川崎重工業の平均年収はどのくらい?

◇川崎重工業の平均年収の推移

ではさっそく、川崎重工業の平均年収を見ていきましょう。
企業の平均年収を知りたいときは、その企業の有価証券報告書を確認するといいです。
川崎重工業の過去10年間の平均年収は次のとおりです。

    平均年収 社員数
2020年 699万円 17,397人
2019年 715万円 17,218人
2018年 707万円 16,899人
2017年 706万円 16,423人
2016年 739万円 16,162人
2015年 743万円 15,911人
2014年 722万円 15,508人
2013年 700万円 15,196人
2012年 686万円 15,067人
2011年 660万円 14,825人

若干の変動はあるものの、600万後半から700万円あたりを推移しています。
日本の男女あわせた正社員の平均年収は約503万円ですから、それよりも高い水準の平均年収です。また、資本金が10億円以上ある国内企業の平均年収は約618万円ですから、それよりも高い年収を安定的に維持していることが言えそうです。

◇川崎重工業の平均年収は低い?重工メーカーの平均年収の比較

では次に重工メーカー各社の平均年収を比べてみましょう。
ちなみに重工メーカーとは、航空機や船舶、鉄道など規模の大きな製品を作り売る会社のことを指します。

会社名         平均年収 従業員数 平均年齢
三菱重工業        859万円 14,533人 41,3歳
川崎重工業        699万円 17,397人 39,4歳
IHI            765万円 7,796人 39,4歳
住友重機械工業      771万円 3,356人 42,4歳
三井E&Sホールディングス 659万円 38人 45,2歳
日立造船         683万円 4,105人 42,6歳
名村造船所        511万円 1,037人 39,5歳

2021年3月の売上高順にしてみました。
重工業メーカートップの売上高を誇るのは三菱重工業です。売上が高いことも相まって平均年収も高く出ています。川崎重工業は売上高2位ですが、同業他社の平均年収に比べると突出して高い平均年収であるとは言えません。
これは、まずコロナ禍の影響で業績が悪く利益が出ていないこと、そしてリストラをあまりせずに多くの社員を抱えて経営をしていることが要因の1つとして挙げられます。

川崎重工業の平均年収はどのくらい?

そもそも川崎重工業とは?

川崎重工業の平均年収や同業他社との比較がわかりましたが、そもそも川崎重工業はどのような事業をおこなっているのか、確認していきましょう。

◇鉄道車両製造

新幹線など電車、客車、貨車、機関車、ディーゼル機関車、新交通システムなどの車両を国内のみならず、海外にも開発、製造、販売をしています。

◇航空宇宙システムカンパニー

防衛省向けの航空機の開発や製造をおこなっているほか、アメリカのボーイング社が開発するボーイング787の国際開発・生産プロジェクトに参加したり、ヘリコプター、宇宙機器、旅客用ターボファンエンジンやヘリコプター用ターボシャフトエンジンの開発、製造をおこなっています。

◇エネルギーソリューション&マリンカンパニー

発電所などのプラントの開発などエネルギー分野の開発・製造、産業用プラントや産業用機械、都市ごみ焼却施設など環境事業設備を中心とした開発・製造、船を動かすための機器や設備の開発・製造、液化天然ガス運搬船や液化石油ガス運搬船、潜水艦などの海洋船舶の開発・製造をおこなう部署です。

◇カワサキモータース株式会社

モーターサイクル、オフロード四輪車、ジェットスキーなどの開発、製造、販売をしています。川崎重工業の事業の中で唯一、一般消費者向けのものがこの事業です。ちなみに水上を走る乗り物でおなじみの「ジェットスキー」という名称は、川崎重工業が所有する登録商標です。

◇精密機械・ロボットカンパニー

建設機械や産業機械、船舶用に使われる油圧機械の製造、自動車業界や電機・電子業界の工場などで用いられる産業用ロボットの開発、製造をおこなっています。

そもそも川崎重工業とは?

