協調性を重要視する企業は多い

グループ内で協調性があることは、企業が必要としている人材の要素のひとつです。
実際に、日本経済団体連合会が実施した「2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、企業の約47%が「協調性」を重視しているというデータが残っています。
なぜなら、ほとんどの企業ではチームワークを重視しているからです。ひとつの案件を社員一人で行うのではなく、そこには多くの人が関わって会社に貢献しようとしています。
そのため、円滑な仕事をするためにも、協調性はなくてはならない要素なのです。

協調性を重要視する企業は多い

協調性とは?

頻繁に使われる協調性ですが、言葉の定義は人それぞれバラバラです。
「周りの意見を上手にまとめる」といったリーダーシップのようなものを思い浮かべる人もいれば、「その場の空気によって意見を変える」といったマイナスのイメージを持っている人もいるでしょう。このように、「協調性」という言葉には、たくさんの意味を持っています。そのため、自分が伝えたい強みが全く別の意味で捉えられてしまうことがあることを理解しておきましょう。

協調性とは?

企業が求める協調性がある人はどんな人?

協調性とは、誰もが秘めている可能性のある強みです。しかし、その意味は抽象的なものであり、一歩踏み間違えるとマイナスの評価を受けてしまうこともあります。それでは、企業が本当に求めている「協調性がある人」とは、どのような人を指しているのでしょうか。ここでは、4つのポイントに分けて、就活でアピールできる協調性についてご紹介します。

周りに気を配ることができる人

同じ環境で働いている人でも、年齢や性格、価値観は人それぞれです。
仕事が早い人もいれば、ゆっくり丁寧に仕上げる人もいるでしょう。また、仕事に慣れていない新入社員は、チームが一丸となってフォローアップしてあげなければいけません。
先輩後輩に関係なく、周りに困っている人がいればすぐに手を差し伸べられるような人は、企業にとって必要とされている人材の一人です。
いつも周囲に目をかけられることは強いアピールポイントとなるでしょう。

意見が合わない人ともうまく付き合うことができる人

全員が同じ目標に向かっていたとしても、意見が異なってしまうことは少なくありません。
より良い仕事をするためには議論も必要ですが、誰かとぶつかってばかりでは良い結果にはつながらないでしょう。自分の意見を持ちつつも、相手の意見を聞き入れられる柔軟さも大切です。将来的ななことを考えて、チームを引っ張っていくリーダーシップも求められます。周りの意見を上手にまとめて全体をひとつにしていけるような能力をアピールすると、喜ばれるかもしれません。

チームで生産性を上げることができる人

すべての仕事を一人で抱えてしまうような人は、あまり企業には受け入れられません。
なぜなら、ひとつの仕事には、社内で働いている多くの人が関わっているからです。目標に向かって全員で協力し合うことで、仕事の質だけでなく、生産性を上げていくことができます。
そのためには、一人ひとりが意識高くいるだけでなく、チーム内でのサポートを積極的に行う必要があります。また、困ったことがあればすぐに周りに助けが求められる素直さも大切です。

いい空気をつくることができる人

「盛り上げ役」とひと言で済ませてしまえば、あまり聞こえは良くないでしょう。
しかし、仕事の内容は楽しいことばかりではありません。時には辛く、誰もがやりたくない仕事もこなす必要があります。そういった場合は、どうしてもチームの士気は下がってしまうもの。

そんな時でも、その場の空気を一変させられるような人は、貴重な存在です。
すぐに周りにいる人たちを笑顔にできる人も、企業にとって必要とされる人材であると認識されるでしょう。

企業が求める協調性がある人はどんな人?

協調性を特に必要とする職種は?

ほとんどの仕事は、チーム一丸となって完成していくことになります。そのため、協調性が強く求めている企業に対して、明確に協調性をアピールすることができれば、あなたを必要な人材として認識してくれるでしょう。それでは、具体的にどのような職種が協調性を必要としているのか、代表的な4つの職種をご紹介します。

営業職

人との接し方に愛想がなく、他人とすぐにぶつかる人は、営業職は難しいでしょう。
社内では、チームの目標に対してどのような行動を取れば良いのかを常に考える必要があります。また、顧客に対しては、物腰を柔らかくして相手との距離感を上手に保たなければいけません。
そのためには、周りから「信頼できる人」と思われることが大切です。いつも明るく、誰とでも気軽に付き合うことができるような人ほど、営業職としての協調性を身に付けていると言えます。

販売職

同僚やお客さんと接するという意味では、営業職と変わらないと考える人もいるでしょう。
しかし、販売職の場合は店舗や販売ブースなど、限られたスペース内での仕事となります。基本的に少人数で毎日同じメンバーと顔を合わせるため、アットホームな雰囲気が魅力のひとつです。
そのため、メンバー同士でちょっとしたトラブルなどがあると、すぐに職場の雰囲気が悪くなることも。意見の食い違いはよくあることですが、販売職ではそれを修正できる人が求められています。

事務職

営業職や販売職と違い、仕事内容によっては受け身になってしまうこともあるでしょう。
事務職の仕事は他の職種のサポートをすることです。自然と社内で働いている人と接することが多くなります。そのため、事務職は高いコミュニケーション能力が求められる職種でもあります。
仕事内容は派手ではなく、黙々と仕事をするように思われがちですが、社内のサポートを積極的にすることが必要とされています。

企画職

販売する商品を企画する職種であるため、社内の様々な人と関わりを持ちます。
ターゲットを絞り、何を求めていて、そのためにはどのような商品を開発して、どのように販売するのかを熟考し、何度もプレゼンテーションや会議を重ねなければいけません。
時には、会社の重役を中心に社内の人たちから厳しい意見を突きつけられることもあるでしょう。それらに対してどのように対処していくことができるのかが大切です。
そういった意味で企画職は、協調性が求められる職種のひとつです。

協調性を特に必要とする職種は?

