【年収を知る前に】大日本印刷の事業内容とはなにか?

いち早く平均年収はどのくらいなのか知りたいところですが、きちんと理解を深めるために、まずは大日本印刷の事業内容や特徴を押さえていきましょう。

大日本印刷は1876年創業の秀英舎を始まりとしています。その後印刷工場であった日清印刷と合併し、1935年に大日本印刷という社名になりました。
大日本「印刷」ですから、印刷をしている会社だということはわかると思いますが、現在はこれまで培ってきた印刷技術情報技術を用いて、建材分野やディスプレイ、電子デバイスなどのエレクトロニクス分野のビジネスも展開しています。

具体的には「出版関連事業」「情報イノベーション事業」「イメージングコミュニケーション事業」「包装関連事業」「生活空間事業」「産業用高機能材関連事業」「ディスプレイ関連製品・電子デバイス事業」に分かれます。

売上高の約5割が「出版関連事業」「情報イノベーション事業」「イメージングコミュニケーション事業」、約3割が「包装関連事業」「生活空間事業」「産業用高機能材関連事業」、残り2割が「ディスプレイ関連製品・電子デバイス事業」となっており、印刷業の割合はそこまで大きくありません

ちなみに飲料事業もおこなっており、「北海道コカ・コーラボトリング株式会社」という子会社を通して、北海道地域での飲料の製造や販売もおこなっています。

◇出版関連事業

雑誌や書籍の印刷製本デジタルコンテンツの企画や制作流通販売などもおこなっています。出版物の数が減る中で、紙の書籍と電子書籍、書店とオンライン上の書店を連動させるサービスなども始めています。

◇情報イノベーション事業(マーケティング関連)

企業の製品やサービスのコンセプト設計や開発、ウェブサイト、アプリの開発、イベントや店頭キャンペーンの実施、店舗などの空間設計など、企業のマーケティング事業をサポートする仕事です。

◇情報イノベーション事業(情報セキュリティ・BPO)

データ処理技術や印刷技術を活かして、ビジネスフォームや金券、ホログラムなどのセキュリティやデータ管理に関わるものの企画や製造、金融機関や流通小売業向けのセキュリティサービスなどをおこなっています。決済サービスや本人認証サービスの構築などもあります。またBPO(Business Process Outsourcing)という、企業の業務プロセスの一部を企画から設計、実施まで一括して請け負う業務受託もおこなっています。

◇イメージングコミュニケーション事業

フォトプリントサービスや証明写真機「Ki-Re-i」など、フォトプリントバーコードプリントに関連する製品の開発、製造、販売をおこなっています。

◇包装関連事業

食品や日用品、医薬品などのさまざまな製品のパッケージを開発、製造しています。近年は環境に配慮した包装、誰でも使いやすいもの、保存性や耐久性に優れているものが求められてきています。

◇生活空間事業

床材などの住宅用内装材、外装材、車両用内装材など、住宅やオフィス、商業施設、自動車、鉄道車両に関わる材料の開発、製造、販売をしています。

◇産業用高機能材関連事業

リチウムイオン電池用バッテリーパウチや太陽電池用部材、光や熱をコントロールする高機能のフィルムなど、産業用製品の開発、製造をおこなっています。ちなみに電気自動車やモバイル端末向けのリチウムイオン電池用バッテリーパウチは、世界トップシェアを誇っています。

◇ディスプレイ関連製品・電子デバイス事業

スマートフォンやタブレット端末、テレビ、パソコン、公共交通機関や施設などで使われる大型機器などのディスプレイに関連する製品の開発や製造をおこなっています。

【年収を知る前に】大日本印刷の事業内容とはなにか?

大日本印刷の年収は低い?平均年収の推移と凸版印刷との比較とは?