川崎重工業の初任給はいくら?職種もご紹介

◇川崎重工業の初任給

川崎重工業が手掛ける事業の大枠がわかったところで、就活生にとって重要な川崎重工業の初任給を見ていきましょう。
初任給の設定は次のとおりです。

高専卒 193,900円
大卒  215,400円
修士了 239,900円
博士了 309,290円

大卒の初任給の平均が約20万円ですから、若干高めの初任給です。
賞与は4月、7月、10月、12月の年4回あり、昇給は4月の年一回となっています。

◇川崎重工業の職種

新卒の募集要項を見ると、職種に特に縛りはありません。
では実際に川崎重工業にはどんな職種があるのか、押さえておきましょう。

・基本設計

顧客のニーズを把握して、製品の仕様や価格を検討して、営業で使う資料や基本的な製品の設計を作る仕事です。必要に応じて顧客へのヒアリングやプレゼンテーションもおこないます。

・営業

受注営業と工場営業の2種類があり、受注営業は企業や顧客のニーズを把握して、それに合った自社のプランをプレゼンテーションし、案件をとってくる仕事です。工場営業は案件受注後の契約遂行を担当し、製造過程での顧客からの注文を製造部に伝えるなど、案件が適正な利益を出して終われるように調整する仕事です。どちらも設定部門や製造部門と連絡を取りながら、製品の受注・契約・納入・代金の回収までをおこなっていきます。

・詳細設計

詳細設計は、基本設計で組み立てられたものを実際にどう具現化するかというところを考える仕事です。いかに顧客のニーズや契約を守りながら、コストを抑えて利益を最大化できるか、納期までに製造ができるような設計にできるかなど、ただ具現化するだけでなくさまざまな配慮が必要な仕事です。

・資材調達

生産に必要な原材料や部品を、質・コスト・運搬などを考慮しながら、いかに価格を抑えて利益を出せるように調達するかがカギになってくる仕事です。国内のみならず、海外も視野に入れて最適な調達計画を作っていきます。

・生産技術・工作

製品の製造や加工のラインにおいて、いかに効率よく、そして高品質なものを作れるかどうかを考え、生産工程管理、工作技術の開発、生産システムの開発などをおこなう仕事です。

・品質保証

川崎重工業で作られた製品の品質を担保する仕事です。ただ製品が正しく作られているかどうか確認するだけでなく、そうした検査の技術を開発したり、設計、調達、製造、出荷すべてにおける製品の品質管理をおこなっています。

・研究開発

構造・材料・流体・燃焼といった基盤技術や、制御・電気・電子・メカトロニクスなどのシステム技術の研究をおこなっています。研究開発を迅速に進めていくことで、川崎重工業から新しい製品、ビジネスを生み出す機動力を高められます。

・スタッフ部門

川崎重工業が保有する資産であるヒトとカネをサポートする部署です。主に総務、人事、法務、財務・経理に分けられます。また事業部門ごとの経営計画や、会社全体の経営計画の策定やフォローもおこなっています。

◇川崎重工業で働く場合の昇給やキャリアアップの仕組みとは?

川崎重工業は基本的に年功序列であり、年次によって大体同じような給与の上がり方をしていきます。また毎年少しずつ昇給するのではなく、役職が1つ上がると一気に給与が上がる特徴があります。そのため自分の頑張りが直接給与に反映されるというよりも、長く地道に仕事を続けていけば自ずと昇給していくようなイメージです。もし年次が浅いときに給与を上げたいということであれば、残業代で稼ぐしか方法はないでしょう。

役職は「係員」「主事補」「主事」「基幹職」「課長」という風に上がっていきます。
「係員」→「主事補」のときと、「主事補」→「主事」のときに試験があり、主事補試験のときにはTOEIC450点以上かつ論文試験、主事試験のときはインバスケット試験と論文試験です。主事補試験の合格率は高いですが、主事試験は2,3回おこなって合格する人が多いようです。ちなみに主事補試験は27才になる年に受けることができます。

初任給が大卒で約21万円でしたが、主事補になると約30万円、主事になると約40万円の基本給になります。つまり係員のときの年収は300万円台~400万円台、主事補になれば600万円台になるようなイメージです。主事になると人によっては年収1000万に到達する人もおり、基幹職になると年俸制に移行します。

川崎重工業の初任給はいくら?職種もご紹介

まとめ

川崎重工業の年収にフォーカスして、事業内容や職種について解説してきましたが、いかがでしたか。重工業メーカーのなかではまずまずの年収の高さでしたが、日本の正社員平均年収よりは高い水準であることがわかりました。しかし一方で年功序列の社風が強く、若いうちから頑張っても給与にあまり反映されずモチベーションを保ちにくい、という点も見えてきました。自分が働くにあたり何を大切にしたいのかを考えながら、昇給や社内評価制度も含めて企業選びをしていきましょう。

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