経理部の仕事は通信簿つくり。

今日から経理部です。

学生の皆さんは、大学の授業を受けて、試験やレポート課題をクリアしたら、晴れて単位がもらえますよね。その集合体が「成績表」となって学校から本人に通知されます。小中高の時代でいうと、学期ごとにもらえる、ありがた迷惑の「通信簿」ってヤツです。

会社にもこの成績表や通信簿というものが存在します。経理部の仕事を一言で言えば、この成績表や通信簿を作る部署、ということになります。会社における通信簿というのは、1つは会社の活動成績です。つまり、いくら売って、いくら経費を使って、いくら稼いで(または損して)、っていうことを詳細に記録すること。もう1つは、会社の体力の把握。営業活動を行った結果、いくら貯金が出来て、どんな大きい買い物をして、銀行からいくら借金をして・・・といったもの。さらにいうと、一定クラスの規模以上の企業になると、そういった会社の活動で、どのくらいの現金が出たり入ったりしたか?を示すリストも作ります。経理部は、これらを作るために毎日仕事に励むといってもいいくらい。

学校の通信簿は、学期ごとに通知されますが、会社の通信簿は、基本的には毎月作ります。さらに上場企業の場合は、3ヶ月ごと(四半期といいます)に世間(特に株主)に向けて、通信簿を発表(公告といいます)しなくてはなりません。発表の方法、自社のHPで行ったり、上場企業の場合、日経新聞に掲載したりします。未上場企業は、官報という政府刊行の新聞に載せます。

経理部の役割。

経理部のドメインは「会計管理」と「税務管理」です。詳細は、

①決算業務(月次・四半期・中間・期末)
②財務諸表全般に関する事項
③勘定科目の決定・運用
④税務申告・税務調査に関する事項

・・・難しい言葉が並びますね。判りますかね?ちなみに、上場企業の場合、「会計監査人監査に関する事項」という重要業務が入ってきますが、ここでは割愛します。

このシリーズでは、専門的な用語の解説まで行いません。ですので、項目を1つ1つ掘り下げることは、ここではしません。あくまで部署の業務イメージがつけばいいと思うので、皆さんも判らなくてもそのまま流し読みしてください。難しいことは配属になってからいくらでも考えられるから。

経理部はリレーのアンカー。

決算業務というのは、冒頭に書いた通信簿の作成を行うことをいいます。会社の活動をリレーに例えると、まずトップは生産製造部門。原材料を仕入れて、商品を作る。2番手は営業部門。商品を売って売って売りまくる。その後、管理部門は各種経費を確認し、その全ての情報が財務部に行き、財務部は入金確認や支払処理を行う。そしてアンカーが経理部、という流れです。経理部は会社のアンカー。常にタスキをかけています。

経理部も人事部とは違う次元で合法的ルール違反に最も遠い部署です。それは「カネ」の処理を定義化する部署だからです。定義はぶれてはいけないもの。しかもアンカー。後がない。だから経理部の仕事は、非常に神経を使うし、非常に細かい部署です。

会計という世界は、常に法律が背中合わせになっており、業種や会社の規模を問わず、処理方法が共通概念として厳密に決められています。これが定義です。共通概念というのは、例えば、英語が国際語として、世界のどこに行ってもある程度通じるように、会計のルールは、どこの会社でも同じ理屈が通じます。ですので、会社の通信簿を比較する際の重要なツールになりますね。

つづく。

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