就活に必須の自己分析のやり方
就活において自己分析は重要だとよくいわれますが、そもそもなぜ重要で何のために自己分析を行うのでしょうか。就活は大学生活の集大成ともいえる活動ですが、社会人になるための第一歩でもあります。自分が社会に出て何をしたいのか、どのような仕事をしたいのか、その軸を明確にするために自己分析があります。
いざ自己分析をやってみようと思っても、どのように進めたらいいか分からない人も多いことでしょう。そこで自己分析のやり方をご紹介します。
自分史を振り返る
自己分析を始める際、まず取り掛かりたいのが自分史を振り返ることです。自己分析は就活に直結しないから意味がないといわれることもありますが、自分を知るということは就活において非常に重要な役割を果たします。自分の経験を振り返って分析しておくことで、履歴書や面接で自己PRを求められたときにも考えやすくなります。
幼少期から大学生まで様々な経験をしているはずです。「この経験は自己PRで書くほどでもないかな……」と排除するのではなく、すべての経験をリストアップします。頑張った、努力した、打ち込んだ、といえる経験を分析することで、自分は何が得意で何に対してモチベーションが上がるのかが分かってきます。
将来の理想から自分を想像する
将来の理想の自分を想像することで、自分を分析する方法もあります。10年後、つまり30代前半くらいの理想の自分を想像し、なぜそのような自分を理想としているのかを深堀りしていきます。過去の頑張った経験からそのように考えていたり、出会った人の影響を受けていたりする可能性があります。
モチベーショングラフを利用する
就活を始めなければいけない時期であっても、自分が何をやりたいのか分からないという人も少なくないことでしょう。将来のイメージも湧かない……という場合はモチベーショングラフを使って自己分析をしてみましょう。
今までの人生を時系列で横軸に設定し、モチベーションを縦軸にしてグラフ化したものをモチベーショングラフといいます。どのようなときにモチベーションが高く、どのようなときにモチベーションが低いのかを一目で確認することができます。
例えば、「中学生のときの生徒会活動はモチベーションを高く取り組めていたけど、大学受験はモチベーションが保てなかった」「高校の文化祭でバンド活動をしていたときはモチベーションが高かったけど、大学に入るとバンドに打ち込めなくなった」といった感じです。
その時の自分に共通点が見つかると、どのような環境にあればモチベーションを高く持つことができるのか、またその逆はどうなのかを分析できます。やりたい仕事の理想が見つからなかったとしても、業界や企業選びの軸が見えてくるはずです。
他己分析で他人から見た自分を知る
自己分析の一つとして、他人に自分のことを分析してもらう方法があります。自分が思っている自分と、まわりから思われている自分には少なからず差異があるはずです。自分では得意だと思っていたことがまわりからはそうは思われていなかったり、逆に気付いていなかった強みが見つかったりするためです。
仲の良い友人や家族に他己分析をお願いすると、長年付き合ってきたからこその分析をしてもらえます。しかし逆にOB訪問などで初対面の印象を聞くことも有効な方法となります。面接は初対面かつ短い時間での勝負なので、第一印象を聞けるのは貴重なチャンスです。
診断サービスを利用する
自己分析に役立つ診断サービスがあり、質問に答えることで性格を分類してくれるというものです。ただの心理テストのようだと思われるかもしれませんが、企業も導入している信憑性の高いサービスです。診断サービスは性格の傾向を示してくれるものであり、あくまでも自分のことを深く分析するための切り口として捉えるようにしましょう。

業界研究のやり方
自己分析と並んで、避けては通れない道が業界研究です。業界研究とは、たくさんある業界のうち自分が興味を持っている業界について研究することをいいます。何となく業界を絞っている人も、どの業界がいいか全くわかっていないという人も、複数の業界を調べておくことが必要です。
自分に合った業界を見極め、良いところや悪いところを見て比較検討しましょう。就活の成功率が変わるともいえる業界研究、そのやり方をご紹介します。
業界研究セミナーに参加する
