楽天とは?

もともと、日本興行銀行出身の三木谷浩史が起業した株式会社エー・ディー・エムを起源としています。この会社はECモールを運営する会社であり、のちに楽天市場が誕生することとなります。

各企業が自社商品やサービスをインターネット上で販売するサイトをECサイトといい、それらを集めてショッピングモールのようにしたものをECモールと呼びます。ECは「Electronic Commerce」の略称です。楽天市場を見てみるとわかりますが、さまざまな企業の商品を比較しながらネット上で購入できるのが便利ですよね。

楽天市場をきっかけに急成長を遂げ、今では楽天グループとして多くの事業をおこなっています。楽天グループは、サービス事業別に分かれた5つのカンパニーと、グループ全体のコーポレート機能を担うグループヘッドクォーターに分かれます。

・コマースカンパニー
 買い物や生活、レジャーに関するインターネットサービスを提供
 例:楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベル、楽天ラクマ

・フィンテックグループカンパニー
 クレジットカードや決済サービスなどの金融系サービスを提供
 例:楽天ペイ、楽天カード、楽天銀行、楽天Edy

・アド&マーケティングカンパニー
 オンラインメディアやマーケティングソリューションなどのサービスを提供
 例:楽天みん就、楽天レシピ

・コミュニケーションズ&エナジーカンパニー
 携帯事業などの情報通信、電力、エネルギー関連、デジタルコンテンツなどのサービスを提供
 例:楽天モバイル、Rakuten TV、楽天エナジー

・インベストメント&インキュベーションカンパニー
 国内外のコーポレート事業、投資事業などのサービス提供、新サービスの開発や提供
 例:楽天キャピタル、楽天ファーム

・グループヘッドクォーター
 楽天グループ全体の組織力を高めるための部署

 開発部門(エンジニア)
 RIT(楽天技術研究所)
 財務・経理
 法務・知的財産・内部監査
 人事・総務・コーポレートコミュニケーション
 戦略・経営企画
 楽天キャピタル
 顧客戦略統括部
 マーケティング&デザイン総括部
 グローバルマーケティング統括部
 マーケティングディビジョン(企画管理)

楽天とは?

楽天の年収

では楽天に入社するとどのくらいの年収になるのか見ていきましょう。
各企業の平均年収を知るには、「有価証券報告書」を見るのがおすすめです。
楽天の過去10年の平均年間給与は次の通りです。

2020年 745万円
2019年 755万円
2018年 720万円
2017年 707万円
2016年 689万円
2015年 671万円
2014年 660万円
2013年 652万円
2012年 632万円
2011年 681万円

全体的に平均年収が増加していることがわかります。なお、国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によると、2019年の正規社員の平均給与は503万円ですから、平均よりも高いことがいえます。

楽天の年収

【なぜ?】楽天の年収はなぜ高いのか

◇金融系サービス・インターネットサービスが好調!

ではなぜ楽天の年収は増え続け、平均よりも高いのでしょうか。
それは業績が好調であるからです。特に金融系サービスのフィンテック事業と、インターネットサービスが注目されています。皆さんも楽天カードのCMをよく見るのではないでしょうか。近年のキャッシュレス決済が普及している流れや、コロナ禍もあいまって在宅でのショッピングが盛り上がっています。
 

◇楽天グループという1つの経済圏がある

また、楽天は先ほども紹介したように、様々な事業を展開しています。それゆえ、楽天グループ全体が1つの経済圏になっているのです。楽天グループは9000万人以上の会員を抱えており、会員は1つのIDで多岐にわたるサービスを利用することができます。つまりこれらの楽天経済圏に蓄積されたデータを基に、より会員に合ったサービスを提供できたり、新しいサービスを生み出すことができます。コストをかけずに楽天グループ内での流通総額を増加させることができるため、今後も成長が見込まれます。

【なぜ?】楽天の年収はなぜ高いのか

【職種別】楽天の初任給

では2022年の新卒採用の募集要項をもとに、就活生には必見の楽天の職種別の初任給を見てみましょう!
 

楽天の新卒採用の概要

楽天の採用は「ビジネス総合コース」と「その他コース」に分かれており、「その他コース」は年によって募集コースが異なります。またエンジニア採用は通年採用をおこなっているのも特徴の一つです。
 

ビジネス総合職コース

前述したように楽天グループは多岐にわたるサービスを展開しています。
そのため、このビジネス総合職コースはすべてのサービスが配属対象です。
初任給は学部卒で30万円、院卒で31万円となっており、月40時間分の固定残業代が含まれています。(2022年採用の場合)
 

その他コース・FinTechコース

クレジットカードや電子マネーの楽天Edy、スマホアプリ決済サービスの楽天ペイ、銀行や証券、保険などの金融系のサービスに関わって、長期的なキャリア形成を希望する人向けの採用です。こちらも初任給は学部卒で30万円、院卒で31万円となっており、月40時間分の固定残業代が含まれています。(2022年採用の場合)
 

