訳すると「高業績者の行動特性」という意味であり
つまるところ「この学生は成果を出すに足り得る行動パターンをしているか」を図るための面接が、コンピテンシー面接なのです。
つまり、上の例で言えば面接官が聞きたいのは「オーケストラ部での活動」ではなく
「この学生はオーケストラ部での活動をどういった行動パターンで取り組んでいたのか」なのです。
その行動を細かく聞くことで、面接官は、学生に能力があるのか、、偶然成功したのでないか等を判別しやすくなります。
「あなたの役割は?」と聞かれて「なにもありませんでした」と答えてしまったり
「どうしてその行動をとったのか?」と聞かれて「なんとなくです」と答えているようでは
「その行動の再現性が無い」つまり「会社に入っても仕事が出来ない人材」と判断されてしまうので、当然面接では良い評価をされません。
つまり、コンピテンシー面接には、
①企業が学生に求める能力が予め決まっている
②どういった質問を通してその能力があるかを判断するか決まっている
③どういった判断基準でその能力が決まっている
という、言ってしまえば対策がある程度容易である、裏を返していうと対策をしっかりしていないと「必ず苦戦してしまう」という鬼門の面接なのです。
コンピテンシー面接には苦戦をしている学生が数多くいます。
では、そのコンピテンシー面接を採用している企業にはどういったところがあるのでしょうか。
有名どころを見ていきましょう。
コンピテンシー面接を採用している企業
【東京海上日動火災保険株式会社】
東京海上日動の1次面接(グループ面接)はコンピテンシー面接であると言われています。
1人あたりの持ち時間は10分程度と短いですが、しっかりと行動特性を聞かれるようです。
【株式会社リクルートホールディングス】
リクルートの各社(リクルートホールディングス、リクルートライフスタイル、リクルートキャリアetc)の1次面接もコンピテンシー面接であるといわれています。
ただ、リクルートの場合は社風もあってか、かなり穏やかな雰囲気の中で面接が行われるためずいぶん答えやすいそうです。
【ソニー株式会社】
選考を通じてコンピテンシー面接がなされる代表的な企業です。ちなみにSONYの採用HPには
「実際に行った事実を自分の言葉でわかりやすく、できるだけ場面が浮かぶような説明をしてアピールされることを期待しています」
「皆さんの成果やその規模を問うものではありません。皆さんが今まで取り組んだことで、ご自分で考え、実際に行動し、
状況を見ながら工夫をこらした事実をお話しいただきたいと思います」
との記載があり、コンピテンシー面接を実施することが伺えます。
コンピテンシー面接の対策法
ではどうやってコンピテンシー面接の対策をすればよいのでしょうか。
答えはたった一つです。
「再現性」を証明すればいいのです。
先ほどもご紹介した通り、企業が求めるのは”competency”つまり、「高業績者の行動特性」です。
「学生時代頑張ったこと」というテーマを通していくつもの質問を投げかけ、その人の成功に対するアプローチが、
会社に入っても再現性あるものかをチェックしているのです。
そしてポイントも以下の3つに決まっています。
①企業が学生に求める能力が予め決まっている
②どういった質問を通してその能力があるかを判断するか決まっている
③どういった判断基準でその能力が決まっている
つまり、
①企業が学生に求める能力を把握する
②企業がどういった質問をしてくるかを予想する
③どの程度まで話すことができれば「基準を満たしている」と判断してくれるかを考える
この3つができれば、確実にコンピテンシー面接をクリアできます。コンピテンシー面接はいわば「面接の最高峰」ですので、
この対策が出来てしまえば就活における面接など、怖いものなしと言って良いでしょう。
では以下でそれぞれの具体的な対策法をご紹介します。
①企業が学生に求める能力を把握する
ありきたりな様に思えますが、実はこの作業がとても重要です。
そもそも、コンピテンシー面接を通して見たいのは、「再現性」でしたね。
何を再現できるかを見ているかというと、
「この学生はうちの会社に入ってもこういう行動をしてくれるだろう、だから活躍できるはずだ。」という「成果を出すための行動フロー」の再現性でした。
そして、この「成果を出すための行動」は、当然会社によって違うわけです。
もっと正確に言うと、「業界によって違う」と言えるでしょう。
極端な例ですが、サッカーで成果を出す人と、将棋で成果を出す人に求められる行動は違いますよね?
それなのに、例えば将棋の面接で「僕は運動神経があります!」「僕は集団を統率する力があります!」と言ってもナンセンスなのです。
「業界によって、求められる行動が違う」
これは非常に重要な観点ですので、覚えておいてください。
以下に簡単ですが、コンピテンシー面接が行われる可能性のある会社について、
業界ごとに求められる行動をまとめました。これを基にして次章の話を進めます。
②企業がどういった質問をしてくるかを予想する
これに関しては簡単です。
コンピテンシー面接は、質問の型がある程度決まっています。
先ほども説明した通り、業界ごとにある程度求める行動は異なりますが、それを「どういう質問を通して聞くか」は共通しているということです。
以下に具体的な質問の例を挙げましたので、参考にしてください。
質問の型がある程度決まっているので、「学生時代頑張ったこと」は基本的にこのフローで回答を用意しておけば対応できるはずです。
また、このフローで回答の準備を予め用意しておくことで、自分の話にストーリー性がつくことが分かるかと思います。
では、どの程度話すことができれば、面接官も納得する「再現性」をアピールできるのでしょうか。
③面接官の判断基準
これもまとめると一つに集約されます。
それが、「課題→分析→行動→成果の流れに”納得性”があるか」です。
ここでいう”納得性”とは、「この課題に対して、こういう分析をして、こう行動したら、こういう結果になった」という一連の問題解決の流れが、
会社に入ってもある程度「通じる」と感じるかどうかということです。
何度も言いますが、面接官が聞きたいのは「再現性」です。
例え、先に挙げた条件の
①企業の求める能力が分かっていて、
②どれに対する質問にも準備が万全!
であっても、それが実際に再現性が無い、あるいは再現性はあるが制度が低く、会社に入ったら通用しないようでは、面接官は評価してくれません。
以下に、「課題→分析→行動→成果」の各フローについて注意すべきことをまとめましたのでご確認ください。
まとめ
コンピテンシー面接は、「再現性」を求める面接です。
慣れるまではなかなか苦戦するかと思いますが、この面接ができるようになるとあらゆる企業の面接に自信を持って対応できるようになることを保証します。
ぜひ本記事を参考にして、コンピテンシー面接を乗り切ってください。
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