就活の軸はどの会社を選ぶ際にも必要
就活におけるESや面接において、「あなたの就活の軸は何ですか?」という質問がよくされます。「就活の軸」という言葉を聞き慣れない学生は、質問の意図が理解できないため質問に答えることができず、面接官に不信感を与えてしまいます。
そもそも「就活の軸」とは、就職活動で何を基準にして応募企業を決定しているのかという判断基準を指しています。そのためどの企業を選ぶ際にも必要になり、どの企業の面接でも尋ねられる質問になっています。
就活の軸を決めることが就活の成功には不可欠
就活の軸が決まっていなければ、どの業界や職種に応募するべきか把握できないだけでなく、応募する企業に一貫性がなく、面接で指摘されることもあります。そこでまずは、就活の軸を決めるメリットを解説します。
就活時の応募企業を効率的に決めることができる
就活の軸が決まっていると、企業選びの基準が決まります。なにを基準に応募企業を選択するかは人によって異なるからこそ、就活の軸がなければ周りに流されてしまい、どこを受験すべきかわからなくなります。
就活の軸がない学生は、日本にある170万社以上の企業から手当り次第に応募するか、知名度が高かったり、電車に広告を出していたりといった曖昧な理由で応募企業を決定することになります。一方で就活の軸がある学生の場合、やりたい仕事が明確になっているため、応募すべき企業、あるいは応募したい企業をすぐに見つけることができ、短期間に応募先を絞り込むことができます。
転職後のミスマッチを防ぐことができる
「内定をもらえたけれど、入社したら予想と違って後悔した」というのが、就活でよくある失敗です。
「自分がやりたかった仕事内容と違った、思っていたような社風ではなかった」という後悔、そして「こんなに仕事内容を分かってないとは思わなかった、こんな性格だとは思わなかった」という企業の後悔。このようなミスマッチが起こる理由はさまざまですが、そのひとつが就活の軸の不足です。
就活の軸があれば、自分のしたい仕事内容や数年後のビジョンは明確になっています。それがないため、自分に合わない企業を受験して、入社後に後悔することになります。就活の軸があればミスマッチは起こりにくくなるので、企業と学生のどちらにとっても後悔のない就活ができます。
応募企業に一貫性がある
就活の軸を決めるメリットは、面接でも実感できます。面接では、就活の軸について以下のような質問されることあります。
・就活の軸を教えてください
・受験する企業の基準を教えてください
・他に応募している企業を教えてください
必ずしも質問に「就活の軸」という言葉が入っていないこともありますが、質問されている内容は同じです。就活の軸がないと、面接官に「A社とB社とC社では業種がまったく異なりますが、なぜですか?」と突っ込まれた時、答えに窮することになります。
志望動機がブレにくくなる
就活の軸を決めるメリットは、応募書類作成時にも実感できます。最近はオープンESのみで、履歴書や紙媒体の応募書類の提出を求めない企業も増えています。
しかし志望動機はオープンESでも必須の企業が多く、その他紙媒体ではいまだに最重要視される項目です。
就活の軸の根底にあるのは、深い自己分析と幅広い業種、職種に関する知識です。志望動機は「自己分析+企業研究」で構成されているため、就活の軸を明確にすることで、芯のあるブレない志望動機が書けるようになります。

就活の軸を決める方法
就活の軸が大事だと理解できても、具体的にはどうやって就活の軸を決めればよいのか分からない人は多いでしょう。そこで覚えて欲しいのは、就活の軸を決める以下3つの方法です。
自己分析をする
就活の軸には深い自己分析が欠かせません。自己分析は性格や特徴、行動傾向、趣味趣向、強みや弱みについての自己理解を深めます。自己分析を深めるためには自分の力だけではどうしようもないことがあります。そのため自分だけでなく、周りの人に頼ることが重要になります。
専門家に話をきく
自分一人で就活の軸を決めるよりも、採用担当経験者やキャリアコンサルタントの有資格者などの専門家に話を聞いたり、相談したりしましょう。専門家に話を聞くことで、学生目線では知り得なかった情報を得られるだけでなく、就活の軸を決めるのに役立つアドバイスももらえます。
合同説明会に参加して幅広い業種、職種を知る
就活の軸を決めるには、世の中の業種、職種に関する知識も必要です。
軸を決める際に、どんな会社があり、どんな仕事をしているのかを基準に選べば、応募企業は自然と絞られます。関東では1000社以上が参加する合同説明会もあり、企業ごとに新しい発見があります。こんな働き方もあるのか、この会社ではこんな仕事もしているのか、という驚きが自分だけの就活の軸を決めるのに役立ちます。

「就活の軸」の具体例を知ろう
学生が苦心してたどり着く就活の軸は、自己分析の結果によってさまざまなパターンに変わります。
ここではその一部を紹介します。軸は一つに絞る必要はないので、複数の軸を組み合わせてみるのもいいでしょう。
企業の情報から考えた就活の軸
・どれだけの人の役に立つことができるか
・社内研修の充実、成長し続けることができる環境
・インセンティブの割合が高い
・年間休日日数が120日を越えているか
・転居を伴う転勤があるか
・女性の管理職がいるか
・ワークライフバランスに関する取り組みがあるか
・年功序列ではなく実力主義か
自分自身から導かれた就活の軸
・仕事内容が自分の性格に合っているか
・やりがいが感じられる仕事であるか
・学生時代に取得した資格や検定が活かせるか
・アルバイトやボランティアの経験が活かせるか
・モチベーションを高く保てるか
・ゆくゆくは起業を考えている場合、起業できる環境か
・多くの人脈が築けるか
・GBTへの理解があるか

