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ガクチカで高校時代のことを書いてもいいのか?

◇高校時代のガクチカエピソードは「あまりおすすめしない」

ガクチカで高校時代の話をしたり、高校時代の部活について話したりするのは間違いではありませんが、よくもありません。というのも企業側は大学時代に力を入れたことを主として聞いているからです。ただし、高校時代エピソードをガクチカエピソードへ落とし込む正しいやり方を抑えていれば、高校時代の話も可能です。その点を含めてこれから確認していきましょう。

なぜ企業は大学時代のガクチカを知りたいのか?

ガクチカの質問のなかには「大学時代に力を入れたことは何ですか」のように学生時代ではなく、期間を定めて質問をするものもありますが、多くは「学生時代に力を入れたこと」となっています。しかし学生時代とはいうものの、多くの企業は「大学時代」に力を入れたことを知りたいと考えています。ではなぜ企業は大学時代の話を知りたいと思うのでしょうか。
 

①自由な時間がある中で何をしていたのかを知りたい

高校時代までは決められた時間割があり、それに沿って登校し、授業を受け、決められた時間のなかで部活動をおこない、下校していました。しかし大学時代は自分で興味のある授業を選択し、時間割を決め、それに合わせて登下校します。また体育会系の部活動を除き、放課後の過ごし方も自分で自由に決められます。お金を稼ぎたければアルバイトをしますし、趣味に時間を費やしたければサークルに参加して楽しみます。さらに言えば授業に出るか出ないかも自由です。つまり高校までの学生生活とは全く異なり、自分の意思でどうにでもなるのが大学の学生生活なのです。
企業はそんな大学時代において何に力を注いでいたのかを聞くことで、その人の人柄や価値観、何に興味を持ってきたのか、自由な時間のなかでどんなことに時間を費やしてきたのかを知ろうとしています。
 

②「今」の人柄を知りたい

高校時代と言っても4年以上も前のことです。中学1年生が高校2年生になる期間ですから、それなりに経験を積み重ねてきて性格や価値観が変わってきていると言っても過言ではありません。入社する社員は大学時代を経てきた人物ですから、大学時代を経験した今の人柄を知りたいと企業は考えます。高校時代の話をされても「それから数年も経っているじゃないか」と思われてしまうのもなんとなくわかる気がしませんか。

なぜ企業は大学時代のガクチカを知りたいのか?

自分にとってもデメリット!ガクチカで高校時代の話を書くことの欠点

①大学では何もやってこなかったのかと思われる

まず第一に大学生であるにもかかわらず、高校生の時の話をするということは「大学では何もしてこなかったのかな」という印象を面接官に抱かせてしまいます。前述したように大学生は学業、アルバイト、サークル、ゼミナールなど様々なことを自分の意志で取り組むことができます。どんなきっかけで、どういう目的を持って、大学時代に何に取り組んでいたのかを企業は知りたいということを抑えましょう。
 

②質問に対する答えを出せない印象を与えてしまう

就活では大学のことを話すというのが一般的になっていますが、そこであえて高校時代のエピソードをガクチカに持ってくると、質問をきちんと理解していない印象が出てきます。仕事においても質問に対してきちんと答えを出せないかもしれないとイメージされてしまい、評価が悪くなってしまうかもしれません。
 

③今の自分に自信がないと思われる

大学時代である今の話ではなく、過去の高校時代の話をガクチカにするということは、今の自分に自信がないのかもしれないと受け取られることもあるでしょう。面接は今の自分をアピールする場ですから、是非今の大学時代の自分を話していきましょう。
 

④成長意欲がないと感じられてしまう

高校時代のエピソードを「学生時代に力を入れたこと」としてしまうと、そこから何も努力をしていない、何に対しても力を入れようとしてこなかったのかと思われます。社会で働く人に求められることは、過去の栄光にしがみつく人ではなく、前向きに努力を続けようとする人です。高校時代だけのエピソードでは今続けている努力までは見えないので避けたほうがいいでしょう。

自分にとってもデメリット!ガクチカで高校時代の話を書くことの欠点

【ガクチカで高校時代のことを書く前に】ガクチカで企業が知りたい5つのこと

ガクチカでは高校時代のことではなく、大学時代のエピソードを書いたほうがいいということが分かってきたと思います。なぜ大学時代のことを企業が聞きたがっているのかもわかりましたが、他に企業はガクチカを通して何を知りたいのでしょうか。そこを確認していきましょう。
 

