ガクチカを作るのはアリ?

◇結論は「ナシ」

ガクチカに限らず、就活において話を作るのはやめましょう。もし話を作って内定が出た場合をイメージをしてみると分かりやすいです。例えば技術職の求人の採用試験で、ある機器の経験年数を盛って話したとしましょう。そして晴れて入社ができ、その機器を取り扱う場面に遭遇したとします。「〇〇さんはこれできるよね」…と言われたら困りますよね。

ガクチカがないからといって話を作ると、就活では自分をアピールすることはできますが、入社後のデメリットを考えるとその場しのぎの話であることが分かります。

◇採用担当者にはガクチカの作り話がすぐバレる

日々、多くの就活生を見ている採用担当者には、話を作った内容のガクチカは違和感を与え、すぐ嘘がバレてしまいます。面接の場合、話の内容がよくても、話している雰囲気、目の動き方、身振り手振りを見て、嘘だとわかります。またガクチカを聞いた後に詳細な質問をすると答えられなかったり、段々辻褄が合わなくなってきたり、作り話だとわかるようです。

◇作り話は選考に影響するのか?

ガクチカを作っても必ずしも選考に影響するというわけではないです。企業や面接官によっては、作り話だと思ったら即不採用という人もいれば、作り話だと思っても人柄や入社意欲など他の部分が良ければ、この選考は通して次の面接で判断するという人もいます。

ただし、作り話自体がポジティブに働くことはありません。あくまでも他の部分に魅力を感じたから今回の選考は通すという場合が多いです。作り話がバレるとマイナス評価に繋がるのでやめましょう。

ガクチカを作るのはアリ?

自己PRとどう違うの?

「ガクチカ」と「自己PR」はどちらも自分の過去のエピソードを話すもので、かつ企業にアピールするものなので混同しがちですが、違いは理解できていますか?
あなたは違う内容を話せていますか?同じ内容ではありませんか?
設問を分けているので、企業は異なる観点で評価しています。自己PRと違う点をご説明します。

①ガクチカは「壁の乗り越え方」を焦点に

何か問題や壁にぶち当たったとき、どのように乗り越えたかに焦点当ててエピソードを話しましょう。一般的に用いられる方法はSTAR法です。STARとは、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動) 、Result(結果)の略になります。企業側は成功や目標達成、課題解決に至るまで、その人がどのように乗り越えたのか成功までの過程を知りたいのです。無事に内定をもらえていざ現場で働き始めたときに、壁にぶつかることもあるでしょう。その際に簡単に投げ出さずに乗り切る根性や忍耐力がある学生かどうかを見ています。

②自己PRは「自分の強み」を焦点に

「ガクチカ」に対して、自己PRは「自分の強みとは何か?」を話します。自分の強みが表れているエピソードに根拠を持たせ、自分が持っているスキルや価値観などをアピールし、入社後どのようにそれを活かしていくかを伝えましょう。
STAR法と同様に押さえておきたいのが、PREP法を用いた話し方です。
Point(結論を述べる)→Reason(理由を示す)→Example (事例、エピソード)→Point (再度結論でしめる)という方法です。「私の強みは〇〇です」と断言することを意識しましょう。

自己PRとどう違うの?

【作る前に】ガクチカの認識を変えよう

◇エピソードの大小は関係ない

多くの就活生は「インパクトがあるエピソード=採用担当者に響く」と考えがちですが、エピソードの大小は関係ありません。平凡なエピソードでも物事への取り組み方や成功までのプロセスを自分なりに工夫し、こだわりを持って成し遂げたことを書けば、採用担当者への立派なアピールになります。

◇企業はガクチカのどこを見ているのか

①どのくらい思考力があるか

思考力は簡単に言えば「考える力」、何かに対して様々な方向から考え、物事をとらえ、問題があれば最適な解決方法を選択していく力です。企業は就活生に「ガクチカ」を聞くことで、その頑張った過程でどのような考え方をして取り組んでいったのかを見ているのです。

②なにがモチベーションになっているか

「頑張ったこと」があるということは、「頑張ろう」と思った気持ちがどこかにあるはずです。仕事においても「やるぞ!」という気持ちをもって働いてほしいと企業は考えています。そのため、就活生が何をモチベーションとしているのかを確認することで、実際に働いた時のイメージをしています。

③会社とマッチする人物か

就活生が自社の社風や企業理念に合っていて、入社後十分に力を発揮できるかどうかを見ています。ガクチカを聞き、就活生の人柄や人間性を見て「この人は我が社に合っている」「長く活躍してくれそうだ」と企業は判断するのです。
会社との相性が合わずに入社してしまうと早期退職に繋がりかねません。会社は社員にできるだけ長く働いて欲しいと考えています。そういったミスマッチを防ぐためにも「ガクチカ」を聞く必要があると言えます。

④何を学んだか

ガクチカを伝える際に「経験を詳細に説明しただけ」になっていないですか?目標を掲げて達成に向けて必死に取り組み、何も学んでいなければ意味がありません。目標達成をするために行動して「何を学んだか」を企業は見ています。

⑤伝える力があるか

企業の採用担当者は「伝達力があるか」や「いかに分かりやすく論理的に伝えているか」なども見ています。企業の採用担当者に分かりやすく、説得力のある説明をするためには、論理的思考能力や言語化能力、表現力が必要です。これらの能力はビジネスシーンでも欠かせません。

【作る前に】ガクチカの認識を変えよう

【作る前に】ガクチカが無い場合はどうすればいい?

