税務に関する事項。

以前、会社の経営理念の話を書きました。経営理念は、新卒の会社説明会でも、詳しく説明されるでしょうし、学生サイドもこれを志望動機の根幹に据えることが多いので、馴染みがあるでしょうね。

その経営理念を成就するために、会社は商品を売りまくり、利益をあげることで成長し、自己実現を図っていくということも書きました。その成長の度合いを、数字で客観的に表したものが通信簿になります。

通信簿のことを正確にいうと、「貸借対照表(バランスシート)」「損益計算書」「付属明細書」「キャッシュフロー計算書」・・・難しい言葉が並ぶので、これ以上書きませんが、いろんな種類があり、これらは法律で、作成法上や表現方法もキッチリ決まっています。

これら通信簿を作成後、その結果を基に、会社が支払うべき税金を計算して支払います。会社の税金は、結構多岐に渡るし、計算もめんどくさいので、規模の小さい会社は、税理士にお願いするケースがほとんど。でも上場企業は、原則として内部(つまり社内)で計算しています。

実は、経理部が通信簿を作ることと、税金を支払うことは、業務上はもちろんしっかりと繋がっているのですが、一方で、この2つの業務の指針となっている法律が、全く異なるものなのです。通信簿は主に「会社法」、税金計算は「税法」で、この2つは、たまに見解でケンカすることがあり、経理部の人間も困ることが多い。まあこれは、話し出すと眠くなるので、そういうものなんだ、くらいの理解でいいです。経理部に配属になった人は、その時しっかり覚えて下さい。

税務調査の対応。

あと、これは、本当は無いに越したことはないのですが、何年かおきに「税務調査」という非常に嬉しくない業務が入ってしまうことがあります。税務署が会社にやってきて、払い忘れてた税金はないか(申告漏れはないか)?を、ご丁寧にも調べてくれる訳です。

たまに有名芸能人の、○億円の申告漏れ!なんてニュースが流れることがありますよね。これなんかは、まさに税務調査を受けた証。見解の相違もあるので、決して悪人じゃないのだけど、ニュースになると、何となく悪さしてお金を溜め込んだな、みたいな印象になってしまい、ちょっとかわいそうなときもありますけどね。これがあると、まず間違いなく追加の税金を支払う(追徴課税)ことになるし、踏んだり蹴ったり。

経理部と財務部との関係。

以上が経理部の説明ですが、最後に財務部との関係について触れておきます。ここまで書いてきた内容で判るように、財務と経理は業務上、一本の線で繋がっています。兄弟部署。

でも実際は水と油の関係。これは、別に仲が悪いという意味ではなく、カネを実際に扱う部署と、その結果を記録する部署が同じではマズイ、という意味なのです。お小遣いを使う人と、使い道を記録する人、これは個人ベースでは、同一人物でも構いませんが、会社だとマズイ。不正がまかり通る可能性があるから。もし財務の責任者が、自分の架空口座に勝手にカネを振り込んで、その記録も自分で出来るとすれば、その不正は埋もれてしまう。これを防ぐために、常に財務と経理はお互いの仕事をチェックし合い、睨みをきかせています(これを内部牽制といいます)。

財務部と経理部。書き言葉にすると、難しくなりますね。まあでも、実際に中に入って業務を行ってみるとルーチンワークがほとんどだから、飛び込んでしまえば、今書いてきたこともスンナリ理解できるようになりますけどね。

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