【ガクチカが書けない人へ】そもそもガクチカとは?
ガクチカとは「学生時代に最も力を入れたこと」
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」の略称で、就活用語として浸透しています。
エントリーシートの項目や、面接官から質問される際には「ガクチカは何ですか?」と言われるわけではなく、「あなたが学生時代に一番頑張ったことを教えてください」と聞かれたり、あるいは特定の分野に絞って、例えば「あなたが学生時代に力をいれた学業についてのエピソードを教えてください」と聞かれることもあります。
自己PRとの違い
ガクチカの他に「志望動機」や「自己PR」なども就活の場で頻繁に出てくる単語です。
特に「ガクチカ」と「自己PR」は過去の経験から自分の能力をアピールするという点において同じように感じてしまい、就活生が「エピソードが足りなくて書けない…」と悩む原因の1つになっています。「自己PR」と「ガクチカ」の違いを認識しておくことも、ガクチカが書けない状況から脱却するために必要なポイントです。
まず「自己PR」とは読んで字のごとく、自己を他人にアピールするものです。
自己をアピールするわけですから、現在の自分を基点にして「入社したらこんな風に活躍できます」ということを企業側にイメージさせるのがポイントです。
一方で「ガクチカ」は「学生時代」に力を入れたこと、ですから過去の自分を基点にして実績を示し、そのうえで「だから入社したらこんな風に活躍できます」ということを企業側に伝えるのです。
ただし就活において、ただ「〇〇ができます!」と企業に伝えても説得力がないため、どんなときでも過去の経験を用いて説得力を増して話をします。そのため自己PRでも「過去のエピソード」が必要ですし、当然ガクチカでも「過去のエピソード」が必要になります。この部分が混乱を招く1つの要因ですね。
また、ガクチカで企業が重要だと思っている点は「過去にこの人はどんなことに情熱を注いでいたのか、そして情熱をもって取り組んだ結果、どんな結果を出せる人間なのか」というところです。面接や書類選考では実際にその人が物事に取り組む場面を見れません。そのため、ガクチカを通して「その人が120%の力を出すとどんな結果をもたらすことが出来るのか」をイメージしようとしているわけです。
反対に自己PRは、その人自身がアピールしたい強みということですから、物事への取り組み方というよりも、その人の性格や人柄を見たいという目的があります。
ガクチカはいくつ用意すればいい?
「ガクチカって何個あればいいの…」と不安に思っている人も多いでしょう。
残念ながら、ガクチカは採用試験を受ける企業が求める人材像や社風に合わせて見せ方を変える必要があるため、受ける企業の分だけ必要です。
「ガクチカが書けない」と悩んでいる人は途方に暮れているかもしれませんが、例えば、学業についてのガクチカしかなくても、「毎日復習を頑張ったこと」にフォーカスをあてるのか、「友人と一緒にお互いのわからない部分を補い合いながら研究を進めたこと」にフォーカスをあてるのかでアピールする部分が「コツコツと頑張れる人材」なのか、「チームで協力して頑張れる人材」なのか違ってきます。
つまり、使えるエピソードとしては1つしかなくても、採用試験を受ける企業によって見せ方を変えて、パターンをいくつか作れれば問題ありません。
ガクチカが書けないのはなぜか?理由を探ろう!
ガクチカが書けない…と嘆いている人は、まずなぜ書けないのかを考えてみましょう。
そうすることでどう解決すればいいのかがわかります。一緒に考えていきましょう。
①ガクチカを求められる意図がわからない
ガクチカを聞くことで企業が何を見ようとしているのかがわからない、だから何を書いたらいいのかわからないという人もいるでしょう。そんな方はまずガクチカを聞く意図、ガクチカから何を見ようとしているのかを確認しましょう。
②エピソードが本当にない
学生時代にこれといって力を入れたことがない!という人も多いと思います。特に近年はコロナ禍ということもあり、留学がしたくてもできなかったり、サークル活動も思うように活動できなかったりと制限があり、何に対しても力を入れられなかったという人もいるかもしれません。
③ガクチカの書き方がわからない
エピソードはあるものの、どうやって書いたらいいかわからなくてガクチカが書けないという人もいるでしょう。そんな方は書き方をマスターすればいいので、解決までもう少しです。これから解説していきます。
【ガクチカが書けない人の解決方法①】ガクチカの意図を知る
