面接における自己PRとは?
自己紹介とは何が違うの?
「自己PRをお願いします」に似ている質問として「自己紹介をお願いします」というものがあります。これらは何が違うのでしょうか。
「自己紹介をお願いします」は自分の名前や所属学校、趣味などの基本的な情報を相手に伝え、これから始まる面接がスムーズにいくように、いい雰囲気でコミュニケーションが取れるようにするものです。
一方で「自己PRをお願いします」は、その人の強みや長所が何であるのか、そしてそれがこれからどんな風に使えるのかを知るために質問するものです。
つまり同じような質問でも、企業側が知りたい事柄が異なります。よくある失敗として「自己紹介をお願いします」と質問をしているのに、自己PRをしてしまうというパターンがあります。「質問をきちんと聞いていないな」というマイナスな印象を持たれてしまうので、十分気を付けましょう。
面接で質問の仕方がさまざまにある「自己PR」
面接で自己PRをしてほしいと思って企業がする質問はいくつかのパターンがあります。
例:自己PRをお願いします。
例:あなたの長所を教えてください。
例:あなたの強みを会社でどのように活かせるのかを教えてください。
例:自分を表す能力は何ですか?
質問をよく聞いて「これは自己PRを話してほしい質問だな」と判断する力も必要です。
面接・自己PRのエピソードの選び方
まずは過去のエピソードを洗い出す
自己PRのエピソードを考えるとき、まず自分の強みを書き出すのではなく、一旦過去にどんなエピソードがあったのか洗い出してみましょう。いわゆる自己分析です。心が動いたこと、自分が一生懸命になって取り組んだことなどをピックアップしていきます。
そしてそれぞれの出来事でどんなことを考えて、どんな行動を起こしたのかを書き出します。そうすることでそこで発揮された自分の強みがわかるほか、長いスパンで見た時にそれぞれに共通する自分の強みを発見することができます。なお、共通してみられる強みは、潜在的に自分の中にある長所とも言えるでしょう。
自分の強みを先に書き出して、それに対応するエピソードを考えると、どうしても強みをどのくらい引き出せたかによって使える武器の量が左右されます。遠回りな気もしますが、過去の出来事をすべて洗い出してから考えることで、自分の気づかなかった強みが見つかりますし、それが新しく身についたものなのか、昔からあるものなのかなど強みの強弱がわかります。
企業が求める人材を踏まえながら考える
また、どの強みを面接で使うかを考えるときには、企業が求める人材を踏まえながら考えましょう。いくらエピソードとして印象的な長所や強みだとしても、企業が求めている人材に合わないものであれば意味がありません。企業研究やOB/OGの話をもとに、その企業に対しては何をアピールすればいいのかを考えましょう。
つまり自己PRは、志望動機と同じようにそれぞれの企業に合わせて変えていくのがベストです。
自己PRは1分~3分で話せるように準備しよう
企業によっては「自己PRを1分でお願いします」など時間指定で求める場合があります。そのため1分~3分ぐらいで話すことを想定して準備をします。人間が心地よく話を聞ける文章量は1分あたり250字~300字といわれているため、それを目途に文章にして、自己PRをまとめてみましょう。
企業は自己PRでどこを見ているのか
自己PRはその人の強みを知ることが目的ではありますが、強みを知ることでどんなことを企業は判断しているのでしょうか。
入社後どのように活躍することができるか
その人の強みがわかると、入社した後にどんな風に活躍をしてくれるのかイメージすることができます。面接では自己PRを話すときに具体的なエピソードも伝えますが、より具体的であればあるほど説得力があり、面接官も入社後のイメージに繋げられます。そのためエピソードは具体性を持ったものにしましょう。
どんな人物で社風に合う人柄なのか
強みや長所はその人の人柄の一つとも言えます。どんな人柄でどんな価値観を持っているのかを知ることで、社風に合う人物なのか、社員と同じパッションを持って仕事に取り組むことができるのかを見極めています。
入社への意欲はどのくらいあるのか
自己PRではエピソードの他に、その強みを仕事でどう活かすことができるかも伝えます。きちんと企業研究をして事業内容や企業が求める人材に合ったアピールをすることができれば、それだけ入社への意欲が高いことが見えます。反対にどの企業でも使えるような自己PRだとその企業に本当に入りたいのか?という疑念が生まれます。
