会社説明会は大きく分けて2種類
会社説明会は企業が自社のことを就活生に知ってもらうために開催され、おおまかに2種類に分けられます。それぞれの違いを分かった上で参加することが必要です。
開催情報は、企業のウェブサイトや就職情報サイトなどから得られるでしょう。それぞれのタイプの特徴を紹介します。
【単独説明会】
単独説明会は1社が主催するため、志望する企業について深く知ることができます。説明会への参加が、採用選考にエントリーする条件の一つである場合も少なくありません。
参加は予約制となっていて『一次選考』を兼ねていることが一般的です。志望する企業の開催情報を逃さないように注意しましょう。
説明後に面接や採用試験が行われることもあるため、当日になって慌てないように、準備をしていくことが大事です。少なくともES(エントリーシート)を書くために必要な、自己分析は終わらせておくことをおすすめします。
【合同説明会】
合同説明会は複数の企業が集まって開催されます。何人かのグループに分けられた参加者が、各社のブースを回る形式が多いです。
主催者はさまざまで、就職情報サービス提供者が開催することもあれば、同じ業界や業種でまとまって説明会を開催することもあります。ほかにも、Uターン就職の希望者を対象にした地域主催の説明会などもあるでしょう。
1社あたり20~30分程度と短時間ながら、その企業の概要を一通り知ることができます。合同説明会に参加すれば、思ってもみなかった良い出会いがあるかもしれません。
会社説明会に参加する意義
企業によっては、会社説明会への参加が採用の絶対条件ではない場合もあります。選考に直接関係なくても、参加した方がよいのでしょうか。会社説明会に参加すると、どんな意義があるのか見ていきましょう。
【その会社の空気感が分かる】
受付や説明をしてくれる人は、その企業の社員です。社員の様子から『企業の雰囲気』が伝わってきます。会社の社屋で説明会が行われる場合は、職場の実際の空気を感じられるところもメリットです。
社員とのコミュニケーションを通じて、一般に開示されている情報からは分からないことが見えてくるかもしれません。
会社説明会はその企業の力を見られる場所でもあります。定刻通りに始まらない場合や、資料の配布などがスムーズでない場合、何らかの問題を抱えている可能性もあるでしょう。
社員同士の信頼関係や説明の進め方などから『自分との相性を判断できる』と考えれば、参加するメリットは大きいといえます。
【志望動機や自己PRの材料】
採用担当者の心を掴む志望動機や自己PRを書くためには、企業研究が欠かせません。企業のことをどれだけ深く理解しているかは、選考で評価されるポイントです。
理解が足りないと『企業が求める人材』が見えてこず、自分の強みを効果的にアピールできなくなってしまいます。
会社説明会に参加すれば、実際に働いている社員から生の声を聞けるでしょう。参加しなければ分からなかった情報を生かし、より企業を深く掘り下げられるのです。
得られた情報を志望動機や自己PRに生かせれば、他の応募者に差をつけられます。
差がつくポイント
会社説明会に参加しても、ぼんやりと過ごしていてはチャンスをうまく生かせません。ある程度は準備をしておくことで、有意義な時間を過ごせます。他の参加者に差をつけるためのポイントを見ていきましょう。
【前日までに企業の予習をしておく】
会社説明会へ行くのに、その企業のことを何も知らない状態で行くことはおすすめできません。
「行けば企業のことを教えてもらえるんでしょ?」と考えて何も準備をしていないと、いざ質疑応答になっても何を質問したらよいか分からないことがあります。
最低でも社外に発表している基本情報くらいは、予習しておきましょう。企業側も会社説明会の時点で、参加者がどれくらい『自社への興味』を持っているかは関心があるポイントです。
会社説明会の時点から熱意を売り込みたいと考えているなら、企業について調べられるだけのことは事前に調べて、知識をつけておくに越したことはないでしょう。
【質問を考えておく】
会社説明会は企業とコミュニケーションを取れる貴重な場所です。何のために会社説明会に参加するのかを考えれば、質問の内容がいくつか浮かんでくるでしょう。
説明会の前日までに、仕事内容・社内の雰囲気・事業やサービス内容・制度・福利厚生などに関する質問をまとめておきます。せっかくの機会ですから、ほかにも疑問点があれば解消しておいて損はありません。
自分が『何を知りたいと考えて参加したのか』を明らかにしておくことで、ただ説明を聞き流すことを防ぎ、有意義な時間を過ごせるはずです。
【選考の場であることを意識する】
会社説明会への参加がエントリーの必須条件となっている場合には、すでに選考が始まっています。気を抜いていると、あっという間に脱落してしまうでしょう。
企業は会社説明会の段階から、優秀な応募者にはチェックを入れています。会場では常に『見られている』という意識を忘れないようにしましょう。
他の応募者に比べてふざけていたり、熱意が薄かったりすると評価は下がります。自分だけでなく、学校に対する印象が悪くなる恐れもあるので、きちんとした態度で臨むことが大事です。
