文学部の就職状況

文学部の就職率

文学部の就職率は、平均すると85%程となっています。就職に有利と言われている商学部や経済学部の就職率は90%程、理工系や医療系の学部はそれ以上の就職率なので、数字だけで比べると、やはり文学部の就職率が劣っていることが分かります。
しかし文学部の学生は、自分の学びたい分野の学問を極めるため、大学院に進学する人も多いと言われており、就職率だけでは就職に不利だと判断しにくいでしょう。

文学部の学生に人気の業界

専門的な職業に進む理系学生に比べて、文学部の学生の就職先は多種多様です。その中でも、文学部に人気の業界をいくつか紹介します。

【出版業界】
「読書が好き」「文学に親しんできた」学生も多い文学部にとって、出版業界はやはり人気があります。しかし、出版社の採用人数は大手でも数十人ほどとごくわずかであり、中小となると定期的に採用をしていないことも珍しくありません。人気の業界なだけに倍率も高いため、志望する場合はしっかりと対策をする必要があるでしょう。

【広告業界】
華やかな印象があり学生に人気の広告業界は、もちろん文学部からも人気の業界です。
「クリエイティブな仕事ができる」「商品の売り方や宣伝などスケールの大きい仕事に携わることができる」という理由から、広告業界は根強い人気を誇ります。
競争率の高い広告業界を志望する場合は、インターンに参加するなど、早めに対策を行う必要があります。

【金融業界】
銀行や証券会社、保険会社のような金融業界に就職する文学部の学生も多いです。金融業界はお金の流通に携わる仕事であり、安定性もあるため多くの就活生から人気のある業界です。広告業界や出版業界に比べると、採用人数も多く、選考では人柄が重視される傾向にあるのが特徴です。

【サービス業界】
サービス業界も文学部出身の学生に人気の業界です。文学部は女子学生の比率が高いため、「人に喜んでもらうことが好き」「人をサポートする仕事がしたい」と考える、ホスピタリティ精神の強い女子学生から人気のサービス業界を志望する人も多いのでしょう。
サービス業と一口に言っても、宿泊業、飲食業、福祉や介護関係の仕事など、幅広いサービスの企業があります。だからこそ採用している学生の学部も様々だという特徴があります。

公務員への就職はアリ?

公務員になるためには学部は関係ありません。「公務員試験」を受験し、合格することで公務員になることが出来ます。公務員といっても職種がたくさんあり、中には資格が必須の職種もあります。文学部出身であっても公務員になることは出来ますが、自分の希望する職種につくためにはどんな条件があるのか、事前によく調べておきましょう。

文学部の就職状況

文学部が就職に不利だと言われる理由

なぜ、文学部は就職に不利だと言われるのでしょうか。文学部が就職に不利だと言われる理由を3つ紹介します。

①ビジネスに疎いイメージを持たれている

文学部で学ぶ内容は、日本・海外文学、哲学や歴史学など、教養に結びつくものが中心であり、企業の業務で直接いかせるような内容を学ぶことが少ないため、ビジネスに疎いイメージを持たれやすいです。そのため、業界にもよりますが、商学部や経済学部のように即戦力になりそうな知識をあらかじめもっている学生と比べると、不利になることもあるかもしれません。

②企業との繋がりが弱い

文学部では、経済学部や法学部に比べ、民間企業で実務経験を摘んでいる教官や、民間企業とのつながりが強い教官が少ないです。教授のコネで就職する学生はそこまで多くはないですが、文学部は他の学部よりも極端に少ないため、不利と言われています。

③大学での学びを伝えにくい

面接では「大学では何を学んでいますか」という質問をされることが多々ありますが、抽象的な学問を学ぶ文学部の学生は、質問の回答に苦戦することが多いです。理系のように実験など伝えやすい話題がないため、しっかりと講義を受けていたとしてもアピールしにくいです。

文学部の就職を有利に進めるコツ

これまでお伝えしてきた通り、文学部の学生は「文学部で学んだこと」が活かせる就職先が少ないという点で不利と感じるかもしれません。しかし、業界に興味があることを示せたり、専門的な知識をアピールできるような資格を取得したり、力をいれた課外活動をアピールするなど就活を有利に進めるコツはたくさんあります。

資格を取得しておく

資格を取得すると就職でのアピールに役立つでしょう。

《文学部の学生が取得しやすい資格》
・教員免許
・学芸員や図書館司書の資格
・プログラミング
・TOEIC
・FP(ファイナンシャルプランナー)

特に文学部の学生であれば、国語や社会、英語の教員免許を取得する学生が多いです。教育実習があったり、必修単位も増えるため、教員免許を取得するのは簡単ではありませんが、
教育業界への就職を希望する場合は、大きなアピールとしてはたらくことでしょう。
昨今では、グローバルに活躍できる人材が求めらる傾向にあるため、TOEICのような語学系の資格を取得するのも効果的でしょう。

課外活動に力を入れておく

就活では、志望する企業に興味があることを示すことが大切ですが、大学で学んだことでアピールできないのであれば、課外活動に力を入れるといいでしょう。海外留学やサークル活動、アルバイト、趣味の活動など何でも構いません。自分の希望する職種に活きる体験・経験を企業側に示すことができれば、仕事に対する熱意もアピールできるでしょう。志望する企業がインターンを行っているならば、インターンに参加するのもおすすめです。

自己分析を徹底的にやっておく

大学で学んだことをいかせる就職先を選ぶことが難しい文学部の学生は、サークル活動やアルバイト、過去の経験を掘り起こし、自己分析をしっかりして志望動機につなげるといいでしょう。大学の勉強はいかせなくても、他の経験をいかすことができるとアピールすればいいのです。
自己分析は、志望動機を作る上でもとても重要です。特に志望動機と関連が深いのは以下です。
・どんなこと、ものに興味を持ちやすいのか
・好きなこと、嫌いなこと
・得意なこと、苦手なこと
・自分にはどんな強みがあるのか
・自分はどんな性格で、どんな環境で力を発揮できるのか

これらを文字におこしましょう。きれいな文章にしなくても、キーワードをどんどんメモ書きしていくだけでもOKです。自己分析がしっかりできていないと、就活の軸がはっきりしません。自身の強みや性格の特徴を客観的に把握することで、どんな業界で働きたいのか、どんな業界が向いているのか、が分かるようになります。あとは、それをそのまま志望動機をして書いていけば大丈夫です。

文学部の就職を有利に進めるコツ

まとめ

文学部の就職について解説してきましたが、いかがでしたか。文学部は就職に不利なんだ…と諦めずに、しっかり対策をしましょう。文学部でも就活を有利に進めるコツはたくさんあります。できることから早めに取り掛かり、志望する企業の内定をつかみ取りましょう。

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