「給料が高い」というときの基準

まず、日本において「給料が高いとされる年収額はいくらか?」を明らかにしておきましょう。人によって高いと感じる基準は変わってくるため、ここでは平均年収から考えてみます。

【日本の平均年収】

国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者数は5255万人(対前年比1.3%増、78万人増)で、平均給与は436万円(同1.0%減、4万3000円減)となっています。

厚生労働省がまとめた「令和元年賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の賃金(月収)は30万7700円となっていますので、賞与(夏と冬の年2回支給を想定)を月給2ヵ月分として計算すると、430万7800円となり、国税庁の調査による年収とほぼ一緒になります。

厚労省調査の対象となった一般労働者の平均年齢は43.1歳で、平均の勤続年数は12.4年となっていますので、年収や月収の考える際の目安としてください。

※出典:厚生労働省『令和元年賃金構造基本統計調査の概況』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/14.pdf

※出典:国税庁『令和元年分民間給与実態統計調査』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/14.pdf

【性別や学歴別、年代別での平均給与】

国税庁による「令和元年分民間給与実態統計調査」で男女別の平均年収をみると、男性540万円(前年比1.0%減、5万3000円減)、女性296万円(同0.8%増、2万4000円増)となっています。

厚生労働省の『令和元年賃金構造基本統計調査』では、給与(月給)ベースで、男性33万8000円、女性25万1000円です。依然、男女の賃金格差がありますが、その幅は年々縮小傾向にあります。

同調査に基づく学歴別の給与(月給ベース)は以下の通りです。

■男性
大学・大学院卒業:40万0500円
高専卒・短大卒:31万4900円
高校卒業:29万2900円

■女性
大学・大学院卒業:29万6400円
高専卒・短大卒:26万0600円
高校卒業:21万4600円

さらに、年代別の給料は次の通りです。

■男性
女性
~19歳:18万2800円
20~24歳:21万3400円
25~29歳:25万1600円
30~34歳:29万0800円
35~39歳:32万8400円
40~44歳:36万0100円
45~49歳:39万0500円
50~54歳:42万3700円
55~59歳:41万6600円

■女性
~19歳:17万2400円
20~24歳:20万8100円
25~29歳:23万2900円
30~34歳:24万7400円
35~39歳:25万6200円
40~44歳:26万8600円
45~49歳:27万1600円
50~54歳:27万5800円
55~59歳:26万6800円

「給料が高い」というときの基準

平均給料の高い仕事

上記のように、日本人の平均年収は男性の場合で406万円、女性で301万円です。これを基準として、平均年収の高い仕事を確認してみましょう。年収の高い業界と職業、そして具体的な企業を紹介していきます。

【平均年収の高い業界】

民間調査に基づく平均年収の高い業界を順に並べると、次のようになります。
<平均年収/>
1位:マスコミ(テレビ局など)
   約1085万円
2位:保険
   約820万円
3位:海運
   約810万円
4位:鉱業
   約800万円
5位:証券・先物取引
   約790万円
6位:石油・石炭製品
   約780万円
7位:飲料メーカー
   約770万円
8位:医薬品
   約770万円
9位:自動車メーカー
   約730万円
10位:建設
   約710万円

最も平均年収が高いのはテレビ局をはじめとしたマスコミ業界で、次いで保険業界、海運業と続いており、社員の平均年齢はいずれの業界も40~45歳程度となっています。

【平均給与の高い職業】

続いて厚生労働省による「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに、平均給与(月給)の高い職業をみてみましょう。※現金給与額(月給)に12を掛け、年間賞与額を足して算出しています。

<職種/平均年収>
1位:航空機操縦士(パイロット)
   1694万6100円
2位:医師
   1169万2300円
3位:大学教授
   1100万6200円
4位:大学准教授
   872万3600円
5位:記者
   792万2200円
6位:不動産鑑定士
   754万5900円
7位:弁護士
   728万5600円
8位:大学講師
   718万9400円
9位:高等学校教員
   709万3600円
10位:一級建築士
   702万8800円

上記年収は事業規模によって変動するのでご注意ください。最も給与額が高いのは航空機の操縦士となっており、次いで医師、大学教授の順となっています。

※出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001138086&tclass2=000001138089&tclass3=000001138093&tclass4val=0

【平均年収の高い企業】

続いて、東洋経済オンラインの『平均年収「全国トップ500社」最新ランキング』から、平均年収が高い企業を紹介します。

<企業/平均年収>
1位:M&Aキャピタルパートナーズ
   2478万円
2位:キーエンス
   2110万円
3位:GCA
   2063万円
4位:ヒューリック
   1636万円
5位:三菱商事
   1607万円
6位:ストライク
   1539万円
7位:伊藤忠商事
   1520万円
8位:日本商業開発
   1501万円
9位:ソレイジア・ファーマ
   1460万円
10位:三井物産
   1430万円

上位3位までは年収2000万円を超えており、社員の平均年齢も31~36歳と、比較的若いのも特徴です。特に、2位のキーエンスは社員数2000名を超える日本企業ですが、他の大企業に比べて平均年収がかなり高いことがわかります。