大日本印刷の事業内容がわかったところで、さっそく大日本印刷の平均年収の推移を見ていきましょう。

◇大日本印刷の平均年収の推移

企業の平均年収の推移を見るときは有価証券報告書を見てみましょう。
大日本印刷の過去10年の平均年収の推移は次のとおりです。

    平均年収 従業員数
2020年 766万円 10,328人
2019年 744万円 10,499人
2018年 726万円 10,757人
2017年 712万円 10,775人
2016年 706万円 10,800人
2015年 705万円 10,676人
2014年 696万円 10,697人
2013年 677万円 10,827人
2012年 652万円 10,724人
2011年 655万円 10,812人

年々上昇しており、現在は700万円台となっています。
日本の男女合わせた正社員の平均年収は約503万円ですから、それよりも高い水準です。

◇大日本印刷と競合他社との年収の比較

では、印刷業界の中で平均年収を比べると、大日本印刷の年収はどのくらいなのでしょうか。
           平均年収 従業員数
凸版印刷       677万円 10,730人
大日本印刷      766万円 10,328人
トッパン・フォームズ 682万円 2,612人
NISSHA        628万円 720人
共同印刷       555万円 1,821人

印刷業界の2021年3月の売上高ランキングを基に並べてみました。
日本国内の2大総合印刷会社である「凸版印刷」と「大日本印刷」が上位に並びます。
ただし、平均年収は大日本印刷が一番高く、凸版印刷より90万円ほど高い現状があります。2021年3月期の決算を比べる限り、経常利益のみ凸版印刷を上回るものの、他の純利益や営業利益などは凸版印刷のほうが上です。なぜ大日本印刷の年収はここまで高水準なのでしょうか。

◇大日本印刷の年収が高いのはなぜなのか?

それは大日本印刷の管理職の給与が高いことが推測されます。
社員の口コミなどを見る限り、一般社員の基本給はそこまで高くはなく、残業代で稼いでいる、賞与も少ないという声があります。しかし年次を積み、管理職になると高い給与になるようです。このような役職のない一般社員と管理職の社員で大きな給与の差があるなかで平均年収を割り出すと、管理職の高水準の年収に引っ張られてしまうということが起きているのでしょう。

大日本印刷の年収は低い?平均年収の推移と凸版印刷との比較とは?

大日本印刷の総合職の初任給と年収の上がり方とは?

◇大日本印刷の初任給

では最後に大日本印刷の初任給を見てみましょう。
新卒採用では、営業や企画、コーポレートスタッフになる「事務系総合職」、研究開発などをおこなう「技術系総合職」、クリエイター分野の「デザイン系総合職」の3つの募集職種があります。職種による初任給の違いはなく、大卒か院卒の学歴と、勤務地の違いで初任給が異なります。

【大都市圏】
大卒  221,000円
修士了 241,000円
【大都市圏以外】
大卒  216,000円
修士了 236,000円

日本の大卒の平均初任給は約21万円ですから、平均よりも少し高い初任給といえます。
昇給は4月の年1回、賞与は6月と12月の年2回となっています。

◇大日本印刷の年収の上がり方

平均よりも少し高い初任給から、どのように昇給・昇格し、年収が高くなっていくのか押さえておきましょう。
大日本印刷は年功的な要素は賃金制度にないとなっています。月給は「役割習熟給」「役割基礎給」「役割成果給」つまりその人の役割や習熟度などによって決められ、賞与は「考課分」「等級別一律分」つまり等級別で割り当てられた一律の金額と成果分から決められるそうです。しかし実態としては年功序列の風潮がまだ強いのが特徴です。

等級は大卒がG2から始まり、G1で一般社員のトップになります。それ以降は管理職となり、MSG4(係長クラス)、MSG3(課長クラス)、MSG2(部長クラス)、MSG1(本部長クラス)と続いていきます。また各等級ごとにS、A、B、C、Dのランクがあります。年功序列の風潮があるため、基本的には何もなければ毎年1つずつランクが上がっていき、MSG4の係長クラスまでは全員昇格するようです。そのため単純計算で入社10年目でMSG4ということになるでしょう。

年収の目安としては、G1で約500万円、MSG4で約640万円~780万円、MSG3で約900万円、MSG2で約1,000万円以上、MSG1で約1,100万円~1,200万円といったところです。

大日本印刷の総合職の初任給と年収の上がり方とは?

まとめ

大日本印刷の平均年収を中心に、平均年収の推移や競合他社との比較、初任給の金額とそこからの年収の上げ方を解説してきましたが、いかがでしたか。大企業らしい高水準の年収であることがわかりましたが、実態としては管理職の年収が高いこと、そして管理職になるまでにはある程度の年次を積まないといけないことなどが見えてきました。しかし大日本印刷では人事評価制度や給与制度の革新を進め、若手社員の年収を上げようとしてきています。今後の変化に期待です。

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