協調性を魅力的に伝えるためのポイント

ここまでの内容で、企業がどのような人材を求めているのか理解できたのではないでしょうか。とは言っても、自己PRの作成に頭を悩ませている人もいるかもしれません。コツさえ掴むことができれば、協調性を魅力的に伝えることができます。自分の強みを最大限にアピールするためにも、伝え方に関する4つのポイントをご紹介します。

協調性というありきたりで曖昧な言葉は避けましょう

就活生でありがちなミスが「私の強みは協調性があることです」といった内容です。
分かりやすいフレーズですが、採用担当者からすれば「聞き飽きた」となってしまいます。他の就活生との差別化を図るといった意味でも、自分の強みを工夫して伝えることが大切です。
また、先にもご紹介した通り、協調性とは抽象的な意味に捉われることも少なくありません。もう少し具体的な表現に変えることによって、採用担当者に対してイメージを持たせやすくすることができます。

自分の強みは最初に伝えましょう

本当に伝えたい結論=自分の強み(協調性)は、最初に持ってくるようにしてください。
なぜなら、結論を最初に伝えることで、聞き手(読み手)側もイメージがしやすくなるからです。たとえば、自己PRの内容が濃くても、何を言いたいのかが伝わらなければ意味がありません。
また、エントリー数が多い大手企業などでは、内容を流し読みすることもあります。一目見ただけで何が書かれているのかが判断できるためにも、最初に結論を持ってくるようにしましょう。

具体的なエピソードは5W1Hを使って伝えよう

協調性があることをアピールするためには、具体的なエピソードを盛り込む必要があります。
しかし、内容を盛り込みすぎて、何を伝えたいのかはっきりしない自己PRも少なくありません。文章を作成するためのコツは、伝えたい内容に絞って、それらを簡潔にまとめることです。
いつ(When)、 どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)の5W1Hを意識しながら文章を書くことで、相手に伝わりやすい魅力的な自己PRを作成することができます。

協調性が会社でどう活かされるのかを伝えましょう

どうして就活において、どの企業も自己PRを必要としているのでしょうか。
企業にとって自己PRとは、入社後の姿をイメージするための材料です。仕事での実績が少ない新卒の場合、それまでどのような人生を歩んできたかのかをアピールするしかありません。
そのため、自己PRでは強みを伝えるとともに、それが会社でどのように活かされるのかを明確にする必要があります。忘れがちな要素ですが、最後に必ず持ってくるようにしましょう。

協調性を魅力的に伝えるためのポイント

協調性が伝わる例文

自己PRを作成するためのコツを掴んだところで早速、文章を考えていきましょう。大切なのは、根気よく何度も書き直して、納得のいく内容に仕上げていくことです。難しく考える必要はなく、これまでにご紹介したことを盛り込んでいけば問題ありません。どのような内容にすれば良いのか悩んでいる人のためにも、協調性が伝わる2つの例文をご紹介します。

協調性が伝わる例文①

私の強みは、周りに目を配りチームにとって動きやすい環境を整えることです。

大学時代、野球部のマネージャーとして総勢100名の部員をサポートしてきました。私を含めて3人のマネージャーで仕事を回していましたが、一人はマネージャー経験のない新入生です。最上級生である私が彼女の教育係をするとともに、通常の業務を行っていました。そういった状況で、意識的に取り組んだことは、相手の立場で物事を考えることです。どれだけ忙しくても周りの動きを観察することにより、優先して取り組むべきことを想定していました。

その結果、部員からは厚い信頼を勝ち取ることができたとともに、マネージャー業務の生産性を高めることができました。御社に入社したら、周りをサポートしていきながら、組織全体の効率性を高めていきたいと考えています。

協調性が伝わる例文②

私の強みは、周りから求められていることを自発的に考え、行動に移せることです。

大学時代、フレンチレストランでアルバイトをしていました。お店では数十種類というワインを扱っているため、お客さまから「これはどういったワイン?」と聞かれることもしばしば。しかし、接客時にきちんと説明できる人が少なく、お客さまを待たせてしまうことが度々ありました。私はそのお店で長く働き知識もあったため、問題を解決できる方法はないかと考えました。商品の知識をまとめ、他の従業員がいつでも参照できるようにインターネットのクラウドサービスを使って全員に共有しました。

その結果、お客さまを待たせるといった無駄な時間を大幅に削減することができ、お店の売り上げも伸ばすことができました。この経験を活かし、御社でも自分ができることは何かを考え、行動していきたいと考えています。

まとめ

ひと口に協調性と言っても、人によっては様々な捉え方をされます。相手に伝わりやすい魅力的な内容にするためには、ちょっとした工夫をしなければいけません。それらは難しいものではなく、誰でも簡単に身に付けられるものばかりです。今回ご紹介したコツをフル活用して、採用担当者に魅力的と思われるような自己PRを作成してみましょう。

まとめ
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