面接で緊張するのは当たり前
特に集団面接の場では、自分は手のひらに汗をかくほど緊張しているのに対して、隣の人が余裕ある態度だとますます緊張してしまうものです。面接で緊張するのは限られた人だけなのでしょうか?
【誰でも緊張する】
結論としては、あなたの隣で余裕の笑みを浮かべているように見える就活生も、内心では大変緊張しているはずです。
慣れない環境の中で、「質問に上手に答えたい」「この面接を乗り切って絶対に内定を勝ち取りたい」という思いが強ければ強いほど、緊張するのは当たり前だからです。
「面接は誰でも緊張して当たり前の場所」「隣の就活生も緊張している」と割り切って考えるようにすれば、少しは心の負担が軽くなるはずです。
もしどうしても過度に緊張することに負担を感じる場合には、むしろ無理に克服しようとせず、そういう性格なんだと開き直ってみるのもよいでしょう。
緊張している様子ながらも一生懸命に質問に回答する姿は、むしろ余裕のある態度の就活生と比べて好印象で受け止めてくれる面接官もいるはずです。
【数をこなして慣れるのが近道】
雰囲気に慣れ、様子をつかむために必要なことは、とにかくたくさんの企業の面接を受けてみることです。場の雰囲気に慣れることができるだけでなく、似たような質問を受けることも多いので、回答していく中で話をより上手にまとめることもできます。
もちろん面接を受けたいと希望しても、誰でも受けられるものではありません。しかし、大手企業の面接解禁日より早く、外資系企業やベンチャー企業などで採用面接を実施している企業も多数あります。
また、上手に活用したいのが、就職説明会への参加や、就職フォーラムなどで企業の担当者と面談する機会です。これらは本格的な面接ではありませんが、数を重ねれば雰囲気に慣れることができるでしょう。
緊張しないための事前準備
面接の場でできるだけ緊張を抑えるもう一つの方法に、しっかり事前準備をするという点があります。ここでは面接前にやっておきたい事前準備について解説します。
【話す内容を考えておく】
回答の準備がまったくできていない質問をされる場合と、事前に答える内容をある程度準備している質問をされた場合では、当然ながら前者の方が緊張するはずです。
そこで面接で緊張しないための事前準備として必ずやっておきたいのが、質問と回答を想定し、面接で話す内容を準備する作業です。
新卒の就活の面接の場では「定番」といえる質問があります。「志望動機」「入社後に実現したいこと」「学生時代の活動」などがその代表的な例です。
少なくとも定番の質問に関する回答や、自己紹介で話す内容などは、事前にある程度まとめておき、実際に口に出して話す練習をしておきましょう。
【発声練習をする】
緊張すると筋肉が硬直します。声帯も筋肉でできているため、過度に緊張すると普段より声が出にくくなるでしょう。そこで日頃から発声練習をし、呼吸法などを体に覚えさせておくと、いざというときに自然に反応できるようになります。
発声練習といっても、アナウンサー志望の人や、声楽や演劇の経験者でなければあまり体験したことがないでしょう。とはいえ、あまり難しく考える必要はありません。
1日に1回程度、大きな声を出してはっきりと「あえいうえおあお」と発音してみましょう。コツは平板に読むのではなく、スタッカートのように1語ずつしっかり区切って発音することと、お腹から声を出すことを意識する点です。
ある程度慣れたら、最後に挨拶、自分の名前、経歴、志望動機、面接で話すテーマを実際に話してみると、より効果的です。
【自分なりの方法を見つける】
メンタルのあり方や性格は人それぞれなので、自分なりに緊張をほぐす方法を見つけるのも一つの方法です。
代表的なのが、自分なりのルーティンを決めて実行する方法です。プロ野球の投手などで、ピッチング前にルーティンの動作を繰り返す選手がいますが、それと同様と考えましょう。
例えば「軽く左胸を拳で2回叩けば心が落ち着くのだ」と自分に暗示をかけておいて、そうした動作を面接前に実行します。
また、身体的な緊張をほぐすことで精神的な緊張を緩めるのも有効な方法です。トイレなどで軽くストレッチをしたり、深呼吸や発声練習も兼ねて腹式呼吸をしたりすることでも、全身の血流が改善して心身がほぐれます。
緊張しないために知っておきたいこと
「絶対に緊張してはいけない」と考えてしまうと、余計に緊張してしまうものです。そこで過度な緊張を避けるために、「緊張する」という状態について、まずは理解を深めてみましょう。
