業界研究とは
就職したい企業を見つけるためには、世の中にどんな業界があるのかを学ぶため、業界研究を行いましょう。まだ社会人になる前の学生が把握している業界は、本人が自覚している以上に狭いものです。
業界研究により、知っている業界の幅を広げて、興味のある業界を増やしましょう。
【業界研究の目的とメリット】
就職活動における業界研究の目的とは、業界の特徴や、その業界における仕事の内容を知り、自分の企業選びの軸とマッチしているかどうかを確認することです。
業界研究を行うことで業界の正しい知識を得られるため、想像やあこがれだけで志望業界を決める失敗を回避できます。
さらに、業界のビジネスモデルや、その業界で働く上で必要な志向・素質を知ることもできるため、志望動機や自己PRの材料集めになる点もメリットです。
志望業界において自分には何が実現できるか、何を理由に志望業界に向いていると言えるのか、説得力ある内容を作れます。
【業界と職種の違い】
就職活動を始めたばかりの学生が混同しがちな項目が、業界と職種です。
業界とは、扱っている商材や事業内容ごとに、企業を大きくグループ分けしたものだと認識しましょう。例えば、食品や薬品を製造しているなら「メーカー」であり、旅行や宿泊施設を運営していれば「サービス」です。
さらに、同じく食品に関わっていても、売買の仲介を行えば「商社」となり、百貨店やデパートで販売しているなら「流通・小売」となります。
職種は、人の職業を分類したものです。商品を売る「営業職」、会社の事務処理を行う「事務職」、研究開発や製造を行う仕事は「技術職」となります。
業界研究の手順
業界研究と言われても、具体的に何から始めたら良いのか分からないという人が大半ではないでしょうか。世の中にはさまざまな業界があり、調べればいくらでも情報が出てくるため、やみくもに行ってもキリがありません。
業界研究を効率よく進めるための手順を押さえておきましょう。
【まずは広く浅く取り組み、業界全体を把握】
まずは業界全体について把握することから始めましょう。いきなり一業界を深掘りするのではなく、まずは複数の業界を手広く、浅く学ぶことが大切です。
簡単なやり方として、まず興味のある企業を何でもいいので1社見つけ、企業がどの業界に属しているかを把握します。その後、その業界と関連する業界にはどんなものがあるのかを連鎖的に見つけていくのがおすすめです。
何度か繰り返すと、複数の業界と全体的な繋がりが見えてきます。そうしたら、それぞれの市場規模や現在の市場状況、業界における主要企業、業界のトレンドなどを調べましょう。各業界の事情が見えてきます。
【深く掘り下げ、今後の成長性をチェック】
次は特定の業界について深く掘り下げます。就職活動においては、業界の成長性という観点でチェックすると良いでしょう。経済動向や技術の進歩、海外事情とも絡めて調べます。
一度就職すれば、数年~数十年は身を置く業界になるため、一時的な興味やあこがれではなく、先行きを見通す必要があるのです。
例えば、今後もAI・IoTに対する需要は高まり続けることが予想されるため、IT業界や機械・電機メーカーは将来性が見込めると言えるでしょう。
反対に、新型コロナウイルス感染症の影響で、国内外で人の移動が停滞している環境においては、旅行業界や鉄道・航空業界は苦戦が強いられると考えられます。
ただし、業界研究をしている中で、ビジネスターゲットを切り替える動きや、業界全体で新たな変革が見られた場合は、将来に期待できる可能性もあるでしょう。
業界研究のやり方はさまざま
業界研究を進めるためには、業界に関する情報を何らかの方法で収集する必要があります。一つの手段だけでなく、いろいろな場所・人・媒体から情報を集めれば、違った視点から見た業界情報を得られるためおすすめです。
【ネットで手軽にチェック】
まずは業界の情報をスピーディかつ大量に集めたいという場合は、ネットを活用した情報収集を行いましょう。
就職活動生向けの就職情報サイトには、各業界の簡単な情報が網羅されているため、最初に業界の全体像を把握したい場合に役立ちます。業界の特徴や主要企業、業界全体の動向のほか、採用観点でも情報が得られるでしょう。
