最終面接の役割を知ろう

最終面接の役割を知ろう

最終決定を下す面接

結果次第で採用・不採用が確定する重要な面接が『最終面接』です。一次面接・二次面接により応募者についての情報をある程度は得ているとはいえ、最終面接の印象でくつがえる可能性も十分にあります。

役員や代表者が面接に参加する場合も多く、それまでの面接とは勝手が異なります。書類上で分かる経歴ではなく、企業や仕事に対する思いを尋ねられる可能性も高いでしょう。

経営者や役員が重視するのは、自社や事業について広い視野で見ているかどうかです。ただし、それまでの面接を担当した面接官が同席する場合もあり、必ずしも役員だけが判断を下すとは限りません。

一次面接や二次面接と同じことを聞かれたら?

最終面接の担当者は、それまでの面接官と同じとは限りません。別の担当者の場合は過去の面接の経緯をすべて知っているわけではないため、同じことを聞かれる可能性はあります。

また同じ人だったとしても、確認の意味や、前回の質問を失念している可能性もあるでしょう。基本的には、答えが決まっていることならば同じように答えましょう。

たとえば「○○の経験はありますか」という質問なら、経験の有無が一次面接と最終面接で変わることはほぼありません。面接期間中に変化がある場合を除いて、答えは変化しないでしょう。

さらに強くアピールできるよう追加情報を加えるなど工夫は必要ですが、前回と方向性が変わらないよう注意しましょう。

最終面接のために準備すべきこと

最終面接のために準備すべきこと

最終面接に臨む前には、万全の準備をしておくと安心です。入社の意思確認だけが目的なのではなく、まだ選考過程の途中であることを忘れてはいけません。

思わぬミスををしないよう、これまでの状況を整理しておきましょう。履歴書や企業情報を改めてチェックしておくことも大切です。

エントリーシートや履歴書を見直す

多くの場合、最終面接には人事や現場の担当者だけでなく、役員なども関わります。そこまでの面接の詳細を把握していない人が参加するケースもあるため、応募時のエントリーシートや履歴書の情報が重要です。

しかし応募者側は複数回の面接を経る中で、初期段階の頃の情報が抜け落ちている可能性もあります。提出した書類を見直すだけでも、最終面接時にはっきりとした方向性を持って臨み、相手からの質問にも戸惑うことなく答えられるでしょう。

最終面接までに心境の変化があった場合は、それまでの面接で感じたことを付け加えるなど矛盾のない形で伝える努力も必要です。

企業研究を掘り下げる

企業の情報は時間の経過とともに変わっていきます。一次面接の時点で調べていたとしても、さらに掘り下げられる要素は多いものです。

また最終面接では『応募者は企業について情報を持っている』という仮定の上で、質問がなされるケースも多いでしょう。

企業についての最新情報や、最終面接に同席する可能性が高い役員・代表者などの情報を改めて確認するのも大切です。面接に同席しているのが誰なのか知っているだけでも、心構えができるでしょう。

またその企業についての情報だけでなく、同業他社や業界全体についての最新情報にも目を通しておきましょう。採用された後のビジョンを伝える際にも、視野の広さは武器になります。

キャリアビジョンを明確にする

面接はその会社で仕事を始める上での入口であり、採用されればそれで終わりではありません。入社後になにをしたいのかという、具体的な希望や目的が重要視されます。

入社後にどんな仕事をしたいかという短期の目標から、数年から10年後のビジョンまで明確にしておきましょう。面接でも入社後の希望や数年後のビジョンについて質問されるケースがあります。

あくまでも希望や目標という形で、理想のプランを考えておきましょう。後に変わったとしても、問題はありません。やりたい仕事や今後のキャリアを考えていれば、自ずと未来の自分が見えてくるでしょう。

最終面接でよく聞かれる質問と回答例

最終面接でよく聞かれる質問と回答例

最終面接でよく聞かれる質問は、ある程度想定できます。面接前に回答を考えておけば、戸惑うことなく答えられるでしょう。それぞれの質問と、一般的な回答のポイントや一例を紹介します。

学生時代に努力したことはなんですか?

