履歴書の特技は必要?

就職活動で避けては通れない履歴書の作成には、特技や趣味などの個性をアピールするための欄が設けられています。採用担当側も、書類選考の際には目を通す内容です。

まずは履歴書に記載する、特技の必要性について解説していきます。

【人柄が見える】

採用担当者は履歴書の特技欄から、応募者の人柄を見ています。

「社風に合う性格をしているか」「前向きに仕事に取り組んでくれるか」など、企業は学歴や能力以外に応募者の性格や個性を重視する場合が多いためです。
そのため特技欄には、個性を表現できる内容を記載するように心掛けましょう。

また特技欄の情報は、面接時の話題作りつなげられるチャンスがあります。面接は就活生はもちろん、企業側も初対面のため緊張しているものです。
特技はアイスブレイクにも使えるので、できるだけ書くようしましょう。

【特技を書くメリット】

選考への影響が小さい履歴書の特技欄ですが、志望業界に合った特技なら評価されるチャンスがあります。
IT業界を志望しているなら、自作PCの組み立てやプログラミングはアピールにつながるでしょう。

また志望業界との関係性が薄い特技でも、アピールの仕方を工夫すれば評価につながります。

例えばピアノやマラソンなどは仕事に影響しませんが、「東京マラソン完走を目標に週4日練習している」と記載すれば、「計画性を持って努力できる人」という点をアピールできるでしょう。

【特技を書くときのポイント】

履歴書に記入する特技は、自身を表現するための重要な項目です。せっかく書くなら、採用につながるような内容にしたいところです。特技を書くときのポイントを3つ紹介していきます。

【アピールできるものを書く】

特技といった場合には「中国語を日常会話レベルで話せる」「一からPCを組み立てられる」など、まずは人に自慢できる特技を記載しましょう。

また特技と趣味は似た言葉ですので、間違えないよう注意するのも大切です。趣味は「読書」「音楽鑑賞」などの、能力にかかわらず誰でもできる「娯楽」に違い意味合いが強い傾向にあります。

特技は一般的に他の人よりも秀でた技術・スキルを指します。例えば「ランニング」は趣味でも、「フルマラソンを3時間以内に完走」「100kmマラソンを完走」などは特技と言えます。

実際に特技を書くときは、努力して身に付けたスキルを載せるとアピールになるでしょう。

【仕事につながるものを書く】

志望する業界との関連性の強い特技は評価につながりやすいので、可能な限り履歴書に記載したいところです。

例えば英会話が得意な人は、外資系などの海外とのやりとりが多い企業では評価される可能性が高いです。

ただ仕事に直結する特技は、面接時に深く質問されることも予想されるので、「いつから勉強を始めたのか」「週にどの位勉強しているのか」「実生活で役立ったエピソードはあるか」など、あらゆる質問に対応できるよう準備しておきましょう。

特技とは言い難いレベルの特技であっても、「興味がある分野」というアピールになります。

例えば「簡単なプログラミングコードが書ける」だけでも、「勉強意欲がある」と採用担当者に評価されるかもしれません。

【印象に残るものを書く】

人柄を見るための特技欄は、自身を印象付けるためにも活用できます。珍しい特技を持っている人は、採用担当者の印象を残すチャンスがあると言えるでしょう。

カラオケ(歌)やモノマネ、利き酒などは仕事や生活で役立つ場面は少ないですが、印象付けるには充分ユニークな特技と言えます。

また外見や性格とのギャップがある特技も、印象付けやすいです。例えばガッチリしたスポーツ系の男性の特技がお菓子作りなら、すぐに採用担当者に覚えてもらえるでしょう。

履歴書の特技は必要?

特技を書くときの注意点

履歴書の特技欄はアピールにつながる反面、書く内容によっては悪い印象を与えかねません。

残念な結果にならないよう、これから紹介する注意点はしっかりと押さえておきましょう。

【好みや判断の分かれる特技は書かない】

特技欄は自身を自由に表現できる項目ですが、人によって好みや判断の分かれる特技は記載しないのが無難な選択です。採用担当者によっては悪い印象を与え、マイナス評価にもつながりかねません。

競馬・競輪・パチンコなどの「ギャンブル系」や政治・宗教に関わる「思想系」は好ましくない例の代表格です。

競馬の予想が得意であっても、特技欄には記載しないようにしましょう。また特技でなく、政治・宗教にまつわる活動をした経験があったとしても、ビジネス場では語られるのが無難です。

【嘘を書くのはやめよう】

アピールできる目立った特技を持っていなくとも、誇張・嘘は書かないようしましょう。

プログラミングや英会話ができないにもかかわらず特技欄に記載してしまえば、トラブルの元にもなりかねません。嘘がバレてしまえば、担当者からの印象が悪くなり、選考から落とされる可能性もあるでしょう。