そのほか、特定の業界に絞って情報を集めたい場合は、各業界に所属している企業が加盟している、業界団体のホームページをチェックすることもおすすめです。
【新聞や書籍で深く知る】
紙媒体での情報収集は手間が掛かるものの、深く有益な情報がたくさんあります。
新聞は、特定の業界のみならず関連の情報も集めやすい媒体です。何より、業界の最新情報を得られるため、就職活動に活用する学生も多いでしょう。企業動向や業界動向、国内外の情勢から今受けている影響などがくみ取れます。
書籍から選ぶのであれば、まず四季報は外せません。各企業の営業利益や過去からの推移のほか、3年後離職率や採用実績など、就職活動に役立つ情報が書かれています。
業界地図は、業界における勢力図や市場動向、事業が利益を出す仕組みが図式で解説されているため、頭を整理するのに役立つでしょう。
【会社説明会やOB訪問でリアルな声を聞く】
仕事現場の生の声を集めるなら、会社説明会やOB訪問がおすすめです。会社説明会では、人事による企業の基本情報の解説のほか、業界における立ち位置や競合他社との関係性について聞けるでしょう。
さらに、会社説明会には先輩社員が呼ばれているケースが多いため、その業界の現場で働く人の生の声を聞くことができます。
OB訪問は、大学の卒業生に話を聞けるため、より踏み込んだ話を聞ける可能性が高いです。その業界で働くやりがいのほか、苦労すること・辛いことなどの本音部分が聞けるため、ネットや本では集められない情報がたくさんあります。
初心者が陥りやすい注意点
業界研究を初めてする人がやってしまいがちな失敗がいくつかあるため、ここであらかじめ知っておき回避しましょう。失敗を回避するために共通している大切なことは「業界研究をする目的は、最終的に自分が行きたい企業を見つけるため」であると忘れないことです。
【興味のある業界しか調査しない】
自分の興味がある業界しか調査をしないという行動は、就職活動初心者によく見られます。
すでに業界を一本に絞っている学生がやりがちですが、業界の全体像を把握して幅広く研究しないことで、他業界との関係性が分からなかったり、他業界の魅力を知らないまま就職活動を進めたりしてしまうのです。
興味のある業界しか研究しないと、応募できる企業数が極端に少なくなります。さらに、後々その業界が自分に合わないと分かったとき、また一から企業研究のやり直しです。
現時点で興味がない業界でも、調べてみることで魅力に気づき、本当の志望業界が分かるということもあるでしょう。
どんなに絞るとしても、せめて3業界程度は調査することをおすすめします。
【時間を掛け過ぎる】
業界研究は、時間を掛けて知識を増やすことが目的ではありません。就職活動において必要な業界知識と、自分が業界で働くイメージが得られれば良いという割り切りも大切です。
業界研究は、3月のエントリーシートの提出や説明会参加など、就職活動が本格的に動き出すまでに済ませておく必要があります。逆算して計画立てし、業界研究はいつからいつまでで終わらせると決めておきましょう。
【調べたことに満足し、アウトプットをしない】
業界研究をしたということに満足して終わる人が多いものですが、インプットした情報をアウトプットすることも大切です。
具体的には、業界研究した結果をエントリーシートの内容に反映したり、OB訪問で自分の調べたことを聞いてもらい、正しいかどうか添削してもらったりすると良いでしょう。
調べた内容をまとめた「業界研究ノート」を作ると、情報を自分の言葉でアウトプットできるようになって面接の場で役立ったり、忘れたときに読み返したりできるためおすすめです。
業界研究で後悔のない就職活動を
業界研究は、まず広く浅く行ってどんな業界があるのかを知りましょう。その後、興味がある業界を掘り下げ、成長性をチェックして、志望業界に選ぶべきかを判断するのです。
ネットや紙媒体、人から聞いた情報など、さまざまな角度から情報収集しましょう。業界を絞らず、必要以上に時間を掛け過ぎないことが大切です。調べたことは自分の言葉でアウトプットできるようにまとめましょう。
業界研究を正しく行えば、就職する業界を選ぶ際にも後悔しない選択ができますよ。
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