①どのくらい思考力があるか

思考力は簡単に言えば「考える力」、何かに対して様々な方向から考え、物事をとらえ、問題があれば最適な解決方法を選択していく力です。商品を売る時や、アイデアを出すときなど仕事においても大切な力になっています。
企業は学生に「今まで頑張ったこと」を聞くことで、その頑張った過程でどのような考え方をして取り組んでいったのかを見ています。
 

②なにがモチベーションになっているか

「頑張ったこと」であるならば、「頑張ろう」と思った気持ちがどこかにあるはずです。
仕事においても「取り組むぞ!」という気持ちをもって仕事をしてほしいと企業は考えています。そのためガクチカを通して、学生が何にモチベーションを感じるのかを確認することで、実際に業務に着いたときのイメージができます。
 

③社風とマッチする人物か

企業に就職するということは組織の中で働くことになるため、その組織の雰囲気や考え方と、働きたいと考えている人の価値観が合わなければ、早期退職につながってしまいます。そのため企業は学生の過去のエピソードを聞くことで、その人が何を考えてどう行動したのかを知り、その人の人柄や価値観を捉えようとしています。
 

④学びを得ているのか

ガクチカでよくある伝え方として「経験を詳細に説明しただけになってしまう」というのが挙げられます。何かに取り組んだときに、何も感じずにやる人よりも、その過程の中でいろいろ考えながら学ぶ人のほうが、今後業務についた際にゼロから1を生み出せる可能性があると考えます。そのため「頑張ったこと」を通して「何を学んだのか」を企業は知りたいのです。そしてその学びが入社後にどう活かせるのかまでイメージできるとさらに良いでしょう。
 

⑤伝える力があるか

最後は基本的なコミュニケーション能力です。何も知らない人(面接官)に対して、きちんと分かりやすい言葉で自分の経験を伝える能力があるのかどうかも見ています。

いかがでしたか?ガクチカを通して企業は「どういう考え方を持っているのか」「何をモチベーションに動く人なのか」「どんな人柄なのか」「どんな学びを得たのか」ということを確認しようとしていることがわかりました。

そもそもあなたが高校時代のエピソードをガクチカに使おうと思うのはなぜでしょうか?
おそらく「高校時代にインパクトのある成績やエピソードがあるから」と思っているかもしれません。しかしガクチカでは「インパクトがある=評価が高い」ではありません。そのため、大学時代に「あの時は気合を入れて取り組んだな」と思ったことや「工夫をしながら乗り越えたな」と思うことがあれば、それを書いたほうが今のあなたらしさを伝えられるガクチカになります。これまでの企業がガクチカから知りたいことを抑えながら、自信を持ってもう一度ガクチカエピソードを考えてみるのも1つの方法ではないでしょうか。

【ガクチカで高校時代のことを書く前に】ガクチカで企業が知りたい5つのこと

【例文あり】これならOK!ガクチカで高校時代のエピソードを書いてもいい場合

大学時代のガクチカを書いたほうが企業側の質問の意図にはあっていますが、高校時代のガクチカも書いても問題ない場合があります。
 

①高校時代のことを問われている場合

高校時代のことについて直接問われる場合は、質問の通りに高校時代のガクチカを話しましょう。ここで大学時代の話をするのは、それこそ質問の意図をきちんと汲み取れない人と判断されてしまいます。
 

②大学生の今の自分につながる場合

例えば高校からバドミントンを続けていて、大学でもサークルでバドミントンをしていた場合、高校時代もバドミントンをやっていたことを話すことで継続力、好きなことに打ち込む姿勢を評価されます。持続力や継続力など1つのことに長く取り組む姿勢を見せることは、仕事でも責任感をもって長く取り組んでいけることへのアピールに繋がります。

例)
私が学生時代に力を入れていたことは、部活動です。
高校生の時にバドミントン部に入部し、そこから高校3年間と大学ではサークルで4年間バドミントンを続けています。
高校2年生で副キャプテンに選ばれましたが、キャプテンとの違いが分からず、自分の役割は何なのか悩む毎日を送っていました。しかし友人から自分がいることでキャプテンとメンバーの意見交換が活発になり、チームの雰囲気がよくなっていると言われ、組織の潤滑油として働いていこうと考えるようになりました。
大学のバドミントンサークルでは役職に付いてはいませんが、役職の有無に関わらず、チームのためにできることは何かを考えて、月1回のサークル会では進んで幹事を務めて、1人1人が話をできるような企画を考えて実行してきました。
部活動を通して、自分はチームの中での潤滑油として力を発揮できることに気づきました。また体力も付きました。御社に入社後はまず基本的な営業ノウハウを身につけて、ゆくゆくは営業チームをまとめる立場に就いて、自分の潤滑油的スキルを発揮して後輩を育てる仕事をしていきたいです。
 

