【締め方を考える前に】ガクチカから何を知ろうとしているのか?

評価が高いガクチカの締め方を考える前に、採用担当者がガクチカを聞くことで何を知ろうとしているのかを確認しましょう。
 

・論理的な思考能力や分析力を測るため

これから解説もしていきますが、ガクチカでは「過去に力を入れた出来事は何か」「その時に何を考えたのか」「それを通して自分は何を学んだのか」を書いていきます。そのためガクチカを作成するには自己分析が必要です。採用担当者はガクチカを通して、そうした自己分析能力があるかどうかや、過去の出来事において「どんな思考力を発揮して課題を乗り越えることができたのか」といったことを見ています。つまり思考力、分析力を測っています。なぜなら仕事をするうえでもこうした思考力や分析力は必要になるからです。
 

・コミュニケーション能力があるかどうか

ガクチカを語らせることで、その人のコミュニケーション能力を見ることができます。
きちんと相手の立場に立ってわかりやすい言葉で説明をしているか、物事を伝える姿勢ができているか、話の筋は通っていてわかりやすいかなどです。会社で働く際は人とのコミュニケーションが必須です。問題なくコミュニケーションが取れる人物であるかどうかを確認しています。
 

・学生の価値観や個性を知るため

ガクチカは学生時代に力を入れたことをただアピールするだけではありません。なぜその取り組みに力を入れようと思ったのか、どんな風に取り組んだのかなど具体的に話をします。そこから採用担当者は、その人が元々どんな価値観や考え方、物事に取り組む姿勢を持った人なのかを汲み取ります。いままで持っていた価値観や考え方は、今後の仕事の取り組み方にも影響するからです。
 

・自社に合う人材か確かめるため

価値観や考え方を知ることは、同時に会社の風土に合う人材なのか、入社後に活躍が期待できる人材なのかを判断することにも繋がります。会社に属して仕事をすることはチームワークでもあります。風土に合っていないのに入社してしまっては、その人のためにもなりません。そのため自社に合う人材であるかどうかは採用試験において重要なポイントです。

【締め方を考える前に】ガクチカから何を知ろうとしているのか?

論理的な締め方にするために!ガクチカで意識したい3つのコト

採用担当者がガクチカで知りたいことがわかりました。
それを踏まえて、ガクチカを作るうえでのポイントを抑えましょう。採用担当者が「欲しい」と思う情報を論理的に話しつつ、良い締め方で終わるガクチカを作るための確認です!
 

・構造を意識して伝わりやすい文章にする

いくら最後の締め方が良くても、中身の構造がガタガタでは意味がありません。ガクチカに限らずですが、面接やES作成では文章を論理的に組み立てられているかをチェックしましょう。論理的な話は、相手にとって聞きやすくもなりますし、自分自身にとっても今何について話しているのかを客観的に意識することができます。
 

・自分の価値観や個性を意識して書く

ガクチカは学生時代に力を入れたことの事実を述べるだけではありません。自分の考えを多く盛り込んだほうが魅力的なガクチカになります。よくあるパターンが具体性を追求しすぎて、自分がそのときに何を考えていたのかが全く見えないガクチカです。何があったのかはわかりますが、どんなことを考える人なのか、どんな個性を持った人なのかがわからないと、採用したいという気持ちも浮かびません。事実だけではなく、自分の考え方も書くように意識しましょう。
 

・企業の求める人物像を意識して書く

文章も論理的に構成し、自分の考えや価値観も見えるエピソードになったとはいえ、企業の求める人材に合わなければ意味がありません。そこに無理に合わせようとしなくてもいいですが、きちんと「企業が求める人材」というゴールを見据えて、アピールをしなければいけません。そのためには企業研究が重要です。活躍している人材はどんな人たちなのか、社員の雰囲気はどんななのか、どんな人材を幹部は求めているのかを企業のホームページや説明会を通して研究しておきましょう。
 