就活を始めたばかりで何から手を付けたら良いかわからないという人は、業界研究セミナーに参加することをおすすめします。業界研究をどのように進めたら良いかをアドバイザーが最初から教えてくれます。専門家からのアドバイスを直接受けることができるセミナーは、とても貴重な機会です。
キャリアセンターで質問する
就活をしていると、キャリアセンターを利用することは多いと思います。明確な質問や疑問がなくても、「何から始めたら良いのか」「業界研究はどのように進めたら良いのか」といった基本的な質問をすることもできます。業界研究を進める上で生じた小さな疑問にも答えてくれます。
セミナーや説明会では大勢の人がいて質問しにくいといったことも考えられます。キャリアセンターでは一対一で対応してもらえるため、安心して質問できます。授業の間を使って行けることや、無駄な交通費がかからないといった魅力もあります。アドバイザーとの距離が縮まると、より気軽に質問できるようになりモチベーションが上がるかもしれません。
企業の合同説明会に参加する
いくつかの企業が合同で行う説明会に参加するのも業界研究の一つです。一日でいくつもの企業を見ることができるため、効率的なやり方であるといえます。最近はメーカーのみの説明会や、商社のみの説明会といったように、業界を絞った合同説明会もあります。ある程度業界が絞れてくると、限定的な合同説明会に参加してみても良いでしょう。
就活サイトやインターネットを使って企業を見る方が効率的かもしれませんが、実際に社員の話を聞くことは説明会でしかできません。何回も説明会に行く必要はありませんが、一度は参加してみることをおすすめします。
新聞で業界の情報を得る
学生時代に新聞を読んでいるという人は少ないかもしれませんが、就活をする上で新聞を読むことはあらゆる面で役に立ちます。業界の力関係が学べるという点で業界研究にも役立ちますし、読解力や文章力が身につくといった利点もあります。
セミナーや説明会、面接など忙しなく毎日が過ぎていきますが、新聞を購読することで規則正しく生活を送ることができます。業界研究の第一歩として、新聞を読み始めてみましょう。
本や雑誌で業界の勉強をする
業界研究は広く浅く知識を集めたあとで、狭く深く学ぶ方法を取ります。広く浅く知識を集めたあとは、業界に関する本を読んでみてください。自分のお金で購入することでモチベーションにもつながります。お金を払うほどでもないと思う業界の本は、図書館で借りることもできます。
いくつかの業界雑誌を読むことで、効率的に情報を集めることができます。興味がある業界に関連する雑誌を読んでみるのも良いでしょう。インターネットだけでは知ることのできない情報を得ることができるのが本や雑誌の魅力です。
OB・OG訪問をする
企業研究において重要な役割を果たすのがOB・OG訪問です。先輩がその業界を目指した理由、就活において具体的に行ったことなどを知ることができます。また実際に働いてどうなのか、やりがいを感じることはあるのか、といった生の声を聞ける貴重な機会です。先輩と自分の共通点を見つけることができたら、その業界に適性がある可能性もあります。
説明会などでの大勢に向けた説明とは違い、一対一で話すことでより詳しい話を聞くことができます。気になったことを気軽に質問できるのもOB・OG訪問の魅力です。就活のモチベーションを上げるためにも、OB・OG訪問はやってみることをおすすめします。
志望企業をリストアップする
自己分析と業界研究によって自分のやりたい業界が絞れたら、エントリーする企業をリストアップする作業に移ります。知名度のある企業や消費者に商品を提供している企業に関心を持つ学生が多い傾向にありますが、広い視野で様々な企業を見ることが大切です。
業界と同じように、企業も初めから絞りすぎる必要はありません。就活を進めていくと、エントリーシートや面接で落ちてしまうこともあります。途中で志望企業がなくなってしまったという事態を避けるためにも、幅広く企業をリストアップするようにしましょう。

業界研究をするときのポイント
業界研究のやり方が分かったところで、実際に行う上でチェックしておきたいポイントをご紹介します。有意義な業界研究にするためにも、目的や自分の軸を意識しながら進めるようにしましょう。
業界研究の目的
