面接で尊敬する人を聞く理由

面接官はなぜ就活生に「尊敬する人」を尋ねるのかについて解説していきます。

①価値観を知り、採用時のミスマッチを防ぐため

面接で尊敬する人について聞く理由①は、学生の価値観を知りたいからです。
どのような価値観を持っているかで学生と会社が本当にマッチしているかを確認することができます。企業は価値観の相違による早期退職を避けたいと考えており、採用や育成に費やした時間やコストを無駄にしないためにも、自社と相性が良いかどうかをチェックしています。自社の社風と学生の価値観が合うかどうかを知ることで、採用時のミスマッチを極力防ぐのです。

②説明力をみたい

面接で尊敬する人について聞く理由②は、学生の説明力をみたいからです。
面接ではコミュニケーション能力があるかどうかも見られています。
この質問をされた学生は「尊敬する人物」について、順序立てて論理的に説明する必要があります。論理的に物事を伝えられる人(コミュニケーション能力がある人)なのかどうかを判断しています。
説明力を評価されていることを認識し、しっかりと答えられるように準備しましょう。

面接で「尊敬する人」を聞くのはタブー?

面接で「尊敬する人」を聞くことは問題視されています。
その理由としては学生の「思想・信条」に関わる内容であり、それで合否を判断するのは差別につながる可能性があるからです。このような内容は厚生労働省の「公正な採用選考の基本」において、「配慮すべき事項」とされています。厚生労働省は、「尊敬する人物に関することは本来自由であるべき思想・信条に関わる事項で、本人の適性や能力とは関係がないもの」と定めています。

面接官自身にその質問の回答で合否を判断する気持ちがなくとも、知ってしまったことで合否に影響する可能性があるかもしれません。そのような就職差別につながらないように、配慮をしなければならない質問の1つです。

禁止されているわけではないのですが、面接でそうした質問は相応しくないとされており、段々と少なくなってきています。

面接で「尊敬する人」を聞くのはタブー?

面接での「尊敬する人」の答え方

①結論ファースト

結論である「尊敬する人」を端的に伝えましょう。
結論ファーストは、社会人になれば目的を伝えるという点で一番重要な話術の一つです。あなたが誰に敬意を抱いているのか、またその理由を1文程度でまとめるとどのようなものになるのかを簡潔に伝えると、面接官に1番伝えたいことである「尊敬している人」と、「尊敬している理由」が伝わるでしょう。

②理由・エピソード

次になぜその人を尊敬するのかという理由や、その人の具体的なエピソードを話しましょう。
尊敬する理由が分かりやすく伝えられるように、エピソードはできるだけ具体的に話すことが重要です。尊敬する理由を述べることによって、自分の価値観や目指している将来像ものが分かりやすく伝わります。また尊敬する人を見習って何か実践していることがあれば、エピソードと共に伝えましるのも良いでしょう。
目標に向かっての行動まで出来ていると「目標とする人物像に向かって努力できる人材」という高評価を得られます。

③自分がどうなりたいのか

最後に尊敬する人のどこを参考にして、将来自分がどのようになっていきたいのかを話しましょう。その人の良いところを吸収して”自分が目指していきたい人間像”を話すことで面接官は学生がどのような意欲があるか確認することが出来ます。
具体的に入社後をイメージしてなりたい自分を話すと、採用担当者により入社後のイメージを与えることが出来るので回答に取り入れてください。良いのでオススメです。

もし面接で「尊敬する人」を聞かれたら?オススメ人物例

①偉大な功績を残した有名人

先ほど面接で「尊敬する人は?」という質問はタブーであると述べましたが、タブーであることを知らずに質問する面接官もいます。もし質問された時のオススメ回答方法をご紹介したいと思います。

②歴史上人物

松下幸之助やスティーブ・ジョブズなど偉大な功績を残した有名な人物を答えると、面接官に悪い印象を持たれるリスクが減ります。

③身の回りの人物

両親や恩師など、身の回りの人物を挙げるのも良い例です。面接官にとっては全くの他人ですので、好き嫌いが分かれるリスクが無い点も安心です。ですが、面接官が具体的なイメージを持っていないため、想像してもらえるようにやすい説明が必要となります。

④スポーツ選手

イチローや吉田沙保里などスポーツ選手を挙げるのも良い例です。スポーツ選手を挙げる場合は選手としての成績だけでなく、結果を出すためにどのような努力を積み重ねてきたかについて話すとよいでしょう。自分の目指す姿と重ねて説明することで、面接官は学生がどのような気持ちで会社に入社しようとしているのかを想像しやすくなります。

⑤経営者

松下幸之助や豊田章男などについて話す場合には功績だけではなく、その人の「人格」や「行動特性」について尊敬している点を話しましょう。経営者を話題に出すことは、人事や役員からの共感を得やすいので好感を得ることができます。
しかし付け焼き刃の知識だと、直前に慌てて調べてた事がすぐに分かってしまうので、本当に尊敬している人がいる場合以外はあまり経営者と答えない方がいいかもしれません。

NGな「尊敬する人」・答え方

オススメの例をご紹介しましたが、一方であまり尊敬していると答えない方がいいNG例もご紹介します。

①功績があまり良く思われていない人

ヒトラーやスターリンなど、その人の功績があまり世間的に良く思われていないような人物を挙げるのは、避けた方がいいでしょう。面接官の心証を悪くする可能性があります。
また、政治家・宗教家などを挙げると、過激な考えを持っているのではと疑われる恐れもありあまり良いイメージが無いため、採用選考の場では控えましょう。

②抽象的なエピソード

尊敬する人を挙げられていても、その人について抽象的なエピソードであると具体的なイメージがしづらく、尊敬できる理由として説得力にかけることになります。「本当に尊敬しているのか?」と思われてしまう可能性があり、あまり印象はよくありません。

③人物の説明で終わってしまう

尊敬する人が有名ではなく面接官には赤の他人である場合、人物の説明をしなければならない場合があります。その際に面接官に具体的なイメージを持ってもらうため、人物の説明が長くなってしまう可能性があります。
説明に時間を費やし、自分自身の考えや具体的なエピソードを話せなかったという事態に陥らないようにしましょう。

④自分の意見がない

「私はそのような人になりたいと思いました。」など結果的に自分独自の考えを伝えられずに回答が終わると、肝心のあなたの価値観を伝えられない可能性があります。面接官を意識して変に取り繕ったりせずに、あなたが感じたことをありのままに話すだけで大丈夫です。尊敬する人物に対する自分なりの意見や分析があることによって、あなたがその人を理解して尊敬していると感じられ、あなたの価値観も伝わるでしょう。

NGな「尊敬する人」・答え方

面接では「尊敬する人」の回答を通して自己PR

今回は面接時に「尊敬する人は?」という質問についての答え方や注意すべきポイント、具体例についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。尊敬する人がどうしても見つからないという場合は、「電車で席を譲れる人」など、善行をベースに不特定多数で考えるのもよいでしょう。
「尊敬する人」に対する回答を通して、あなたの「行動力」をしっかりとアピール
しましょう。

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