その他コース・コーポレートコース

2022年の採用では知財コース、法務コース、財務経理コースが募集されています。
知財コースは主に先端技術の特許やブランド保護のための商標などを扱う部署です。楽天ブランドを守るための業務と言えるでしょう。
法務コースは主にプロジェクトを進める際の法関係の手続きなどを担う部署です。
そして財務経理コースはその名の通り、予算管理や経理業務などをおこないます。
こちらも初任給は学部卒で30万円、院卒で31万円となっており、月40時間分の固定残業代が含まれています。(2022年採用の場合)
 

その他コース・クリエイティブコース

クリエイティブコースは、楽天グループのブランドやデザイン、マーケティングの観点から、既存のサービスの品質をより高める業務を担う職種です。例えばデジタルマーケティングを用いて、より顧客の購買意欲が上がるようなサイトを運営するなどです。企画・プロデュース、デザイン、リサーチ・解析、プロジェクトマネジメント・ディレクションが業務内容例として挙げられます。
こちらも初任給は学部卒で30万円、院卒で31万円となっており、月40時間分の固定残業代が含まれています。(2022年採用の場合)
 

エンジニア職

楽天のエンジニア職の採用は少し特殊です。
まず新卒一括採用はとらずに通年採用をしており、入社時の給与もその人の能力に応じて確定されます。また入社時期も決まっていないため、自分のタイミングで入社月を決めることができます。ただしエンジニア職の採用ですから、プログラミングやアプリケーション開発の経験などが必要です。給与は月額30万円~となっています。

【職種別】楽天の初任給

楽天の評価制度・給与の決まり方

新卒で入社した場合の初任給が確認できましたが、ではどのようにキャリアアップするシステムがあるのでしょうか。
 

楽天はグレード制を導入

企業の人事評価にはそれぞれの特色が良く反映されます。昔からある日本型の評価制度が職能資格制で、これは個人の職務遂行能力を評価するものです。個々人の職務に対する能力を評価の対象にするため、どうしても長期間会社に所属する人のほうが能力を評価されます。そのため年功序列的な運用になりやすいのが特徴です。

一方で、企業側が社員が果たすべき役割やミッションを設定して、それに基づくパフォーマンスを評価する制度をミッショングレード制といいます。楽天はこの評価制度を採用しています。つまり、年齢や在籍年数に問わず評価ができ、会社での役割の大きさとマッチした給与になります。具体的に見てみましょう。
 

コンピテンシーとパフォーマンスをもとに評価される

①コンピテンシー評価
これがミッショングレード制でいう、企業側から提示される社員の果たすべき役割やミッションです。仕事のプロセスにおいて発揮された能力(コンピテンシー)を基に評価され、月額給与に影響します。
楽天では11項目の要素(チャレンジ、革新、Get Things Done、戦略策定、人・モノを動かす、仕組化、スピーディーな判断、当事者意識、人材育成、チームビルディング、顧客価値の向上)が定義されており、各項目を細かく評価し、その総合評価から個々人に格付けが与えられます。
格付けはC(契約社員のみ)、B、BB、BBB、A、AA、AAAがあり、格付けが上がるごとに年収が上昇していきます。新卒の正社員はグレードBからスタートすることがほとんどです。楽天は実力主義であるため、このあとの上がり幅は個々人で異なりますが、大体約2年目でBBになり、入社3~5年でBBBになりここで年収550万~650万になるようです。

評価基準は公開されています。そのため次のグレードへ上がるために自分が何をすべきかがはっきりと見えます。またコンピテンシー開発研修という、自身のコンピテンシーを開発するための研修もおこなわれています。

※コンピテンシー:職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性。

②パフォーマンス評価
パフォーマンス評価はそれぞれがおこなった仕事の成果を評価するものです。この評価によって業績賞与の額が決まります。

楽天の評価制度・給与の決まり方

楽天と競合他社の年収の比較

楽天は様々な事業を展開しておりますが、主にIT・EC業界に属します。
主な競合他社の平均年収も一緒に確認しましょう。
 

ヤフー株式会社

765万円
 

株式会社メルカリ

820万円
 

アスクル株式会社

785万円
 

株式会社エニグモ

586万円
 

株式会社DeNA

821万円
 

Amazon

有価証券報告書はありませんが、Amazonジャパンの平均年収の推測値です。
約857万円

まとめ

楽天の平均年収を中心に、どういう事業をおこなっているのかや、楽天の社内評価についてなどを解説してきましたが、いかがでしたか。日系企業にありがちな年功序列の評価や給与とはかけ離れた、個々人の能力を重視する社風であることがわかりました。若いころから実力があれば評価されるのは嬉しいことですが、一方で楽天に入社したからといって、年次が経つにつれて必ず給与が上がるわけではありません。高収入を目指すのであれば、入社後も学ぶ姿勢を忘れずに、何事にもチャレンジして結果を出す力が必要ですね。

まとめ

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