【年収を知る前に】ややこしい!ソフトバンク株式会社の立ち位置

「ソフトバンクってあの孫正義さんの会社でしょ!ヤフーとかPayPayとかだよね」とイメージしている人が多いと思いますが、詳しい組織図についてご存じでしょうか。
ソフトバンクの年収を知る前に、まずはソフトバンクがどのような組織なのか、どんな事業をおこなっているのかを確認していきましょう。

◇ソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社は違う

皆さんは「ソフトバンクグループ株式会社」と「ソフトバンク株式会社」があることをご存じでしょうか。

ソフトバンクグループ株式会社は孫正義さんを筆頭にしたソフトバンクグループを束ねる持株会社です。一方でソフトバンク株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社の下に位置する子会社、グループ内で通信事業を主に担う会社になっています。

持株会社という言葉が出てきましたが、これは子会社の株式を持ってその配当金を得ることを目的にした会社のことです。サービスの販売などの現場業務はおこなわず、株式を所有する会社の経営を支えて利益を最大化し、結果的に自らが得られる配当金が多くなるようにすることが主な役割です。つまり通信事業を担うソフトバンク株式会社の株式をソフトバンクグループ株式会社が持っているということになります。

Yahoo!やPayPay、ZOZOTOWNなどもソフトバンクグループに関連した企業になりますが、これはソフトバンク株式会社の下に「Zホールディングス」という持株会社があり、「Zホールディングス」の中の1つの子会社が「ヤフー株式会社」であり、「PayPay株式会社」であり「株式会社ZOZO」なのです。まとめると次のような形になります。

ソフトバンクグループ株式会社
     ↓
ソフトバンク株式会社
     ↓
Zホールディングス株式会社
     ↓
ヤフー株式会社、PayPay株式会社、株式会社ZOZO・・・

今回は通信事業を担う「ソフトバンク株式会社」についての話です。

◇ソフトバンク株式会社の事業内容

ソフトバンク株式会社の事業内容は次のとおりです。
①移動通信サービスの提供
②携帯端末の販売
③固定通信サービスの販売
④インターネット接続サービスの販売

具体的にはスマートフォンや携帯電話に関するサービスの提供、Wi-Fiなどのインターネット接続のサービスや固定電話回線の提供、最近は電気販売も始めていますし、ロボット事業の開発、販売などもおこなっています。法人向けには社内インフラのサービスなどもあります。個人、法人に関わらず通信に関するサービスをイメージしていきましょう。

◇ソフトバンク株式会社の職種とは?

就活生にとっては、どのような職種があるのかというところも気になるところでしょう。
2023年卒の募集要項を基に解説していきます。

・総合職

所属部署などに関係なく、幅広い事業に関われる職種です。
エンジニア関係の仕事をおこなうエンジニアコースと、エンジニア以外の仕事をおこなう総合コースがあります。応募コースは年度によって異なりますが、エンジニアコースにはネットワークエンジニア、システムエンジニア、ソリューションエンジニア、セキュリティエンジニア、データサイエンティスト、総合コースには営業、財務、事業開発があります。

・アソシエイト職

営業、企画、管理、技術における企画立案、社内外調整、業務改善などのサポートをおこなう仕事です。

・販売職

各種サービスを店舗で販売する仕事です。ソフトバンクのサービスを利用する一般のお客様に一番近い場所で仕事ができる職種といえます。

【年収を知る前に】ややこしい!ソフトバンク株式会社の立ち位置

ソフトバンクの平均年収は低い?年収の推移を解説

◇ソフトバンクの平均年収の推移

ソフトバンクの組織構成と、ソフトバンク株式会社の事業内容が理解できました。
では早速、ソフトバンクグループの通信事業を担う会社の平均年収の推移を見ていきましょう。

    平均年収 従業員数
2020年 820万円 18,173人
2019年 782万円 17,299人
2018年 733万円 17,115人

過去3年分しか見れませんが、年々上昇していることがわかります。
日本の男女合わせた正社員の平均年収は約503万円です。それよりも高い水準の平均年収といえます。

◇競合他社との平均年収の比較

では同じ情報通信業界を担う競合他社の平均年収はどのくらいなのか見てみましょう。

会社名        平均年収 従業員数 平均年齢
日本電信電話(NTT)  930万円 2,496人 41,8歳
ソフトバンクグループ 1,404万円 241人 40,0歳
KDDI          948万円 11,353人 42,8歳
ソフトバンク      820万円 18,173人 40,1歳
NTTドコモ       870万円 8,100人 40,1歳

日本電信電話株式会社とソフトバンクグループ株式会社は、NTTドコモとソフトバンクの株式を持つ持株会社です。そのため構成する社員として経営層が多いため、どうしても平均年収が高く出てきます。スマートフォンの販売や通信サービスを実際におこなう会社としては、KDDI、ソフトバンク、NTTドコモ3社の平均年収を比べたほうが、より実際に働く社員の年収に近い比較ができます。
比べてみると、ソフトバンクの平均年収が一番低く、KDDIの平均年収が一番高いことがわかります。とはいえ3社ともに日本の平均年収ははるかに超える数値です。

ソフトバンクの平均年収は低い?年収の推移を解説

ソフトバンクの初任給と給与評価制度とは?