※出典:東洋経済オンライン『平均年収「全国トップ500社」最新ランキング』
https://toyokeizai.net/articles/-/322342

平均給料の高い仕事

文系におすすめの高収入な仕事

それでは、上記の統計を踏まえた上で、文系におすすめの高収入な仕事を紹介します。

【総合商社】

総合商社は高収入な企業として知られており、文系の就職先としておすすめです。特に、五大商社と呼ばれている伊藤忠商事・三菱商事・住友商事・三井物産・丸紅の各企業は、いずれも社員の平均年収が1000万円を超えるといわれ、昔から優秀な学生が志望する企業として知られています。

世界中に拠点を持っており、職種にもよりますが、海外の企業と規模の大きな取引をできるのが魅力でしょう。語学が堪能で、将来的に海外で働いてみたい人にもおすすめです。

【マスコミ】

テレビ局や新聞社など、マスコミ関連の企業は常に文系の学生に人気があります。テレビ局は制作やアナウンス職が人気で、有名なテレビ局では平均年収1000万円を超えるところが多いようです。新聞社も就職希望者は年々減少傾向にあるものの、いまだに平均年収は他の業界に比べてかなり高めになっています。

いずれも人気の仕事なので求人倍率は高く、容易に就職できる業界ではありませんが、大学の専攻はあまり関係がないため、文系の学生におすすめです。

【メガバンク】

メガバンクとは大手の銀行のことで、日本の場合は三菱UFJ銀行と三井住友銀行、みずほ銀行(みずほフィナンシャルグループ)が三大メガバンクとして知られています。

年収は20代後半で700万円以上になる場合もあり、40代では1000万円を超える人も珍しくありません。日本では昔から安定した仕事として人気があり、社会的な信用も厚いのが特徴です。

文系におすすめの仕事ですが、メガバンクは有名大学卒業者が多い傾向にあり、出身大学によっては不利になる可能性があるので注意しましょう。

文系におすすめの高収入な仕事

理系におすすめの高収入な仕事

次に、理系におすすめの高収入な仕事を紹介します。

【MR(医薬情報担当者)】

理系の仕事の中でも製薬メーカーやCSO(Contract Sales Organization)などに勤務するMR(医薬情報担当者)は高収入として知られており、おすすめです。CSOとは医薬品の販売業務を担う機関のことで、製薬企業の営業やマーケティング業務のアウトソーシング先として知られています。

平均年収は20代で500万円程度、40代になると1000万円近くになる場合もあるようです。主に営業職なので文系の学生でも就ける可能性はありますが、医薬品の専門知識が必要なので、理系の方が有利な傾向にあります。

【アナリスト】

投資銀行や証券会社、保険会社などのアナリストも理系向けの高収入の職業です。経済や業界の動向を把握し、将来を予測することで投資対象を評価する専門職で、証券アナリストや金融アナリストが有名でしょう。

平均年収は20代で500万円程度、30代で700~720万円となっていますが、証券アナリストの資格を持っている場合の平均年収は800万円程度となっています。

【臨床開発モニター】

臨床開発モニターも理系の高収入職として人気です。製薬メーカーやCSOなどで、新薬を開発・販売するための試験(治験)をするのが主な仕事です。専門知識が必要で、化学・生物系の学科出身者が就職するケースが多いようです。

治験を実施する医療機関の選定やモニタリング業務、報告書の作成などが主な業務となっています。平均年収は20代で約440万円、40代になると750万円程度となっているようです。

理系におすすめの高収入な仕事

給料が高い仕事に就くためには

文系・理系を問わず給料が高い仕事に就くためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

【資格やスキルを身につける】

弁護士や公認会計士、証券アナリストなど、資格が必要な高収入職は少なくありません。職種によっては、資格を所持していることで就職が有利になるケースもあります。

希望する職種に資格が必要な場合は、できるだけ早く取得することで収入を上げやすくなるでしょう。資格やスキルの所持をアピールすることで、選考も通りやすくなります。

【企業研究をする】

高収入の仕事に就くためには、事前の企業研究が欠かせません。就職活動にあたって志望企業の調査や研究を行うのは当たり前ですが、特に高収入を得られる企業は人気が高いため、研究を徹底的に行う必要があります。対象企業の理解を深めることで、面接の際に志の高さをアピールできるようになるでしょう。

また、企業研究を進めることで、たとえ知名度は高くなくても、自分に合った高収入の企業を発見できる可能性があります。できるだけ早い段階で企業研究を進めておき、より広い視点で志望する企業を決めるようにしましょう。

給料が高い仕事に就くためには

給料が高い仕事を目指す

日本の平均年収と、高い給料を得られる業界や企業を紹介しました。平均年収の高い職業には医者やパイロットなどがありますが、総合商社やマスコミ関連企業も給与が高いことで知られています。

いずれも人気の高い職業なので、志望する場合は早めに企業研究を進めておき、有利になる資格がある場合は取得しておくとよいでしょう。どんな企業を選ぶにせよ、事前の準備こそが就職活動の成否を分けることになります。

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