ガクチカが何のために聞かれるのか、企業はガクチカを通して何を知ろうとしているのかを確認しましょう。
①どのくらい思考力があるか
企業は学生に「今まで頑張ったこと」を聞くことで、その頑張った過程でどのような考え方や思考力を持って取り組んできたのかを見ています。
思考力は簡単に言えば「考える力」、何かに対して様々な方向から考え、物事をとらえ、問題があれば最適な解決方法を選択していく力です。商品を売る時や、アイデアを出すときなど仕事においても大切な力になっています。
②なにがモチベーションになっているか
ガクチカのエピソードを聞くことで、その人が何に対して興味を持っているのか、どんなことに対して「頑張ろう」と思ったことがあるのかがわかります。つまり何に対してモチベーションを感じるのかがわかるのです。モチベーションの源泉が分かれば、自社の仕事に対してどのくらい興味をもって取り組んでくれるのかが判断できます。つまりガクチカを通して志望度の確認ができ、そのうえ実際に業務に着いたときの仕事に取り組むイメージができます。
③社風とマッチする人物か
企業に就職するということは、組織の中で働くことになるため、その組織の考え方や価値観と志望者の考え方や価値観が合わなければ、早期退職につながってしまいます。そのため、企業は学生の過去のエピソードを聞くことで、その人が何を考えてどう行動したのかを知り、そのひとの人柄を捉えようとしています。
④学びを得ているのか
ガクチカでよくある伝え方として「自分の経験を詳細に説明しただけになってしまう」というのが挙げられます。何かに取り組んだときに、何も感じずにやる人よりも、その過程の中でいろいろ考えながら学ぶ人のほうが、今後業務についた際にゼロから1を生み出せる可能性があると考えます。そのため「頑張ったこと」を通して「何を学んだのか」、学びを持てる人間なのかを企業は知りたいのです。
⑤伝える力があるか
最後は基本的なコミュニケーション能力です。何も知らない人(面接官)に対して、きちんと分かりやすい言葉で自分の経験を伝える能力があるのかどうかも見ています。どんなに輝かしいガクチカを持っていても、何を言っているのかわからない人は、そもそも仕事ができないのではないかという印象になってしまいます。
【ガクチカが書けない人の解決方法②】ガクチカエピソードの見つけ方
ポイント:エピソードの「すごさ」は重要な部分ではない
ガクチカが書けない!という人にありがちなのが、「アピールできるほどの力を入れた取り組みがない」という考えです。たしかに「毎日読書をして年間150冊の本を読んでいます」という人よりも「NPO法人を立ちあげてビジネスコンペで入賞しました」という人のほうが、最初のインパクトが強いですし、入社後に即戦力として働いてくれそうな感じがします。
しかし、前項で見たようにガクチカを通して判断されているのは、その人の人柄や価値観、スキルもあります。ガクチカエピソードの「すごさ」がすべてではないことを認識しましょう。また会社によって欲しい人材はさまざまです。「私のエピソードじゃインパクトがないから、誰も欲しいなんて思ってくれない」と決めつけずに、どんなことに自分は取り組んできたのかを振り返りましょう。
①まずは自己分析をしてみる
自己分析をしても見つからないから困っているのよ…という人もいるかもしれませんが、就活ではこの自己分析をどこまでやれるかで、面接での受け答えが変わってきます。
具体的には自分の日記やスケジュール帳を確認して、「頑張ったこと」ではなく「学生時代に何を経験したのか」を振り返っていきましょう。経験したことや、起きた出来事のなかで「あのときはこんなことに意識しながら取り組んだな」と感じたり「あのときはこれが大変だったな」と思うことがあれば、それをガクチカエピソードにしてみましょう。
②周りの人に聞いてみる
周りの人に聞いてみるのも一つの方法です。自分では特に意識した取り組みでなくても、他人からすると頑張って取り組んでいたと感じることがあるかもしれません。家族や友人に聞いてみて、違う角度からガクチカにアプローチしてみてはいかがでしょうか。
③自分へ質問をしてみる
自己分析からガクチカエピソードを見つけるのが難しいという人は、自分自身に質問を投げかけてガクチカの糸口を見つけるのはどうでしょうか。
・今までで一番楽しかったことは?なぜそう思う?今の自分に繋がる?
・一番好きだった、得意だった教科は?なぜ?今の自分に繋がる?
・今までで悲しかったことは?なぜそう思った?今の自分に繋がる?
・今までで苦手だったことは?なぜそう思った?今の自分に繋がる?
・今までで夢中になっていたことは?なぜそう思った?今の自分に繋がる?