◇ソフトバンクの初任給

就活生にとって一番気になるのは初任給ですよね。
ソフトバンクの初任給は次のようになっています。

・総合職
高専専攻科卒 233,000円
大卒・高専本科卒 243,000円
修士了 264,200円
博士了 274,800円

・アソシエイト職
最終学歴問わず 205,000円

・販売職
最終学歴問わず 206,000円

総合職の初任給は高く、高専卒でも23万円となっています。日本の大卒の初任給の平均は約20万円ですから、かなり高い水準です。なお総合職の初任給は個人の能力によって、個別で初任給額を設定する場合もあるそうです。

◇ソフトバンクの評価制度は「ミッショングレード制度」

給与のスタート基準となる初任給の金額がわかりましたが、このあとどのように仕事ぶりが評価され、どのような形で昇給することが出来るのかを押さえていきましょう。
ソフトバンクでは「ミッショングレード制」という評価制度で給与が決まっていきます。
ミッショングレード制とは、階層ごとに会社内での役割や達成するべき業務のレベルを設定し、それがクリアできれば評価され給与が上がるという制度です。旧来の年功序列制は「どのくらい会社に在籍し貢献しているか」や「管理職になれば給与が上がる」という仕組みでしたが、ミッショングレード制にすることである意味実力主義に近くなり、本当に現場で活躍している人が評価される風土になります。またミッショングレード制をとることで、現場でプロフェッショナルとして働き続けたいエンジニア職の人にとっては、自分の技術力が管理職と同等に認められ、それが給与に反映されるなど、メリットが大きいです。

ソフトバンクのミッショングレード制は6つの階層(グレード)に分かれており、グレード1~グレード3が一般職層、グレード4~グレード6が管理監督層になっています。グレード1~2はデベロップメント領域と呼ばれ、業務に必要な基本的なスキル向上が求められる階層です。グレード3がリーダー/プロフェッショナル領域となります。グレード4以降は管理監督層になり、マネジメント領域とプロフェッショナル領域に分かれます。管理職に就いて会社に貢献したい人はマネジメント領域へ、エンジニア職など現場のプロとして働き続けたい人はプロフェッショナル領域へ進みます。どちらへ進んだからといって給与が変わるわけではなく、グレードが同じであれば給与も同じです。

またミッショングレード制に必要な、職種とグレードの組み合わせによって果たすべき役割は「ミッション定義書」に定められ、専門性が重視される14職種にはさらに「専門性定義書」によって評価の基準が明確になっています。

このように評価基準が細かく明確に定まっていることで、入社してから自分には今何が求められているのか、そしてこれから何を目指せばいいのかがはっきりとわかります。これらがわかれば、よりモチベーション高く業務をこなしていけるでしょう。

◇ソフトバンクの3つの評価と給与への反映の仕方

ソフトバンクのミッショングレード制という評価制度がわかりましたが、この評価制度を基にどのように昇給や降給、賞与額の決定などをおこなっているのでしょうか。

まず、グレード評価というものが春と秋の年2回おこなわれます。これは前述したミッショングレード制をもとにそれぞれのグレードを決定するもので、春の評価で昇給・降給が決まり、秋の評価で賞与の標準額が決まります。年2回もおこなわれるので、自分が出した実績がすぐに給与に反映される可能性が高まります。

2つ目にコア能力評価というものもあり、これは日頃の働きぶりが評価されるものです。年1回春におこなわれ、レンジ給の増減、つまり給与額に反映されます。

最後にMBO評価というものがあります。これは春と秋の年2回おこなわれ、半期ごとに立てた目標に対してどのくらい成果が出たか、どのくらい会社に貢献しているかを評価するものです。コア能力評価が目標達成までのプロセスを重視するのに対して、このMBO評価は結果を重視します。この評価で賞与額が決まり、結果次第では賞与額が2倍になる人もいるそうです。

◇ソフトバンクで年収を上げるためには?

評価制度と評価体系がきちんと整備されていることがわかりましたが、そんななかで年収をアップさせるためにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、グレードを上げていくことです。

例えば大卒で入社してグレード1の場合、年収の目安は残業代も含めて550万円~600万円、一つ上のグレード2に昇格すると年収650万円~750万円ぐらいに上がるそうです。「年功序列の評価はない」とソフトバンクのホームページにも書かれているぐらいですから、自分の実力次第では、年次に関係なくグレードを上げ続けて年収をアップすることが出来るでしょう。

ソフトバンクの初任給と給与評価制度とは?

まとめ|ソフトバンク

ソフトバンクグループの通信事業を担うソフトバンク株式会社の年収について解説してきましたが、いかがでしたか。

大手3大キャリアの中では一番低かったですが、日本の正社員の平均よりははるかに高い平均年収です。また、入社後の評価制度やそれに沿って決まる給与体系も細かく定められていることがわかりました。就活をしているとどうしても「初任給」や「平均年収」にとらわれがちですが、入社後、自分の働きぶりがどのように評価され、給与に反映されるのかという点はとても重要です。働くうえで何を大切にしたいのかも考えながら、就活を進めていきましょう。

まとめ|ソフトバンク

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