そもそもボーナスって何?

「賞与」や「ボーナス」と言いますが、どちらも同じものを指しています。ボーナスとは法律などで定められたものではなく、基本給とは別に支給される給与のことです。つまり、ボーナスの支給は会社によって違うことを覚えておきましょう。リクルートサイトに平均賞与のことが書かれていても、あくまで過去の実例に過ぎません。会社の業績が悪くなれば、支給額が減ったり、ボーナスがもらえなかったりすることも考えられます。

ボーナスの支給額に関しては、基本給に準じていることがほとんどです。何ヶ月分がボーナスとなるのかは企業によって異なりますが、最近では「賞与2ヶ月分」という企業が多くなっています。月給20万円で賞与2ヶ月分であれば、40万円がボーナスとして支給されます。

新卒はボーナスもらえるの?

ボーナスについて理解できたところで、次に気になるのは新卒のボーナス事情。入社して早々、先輩社員にボーナスのことは聞けないとモヤモヤしている人もいるかもしれません。結論から言えば、新入社員でもボーナスを支給している企業はあります。とは言っても、ボーナスには査定期間があります。

ボーナスは業績に応じて支給額を調整されることが多いため、会社への貢献度で支給額が決まることがほとんど。入社したばかりの新入社員は会社への貢献度も少なく、規定通りのボーナスがもらえるとは限りません。ただし、企業によってボーナスに対する考え方は変わってくるので、初年度から満額が支給されることもあります。

ボーナスがもらえる時期

それでは、一般的にボーナスはどの時期に支給されるのでしょうか。ここでポイントとなるのは、民間企業と公務員とでは支給日が異なることです。

夏のボーナス

ボーナスは法律によって定められてないと書きましたが、公務員の場合は別です。国家公務員は法律で、地方公務員はそれぞれの条例によってボーナスについて定められています。その内容は期末手当と勤勉手当を合わせたものであり、毎年6月30日に夏のボーナスが支給されます。一方で、民間企業は7月初旬に支給されることが多くなっていますが、企業によっては6月や8月に支給されることもあります。詳しくは、自社の就業規則や雇用契約書を確認しましょう。

冬のボーナス

冬のボーナスは決算賞与として、夏とは規定が異なってくる企業も少なくありません。ただし公務員の場合、法律やそれぞれの条例に基づいて毎年12月10日にボーナスが支給されます。時期が把握できるため、その後のスケジュールも立てやすいのが特徴です。民間企業12では月初旬に冬のボーナスが支給される企業が多く、ほとんどの企業がクリスマス商戦までに間に合うように支給されますが、なかには年末になる企業もあります。

初年度の7月はもらえる会社ともらえない会社がある

前述した通り、ボーナスは査定期間に基づいて支給されることがほとんど。4月に入社した新入社員はボーナスが支給されるまでに3ヶ月しか働いていません。さらに夏の手前までは試用期間にしている企業も多く、査定の対象外となっていることもあります。そのため、初年度の夏のボーナスはもらえないと考えておくと、後で落ち込む可能性が低くなります。仮に支給されても、満額ではない可能性も高いので、支給されることを前提にして夏の計画を設計するのは避けたほうがよいでしょう。

ボーナスがもらえる時期

ボーナスの具体的な金額はいくら?

新卒で入社した場合、どれくらいの金額がボーナスとして支給されるのでしょうか。産労総合研究所の調査によると、新入社員に夏季賞与を支給したのは全体の89.4%と、ほとんどの企業でなにかしらの形でボーナスを支給しています。ただし、金額は寸志であることが多く、なかには在籍期間の日割り計算で支給している企業もあるようです。支給額の平均は、大学卒が93,786円、高校卒が71,107円となっています。

ここで注意したいのは、ボーナスは支給された金額をすべて受け取れるわけはないことです。一般的な給与に関しても、支給額から保険料や所得税などが差し引かれます。ボーナスも同様に、支給額から社会保険料と税金が差し引かれることになります。支給額からさまざまな税金が引かれた金額が、世間一般で言われている「手取額」として、指定した銀行に振り込まれるようになっています。

また、基本給与では2年目以降、前年の所得に対する住民税も差し引かれますが、ボーナスの場合は入社2年目以降でも住民税が差し引かれることはありません。なぜなら、所得税は確定前の概算支払となっているのに対して、住民税は年間の所得が確定してからの支払いとなっているため、他の税金のように過分に払うことがないからです。

ボーナスの具体的な金額はいくら?