『学生時代の活動』は、どのタイプの面接でもよく聞かれる内容です。努力したことについて質問すると、入社後もくじけずに頑張っていける人なのか、回答の内容によってある程度判断ができます。

勉強・部活・ボランティア・アルバイトなど、回答の内容は特に問われません。自分がもっとも力を入れていた分野について、エピソードとともに回答を考えておきましょう。

部活に力を入れていた場合は「走り込みや基礎練習を毎日続けた」といった話も、努力したことに該当します。

簡単に成し遂げた内容ではなく「大会出場のために休まず練習を続けた結果、○○という結果を残すことができた」など、努力の成果も一緒に述べると説得力が増すでしょう。

同業他社ではなく当社を志望した理由は?

「○○の分野で働きたい」だけでは、その企業に対する思いは分かりません。志望理由を問われた場合は、その企業にしかない強みを回答しましょう。

的確に答えるためには、企業情報の収集が欠かせません。企業理念への共感やその企業独自の取り組みなど、特別なポイントは数多くあるはずです。

他社をけなす必要はなく、「顧客のニーズに応えるために○○のような試みをしている御社で働きたい」「社員の資格取得を推進している点に惹かれており、キャリアアップのきっかけにしたい」など、具体例を出して魅力を伝えましょう。

当社でどのようなことを実現したいですか?

入社後のプランを尋ねられたときは、相手が求める答えも想定して返答しましょう。企業と応募者の考えるキャリアプランが合致しているほど、採用の確率は高まります。

一般的には、「志望分野でキャリアアップしていきたい」という方向性が基本です。志望とは異なる分野への関心は、気持ちのブレを感じさせます。分野を問わずに異動するタイプの職業でなければ、一つの道を極めるつもりで回答しましょう。

「御社の○○という商品がとても好きで、営業としても関わっていければよいと考えています」など、気になっているサービスやプランに関わりたいという熱意を見せるのも好感を持たれます。

弊社から内定が出れば入社しますか?

意地悪な質問にも見えますが、最終面接では「確実に入社する意思がある人を選びたい」と企業側も考えています。

複数の企業から内定が出た場合、どの企業に入るかは応募者側が決めることです。他社の内定があっても自社を選んでくれるのかどうか、見極めるために質問されています。

模範的な回答としては「入社する」以外の選択肢はありませんが、さらに具体的な志望動機も付け加えましょう。「社風に惹かれている」「○○の事業に携わりたい」など、『この会社でしか叶わないこと』をアピールするのがポイントです。

逆質問への対策もしよう

逆質問への対策もしよう

面接官から「なにか質問はありませんか」と、応募者側からの質問を求められる状況が『逆質問』です。相手からの質問に対する回答だけを用意するのではなく、企業に対して聞きたいことも考えておきましょう。

なぜ逆質問を求められるのか

逆質問は、主に『応募者の会社への興味』と『応募者のコミュニケーション能力』を知る目的で行われます。

おおまかな説明を聞いた後でも質問ができる人は、そうでない人より踏み込んで企業の情報を調べているということであり、その分、企業への関心が高いと考えられます。

また、応募者の積極性や企業との相性を確かめる意味でも、逆質問は使われます。自分から積極的に質問できる積極性や、面接官とコミュニケーションを取ろうとする姿勢は、企業にとっても好ましいものです。

積極的な姿勢は入社後にも役立ちます。会議での発言や、有意義な討論ができる人は、仕事面でも有利でしょう。

「特にありません」はNG

面接官への質問は、自分をアピールする大きなチャンスです。ほかの人と差をつけるためにも活用しましょう。

逆質問では、応募者の積極性や機転なども見られています。なにも質問がないと、主体性のなさが目立つかもしれません。面接官の心に残る質問ができれば、採用にも近づくでしょう。

