ゼミでの経験を盛り込んだ自己PR

まず、ゼミでの経験を活用した自己PRの例文を紹介します。実際の自己PRに目を通すことで、完成形がイメージできるはずです。共通のポイントを探しながら読むことで、大切な要素も見えてくるでしょう。また、良い例文3つと悪い例文1つを紹介していますので、比較しながら参考にしてみてください。

例文1(良い例)

「私は、自分のポジションを俯瞰し組織に貢献することができます。この強みを最も発揮したのがゼミの研究発表会です。ゼミの研究発表会はチーム毎に行われるため、誰か一人がリーダーとしてチームをまとめる必要がありました。

私は、元々みんなを引っ張っていくタイプではありません。しかし他のメンバーは部活動に所属しており、ゼミ活動にあまり時間が割けないと考えました。そこでリーダーに立候補し、研究会に向けての準備を進めました。

周りのメンバーが時間を取れない分、率先して資料の作成を引き受けたり、スケジュールの調整を行ったりしました。初めてのリーダー経験ということもあり不安でしたが、無事研究発表会を終え、教授方からも高評価をいただけました。

貴社に入社した後も、組織全体の中で自分ができる役割を見つけ行動することで、貴社の目標達成に貢献したいと考えております。」

例文2(良い例)

「私は、相手の立場で物事を考え行動に移すことができます。この強みを最も発揮したのが大学時代のゼミ活動です。ゼミ活動では、中山間地域の地域活性化活動に取り組んできました。限界集落に赴き、現地の人の話を聞く中で、稲を収穫する際の人出が足りないことが分かりました。

そこで、私は自分にできることは何かを考え、1週間泊まり込みで収穫作業を手伝うことにしました。集落の皆さんと協力して作業を行なった結果、期日内に稲の収穫を終えることができたのです。全ての作業を終えた後に集落の皆さんと食べたご飯の味は忘れられません。

この経験から、相手の求めていることを考え行動に移すことの大切さを確信できました。入社後も常にお客様の立場で物事を考え、最適な提案を行うことで貴社に貢献します。」

例文3(良い例)

「私は、どんな困難も乗り越える力を持っています。この強みを最も発揮したのが、ゼミでのアンケート調査です。高齢者の睡眠時間に関するアンケート調査を期日内に500人に実施する必要があったのですが、残り1週間で300人と厳しい状況でした。

周りのメンバーには無理だろうと言われましたが、私は諦めずに片っぱしから老人ホームに協力をお願いしたり、他の講義の最後に時間をもらい協力者を募ったりしました。

その結果、他のメンバーが協力してくれたこともあり、期日内に600枚のアンケートを回収することができたのです。社会人になっても困難な状況は必ずあるはずです。

私は、働く中でどんな困難があっても決して諦めずに必ず乗り越え、貴社の力となります。」

例文4(悪い例)

「私は場の空気を良くすることができます。大学時代のゼミ活動では、機械学習について研究しており、主にPythonを使用して課題に取り組んできました。

教授から与えられた課題は難しくゼミ室の空気もピリついていましたが、明るく振る舞うことで空気は和やかになりました。

この強みを活かして、貴社でも活躍したいと考えております。」

ゼミでの経験を盛り込んだ自己PR

例文から読み解く自己PRでゼミのエピソードを扱う際のポイント

ここまで紹介した例文から、ゼミを活用した文章の要点を解説します。要点は4つです。ゼミの内容やエピソードに関わらず、良い文章は必ず4つの要点をおさえています。1つずつ解説していきますのでぜひ参考にしてみください。4つのポイントをおさえ、再度例文を読み返すことで「どう活用するのか?」も学べるでしょう。

ゼミの内容は自分のアピール材料でしかない

ゼミの内容はあくまで一つの材料にすぎません。就活は、自分が会社に必要な人材であることを示す場です。ゼミの内容自体に大きな価値はなく、ゼミを通して自分が企業に必要な人材であることを示す必要があります。

あくまで企業が見ているのは、ゼミの内容や実績ではなく、あなたが会社に必要な人材か否かです。必ず自分の強みを念頭に置き、ゼミの内容を伝えましょう。ゼミは自己PRのための手段(材料)であり、目的ではないことを常に意識してください。

