【市場】インターネット広告が大きく成長 新聞、雑誌、ラジオは苦しい状況

広告業界の過去の推移を見てみると、平成17年から平成19年までは若干の増加傾向。平成19年から21年まで減少となりましたが、平成21年以降は再び増加に転じています。
平成25年の日本の総広告費は前年比+1.4%増の5兆9,762億円。前年に続き、2年連続で増加となっております。平成20年の金融危機の影響もあり、落ち込みを見せていた広告業界ですが、東日本大震災の反動増や平成24年末の政権交代後の緩やかな景気回復に伴い、広告費も増加傾向へ。堅調な推移を持続しています。
一方、好調を維持しているのがインターネット広告。平成21年には新聞を抜き、テレビに次ぐ第2位の広告媒体に成長。今後もネット広告の市場規模は拡大するものと見られ、その規模は1兆円を超えるとの試算もあります。
平成25年の媒体別広告費は、インターネット広告が前年比+8.1%の増加を記録。テレビは横ばいに推移したものの、新聞、雑誌、ラジオは前年割れを記録。インターネット広告が堅調に推移する中、既存媒体の広告は伸び悩みを見せています。

【寡占化】電通、博報堂による再編が活発化

近年、大手2社による業界再編の動きが目立っています。
平成20年には業界首位の電通がネット広告大手のオプトへの出資比率を引き上げ。さらに平成21年7月、ネット広告大手のサイバー・コミュニケーションズを完全子会社化。平成25年3月には英イージスグループを買収し、海外展開も加速しています。
また、業界2位の博報堂DYホールディングスはアサツーディ・ケイとの合弁で設立したネット広告大手のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを連結子会社化。さらに同子会社の博報堂は平成21年2月、PRエージェンシーであるケッチャム(米)と業務提携を結びました。
業界首位の電通と2位の博報堂による再編は活発化しており、業界における2社の寡占化は今後も進むものとみられます。

【新たなビジネスモデルを模索】セールスプロモーション分野にも注目

テレビ・新聞・雑誌・ラジオなど既存広告が伸び悩む一方、近年インターネット広告と共に注目を浴びているのが、セールスプロモーションの分野です。
多様化する消費者の嗜好をとらえたマーケティングや店頭の活性化を図るPOP、各種キャンペーン、ブランド戦略など国内消費が落ち込みを見せる現在において、企業にとってセールスプロモーションは欠かせないツールとなっています。
また、そうしたセールスプロモーションとインターネット、モバイルとの連携も見られはじめています。既存の広告媒体が伸び悩みを見せる中、新たなビジネスモデルを模索する広告業界。今後も斬新な広告手法や業界内での再編が活発化することが見込まれ、その動向に注目が集まります。

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