・具体的に書く

先ほど具体性を追求しすぎて事実を書きすぎるのは良くないといいましたが、これは自分の考えが見えないエピソードは評価が下がるというところで、何事もバランスが大切です。具体的に書くということは、例えば「お客様に満足していただけるように努力を惜しみませんでした」ではなく、どんな努力をしたのかを具体的に書くということです。そこでも何を思ったのか、どう考えてその努力をしたのかを書けるとさらに良いでしょう。

論理的な締め方にするために!ガクチカで意識したい3つのコト

【ここが重要】ガクチカの締めに盛り込むべき2つの要素

「企業の求める人材を意識」して学生時代に力を入れたことを「具体的に」「自分の考え」を盛り込みながら、「論理的な」展開で話をしたのち、どのようにエピソード締めると、印象的なガクチカになるかを早速考えていきましょう。
盛り込むべきものは次の2つです。
 

①経験からの学び

一つ目は学生時代に力を入れたことの経験から得た学びが何かを述べることです。「この経験から~ということを学びました」と簡潔に伝えましょう。ただ経験しただけよりも学んだことを一緒に伝えることで、仕事においても学ぶ姿勢を忘れずに取り組んでくれそうだなという印象を与えることができます。
 

②入社後の展望

二つ目はその学びやもともと持っている価値観やスキルを使って、入社後にどのように働きたいか、どのように貢献して活躍したいかを伝えることです。より入社への志望度をアピールすることができますし、未来を見据えた話で締めることで話の着地がはっきりします。

【ここが重要】ガクチカの締めに盛り込むべき2つの要素

さっそく書いてみよう!締め方を意識したガクチカの書き方

論理的な文章にするためには、全体の構造を把握しなければなりません。
具体的に物事を述べるときに使えるのがSTAR法という展開の仕方です。
それにそって、ガクチカの書き方を見ていきましょう。
 

S:Situation:状況

まず「状況」、つまりどんな取り組みに力を入れたのかを述べることです。最初に結論にあたる「学生時代に力を入れたこと」を伝えることで、わかりやすい展開になります。どんな考えがあってそれに取り組んだのか、どんな立場で取り組んでいたのかなども一緒に述べましょう。
 

T:Task:目標や課題

あることに力を入れて取り組むうえで、自分なりにどんな目標を設定したのか、あるいはどんな課題や困難があったのかを伝えます。目標や課題を話すことで、いかに力を入れていたのかを表すことができますし、困難への対処の仕方を伝えることもできます。ここでもどんなことを考えてその目標を設定したのかなど、自分が何を考えたか分かるようにしましょう。
 

A:Action:行動

目標や課題のために、どんな行動をしたのか具体的に書きます。数字で表せることは数字を使って話すとよりイメージが膨らみます。どう考えてその行動をおこなったのか、自分が持っているどんなスキルを使って困難を乗り越えたのか、「自分」が見えるエピソードにしましょう。
 

R:Result:結果

行動によってどんな結果になったのかを述べます。ここは簡潔に伝えて、次の締めに比重を置きましょう。
 

締め

この取り組みから何を学んだのか、どんなスキルや考え方が身についたのかを話します。そしてそれらを入社したらどんな風に活かして、どんな働き方をしたいのかを熱意をもって話しましょう。

さっそく書いてみよう!締め方を意識したガクチカの書き方

【最後にチェック】ガクチカの締め方において意識するべきポイント

中身と一貫した締めに

せっかく論理的な話を展開していたのに、最後の締めの内容とガクチカのエピソードでアピールした話に食い違いがあっては意味がありません。何をアピールしたいガクチカなのかを決めて、軸がぶれずに話せるようにしましょう。
 

「学び」から「これからの展望」を必ず書く

この経験から〇〇を学びました、という話の締め方でも悪くはないですが、さらにその学びをどんな仕事に活かせるのかというこれからの展望も語ることで、「きちんと企業研究ができているな」という印象や「入社を見据えた考え方を持っているな」と評価されます。文字数の関係で難しい場合は、例えばESでは学びまで書いて、面接ではプラスしてこれからの展望まで話すというのも1つの方法です。できるだけ「仕事」に繋がる話になるようにしましょう。
 

