会社サイドと学生サイドにある自己PRの温度差。

学生の自己PRの多くは、手の指に着目してキーワードを作られます。これは間違いではないけど、その先がない状態、つまり作ることがゴール。でも面接官は、そこをスタートにしたいと考えている、だから質問を浴びせます。しかし学生は、すでにゴールしているので、すぐに答えにつまってしまう・・・これが、いわゆる会社サイドと学生サイドの温度差です。

面接官というのは、基本的には学生のことを好意的に視ようとしてくれています。だから、経験値の高い面接官であれば、学生が語っている勘違いキーワードを聞いても、「ああ、この学生の本質は恐らく、○○なんだろうな・・・」と把握してくれることが多いので、学生からすれば、自分が勘違いキーワードを使っていると気づかずに、合否が決まっているケースがあります。実際には、これが圧倒的に多いと思いますね。

つまり、学生が分かっているか否か?にかかわらず、面接官が手のひら部分をイメージできた、ということです。

圧迫面接が産まれる理由とは?

でも、経験不足の面接官や、俗に言う「圧迫面接」のように、面接官が学生の土俵まで降りてくれずに、シビアなことを言う面接官の場合は、指のキーワードには、容赦なく突っ込んでくることもあります。例えば、

「君は、さっきから親指のことばかり言ってるけど、話聞いてると、それは薬指のような気がするんだけどねえ」

みたいな感じのこと、言われたことありませんか?これは、学生サイドからすると、ゴールした先の話だから、理解不能。よって圧迫された!と感じてしまって、すっかり萎縮。そして、ネットへの書き込みへと続いていく訳です。一方の会社サイドからすれば、何だよ、まだスタートしたばかりじゃないか、と思っているから、何が圧迫だったのか分からない。

だからネットの書き込みというのは、会社サイドから見ると的外れなことって、意外と多いのです。・・・もっとも、上の例の場合、面接官の言い方には、非常に問題がありますけどね。飲食店でいうと、俺はカネ払ってるんだから、お前らはもっとサービスしろ!みたいな高飛車な感じでしょう。

手のひらと各々の指の役割。

指を自己PRにするのは、間違いじゃないですが、その後がないからすぐにあたふたしてしまう。しかも、面接の質疑応答の過程で、最初の自己PRでは、親指のことを語ったのに、緊張して、いつのまにか薬指のことを語っている場合もある・・・これでは、いくら面接官が好意的に理解しようと思っていても、説得性と納得性を見出してくれない可能性が高まります。

本来は、親指の話がいつの間にか薬指の話になってしまっても、所詮それは、同じ自分の指。だから、コロコロ変わるのは当たり前なのですが、何度も言うように、学生の自己PRにはその先がないので、支離滅裂になる可能性が高いのです。

支離滅裂にならないためには、どうすれば良いでしょうか?それは、指の一歩手前である、手のひらをベースにして親指を語ったり、状況に応じて自分の意思で薬指に話題を切り替えることです。

だから、手のひらを掘り起こして言葉にしておくことは大変重要。手のひらの先には指があるから。よって、面接官にどんな斬り口で突っ込まれても、多少のことでは動じることはありません。それどころか、面接の最中に、「ああ、この会社は自分には合わないなあ・・・」なんていうことも、自然に分かってくるようになります。

指に着目してキーワードを作り、それを自己PRにするのは一向に構わない。でもそれは、一歩手前である手のひらを理解していることが前提。自己PRの一番の理想系は、

手のひら = キーワード
各々の指 = エピソード

のカタチですね。

ということで、いよいよ、具体論に入っていきます。次回以降、なるべく事例を挙げていきたいと思っています。

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