この就活の軸はNG?気を付けるべきポイント
就活の軸の決め方について紹介しましたが、就活の軸はなんでもいいわけではありません。以下のような就活の軸は、あとで自分の首を絞めることにもつながる可能性はあります。
給料が高い
就活の軸になりやすい項目であり、今後の社会人生活を考えれば重視するポイントであることは確かです。しかし給与の高さを就活の軸にすると、就職後に仕事内容に不満を抱くかもしれません。給与が高いからとわりきって仕事ができる人もいますが、自分の適性に合っていない仕事は大きなストレスになるので、再度就活の軸にいれるかを考えましょう。
通勤距離が短い
通勤ラッシュがストレスになるので、通勤距離が短いということを就活の軸におく人もいます。しかしこれはどのような採用担当でも快諾することはできず、「通勤距離が短いならうちの他にもたくさんあるよ」と一蹴されて終わりです。
応募企業に対しても失礼にあたるため、表向きの就活の軸としては避けましょう。
知名度が高い
就活の軸に会社の知名度を入れる学生は少なくありませんが、これも表向きの就活の軸には向きません。知名度の高い企業に内定がもらえれば、保護者も安心する上に世間体も保てるのは事実です。しかし知名度の高い企業は他にもあるということで、こちらも一蹴されてしまいます。
どの企業にも当てはまる内容
「私の軸は、企業が人を大切にしているかどうかです。」など、どの企業でも言えるような内容では人事担当者はいまいちピンとこない可能性があります。「人を大切にしている」「成長ができる」というのは個人の捉え方次第になってしまいますし、その人事担当者が自社をどう捉えているのかも分かりません。どうしてもこの軸をアピールしたい場合には、具体的に他社とどう違うのかをしっかりリサーチし、人事担当者を納得させられるようなレベルで話せるようにならなければなりません。

就活の軸を伝える時のポイントとは?
就活の軸が明確になっていても、エントリーシートや面接で相手に伝えることができなければ内定は獲得できません。そのため就活の軸を伝える時は、以下のポイントに注意しましょう。
同業他社について調べておく
就活の軸が明確になっていても、その軸に合致する企業が同業界に複数あることもあります。就活の軸を答えたら、「それって他者にも当てはまるけど?」という質問をされた場合にも切り返せるよう、同業他社を比較・研究しておきましょう。
2つ以上の就活の軸をもつ
給与が高い、勤務地が近いなどの就活の軸は、内心誰もが思っている部分でしょう。しかし本音を明かせば、企業からは好印象を受けません。そのため上記のような就活の軸がある人は、複数の軸で就活を行いましょう。
自分の就活の軸がいかにマッチするかを説明する
就活の軸を説明しても、あまりピンとこない人事担当者もなかにはいます。その場合、その軸が応募企業にいかにマッチしているのかを、現場レベルで説明できるようになっておくと、人事担当者を納得させることができます。
自分の過去の経験を交えて話す
あなたの中でどんなに軸が明確になっていても、抽象的な説明では言いたいことをきちんと理解してもらうことは難しくなります。「自分は〇〇という経験から、〇〇の大切さを学びました。だからこそ、〇〇は、私にとって仕事をする上でも大切にしたい軸なのです」というように、実際に経験した具体的なストーリーを話し相手に想像させることで、あなたの考えの背景を理解してもらうことができ、人事担当者の納得度も高くなります。

【例文】就活の軸を面接で聞かれた場合
例文1
「私は、人に“ありがとう”と言われることを軸にしています。学生時代はボランティアサークルに所属し、週に1度老人ホームにレクリエーション活動に行っていました。お年寄りの方々に“ありがとう。生活に彩りができたよ”と感謝され、少しずつ表情が明るくなっていく姿を見た時の感動は、いまでも胸に焼き付いています。この実体験があるからこそ、仕事でもこのような感動をずっと大切にしていきたいと考えています」
例文2
「私は、経営者とより多く接点を持てることを軸にしています。父が会社を経営しており、小さい頃からその姿に憧れを持っていました。そのため自分自身も将来は経営の根幹に携わるような仕事をしたいと思っており、若いうちに多くの経営者と接点を持つことで様々なビジネスの手法を学ぶことが大切だと考えています。機会の一つ一つを大切にしながら、自分の知識の幅を広げていきたいです。」
例文3
「私の軸は、人々の人生を豊かにすることです。特に幼いころからファッションに興味があり、学生時代は服飾のサークルに入っていました。コンテストなどに向けてより魅力的なファッションを追求する中で、ファッションはただ身につけるための物ではなく、人生をより豊かにするものであると実感しました。人々がファッションを通じて明るい気持ちになり、もっと人生を楽しめるきっかけになるような仕事をしたいです」
就活の軸がない人はどうすれば……
ここまで就活の軸についてお話してきましたが、実際には、すぐに「自分の軸はこれだ!」と思いつかない方もいますよね。普段の生活では自分の軸を意識することはあまりないですから、少し難しく感じるかもしれません。
でも、きちんと整理してみれば、必ずあなたの軸は存在しているはずです。「いまいち自分のことを客観視できない」「この考え方で良いのかが不安だ」という方は、専門家に相談してみることで、自分の考えをきちんと整理すると安心です。
まずは専門家にきくのが一番!
自分で軸を見つけるには、多くの準備と時間が必要です。しかし就活本番が近い、残された時間が少ない人もいるでしょう。
このような場合は専門家にきくことが一番の近道になります。
就活の専門家とのつながりがない学生は、合同説明会に参加したり、就活イベントで行われているセミナーに参加したりしましょう。就活は人生の大きな分岐点になります。これからの人生をより充実したものにするためにも、さまざまな方法を試し、後悔のない就活にしましょう。
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