熱意を持って企業や事業内容を調べていれば、踏み込んだ質問もできます。意欲や企業への思いを伝える場として、逆質問を生かしましょう。

どんな逆質問をすればいいか

どんな逆質問をすればいいか

逆質問は、いくつかのパターンを考えておきましょう。質問を考えていても面接内で解決する可能性があり、逆質問のタイミングで聞きたいことがなくなっているかもしれません。複数の質問をすることで、企業への興味・関心もアピールできます。

企業理念について
企業理念は、会社の目指す方向や理想を示しています。社員の一体感を重視する企業では、具体的な意味や思いを尋ねるのもよいでしょう。

もちろん企業理念や社長の思いは、ウェブサイトなどで事前に確認しておくことが必要です。企業理念を知っている上で、より詳細に知りたいという気持ちを伝えましょう。

役員や代表が同席する最終面接では、企業理念の意図や目的についても答えてくれるはずです。改めて理念への共感を示す目的としても役立ちます。

自社の課題について

面接官に対して、企業の印象を尋ねるのも話を広げるきっかけになります。特に、会社が抱える課題に関する逆質問は、企業のことを深く知りたいという気持ちが伝わります。

面接官からは、現状の課題や今後進めていきたいビジネス展開など、会社を深く知る上で役立つ情報が得られるはずです。

「答えてもらった課題に対しても入社後に取り組んでいきたい」と話を広げれば、自己アピールにもつながるでしょう。

内部の人間ではない応募者が会社の課題について指摘するのは難しいですが、面接官を通すことで社内の雰囲気も分かるはずです。

面接に対するフィードバック

面接中の話題に関する質問も、印象アップにつながります。面接官の話をよく聞き、興味があるというアピールにもなるはずです。より詳しく知りたいという気持ちを、面接官に伝えましょう。

最終面接では、企業のビジネスプランや今後の展開などについて、新入社員向けに説明してもらえることもあります。気になる内容なら、踏み込んで詳しい説明を求めてみましょう。

疑問がある場合は、逆質問のタイミングだけでなく会話の流れで質問する方法もあります。分からないまま済ませるのではなく、お互いの理解のためにも、その場で問題を解決しておきましょう。

面接では入社後の話もある程度確認できます。配属先や採用後の流れなど、聞き足りないことがある場合は、遠慮せずに質問しましょう。

面接後にやるべきこと

面接後にやるべきこと

面接後にも、確認しておきたいことはいくつかあります。採用された後の関係性や、ほかの面接に備えるためにも、ちょっとした作業をしておきましょう。

最終面接のお礼メール

面接終了後には、お礼メールを送るのもよいでしょう。時間を割いて面接をしてくれた担当者に、感謝の気持ちを伝えます。

ただしお礼メールを送ったからといって、採用が決まるわけではありません。すでに採用予定者が決まっている場合、メールだけで選考結果を動かすのは難しいでしょう。

あくまでも感謝と礼儀を示すためのツールですが、お礼メールはちょっとした好感度アップに役立ちます。採用後に「お礼メールを送ってくれた人」と好印象を抱いてもらえる可能性は高いでしょう。

選考結果の連絡日を確認する

面接中に選考結果の連絡日について話がなかった場合は、面接後に確認しておきましょう。ほかにも面接を予定している応募者はおり、なかなかはっきりとした予定までは分からないかもしれません。

しかし次の予定を入れるためにも、おおまかな目安は尋ねておきましょう。企業側としても、応募者の行動が制限されないようある程度は配慮してくれるはずです。

連絡手段の確認もしておきましょう。電話やメールなど「連絡に気づかず見逃していた」ということがないように、連絡日の前後は気を配ることが大切です。

万全の準備で最終面接に臨もう

万全の準備で最終面接に臨もう

何度かの面接をくぐり抜けて最終面接にたどり着くと、その時点で気が抜けてしまうかもしれません。しかし多くの場合、最終面接でも複数人の候補は残っています。

面接官からの質問に備えて、ある程度の回答を考えておくと、スムーズに会話ができます。しっかり準備を行い、最終面接に臨みましょう。

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