具体的なエピソードで自己PRを構築する

自己PRには具体的なエピソードが必須です。話が具体的なほど、相手がイメージしやすいことはもちろん、文章に説得力が増すのです。文章を書く際、ストーリーは可能な限り明確にしましょう。また、話の明確さを意識することで、おのずと自分にしか書けない文章が仕上がります。

反対に、抽象的な話は就活において大きなマイナスポイントです。伝えたい事が伝わらないだけでなく、ふわふわと浮ついた印象を与えてしまいます。一度書き終えたら、話が抽象的になっていないか必ず確認しましょう。

相手が1回で理解できる文章を目指す

良い文章とは、一度で内容を理解できる文章を指します。誰が読んだとしても、一度聞いただけで相手が理解できる内容にしましょう。とくに気をつけたいのが専門用語の使用です。

専門知識を有していない方にとって、専門用語は他言語と言っても過言ではないでしょう。エピソード自体は魅力的であっても、専門用語を使うことで話が難解になり、良さが届かないケースも多々あります。対策として、ゼミと関係のない友人や家族に完成した文章を読んでもらうのがオススメです。

自分の長所が実際の仕事に役立つことを明確に示す

最も大切なことは、いかに自分が会社に必要な人材であるか、を示すことです。ゼミのエピソードからも、自分の長所が実際の仕事に役立つことを明確に示す必要があります。仕事に役立つ長所を探すコツは、長所と仕事の共通部分を探すことです。

エピソードから、自分の強みを明確にします。仕事に必要な能力や姿勢を別に書き出し、長所との共通部分を活用しましょう。その際「なぜ?その長所が仕事に役立つのか」をハッキリ述べることが大切です。

例文から読み解く自己PRでゼミのエピソードを扱う際のポイント

自己PRでゼミの経験を使うときに注意したいポイント

気をつけるべき点は4つです。この4つの要点をおさえず自己PRを書くと、低評価に繋がりかねません。ゼミ活動を活かすためにも、各項目を確認していきましょう。既に文章ができている人は、当てはまる項目がないか、チェックしてみてください。

ゼミのエピソードを自己PRに利用する学生はたくさんいる

ゼミ活動は大学生であれば、誰しもが経験するものです。当然、ゼミのエピソードを利用する大学生はたくさんいます。そのため、ありきたりなエピソードは、面接官の印象に残りません。就活では、その他大勢に分類されてしまうと、採用可能性が一気に下がります。

多くの大学生が利用するゼミだからこそ、伝え方や内容には細心の注意を払いましょう。ゼミ経験を活用するなら、その他大勢にならないための工夫が必要です。

「経験」と「アピール」をバランスよく配合する

文章内には、自分の「経験」と「強み」の両方が含まれている必要があります。高評価を狙うために意識したいのが、経験と強みのバランスです。どれだけエピソードが詳細に語られていても、自分の強みが相手に伝わらなければ魅力的な文章とは言えません。アピールは激しいのに、エピソードが薄い場合も同様です。

ゼミ活動という経験をエピソードに落とし込んだのち、エピソードを通して自分が会社に必要な人材であることを示しましょう。エピソードと強みの両方が含まれていることはもちろん、バランスにも目を向けてください。

付け焼き刃のウソがバレないほど相手は甘くない

自己PRでウソのエピソードは厳禁です。ウソをつくことは、話に矛盾を生む可能性があるだけでなく、相手からの信頼を失いかねません。また、面接官は数々の学生を相手にし、豊富な経験を持ち合わせています。体裁だけ整えたウソの自己PRはすぐにバレるでしょう。

ウソが無いことは、良好な人間関係を築くうえで大前提の条件です。社会人として信頼を得るためにも必須の要素といえます。自己PRで評価されるためなど関係なく、ウソはNGですので注意しましょう。

ゼミのエピソードは部活などよりアピール力が弱い

ゼミという経験は、多くの大学生に当てはまります。そのため、部活や自主的なアクションと比べると、アピール力で劣ってしまうのが実際です。だからといってゼミ活動で魅力的な自己PRができないわけではありません。

伝え方やエピソードの内容を工夫することで、部活や他の経験にも負けない魅力的な自己PRを作れます。ゼミの経験を活用した魅力的な自己PRの作成方法やポイントは、当記事で一通り解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

自己PRでゼミの経験を使うときに注意したいポイント

ゼミでの経験を用いた自己PRの書き方を改めて紹介

自己PRを書いている人の中には、なかなかペンが進まず悩んでいる方もいるはずです。ゼミでの経験を用いた自己PRには上手に書くためのコツがあります。6つのコツをおさえるだけで、どんな人でも評価される自己PRを書き上げることが可能です。どのポイントも、すぐに活用できるテクニックばかりですのでぜひ実践してみてください。