特技欄は応募者の人柄を見るために設けられているので、目立った特技がなくとも評価が下がることはほとんどありません。

志望業界に直結する特技がない場合は、好印象を与える特技をエピソードを交えつつ工夫して書きましょう。

【「特になし」は避ける】

アピールできる特技がなくとも「特になし」とは履歴書に書かないようしましょう。

特技欄は採用に直接影響する項目ではありませんが、人柄を推し量るためには重要な情報です。空欄だったり、特になしと書いたりすれば、企業側に良い印象を与えることは決してないでしょう。

また本気で採用されたいと思って履歴書を送っているのなら、特技欄もしっかりと埋めるのが自然です。空欄であっては応募者の熱意を感じられず、担当者に不信感を与えるかもしれません。

特技を書くときの注意点

特技欄の書き方

採用担当者は、数え切れないほどの数の履歴書に目を通しています。そのためアピールできる特技を持っていたとしても、最後までしっかり読まれるよう考えて書く必要があります。その点を踏まえた特技欄の書き方を解説していきます。

【簡潔に書く】

一目で何が書かれているか分かるよう、シンプルに「簡潔に書く」ことが何よりも大切です。履歴書は「応募者の情報を伝える媒体」のため、余分なエピソードなどを盛り込んでは、何が言いたいのか担当者に伝わらないかもしれません。

例えばプログラミングが特技なら、「プログラミング言語(HTMLやJava)」「レベル(どのくらいコードが書けるのか)」「どのように学んだのか」など、必要な情報だけを記載するに心掛けましょう。

また特技にまつわる成功体験を持っている人は、アピールにつながりますので補足情報として書いておきましょう。

【面接で質問されることを想定する】

志望業界に関連する特技や興味をそそる特技の場合、面接のときに質問される可能性もあるので、想定される質問内容を考えておきましょう。

面接は緊張する場面ですので、想定しない質問を投げ掛けられるだけでも頭が真っ白になるかもしれないためです。

例えば英会話を特技欄に記載したなら、「英会話を始めたきっかけ」「なぜ特技と言えるのか」「英会話が役立ったエピソードはあるか」などが考えられる質問内容です。

質問に対して明確に回答できれば、特技の信ぴょう性は高まりますし、人柄も分かってもらえるでしょう。

【特技欄の例文】

実際に特技欄を書こうと意気込んでも、具体的にどのように記載すれば良いのか分からない人もいることでしょう。
履歴書には簡潔で分かりやすい内容を意識して書き、欄に余裕がある場合は成功体験などの補足情報として記載します。記入しきれない場合は面接時の質問に答えられるに、整理しておきましょう。
プログラミングを特技とした場合の例文を紹介します。

<記載・語る内容>
履歴書:プログラミング(HTMLとCSSで一からHP作成ができます。)
面接:WEBサイト作成に高校時代から興味が湧き、HTMLとCSSを独学で学び始めました。大学時代にはHTML関連の資格を取得しました。

特技欄の書き方

特技が見つからないときは

人よりも秀でた特技を持っていない人は、特技欄を埋めるのに苦労しがちです。ですが特技欄は採用に大きく影響することはありませんので、あまり深く悩む必要はありません。ここでは人柄を表現できる特技が見つからないときの対処方法を紹介します。

【普段の生活を振り返ってみる】

これといってアピールできる特技を思い出せない人は、普段の生活を振り返ってみましょう。

「毎日欠かさず行っていること」「人に褒められたこと」などから、特技のヒントが見つかるかもしれません。例えば掃除を欠かさない人は、「掃除」「整理整頓」を特技として記載できます。

また複数人で会話やミーティングをするときに「話をまとめるのが上手い」と褒められた経験がある人は、「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」などが特技と言えます。

【特技の一覧から探してみる】

代表的な特技の一覧から探してみる方法もあります。例えば高校時代に野球部やバスケットボール部に所属していたなら、そのスポーツそのものが特技と言えます。

また趣味で始めたカメラやイラストでも、技術が向上すれば立派な特技になります。以下に特技になり得る一覧を掲載していますので、参考にしてみましょう。

スポーツ(野球・サッカー・バスケットボール・空手など)
カメラ
イラスト
将棋
囲碁
手話
速読
人前で話す
人に説明する

【特技欄のない履歴書を使う】

応募する企業側からの指定がないなら、特技欄の設けられていない履歴書を使うのも手です。アピールする内容を自由に決められるので、大学時代の成功体験や志望理由をメインに書いていきましょう。

また趣味と特技が同じ欄になっている履歴書もあります。特技とは呼べないが、アピールしたい趣味を持っている人は使ってみましょう。

特技が見つからないときは

特技欄で自分のアピールにつなげよう

履歴書の特技欄は採用に直接つながるケースは稀ですが、書き方次第では自分のアピールになるのも事実です。

志望業界に合わせたアピール方法も大切ですので、採用担当者側にどのような印象を与えるのか考えながら書くように心掛けましょう。ただ誇張や嘘の内容はマイナス評価になってしまうので、事実であることが大前提です。

日常生活を振り返るだけでも、特技は見つかるものです。特技欄が埋まらずに悩んでいる人は、習慣にしていることや褒められたことを紙に書き出してみましょう。

関連記事

新規会員登録はこちら
ページトップ