【採用情報を読み解く前に】そもそも資生堂とは?

資生堂は日本初の洋風調剤薬局として、福原有信が1872年に銀座に「資生堂薬局」を創業したのが始まりです。現在は日本トップシェア、世界シェア第5位の化粧品メーカーになっており、主に化粧品の製造と販売をおこなっています。海外での需要が多く、海外売上比率は6割と、今後ますます海外でのセールスが加速すると予想されます。

これまでの資生堂の採用実績を見ていこう!

◇採用人数

過去の採用人数は次のとおりです。
・2017年 149名
・2018年 143名
・2019年 163名
・2020年  65名

コロナ禍以前は150名前後の人数を採用していましたが、コロナ禍の影響もあり、近年は採用人数が少なくなっています。今後インバウンドの外国人観光客が戻るなど、需要が大きく戻らなければ以前の採用人数まで回復しないかもしれません。

◇採用した学生の出身大学

どんな大学の学生がこれまで入社しているのかも気になるところですよね。
内定者の出身大学の情報を見てみると、主要な国立大学はもちろんのこと、多くが早慶上智、MARCHとなっていますが、一方で中堅大学からも採用をしており、特に難解大学に採用者が偏っている印象はありません。学歴フィルターを課すことなく採用試験の結果に基づき内定を出しているようです。「大学のレベルが低いから…」と落ち込まずに、きちんと対策をすれば選考が通る可能性は十分にあります。

これまでの資生堂の採用実績を見ていこう!

資生堂の採用試験の内容とは?

では実際にどんな内容の採用試験がおこなわれているのか確認しましょう。
まず、資生堂の新卒採用の募集は職域別でおこなわれており、次のような分かれ方です。
【総合職】
・セールス
・ブランドマーケティング
・デジタルマーケティング
・リサーチ&デベロップメント(Research&Development)
・プロダクトエンジニア(Product Engineer)
【地域限定職】
・国内工場(製造系・技術系・事務系)
・ビューティーコンサルタント

職域別の採用試験になるため、それぞれで採用フローが異なりますが、ここでは大まかに「書類選考」「筆記試験」「面接」における資生堂の特徴を紹介していきます。またコロナ禍で採用試験の内容が大幅に変更になる可能性もあるため、あくまでも参考程度にしてみてください。

①書類選考

プレエントリーをすると、その後エントリーシートの提出を求められます。
資生堂のエントリーシートは設問が細かく深く考えさせて書かせるものが多いため、自己分析をきちんとしないと簡単には書けません。なぜエントリーシートの設問にこれだけ力を入れているかというと、それだけその人の人柄や人物像を重視しているということです。資生堂がどんな人材を求めているのかも分析したうえで、エントリーシートを作成していきましょう。エントリーシートの設問は次のようなものが過去に出ています。

・(100文字)大学の学業を通じて、もっとも力を入れて勉強したテーマ内容を記入ください
・(200文字)あなたがこれまで経験した周りの人との衝突や軋轢を教えてください。またそれをどうやって乗り越えたかあわせて教えてください
・(200文字)あなたがこれまで経験したもっとも困難な経験、つらかった経験を教えてください。またそのなかであなたが考えたこと、どう行動したかを合わせて教えてください
・(200文字)「美しさを通じて人々を幸せにする」について、あなたなりに自由に記述してください
・(500文字)あなたが今までにした一番の大きな意思決定は何ですか。そのことによって得た経験も教えてください
・(社名50文字・理由500文字)145年続いてきた資生堂の社名を変更する重要なミッションをあなたにお願いします。その新しい社名と、未来の社員にも語り継がれるようにその理由も説明してください

資生堂についての企業研究や、きちんとした自己分析ができていないと書けないような設問ばかりです。また求められることが多いわりに、各設問の字数制限が少ないものもあり、必要なものを取捨選択する力文章力なども求められます。

②筆記試験

資生堂の適性検査では「TG-WEB」が出題されるようです。言語、非言語、性格の分野で試験はおこなわれ、マーケティング関係の職種の場合はさらに小論文の試験もあるそうです。小論文はマーケティングの専門知識を問うものではなく、いかに論理的に話を展開できるかが重要です。過去のテーマとしては「自分の好きなブランドとその理由は」「アウトバストリートメントのリニューアルに伴うリポジショニング戦略を立案せよ」というものがありました。