手取りの金額の計算方法

ここでは手取り額の計算方法をご紹介します。
以下は基本給が20万円だった場合で仮定した手取り金額になります。

基本給:200,000円
時間外手当: 10,000円
超過勤務手当:0円
資格手当:5,000円
住宅手当:15,000円
通勤手当:10,000円

支給額:240,000円

健康保険:10,550円
厚生年金:19,460円
雇用保険:1,040円
所得税:5,050円

(支給額:240,000円)-(控除額:36,100円)=(手取り額:20,3900円)

参考:産労総合研究所「2017年度 決定初任給調査」
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/chinginseido/shoninkyu/pr1707.html

ボーナスの使い道【一般的になにに使っているか】

ほとんどの企業では、新入社員への夏のボーナスは寸志程度ですが、それでもボーナスを支給されたら、すでにそのボーナスの使い道を決めている人もいるのではないでしょうか。自分以外の人は、ボーナスをどのようなことに使っているのか見ていきましょう。

貯金

堅実的なボーナスの使い道に、将来を見据えた貯金があります。結婚資金として貯めたい、一人暮らしをするために、欲しい車を購入するための頭金としてなど、長期的に貯金をしたいと考えている人も少なくないでしょう。学生のアルバイトよりも安定した収入を得ることができるため、ついつい使い過ぎてしまう人もいますが、万が一を想定して今のうちから貯金しておくことも一つの方法です。

両親へのプレゼント

初任給で両親にプレゼントをする人も少なくありません。しかし、手取り額が少なくそれが実現できなかったため、ボーナスで親孝行を考えている人もいます。また、形に残るプレゼントだけじゃなく、旅行なども両親に感謝を伝える方法として挙げられます。数か月前までは学生で、親に頼りっぱなしであった人が、立派な社会人になり、それまで支えてもらってきた感謝を形にして返すチャンスでもあります。

自分へのご褒美

4月から環境が大きく変わり、いまだに戸惑いを隠せない人も少なくないでしょう。そのため、新しい環境のなかで、ここまで頑張ってきた自分に対してご褒美をする人もいます。寸志程度なら贅沢はできませんが、少し高級なレストランで心身をリフレッシュするのもボーナスの使い道の一つです。また、いままで我慢していたものをボーナスで購入すれば、これからのモチベーションにもなります。自分に合った使い道を探してみてくださいね。

その他

他には、ボーナスを借金の返済に充てるという人もいます。社会人1年目で大きな借金を背負っていることは少ないでしょうが、奨学金の返済のためにボーナスを使おうと考えている人もいるかもしれません。また、新車をローンで購入する人もいるでしょう。ローンの返済は毎月一定額の場合がほとんどですが、ボーナス時期だけ返済金額をアップさせることも可能です。

ボーナスの使い道【一般的になにに使っているか】

業種別のボーナスの実態

最後に、業界別でボーナス事情を確認していきましょう。

製造業

製造業は、一般的に他の業種よりもボーナスの金額の水準は高めになっています。労務行政研究所の調査によると、全体のボーナス平均額が71万2,898円に対して、製造業は74万1,591円と3万円程高いことが分かります。業界別には、自動車メーカーなどが高い水準をキープしているようです。また、東京オリンピックに向けて人材が必要な建設メーカーでもボーナス支給額が上がっています。

参考:労務行政研究所「東証1部上場企業の2017年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥協水準調査」(https://www.rosei.or.jp/research/pdf/000071539.pdf)

不動産

不動産の平均年収は400万円前後だと言われており、業種別にみても決して低い数字ではありません。しかし、不動産営業の給料は歩合制であることがほとんどで、ボーナス支給額も大きく個人差が出てくるようです。そのため、初年度からでもしっかりとした額がもらえる可能性があります一方で、予想以上にもらえない可能性もあります。また、企業によっては歩合制度に関係なくボーナスを支給しているところも少なくありません。

金融

業種別でボーナスの支給額が高いのが金融ですが、銀行は年功序列の慣習が強く、若手社員のうちからボーナスに大きな期待をすることはあまりできません。また証券会社は実力主義であるため、新入社員から期待以上のボーナスが支給されることもあることも頭に入れておきましょう。

業種別のボーナスの実態

まとめ

新入社員でもボーナスが支給される企業もありますが、そのほとんどが寸志程度です。ただし、どれくらいの金額なのかは会社の業績や考え方にも異なってくるため、一概に断定することはできません。入社して「ボーナスがない」と落ち込まないためにも、就活中から業界・企業研究をしっかりとしていきましょう。

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