メールで送信する履歴書を作成する
現在就活の現場でやり取りされている履歴書には、手書きとパソコンで作成したものの2種類があります。メールで送信を求められた場合には、どちらの形式で送るのが正解なのでしょうか?
【データの作成はパソコンで】
履歴書をメールで送る際には、何らかの形でパソコンに取り込んで、添付ファイルとしてメールで送る必要があります。
パソコンで作成したものは、そのままメールに添付することが可能ですが、手書きのものを添付ファイルにするためには、スキャンしてパソコンに取り込む必要があります。
ところがスキャンしたデータは、解像度を低くしてスキャンすると字がつぶれて読みづらかったり、顔写真などが不鮮明になる場合があります。逆に解像度を高くすると、データが重くなってしまいます。
そのため「手書きのものを添付してください」との指示がない限り、一般的にはパソコンで作成したものを送りましょう。
【PDFに変換して送ろう】
パソコンで履歴書を作る場合、履歴書作成サイトを活用する場合と、ExcelやWordで作る場合があります。
いずれの方法の場合も、作成した履歴書は「PDF形式」に変換してから送るのが望ましいです。例えばExcel形式の場合、受け手側のパソコンのOSなどにより開封できない可能性があるほか、受け手が印刷する際などに設定が面倒な場合があるためです。
PDF形式であればOSに左右されずにファイルが開けるほか、内容を改変されにくいという利点もあります。
【PDFへの変換方法】
ExcelやWordで作成したデータをPDF化するのは、とても簡単です。
データの作成が完了して保存をする際、「ファイル形式」という項目が表示されます。ここでファイルの種類をPDFに指定して保存するだけで、PDF形式のデータが保存されます。
きちんとデータがPDFとして保存されたのかを確認したい場合には、保存し終わったファイル名の「拡張子」を確認してみましょう。「.pdf」と表示されていれば、そのファイルはPDFで保存されています。
メールで送る場合も写真は必要
メールで履歴書を送る際にも、写真不要との指定がない限り、通常は写真を貼って送ります。パソコンで作成した履歴書に写真を貼る方法を紹介しましょう。
【写真の選び方】
パソコンで作成した履歴書に写真を貼る場合には、まず写真をデータ化する必要があります。次のような方法で行いましょう。
・デジカメやスマホなどで撮影しデジタル媒体で保存する
・写真館などで撮影して写真のデータをもらう
・プリントされた写真をスキャンしてデータ化する
もし、紙にプリントされた写真をパソコンに取り込むためのスキャナがない場合には、コンビニの「マルチコピー機」でもスキャンが可能です。その場合、取り込んだデータをUSBメモリなどに保存して持ち帰り、自宅のパソコンに取り込みます。
【写真は履歴書に貼り付ける】
データ化した写真は、履歴書の所定の場所に貼り付ける必要があります。履歴書作成サイトなどを活用して作成した場合には、写真の貼り方についても手順の説明があるはずなので、その指示にしたがって作業を進めましょう。
ExcelやWordで作成した場合には、次のような手順で履歴書に写真を貼り付けてください。
1. 写真を挿入したい場所にカーソルを合わせ、メニューから「挿入」を選択
2. 「図」または「画像」をクリックして写真を選択
3. 写真を貼り付ける。写真の周囲が点線で囲まれるので、四隅のどこかをクリックし写真の大きさを枠に収まるように調整
メール送信時のポイント
パソコンで作成した履歴書が完成したら、いよいよメールで送信します。ここでは、履歴書をメールで送信する際のポイントを紹介します。
【わかりやすい件名を付ける】
企業の採用担当者の元には、広告メールなども含め、1日に何通ものメールが届きます。
そのため、件名から履歴書が添付された重要な応募書類であることがひと目でわからないと見過ごされてしまうでしょう。ひどい場合には、迷惑メールと間違えられてそのまま開封されずに削除されてしまう可能性があります。
メールの件名は、「履歴書等送付の件+氏名」とするのが基本です。この件名であれば、誰が、なんの目的で送ったメールなのかがひと目でわかるので、すぐに開封してもらえる可能性が高まります。
【メールの文例】
履歴書を送付する際にメールに盛り込む要素には、次のようなものがあります。
1. 宛名
冒頭に会社名と担当者名を入れます。担当者の名前がまだわからない場合には「採用ご担当者様」などとします。
2. 挨拶の一文
メールの場合に、挨拶の一文は「初めてご連絡させていただきます」「お世話になっております」といった簡単なものでも失礼にはあたりません。
3. 自分の名前
挨拶の一文の後には自分の名前を入れます。新卒の応募の場合には「学校名+フルネーム」が基本です。
4. メールの目的を簡単に記名
なんの目的で送ったメールなのかがひと目でわかるように、「ご指定いただいた履歴書をお送りいたします」など、メールを送った目的を簡潔に書き添えます。
5. 結びの一文
結びには定型文として「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認、ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」といった一文を入れます。
6. 署名
メールの最後には、必ず署名を入れます。署名には氏名・大学名・学部学科名・連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)を記載します。
メールで履歴書を送る際の注意点
最後に、これまで紹介してきた以外に、メールで履歴書を送る際に注意すべき点をいくつか解説します。
【指示されたらすぐに対応する】
応募企業から履歴書送付の指示が来た場合には、すぐに返信することが大切です。「来週の月曜日までに」などと期限が書かれている場合も同じで、締め切りまで時間があると安心せず、可能な限り早めに提出してください。
これは早めの対応をすることで、入社への意欲の強さや仕事が早いといった印象を与えられるためです。迅速に対応できるよう、就職活動を始める際にはあらかじめ履歴書を準備しておきましょう。
またメールは電話と違い、受信者は好きな時間に確認できるため、送信側もあまり時間にとらわれず、早朝や深夜の時間帯に送ってしまうことがあります。人によっては非常識と感じる可能性もあるので、できるだけ相手企業の就業時間内に送付するようにしましょう。
【ファイル名はわかりやすく】
件名と同じく、ファイル名も誰から送られた履歴書なのかひと目ではっきりわかるようなものにします。
さらに履歴書に不備があった場合に、修正を加えて再送することも考えられるでしょう。そのためファイル名を付けるときには、基本的に「履歴書_氏名_送信日」とするのが基本です。
送信日を入れれば、同じメールフォルダーに2通のメールがあっても、どちらのメールが最新のものかを容易に判別できます。
【ファイルにパスワード設定が必要かは要確認】
従来、履歴書をメールで送る際には、セキュリティーの関係上「パスワード」を付けて送ることが推奨されていました。
ところが2020年末に「PPAP(ファイルをパスワード付きZIPファイルにし、添付ファイルとパスワードは別のメールで送信するプロトコルの略称)」としてクローズアップされて以来、状況が大きく変化しています。
PPAPによりマルウエア(ウイルス)攻撃に悪用される危険性が高まるほか、そもそも受信者に作業負荷がかかるといった理由から、2020年11月に中央省庁においてパスワード付きファイルのメール送信を廃止する方針が発表されました。
この流れを受け、今後民間企業でもパスワード付きファイルをメールでやり取りすることが禁止される可能性が高まっています。履歴書をメールで送る場合にパスワードを設定すべきか否かは、採用担当者に事前に確認するのが賢明です。
ビジネスマナーをきちんと押さえて対応しよう
履歴書は、まさに就活の『はじめの一歩』です。まず履歴書による書類選考を通らなければ、その先の過程には進めません。
履歴書においては、経歴だけでなく、書き方や送る際のマナーもチェックされています。印象の良いメールを送って、ぜひ次の選考過程に進みましょう。
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