【緊張が必ずしも悪いわけではない】
実は適度な緊張は、人間のパフォーマンス向上に役立つという説があります。これは『ヤーキーズ・ドットソンの法則』と呼ばれ、高すぎず低すぎない適度な緊張状態(ストレス)のとき、人は最適なパフォーマンスを発揮できるとする法則です。
『緊張=悪』と決めつけて「緊張しないように」と考えすぎると、それが余計に緊張を招いてしまいます。そこで「自分は今だいぶ緊張しているぞ」と感じたときには、「この緊張がパフォーマンス向上に役立つぞ」と、発想の転換をしてみてください。
面接の場では緊張するのが当たり前と考え、緊張をなくすのではなく、うまく付き合っていく心構えが必要です。
【丸暗記するのはNG】
事前に話す内容を考えておくべきと前述しましたが、だからといって準備した話の内容を丸暗記するのはNGです。
仮に丸暗記をしても、面接の場で緊張のあまり頭が真っ白になって忘れてしまうこともあります。丸暗記を前提としていると、せっかく準備した内容を何も話せなくなってしまう場合があり、それがさらなる緊張を招きかねません。
自己PRや志望動機などは、要点を箇条書きに書き出し、その要点だけを覚えるようにしましょう。そうすれば『忘れる恐怖』から緊張を招くリスクを防げます。
相手に伝わる話し方をするためには、覚えた要点をもとに頭の中でイメージやストーリーを思い浮かべながら、そのときに抱いた感情なども織り交ぜて話すようにしましょう。事前に自分の話す姿を録画して、客観的に見るのも効果的です。
それでも緊張してしまう人は
今まで紹介したような方法を実践しても、過度な緊張から逃れられないという人もいるでしょう。最後に、どうしても緊張が解けない人のために、緊張との上手な付き合い方を解説します。
【緊張していることを正直に伝える】
緊張しているのに緊張していないふりをすると、自分の内心が見抜かれないかと心配になり、余計に緊張してしまいます。
面接では誰でも緊張をすること自体は、面接官は十分に心得ています。だから緊張していることだけで、面接の評価がマイナスになることはありません。
そこで面接が始まったらすぐ、面接官に「今日はとても緊張しています」と自分から伝えてしまうのも一つの方法です。緊張していることを隠さないでいいと思うだけで少しは緊張がほぐれます。面接官がこれをマイナス評価する心配はありません。
【失敗しても良いと考える】
面接の場では、一つの質問に対して上手に答えられなかったことがあると、その失敗に気をとられて次の質問にも上手に対応できなくなることがあります。
緊張をほぐすためには、「たとえ失敗しても命をとられることはない」と考えるくらいの、ある種の開き直りが必要です。
ザルツブルグ大学で人間とコンピュータの関係について研究しているニコル・ミルニヒ氏の研究によると、完璧すぎるロボットより、ある程度ミスを起こすロボットの方が、人は好感を抱くそうです。
これは対人間の場合も同じです。あまりに完璧すぎて非の打ち所がないよりも、少しくらいの失敗はむしろご愛嬌で、そこから人間味や親しみが増すという場合があります。
だからといってわざと失敗する必要はありませんが、一度失敗したらそれで終わりではないと考えるようにするだけでも、気が楽になるはずです。
【ポジティブなことを考える】
自転車に乗っているときに障害物があった場合、そちらに近寄ってはいけないと思って凝視してしまうと、余計にその障害物に近寄ってしまうという経験をしたことはないでしょうか?
緊張もこれと同様で、「面接で失敗したらどうしよう」「私が合格できるわけがない」などとネガティブなことばかり考えていては、うまくいくものもいかなくなってしまいます。
面接に通過してその会社でイキイキと働いている自分の姿のように、ポジティブなことを考えるようにすれば緊張も少しは和らぎます。
もし「当社でどのように働きたいですか」といった質問をされた場合にも、面接官に明るい印象を与えながら、具体的かつ楽しく回答ができるはずです。
面接では誰でも緊張するので気にしすぎない
面接の場では誰でも緊張するものです。そのことを前提に、できるだけ気持ちをほぐす方法を自分なりに見つけ出しましょう。
事前に緊張を和らげる準備を整えて、上手に面接を乗り切ってください。
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