具体的に書く

これからの展望を語るときに具体性を持たせるとなお良いです。その企業の主力サービスを挙げたり、実際に働いている人の社員の声を参考に、自分も与えられた目標値からこのくらいアップして成果を出したいなど具体的に話をすることで、採用担当者も入社後のイメージを膨らませることができます。

【最後にチェック】ガクチカの締め方において意識するべきポイント

【例文】締め方を意識してガクチカをチェックしよう

では最後にガクチカの例文を締め方に注目して見ていきましょう。
 

アルバイトのガクチカ

【Situation】
私は学生時代、カフェで接客のアルバイトを4年間続けていました。カフェのアルバイトを選んだ理由は、将来的に接客のスキルを活かせる環境で働きたいと考えていたからです。
【Task】
アルバイトを始めたばかりの頃の私は、接客に正解を求める傾向が強く、マニュアル的な対応に終始していたように思います。そのような姿勢では、お客様を不快にさせたり怒らせたりすることこそありませんでしたが、強い感動や驚き、満足といった付加価値を与えられていませんでした。
【Action】
それに気付いてからは、「どう対応するのが正しいのか」ではなく「どのような対応が相手の満足や喜びに繋がるのか」という思考に切り替えて接客をするようにしました。
お礼のカードを手作りして渡す、個人的な話をする、お水のおかわりなど、お客様の要望に先回りして動く、といった工夫を自分なりに実践していきました。最初はマニュアルにない行動を取ることに抵抗もあったのですが、お客様からの好意的な反応が得られるようになると、自信を持って行動できるようになりました。
【Result】
最終的には、常連のお客様から「あなたがいるからこのお店に来ている」と言われるまでになりました。
【締め】
この経験から、接客の極意は相手に寄り添うということだと学びました。御社の業務においても、この学びを活かして、相手に寄り添った接客で顧客満足度を最大化できればと考えております。

参考:https://campus.doda.jp/career/job/000243.html
 
 

ゼミのガクチカ

【Situation】
私が学生時代に力を入れたことは、地理学のゼミ活動です。
地理学のゼミ活動に参加した理由は、高校で地理を履修して、地球上で起こるすべての事象に理由があることを知り、面白いと思ったからです。
【Task】
ゼミでは、担当の教授のもとで全国各地のフィールド調査や過去の文献、資料調査、インタビューなど様々な活動を積極的に行ってきました。ゼミに所属したばかりの頃は、文献調査のみで終わらせたり、インタビューの情報だけを参加にしたりと一面的なアプローチしかしていませんでした。
【Action】
しかし、研究内容をより密度高いものにするために、ひとつの研究課題に対して、文献調査、資料館への訪問、スタッフの方へのインタビュー、専門家への取材依頼、現地調査など多角的に調査をすることにした結果、
【Result】
学会で学生最優秀賞を受賞することができました。
【締め】
この結果から、一面的な情報だけで物事を判断するのではなく、色々なアプローチで物事を考える習慣が身に付きました。御社でも顧客が抱える問題に対して多面的に捉えて、解決へ導くための営業をしていきたいです。

参考:https://01intern.com/magazine/archives/22692?doing_wp_cron=1630550250.6789770126342773437500

【例文】締め方を意識してガクチカをチェックしよう

まとめ

ガクチカの締め方を中心に、ガクチカで何を見られているのか、ガクチカを作成するときのポイントを解説してきましたが、いかがでしょうか。どうしても力を入れて取り組んだことを話せばいいと思いがちですが、何を学んだかとこれからどう仕事に活かしていきたいかを話の締めにもってくることで、より志望度をアピールできることがわかりました。最後に印象を与えられるように、自己分析や企業研究をしてガクチカを作成していきましょう。

まとめ
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