業界研究には、就活において自己PRをうまく作れるようになることと、入社してからのギャップをなくすことという二つの目的があります。就活を納得のいく形で終わらせるために必要なことの一つが、魅力的な自己PRを作ることです。どの業界でも同じ自己PRが通用するわけではなく、何をアピールしたら面接官に響くのかは業界によって異なります。
興味を持っている業界について細かく研究をすることで、何をアピールすれば内定につながりやすいのかが分かってきます。エントリーシートや面接で次の段階に進むための基礎となります。効率的に就活をするためにも、はじめのうちに業界研究をしっかりしておくことが大事です。
もう一つの目的である入社後のギャップに関しても、業界研究を怠ると「こんなはずじゃなかった……」と思ってしまうことがあります。業界について事前に学んでいると、入社してからも納得して働き続けられる可能性が高くなります。業界研究は、社会人になったあとの自分のためでもあるのです。
まずは広く調べてから徐々に狭くしていく
一つの業界を研究する際、まずは広く浅く知識を集め、業界についての基礎を固めます。例えば、その業界でシェアを占める企業名、商品やサービスに関する情報など。基本的な知識がなければ、いきなり詳しい情報を集めても混乱してしまうことがあります。
基本的な知識を集めていると、疑問や気になることが生まれてくるはずです。次はその疑問を深堀りしていくといったやり方で、狭く深く知識を付けることができます。例えば、いくつかの企業の特徴や違い、商品やサービスの変遷など。疑問を自分で解消しようと調べることで、自然と知識が身についていくでしょう。
1つの業界だけを調べない
「この業界に入りたい!」と強く思っている学生もいることでしょう。その場合でも、絶対に入りたいという業界だけを調べるのではなく、他の業界と比較することが大切です。他の業界と比較することで、入りたいと思っている業界のことをより深く知ることができたり、他にも興味を持てる業界が出てきたりすることもあります。
少なくとも3~5個の業界を調べ、視野を広げることが大切です。最初から業界を絞ってしまうと自分の可能性を潰してしまうことにもなるかもしれません。意外な業界に自分の適性があるかもしれません。
各業界を比較してみる
集めた情報を業界ごとに比較することで、業界による特徴や違いが必ず見つかります。それらを比較し、興味を持てるところを探してみましょう。売上に興味があるのであれば企業の安定性、海外進出の推移に興味があるのであれば企業の成長性が就活の軸であるといえます。自分の軸が見えてくることで、どのような企業が向いているのかが分かってきます。
どの業界に興味があるのか、どの業界に適性があるのか、就活における自分の軸は何なのか、それぞれが大事な基準となります。ただ情報を集めるだけでは業界の研究とはいえません。集めた情報を活用し、就活につなげることが大切です。
自分の軸にあった業界や企業なのかを見極める
業界を比較したあとは、自分の軸に合っているかどうかを見極める必要があります。どの業界の特徴や長所、短所と、自分の理想とする働き方、収入、やりがいがマッチするかを考察します。納得いくまで繰り返し考察することで、本当に自分に合った業界を見極めることができます。
調べた内容をまとめておく
業界に関する知識を集める際、情報を必ずメモする癖をつけます。手書きでも良いですが、エクセルで一覧表のようにしておくと見やすいのでおすすめです。ぼんやりと調べるだけだと知識が頭に入らないだけではなく、業界に関する知識に自分の主観が入ってしまう可能性もあります。調べた内容をまとめておくことで、後から客観的に情報を見ることができます。

まとめ
自己分析と業界研究は、就活を始める際まず取り掛かりたいことであり、重要な役割を果たす作業となります。自分史を振り返り、モチベーショングラフを作成すると、過去の経験から自分の長所や短所が見えてきます。他人から見た自分とも照らし合わせることでより客観的な自己分析を行うことができます。
自分に合った業界を見つけるためにも、入社後のギャップを無くすためにもしっかり取り組んでおきたいのが業界研究。興味がない業界でも、調べていくと適性がある可能性もあります。広い視野で様々な業界や企業を比較検討するようにしましょう。

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