コミュニケーション能力はあるか
自己PRは色々な質問の形で問われるため、質問の意図を汲み取る力が必要になります。つまりそれはコミュニケーションスキルがあるかどうかに関わってくる部分です。また自己PRで論理的な話ができるか、相手が聞き取りやすい話し方ができるかなどの、基本的なコミュニケーションスキルも見られています。
面接で自己PRを伝えるときのポイント
では実際に面接で自己PRをするときに、どんなことに気を付ければいいのかを確認していきましょう。
・結論を最初に話す
まず簡潔に話をするために、自分の長所や強みが何なのかを最初に伝えましょう。
一番印象の悪い伝え方は「ダラダラと話すこと」です。結局何をPRしたいのかが分からない自己PRは評価が低くなります。結論は最初に話す、社会人のコミュニケーションマナーで大切なことの1つです。
・謙虚かつ明るく話す
自己PRとなると伝え方によっては、独りよがりな傲慢な印象を与えてしまうこともあります。堂々としていることは大切ですが、気持ちは謙虚にいきましょう。話し方を明るくすることで、「傲慢」ではなく「堂々とした」印象になります。
・アピールポイントを絞って話す
評価を高くするために、いくつもの長所や強みを話してしまうことがあります。たくさんの長所があることはいいことですが、面接においてはパーソナリティが伝わりにくく、逆に印象に残りにくいものになってしまいます。
自己PRを求められたときは伝える長所は1つに絞り、他の質問のときに別のアピールができるように準備をしましょう。自己PRに繋げることができる質問は次のようなものがあります。それぞれ聞かれたときにどう答えるか準備しておくといいですね。
・あなたのモチベーションの源泉を教えてください。
・自分の強みを発揮するうえで重要なことや心がけていることを教えてください。
・自身を動物に例えると何ですか?
・自分にキャッチコピーをつけるなら何ですか?
・一言で自分はどんな人間だと思いますか?
・苦手なことはなんですか?
・短所はなんですか?
・将来にどう活かせるかもしっかりと考えておく
面接における自己PRで最も大切なことは「その強みを入社後にどう活かすことができるのか」を伝えることです。入社して活躍できる人を選ぶのが企業の新卒選考です。そのため、自分の強みを伝えるだけでなく、それを企業の利益へどう還元できるかも伝えなければなりません。そのためにはどのように業務をおこなっているのか、どういうプロジェクトがあるのかなど企業研究が必要になります。
・ESに書かれていることとズレないようにする
面接の前にESを企業に提出していると思いますが、面接で話すことは基本的にESで記載したことと同じにしましょう。ただし、紙に書いたことをそのまま暗記して伝えるのでは、面接をしている意味がありませんし評価も落ちます。伝える軸はESに書いたものと同じにして、面接ではそれに少し肉付けをして話すイメージです。文字数の関係で書ききれなかった具体的なエピソードを追加して話しましょう。
面接を通過する自己PRの伝え方
では実際に面接で自己PRを話すときの、伝え方を確認していきましょう。
①一番最初に自分の強み/長所を述べる
まず自分の強みや長所が何なのかを話します。簡潔に一文で伝えられるように意識しましょう。
②強み/長所が発揮されたエピソードを述べる
そのあとにその強みや長所が発揮できたエピソードを伝えます。
いつどんなことがあったのか、強みが発揮できた場面ですから課題や困難があったはずです。どんな課題に対してどう向き合って考えたのか、自分の考えや行動を具体的に述べましょう。
③その結果強み/長所が入社後どのように生かされるのか述べる
最後にその強みや長所を活かして、会社でどのように働きたいのか、活躍したいのか述べます。きちんと企業研究をして、その企業が求める人材や働く姿勢を掴んだうえで考えると良いです。
まとめ
面接の自己PRについて、企業が何を見ているのかや、エピソードの選び方、自己PRを伝えるときのポイントなどを解説してきましたが、いかがでしたか。ただ強みや長所を話すだけではなく、会社でそれがどう活かせるのかを伝えることが重要であるとわかりました。志望する企業に合わせていくつものパターンを作るのは時間がかかりますが、その企業で活躍できることをアピールするためには必要な作業です。自己分析や企業分析を重ねて、納得のいく自己PRを作っていきましょう。
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