最初にエピソードの洗い出し

自己PRを書く際は、まずエピソードを洗い出しましょう。ゼミの経験を用いる場合は、ゼミで取り組んだことについて整理していきます。エピソードを洗い出す際のポイントは、量を意識することです。

アピールのプラス材料になれば、エピソードの中身は何でも構いません。あまり内容を深く考えず、とにかく量を出していきましょう。一度すべて洗い出した後に、自己PRに使えそうなエピソードをピックアップします。とくに、ペンが進まない人の中には、良いエピソードが出てこないという方も多いはずです。まずは良し悪し関係なく、エピソードを洗い出すことからはじめてみてください。

冒頭にアピールポイントを持ってくる

自己PRでは、自分の強みやアピールポイントを冒頭で述べましょう。自己PRにおけるアピールポイントとは、文章の中で最も伝えたいこと、つまり「結論」です。アピールポイントを冒頭に持ってくることで文章の結論が明確になり、長い文章でも相手が安心して読めます。

アピールポイントを最後にまわすと、相手が結論に辿り着くまでに読むのを辞めてしまうリスクもあるでしょう。結論が先に書かれている文章は、相手にスッキリと力強い印象を与えることができます。「私の強みは〇〇です」「私は〇〇ができます」と、冒頭にアピールポイントを書き、文章を構成してみてください。

文章全体を断定口調にする

自己PRでは、文章は必ず断定口調にします。断定口調は、明確な意思と力強さを象徴し、大きな説得力を生みます。「〜と思います」という曖昧な表現は、ボンヤリとした印象を与えるのでやめましょう。

例えば「コツをおさえることで、魅力的な自己PRは書けます」、「コツをおさえることで、魅力的な自己PRは書けると思います」この二つの文章で例えてみますと、語尾以外の文章は全く同じでも、二つの例文から受ける印象は全く異なるはずです。自己PRを書く時はもちろん、面接でも断定口調を意識してください。語尾を変えるだけで説得力と与える印象は180度変わります。

最後でもアピールポイントを強調

自己PR文は、アピールポイントを強調して締めるようにましょう。自己PRでは、冒頭と最後の2箇所にアピールポイントを書くのが基本です。エピソードの内容を踏まえた上で、「〜だから私は御社に貢献できます」という主旨の文章で締めます。

自分の強みが何かを把握することは大切ですが、伝え方も同じくらい大切です。文章の最初と最後をアピールポイントで挟むことで、あなたの強みは十二分に伝わるでしょう。

自己PRは他人に披露するものであることを意識する

自己分析と異なり、自己PRは第三者に見せることを前提に考えます。読まれることを前提とした内容や言葉使いが必要です。とくに言葉使いは、少し意識するだけで確実にミスを防げるので意識してみてください。

基本ですが、自己PR文では「です・ます」調を徹底します。読んでいる相手に不快感を与えないことは何より大切です。また、誤用している言葉がないかにも注意しましょう。

いろいろな人にチェックしてもらえればさらによし

完成した自己PRは、なるべく多くの方にチェックしてもらうのがベストです。多様な意見を取り入れることで、自己PRのクオリティは大きく向上します。中には、自分の自己PRを他人に見せることが恥ずかしい方もいるでしょう。

しかし、魅力的な自己PRは第三者の意見なしでは完成しません。恥ずかしい気持ちも分かりますが、勇気を持ってアドバイスをもらってください。友人やOB、就活エージェントなど、自分が最も相談しやすい方に見せることからはじめてみましょう。

ゼミでの経験を用いた自己PRの書き方を改めて紹介

まとめ

ここまで、自己PRでゼミの経験をアピールするための方法を解説してきました。ゼミ活動を自己PRに使う際は、「具体的なエピソード」「自分の長所が仕事に活かすことを示す」の2点をとくに意識してみてください。大切なのはゼミの内容や活動ではなく、あくまでアピールポイントと繋がるエピソードです。

多くの大学生が自己PRに活用するゼミ活動ですが、当記事で紹介したポイントをおさえることで高評価に繋げることができるでしょう。各ポイントや例文を参考に、ゼミ活動を用いて魅力的な自己PRを作ってみてください。

まとめ
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