≪安定の定義≫

まずは安定の定義を考えましょうか。
「安定」を図る基準としてよく社員の平均勤続年数と会社の創立年数を用いられます。NTTは両社とも非常に高いです。あれ?やっぱり安定じゃないですか。いやいや、それは10年前の話です。
外部環境とお客さんの動向が現在と10年前では違います。

外部環境の変化としては

・外資系企業の日本進出が圧倒的に加速
各国の大企業が販路拡大の為に日本に流れ込んできています。
これがいわゆるグローバル化ともいえます。

・市場規模の縮小
10年前までADSL(電話回線)をベースに寡占していたNTTですが現状ここ周りではほとんど利益はありません。そりゃそうですよね。今固定電話を持っている家はあまり多くない。公衆電話など利用はおろかほとんど見かけなくなってきています。それは通信自体の市場規模が縮小してきているからです。

≪顧客の変化≫

続きまして、顧客の変化として考えられるのは
・ブランド<価格
NTTはADSLから携帯電話端末にシフトしました。いわゆるNTTドコモです。
これは爆発的に加速しました。しかしいま非常に暗い闇に包まれつつあります。
SIMフリー端末の流行です。SIMフリー端末とはドコモなどのキャリアと契約せず格安SIMカードを使用してインターネットやアプリを楽しめる新しい端末です。

ドコモなどのキャリア契約した場合とSIMフリー端末の月額使用料の差は8,000~10,000円とも言われています。この価格差がお客さんにとって魅力的であり「信頼・安定」の圧倒的なブランド価値を持つドコモ等のキャリアからSIMフリー端末に移行しているというデータがあります。
一言で言うとお客さんのニーズがブランド重視から価格重視のシフトしているということです。

このような変化にNTTが対応できているでしょうか。答えは正直「No」です。
外部環境が主な理由でNTTは2000年代前半だけで11万人のリストラを行っています。
それに加えて顧客のニーズも変化していて非常に雲行き怪しいのがNTTの現状とも考えられます。

あのNTTが11万人もの大規模リストラを行っていたのです。
しかも今より勢力があった時代に。勢力が弱まり、主力の事業に暗雲が立ち込めている現状を皆さんは「安定」と捉えることができますか?

NTTだけではありません。

多くの「大手企業」が同じもしくはより厳しい現状です。
安定が崩れたらお金もブランドイメージも全てなくなります。
とどの詰まり「安定」なんて存在していないのです。大手企業しか見ていなかった方々、この機会に全く違った規模感の企業を見られてはどうでしょうか。

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