組織体制・企業文化はどんな感じ?

日本初の民間航空会社として創業し,ヘリコプターでの宣伝事業から航空機による貨物・旅客事業に参入した。主力が国内旅客事業であり,国際線事業は就航から20年で初の黒字となった。日本航空には負けたくないという気持ちがあり,常に日本航空と比べている。破綻前の日本航空とは違い資本が弱いため,自前主義を貫くことはできないために,航空連合への加盟が早く良い経営判断だった。しかし,過去の経営判断は散々たる結果ばかりであった。国内外のホテル事業はすべて赤字であり引くに引けないため赤字を垂れ流し続けた。特定役員への高厚遇も問題視され続けたが,御用組合の乱立で異論を唱えることもできず,昇進の条件は組合でも出世することが基本である。

業界内の評価は?

世界レベルでも強大な日本航空の影で生き残り続けている結果を見ると挑戦者という位置づけでのファンは多い。経営として大きな転換点であった中国路線の拡大,アライアンスへの加盟は成長を取り込み,投資に回す循環が形成できたことは良い判断もあった。また,スターアライアンスに加盟することで,アライアンス内の大手航空会社からノウハウを学ぶことができ,経営に大きく寄与した。しかし,やはり二番手というイメージからは脱却できない。選択と集中を確実に実施してきたことが収益率の向上につながっているが,日本航空の没落がANAの実力と勘違いしている従業員も多く,拡大路線をとり続けていることを不安視している声も聞かれる。

給与・報酬制度はどうなっているの?

職種によって大きく給料は異なるため一概に評価することはできない。大きくは4つの職に分けることができ,いわゆる総合職,技術職,客室乗務員,自社養成パイロットである。パイロットが高給な訳はパイロットの少なさにある。軍隊の規模が小さいためパイロットの絶対数が少ない故に高給な専門職となる。一般的な文型大卒は総合職,理系は技術職が多い。30歳で概ね500万は最低でも得られる。航空機に関する技術職は基本的にボーイングが作成した整備マニュアルに沿って整備し続けるため面白みには欠ける。さらに,旧帝大工学部出身でタイヤ交換やエンジン整備など汗をかく仕事も多いため敬遠して退職する若手も少なくない。しかし,子会社で採用された整備士や特定地上職が有能であればANAに転籍することができる。客室乗務員は入社3年目までは時給制であるが,平均的に400万程度である。時給は1、000円程で、プラス乗務付加手当として700円が支給される。乗務付加給は当然ながら地上勤務中は手当として支給されないため、新入社員で乗務にあたれないうちはアルバイトのようなものである。社内試験を合格し成田ベースで働くことができるとパーサーの資格もあわさって700万程度にはなる。

気になる離職率は?

比較的に離職率が高いのは客室乗務員である。
職業に憧れを抱いていたものの、肉体労働・長時間勤務や人間関係などが主な原因である。
客室乗務員は女性が多いため、先輩・後輩の関係、女性特有のグループでストレスを感じたり、同じ飛行機に乗務する際にはパイトッロ宛に事前に挨拶のメールを送ったりと暗黙のルールも多い。

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