マナーと持ち物
初めて参加する場合、会社説明会でどのように振る舞えばよいのか分からない人もいるでしょう。最低限のマナーを守れていないと、恥をかいてしまいます。
当日になって慌てないように、事前に会場でのマナーや必要な持ち物を押さえておきましょう。
【服装はリクルートスーツが無難】
会社説明会へ行くときは、リクルートスーツが基本です。会場で1人だけ私服だと悪い意味で目立ってしまうため、きちんとした服装をしているに越したことはありません。
服装に関する指示があれば従いますが、特に指定がない場合には、後悔しないようにきちんと準備していきましょう。
靴下・靴・カバンなどの小物類も、スーツに合わせて用意します。会場では資料をもらうことが多いので、A4サイズが入るカバンを持って行きましょう。
【会場で守りたいマナー】
会場での振る舞いは常に注目されていると考え、『自制心』を持って行動することが大事です。
思いもよらない知り合いや友人などに会い、ついつい大きな声を出したりはしゃいだりしてしまう人がいますが、私語はやめましょう。騒いでいると印象が悪いだけでなく、周囲の迷惑にもなります。
また席は前方から埋めていくことがマナーです。前の方の席が空いているのに、あえて後ろの方に座ることは失礼にあたります。
説明が始まる直前までスマホをいじっていたり、落ち着かない態度でキョロキョロしたりすることもマナー違反です。何をしたらよいか分からない場合、配布された資料に目を通しながら待ちましょう。
【会社説明会に必要な持ち物】
会社説明会に何を持って行けばよいのか、見ていきましょう。
・メモ用紙やノート
・筆記用具
・スケジュール帳
・クリアファイル
・ハンカチやティッシュ
・事前に配られた案内や資料
・予備のストッキング(女性の場合)
質問の答えや知りたいことなど、気になった点はメモを取りましょう。覚えていられることはいちいちメモを取る必要はありませんが、重要な点は後から見返せるようにメモしておきます。
スマホをメモ帳代わりに使うことは避けましょう。周囲から見ると、別の用途に使っているように誤解されるリスクがあるためです。同じ理由から、時間をチェックするためにスマホを使用するのもやめた方がいいでしょう。
また女性の場合は、伝線に備えて予備のストッキングを用意しておいた方が安心です。
質問をするときのポイント
知りたいことは率直に聞いてよいのですが、分からない点を何でも聞けばよいというものではありません。質問をするときのポイントを見ていきましょう。
【聞いておきたい質問】
会社説明会では、事業内容・仕事内容・サービスや商品について『掘り下げた内容』の質問をすることがおすすめです。質問の例を見てみましょう。
・1日の業務の流れやタイムスケジュールに関する質問
・これまでに成し遂げた仕事で、どんな目標を立ててきたか
・入社後に必要となる技術
・どんな人材が向いていると思うか
仕事の内容を詳しく知るだけでなく、職場の空気を知るための質問をしても構いません。具体的には以下のような質問をすると、社内の雰囲気を感じ取れます。
・先輩や上司とはどんな間柄か
・仕事をしていて、今までに一番嬉しかったこと
・休日の過ごし方
【採用者が嫌う質問】
同じ質問の繰り返しや、これまでの質疑応答から導き出せる内容の質問は、時間の無駄です。人の話を全然聞いていないのかと思われてしまいます。企業のウェブサイトを見れば簡単に分かる内容の質問もNGです。
話が長く要点が掴めない質問もやめましょう。一度の質問で聞きたいポイントを一つに絞ることが基本です。
またその場にいるほかの人のことを考えず、1人でいくつもの質問をしたり、自己PRを絡めたりと、身勝手な振る舞いをしないように注意しましょう。
【質問するときのマナー】
『質問をする前に氏名と学校名を言う』『質問に答えてもらったらお礼を言う』などのマナーを守りましょう。
どちらも当たり前の礼儀ですが、緊張していると忘れてしまいがちなので、質問前に頭の中でシミュレーションしておきます。
また聞き取りやすいように『ハキハキと質問すること』も大事なポイントです。相手が質問の意図を分かりにくいようであれば、言葉の選び方や言い方を変えるなどして、臨機応変に対応しましょう。
準備をした上で会社説明会に参加しよう
会社説明会では、会場入りした段階から選考が始まっていると考えて、気を抜かないようにしましょう。特に会場での振る舞い方や、服装のマナーなどには気を配ります。
単独説明会は第一選考を兼ねていることが多く、面接や採用試験の準備が必要です。情報を逃すとエントリーできなくなることもあるので、チェックを怠らないようにしましょう。
事前に企業について予習しておくと、自分の中で抱いていたイメージと実際の印象を比べて企業を評価できます。質疑応答では、仕事内容や社内の雰囲気を掴めるような質問をすることがおすすめです。
何も準備しないと得られるものが少なくなってしまうので、事前に質問を考えておきましょう。
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