このように学生時代に関係なく、自分の根底にある価値観から紐解いていき、今の自分に繋がることを考えてみましょう。考えていく中で「そういえば学生時代にこんなことがあったけど、あのときは少し気合を入れて取り組んだな」と思い出すことがあるかもしれません。
【番外編】コロナ禍でガクチカが書けない!解決方法
ガクチカのエピソードがない!という人の中には、「コロナ禍にならなければ、話したいことがたくさんあったのに…」という方もいるでしょう。たしかに近年の就活生は、例年までの採用試験とは異なる形になったり、思うように大学にも通えなかったりと大変なことがたくさんあると思います。
ただ、「上手くいかないときにどう対応するか」「与えられた環境下で最大限のパフォーマンスをするにはどうしたらいいのか」というのは社会人、ビジネスパーソンにとっても大切なポイントで、コロナ禍で思うように大学生活が送れなかったからこそ、何をやってきたのかをアピールすることができます。企業側も学生たちがコロナ禍の影響を受けていることは十分承知しています。だからこそ、そのような状況下の中でもどんなことを頑張ってきたのかということを知りたいのです。ある意味、コロナ禍によって新しいガクチカのアピールの仕方が生まれたともいえます。
【ガクチカが書けない人の解決方法③】例文あり・書き方を知ろう
まずはガクチカを書くときのポイントをご紹介します。
ガクチカを書くときのポイント
・各項目で自分の人柄が伝わるように意識しよう
ガクチカに限らず、ES作成や面接、すべての就職活動の取り組みに通じますが、一番大事なことは「採用担当者に自分の人柄を伝える」ことです。同じ状況であっても、その人の考え方によって、行動は異なってきます。ガクチカを作成する際も、どの項目であってもその行動の裏にはどういう考えがあるのかを常に意識しましょう。
・とにかく結論から書く
こちらもガクチカに限らずですが、できる社会人のマナーとして結論から話すことが大切です。ガクチカであれば、学生時代に力を入れたことは何なのかを最初に述べます。そうすることで、このあとどんな話をするのか大まかに理解することができ、スムーズにコミュニケーションをとることができます。
ではさっそく、例文と一緒に書き方の手順を確認しましょう。
①結論:どのようなことに取り組んだのか
まずは学生時代何に力を入れて取り組んだのかを簡潔に伝えましょう。
例)私が学生時代に頑張ってきたことはバレーボール部での活動です。
②動機:なぜそれを取り組んだのか
次になぜその課題に取り組んだのかを伝えます。何かをするときのモチベーションは何なのかを伝える部分です。企業は学生時代に感じたモチベーションが、今後の仕事につながると考えています。自分がどういう気持ちで取り組もうと思ったのか考えてみましょう。
例)中学、高校とバレーボール自体は続けてきましたが、そこまで勝ちたいという思いもなくなんとなく楽しく活動できればいいかなと考えてきたのですが、大学の本格的なバレーボールの試合を見て、学生時代の最後に本気でバレーボールをやろうと思い入部しました。
③目標と困難:どのような目標をたて、どんな困難があったか
次に課題に取り組むうえでの目標や、どのような困難やつまづきがあったのかを語ります。
どの項目でも具体的に伝えることを意識しましょう。またここでは、その人がどのようなことを困難と感じるのかを企業は見ています。あまり難しくないことを困難としてしまうと、「そんなことでへこたれてしまうのか」と悪い印象を持つ可能性があるので注意が必要です。
例)初めは私のようなバレーボール部に興味があって入部した人と、バレーボールの推薦で入部してきた人との間にモチベーションのズレがあり、バレーボール部としてチームが1つになっていないのが課題でした。
④取り組み:目標を達成するために、困難をどのように対処してどんな取り組みをしたのか
設定した目標を達成するために、何に取り組んだのかを伝えます。その過程の中で生まれた困難については、どのように対処したのかも一緒に盛り込みましょう。「こういう目標をたてたが→こういう困難があったため→これに取り組みました」という順序で具体的に描写しましょう。
例)そこで私はまず、レギュラーと補欠で練習メニューが完全に分かれていたものを、ウォーミングアップでは一緒にやることを提案しました。レギュラーと補欠のメンバーでは実力に差があることはわかっていましたが、まずはチームとして練習に打ち込む姿勢を共有することが大切だと考えました。
⑤結果:どのような結果になったか
何かに取り組んだ結果を伝えます。輝かしい賞をとったというインパクトがなくても、結果までの過程が重要なので安心してください。
例)結果的にこのウォーミングアップを通してメンバー間での会話が増え、練習や試合の改善点などを皆で話し合う雰囲気を作ることに成功しました。またバレーボール部としての雰囲気が良くなったためか、私が3年生の時の入部者が例年よりも20%増えたました。
⑥学びと今後:取り組みの中で何を学び、仕事でどう活かすのか
結果だけで終わらないのが就職活動のガクチカエピソードです。今までの取り組みの中で何を学んで、それを会社のどのような場面でどういう風に使えるのかを具体的に伝えましょう。会社でどういう風に使えるのかという部分は、その会社の業務内容や社風などを理解していないと、的外れなアピールになってしまいます。しっかりとした企業研究が必要ですね。また文末は「~に活かせます」と言い切りの形で力強くアピールしましょう。
例)私自身は試合に出て大きな活躍はしていませんが、バレーボール部の活動を通して、組織において誰もが気持ちよく活動ができるようにするためには、気軽に話し合える雰囲気を作ることが大切だと学びました。また自分から何かを提案することで、組織の雰囲気が大きく改善することも知れました。御社では風通しのいい組織を作ることをモットーに飲食店のマネジメント事業を進めており、自分の価値観ととても合います。大学時代に身につけた積極性と組織改革の力を活かして御社で働いていきたいと考えています。
まとめ
ガクチカが書けない場合の解決方法について、なぜ書けないのかという点から掘り下げてきましたが、いかがでしたか。こんなエピソードで大丈夫なのかな?と思うのは、皆同じです。そのガクチカで企業に対して、自分のどんなことを知ってほしいのかを考えてみてはいかがでしょうか。目的がはっきりすれば堂々と面接で話すことができます。また不安であれば就活エージェントや大学の就職支援課に相談してみるのも1つの方法です。納得のいくガクチカが作れるように、最善を尽くしましょう。
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