◇自己分析を徹底的にやってみる

自己分析の流れを今一度確認していきましょう。

①モチベーショングラフを作成する

人生の出来事の流れをグラフ化してモチベーショングラフを作成してみましょう。横軸は時間を表し、縦軸は自分の気持ちの上げ下げを表します。

モチベーショングラフを作ることで、今までの人生の出来事を客観的に見ることができます。さらに自分の感情の変化も可視化されているので、気持ちが上がる場面ではどういうことが共通しているのか、逆に気持ちが下がる条件はどんなときなのかがわかり、そこから自分の性格が把握できます。

②過去の出来事を何度も掘り下げる

人生における出来事を洗い出した後は、それぞれの出来事の深掘りをしていきます。
次の質問を参考にエピソードの深掘りをしていきましょう。

・なぜその活動に取り組んだのか
・なぜその活動を頑張れたのか
・その活動の中でどんな問題や課題があったのか
・その課題・問題に対して、あなたはどのような対処をしたのか
・対処した結果はどうだったか
・その結果からどんなことを学んだのか
・その結果からどんな影響を受けたのか
・その活動の中で辛い壁にぶつかったか
・その壁を乗り越えられたか
・なぜ乗り越えられたのか

③掘り下げた内容から浮かび上がる自分をまとめる

①で人生においてどんな出来事があるのかが分かり、②でそれぞれのエピソードの深掘りができました。次にそれぞれのエピソードを見比べて、そこから自分はどんな性格なのか、どんなことを大切にしてきたのか、短所は何なのかを考えていきます。

このようにそれぞれのエピソードに共通することを中心にまとめながら、自分がどういう行動を取る人間なのか分析していきましょう。また、前述したモチベーショングラフの気分の上げ下げに注目して、自分のモチベーションが上がるときや下がる時の共通点を見つけると、自分の価値観や自分が何を大切にしているのかがわかります。

◇周りの人に聞いてみる

自分で過去に頑張っていたことが思い出せないとき、周りの人に聞いてみるのも1つの手です。自分では無我夢中で覚えていなかったことでも、家族や友人は印象に残っていることがあるかもしれません。

◇今から作る

すでに就活が始まっている人は難しいですが、もし大学1年生や2年生で就活がこれからという人は、ガクチカで話せるような経験を積極的にしていきましょう。頑張ることは何でもいいですが、何事も目的をもって取り組むこと、そして学びを得ようとする姿勢が大切です。アルバイトやサークル活動の他にも、長期インターンシップやボランティアなどの課外活動もおすすめです。特に長期インターンシップは早いうちからビジネスの場を経験でき、就活につながる点からいってもメリットが大きいです。

【作る前に】ガクチカが無い場合はどうすればいい?

【作る前に】ガクチカの書き方

①結論ファースト

どのような質問でも、質問には結論から答えるようにしましょう。質問に対する的確な結論を最初に述べ、その後に具体的な理由やエピソードを添えることで、内容が整理され、面接官も理解しやすくなります。「学生時代に頑張ったことを教えてください。」と質問されたら「学生時代に頑張ったことは〇〇です。」というように回答してください。面接官は結論から先に聞くことで、「この人のガクチカは〇〇」と把握した上で、その後の展開を聞くことができます。

②エピソードを具体的に説明する

結論から伝えたら、次は具体的なエピソードを添えてわかりやすい内容にしましょう。より具体的なエピソードを書きますと説得力が増し、理解しやすい内容となります。具体的に書くためには、5w1h(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)を意識して面接官に伝えることで、わかりやすい内容にすることができます。

③STAR法で書く

先ほど述べたSTAR法の書き方について詳しくご説明していきます。

1.「Situation」‥状況

まず最初に、結論を簡潔に述べてから、次に展開する「T」に繋がるエピソード概要や状況を述べましょう。面接の質問には自分が伝えたいことを一番最初に簡潔に述べることが大切です。そう述べることで、回答全体を通して面接官に何を伝えたいのかがわかりやすくなります。

2.「Target & Task」‥目標・課題

その次に、Sから起こった解決すべき課題や、取り組もうとした目標を伝えましょう。その際に具体的に示した課題や目標を述べることで、文章に説得力を持たすことができます。そうすると面接官は内容を想像しやすくなり、学生のことを理解しやすくなります。

3.「Action」‥行動

その次に、先ほどのTの課題の解決や目標の達成のために自分の取った行動について具体的に述べましょう。その際に自分ひとりで解決したことではなく、チームで取り組んだことや、相手に対して働きかけたことを話す方が学生の人柄が伝わりやすいので、オススメします。

4.「Result」‥結果・成果

その結果、「A」によってどういう成果を生み出したのかを伝えましょう。反省を踏まえて自分の学びや成長を話しましょう。最後に会社で生かせるようなことを述べると、より説得力が増すのでオススメします。

【作る前に】ガクチカの書き方

まとめ

今回はガクチカがない場合作っていいのかどうかとその理由や、ない場合どうすればいいのかなど解説しましたが、いかがでしたでしょうか。ガクチカがないからといって作るのは採用担当者にすぐバレてしまいますし、マイナス評価になってしまうのでやめましょう。ガクチカがない場合のさまざまな方法を述べましたので、なくて悩まれているのであれば、試してみましょう。

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