③大学時代のガクチカの背景に高校時代のエピソードが関わっている場合

同じ取り組みでも大学時代にやっていたことよりも、高校時代のほうが成果を発揮できていたこともあるでしょう。その場合は高校時代の話だけをするのではなく、大学時代の話を中心に置きつつ、大学でも頑張れたのは高校時代に培った〇〇があったからですと話せば印象的になります。大学の話を中心にしているので大学で何もやっていなかったという印象にはなりませんし、高校の話に興味を持たれれば、面接官のほうから高校の時のエピソードを聞かせてと質問されるでしょう。
高校の話もしたいけれど就活では大学の話をしなければいけない、ということで悩んでいるのであれば、大学の話の中に高校時代のエピソードを撒いておき、面接官のほうから質問をしてもらうという作戦もアリですよね。

例)
私が学生時代に力を入れたことはゼミ活動です。
私は東京の下町の成り立ちに興味があり、都市社会学のゼミに所属していました。そこでは4人1組のチームになって1年かけて1つの都市の調査をおこなうのですが、私は浅草エリアを軸に調査を行うチームのリーダになりました。
初めはチームをどう取りまとめていけばいいのか不安だったのですが、まずそれぞれで興味があることは何なのかなど1人1人の意見を明らかにして、それを調べるにはどうしたらいいのかと戦略を立てて調査を進めていきました。これは高校時代にバスケットボール部の部長としてチームを引っ張ってきた経験から得た、1人1人にフォーカスを当ててチームの方向性を考えていくやり方です。
結果的に調査報告会では教授から1位の評価をいただき、チームのメンバーからは自分がリーダーだったことで調査がやりやすかったという声もいただけました。
こうしたリーダーシップや戦略を立てる特技を活かして、御社でも顧客一人一人の悩みをヒアリングをし、それに合わせた提案をしていきたいと考えています。

【例文あり】これならOK!ガクチカで高校時代のエピソードを書いてもいい場合

ガクチカで高校時代のことを書く際の注意点・ポイント

◇それなりのインパクトは必要になる

あえて高校時代の成績のことも話すとなると、それなりのインパクトのある成績が必要です。高校3年間野球部で練習を頑張りましたではなく、県大会で優勝したといったようなレベルです。面接官に「その程度で高校時代の話を持ってくるのかい」と思われないように、エピソードの選び方に気を付けましょう。
 

◇現在の自分に繋がっていることを強調する

前述している通り、高校時代の話をガクチカに書くときは、今の自分にも繋がっていることを強調して伝えましょう。高校時代に学んだことから大学ではこうやって頑張った、高校時代から〇〇に取り組んでいる、高校時代のこういう強みが大学の取り組みで活かされたなどです。
 

◇人柄や熱意が表れるようにする

ガクチカのやりがちミスとして「過去の経験のみを話してしまう」というのがあります。ガクチカでは過去のエピソードを絡めながら、自分の考え方や人柄、スキル、企業への熱意をアピールする場です。高校時代や大学時代などの過去のエピソードに意識を向けすぎずに、このガクチカで自分はどんなことをアピールしたいのかを今一度確認しましょう。
 

◇高校時代の実績をどうしても書きたいときは「特技欄」に書こう

どうしても高校時代に力を入れて頑張ったことを企業にアピールしたいということであれば、特技・趣味欄に書くのも1つの方法です。例えばテニス部に所属していて県大会4位まで行ったということであれば

例)特技:テニス(高校で県大会4位の成績を収めました。部活では忍耐力をつけ、今でも負けず嫌いな性格が短所でもあり長所です)

という風に書いてみてはいかがでしょうか。高校の成績と一緒に自分の性格を軽くアピールしてみたり、今でもテニスをやっているのであれば、どのくらいの頻度で取り組んでいるのかも書くと今の自分らしさを伝えることができます。

まとめ

高校時代の話をガクチカで書く場合の、ポイントや注意点、そもそもなぜ企業は大学時代のエピソードを求めるのかなどを解説してきましたが、いかがでしたか。高校時代の話をガクチカに盛り込むには、今の自分との繋がりを表せれば問題ないということが分かりました。またガクチカ自体、輝かしい実績が評価につながるわけではなく、その人の人柄や価値観が見えるエピソードであることが重要なポイントであるということがわかりました。これらのポイントを抑えながら、自分らしいガクチカを作成していきましょう。

まとめ

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