③面接

面接は複数回おこなわれ、グループインタビュー形式、グループディスカッション形式、個人面接などさまざまな形で面接をおこないます。グループインタビューやグループディスカッションの面接はいわば、その人の人柄を見るための面接です。そのため社交性や自分はチームの中でどういう役割を担う人間なのかをアピールできるようにしましょう。個人面接では資生堂でどのように働いていきたいのかを具体的に述べられるといいでしょう。どの面接であっても、資生堂の採用試験をおこなう社員は物腰が柔らかく、丁寧な印象です。つまり採用したい人材としてもそのようなマナーの良さ人当たりの良さが重視されているとも言えます。

資生堂の採用試験の内容とは?

資生堂の採用試験のポイントとは?

◇資生堂が求める人材を把握しておく

どの企業の採用試験を受けるうえでも必要になってきますが、その企業が求める人材はどんなものなのかを把握しておくことは非常に大切です。

資生堂では「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」という8つに分かれたテーマがあります。

【THINK BIG】
広い視野から、大局を捉え、物事を考えよう
クリエイティビティを発揮して、新しい価値を作り出そう
【TAKE RISKS】
リスクを恐れず挑戦しよう
Try&Error&Tryを実践しよう
【HANDS ON】
現場にある真実を理解し、意思決定しよう
自らが動き、汗をかき、手を動かそう
【COLLABORATE】
組織の壁を取り払おう
1人ひとりの異なる強みを活かし、協力し合おう
【BE OPEN】
本音を語ろう
バッドニュースも安心して共有できるチームになろう
【ACT WITH INTEGRITY】
いかなる時も誠実で謙虚な心構えで行動しよう
【BE ACCOUNTABLE】
目標達成にコミットしよう
最後まで責任を持ち、やりきろう
【APPLAUD SUCCESS】
仲間の成功を喜び、皆でたたえ合うカルチャーを作ろう

これらから資生堂の求める人物像は「誠実で謙虚であること」「責任感をもってやりきる力があること」「何よりも挑戦する姿勢を持っていること」「チームや仲間と協力して取り組めること」などであることがわかります。

自己分析をしてみると、話したい要素がたくさん出てきてしまったという人もいるかもしれませんが、ぜひこの資生堂が求める8つのことに関係する出来事に合わせて、エントリーシートや面接でアピールしたほうがいいでしょう。

◇なぜ化粧品メーカーがいいのか、なぜ資生堂なのかを考える

これも大切なポイントです。メーカーのなかでもなぜ化粧品なのか、化粧品メーカーが数ある中でも、なぜ資生堂なのかを答えられるようにしておきましょう。前者はおそらく何かしらの経験から化粧品に対して思い入れがあったりするのではないでしょうか。そのような実体験をもとに説明できるといいでしょう。後者がもし思いつかなければ、資生堂の経営理念やビジョンを確認してみると、共感できるところがあるかもしれません。「資生堂」でなければ嫌だという強い気持ちを持って、採用試験に臨むことが大切です。

◇論理的な話ができるようにしよう

資生堂は一時、国内事業が低迷し売上が下がっていた歴史があります。しかし2014年に新しい代表取締役になってから、マーケティングを強化して商品を見直したり、企業内の経営構造を変えて回復してきました。日本の古い企業体質から、「数値」や「市場調査」に基づいた外資企業寄りのビジネスを展開し始めているのが特徴です。
そのため新卒採用の場合も、特にマーケティング職を志望する場合は、外資企業特有の論理的な思考数値から分析する力が求められてきます。初めから完璧なスキルがなくても、その素質があると思わせることが必要です。面接で話をするときは、筋道を立ててわかりやすく話せるように意識していきましょう。

資生堂の採用試験のポイントとは?

まとめ

資生堂の採用について、過去の採用人数や内定者の出身大学から見える特徴、採用試験の大まかな概要、資生堂の選考を通るためのポイントなどを解説してきましたが、いかがでしたか。学歴フィルターはあまりなく、きちんと求める人材にあった人であれば採用している実態が見えてきました。エントリーシートの細かさからもわかる通り、資生堂は非常に人柄やその人の物事に取り組むときの姿勢を重視する傾向があります。自分の特徴は一体何なのかをきちんと把握したうえで、採用試験に臨めるといいですね。

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