履歴書に長所と短所を書く理由

履歴書には学歴や趣味だけではなく、長所・短所を書く欄が設けられている場合があります。書き方次第では評価につなげられるので、可能なら充実した内容にしたいところです。

説得ある長所と短所を書くために、まずは書く理由を解説していきます。

【客観的に自分を見られているか】

自身の長所・短所を書き出せるのは、自分を客観的に見ているかの判断材料になります。企業側も自分を客観視できる能力を持っている人材を求める傾向にあるため、履歴書には長所だけではなく短所の記載も大切です。

長所を知っていれば、仕事に活かして能力を伸ばせ、短所が分かっていれば克服するため対策を立てられるでしょう。周りの人が短所を理解していれば、お互いをカバーし合うこともできます。

長所と短所は自己分析をしっかりと行う必要があるので、企業研究と並行して進めていきましょう。

【企業とのマッチ度を測る】

履歴書に記載する長所・短所は、応募者の性格を知る貴重な情報源です。企業は学生の能力だけではなく、社風に合う性格かも重要視しています。

たとえ優秀な人材であっても、周りの人との関連がうまくいかなければ、早期退職する可能性があるためです。

例えば一つのことに集中するのが長所で、人前で話すのが苦手な人には営業職は向いておらず、研究職などが適していると判断できるでしょう。

自分の性格にあった企業・職種に就くためにも、長所と短所は正直に書くのが大切です。

履歴書に長所と短所を書く理由

長所と短所を書くときのポイント

履歴書に書く長所・短所の内容は事実であることはもちろん、採用担当者に好印象を与えるよう書くのが大切です。

ここからは長所と短所を書くときに意識して欲しい三つのポイントを紹介します。

【ビジネスシーンにつながることを書く】

秀でた能力でも、活用できなくては意味がありません。そのため入社後を考え、持っている長所をビジネスシーンでどのように活かせるかを具体的に書きましょう。

長所をどのように活躍したいのかを書くことで、より説得感のある内容になるはずです。

例えば「話しをまとめて説明するのが得意」という長所を持っている場合、会議を円滑に進めたり、顧客へのサービス説明したり、人前で話すシーンで活用できるアピールポイントになるでしょう。

【具体的なエピソードを入れる】

長所が活きた過去のエピソードを盛り込むことで、具体性が増して説得力のある内容に仕上がります。また学生生活を通して身に付けた長所を、エピソードを交えるのも悪くないでしょう。

例えば「継続力」が長所としてアピールするなら、「長所の継続力を活かし、英会話の勉強を続けてネイティブと円滑に会話できるようになった」など、成功体験を書くよう意識しましょう。

短所に関しては、克服するための具体的なエピソードを入れると前向きな印象に変わります。

【印象に残る言い回しを心掛ける】

採用担当者は数多くの履歴書に目を通しているため、魅力的な長所であっても印象に残らないかもしれません。

担当者に覚えてもらうのも大切なポイントですので、長所や短所を書くときは印象に残る言い回しを心掛けましょう。

特に「真面目」「努力家」「リーダーシップ」はよく見かける長所のため、書くときは表現の工夫が重要になってきます。

例えば「リーダーシップ」が長所なら、「500人規模の学生団体をまとめあげたことがある」など、インパクトある数字を強調すると印象に残りやすいでしょう。

長所と短所を書くときのポイント

長所が見つからないときの対処法

自己分析をはじめて間もない人の中には、アピールできる長所が見つからずに困っている人もいるのではないでしょうか。

ここからは長所を見つけ出すための三つの対処法を紹介します。

【過去に評価されたことを思い出す】

長所は自分では気付きにくいものですが、周りの人たちは案外見ているものです。長所が見つからない人は、周りの人に褒められたり、評価されたりした過去のエピソードを思い出してみましょう。

自分では大したことでもないことでも、長所としてアピールできるかもしれません。

例えば友人に「話しを聞くのが上手」と過去に褒められたなら、「聞き上手」「気配り上手」などを長所として履歴書に書けるでしょう。

【周りの人に聞いてみる】

自身で思い出すだけではなく、普段から関わりのある周りの人から直接聞いてみるのも方法の一つです。

長所を聞く人を選ぶの重要なポイントで、できれば家族や友人などの馴染み深い人に聞くようにしましょう。

また後輩や先輩、アルバイト先の人から聞いてみるのも悪くないでしょう。同学年の友人と後輩とで普段の対応に違いがあれば、自分に対する印象も変わってくるためです。

友人からは「話し上手」といわれても、後輩からは「気配り上手」といわれるかもしれません。

周りの人に長所を聞くときは、関係性が違う別々の人を選んでみましょう。

【短所を言い換える】

短所ばかり見つかってしまう人は、言い換えて長所として履歴書に書ける場合もあります。長所と短所は表裏一体のため、短所に見える性格も見方を変えれば長所としてアピールできはずです。
以下の一覧で言い換えの例を紹介していますので、参考に考えてみましょう。

・短所→長所
・マイペース→おおらかな性格
・頑固→意思が強い
・能天気→ポジティブ
・神経質→几帳面
・心配性→計画性がある
・飽きっぽい→切り替えが早い

例えば頑固な性格をしている人は、決めたことを変えない「意思の強い」長所として履歴書に書けます。

過去に周りから反対されながらも達成した目標がある人は、頑固ではなく意思の強さをアピールにつなげましょう。

長所が見つからないときの対処法

長所を書くときの例文

自慢できる長所を持っていても、採用担当者に伝わるように書く必要があります。そこでここからは代表的な長所とともに、例文を紹介していきます。

長所は決まっているが、文章作成に手こずっている人は参考にしてみましょう。

【責任感と継続力】

「責任感」「継続力」が長所の場合は、仕事を全うすることをアピールするような文章が例として挙げれます。

また根拠となる過去のエピソードを添えると、説得力が増すはずです。
【例文1:責任感】
私の長所は「責任感」が強いことです。お客様のことを第一に考えた仕事を心掛け、難しい依頼に対しても全うできる自信があります。なぜそのようなことが言えるというと、(過去のエピソードを紹介)

【例文2:継続力】
私の長所は「継続力」です。高校時代から続けている英会話の勉強は大学4年生になった現在でも行っており、先月には英検準1級を取得しました。社会人になったら、持ち前の継続力で粘り強く業務にあたっていきたいと考えています。

【ポジティブと協調性】

「ポジティブ」「協調性」などの数字や結果でのアピールが難しい長所は、具体的な過去のエピソードで説得力を持たせるよう書きましょう。

【例文3:ポジティブ】

どんな場面でも「ポジティブ」でいられる性格が私の長所です。大学1年から続けている居酒屋のアルバイトでは、入ったばかりの頃は多くのミスをしてしまいましたが、長く落ち込むことはせずに「次はどうすればいいのか」などの、前向きに物事を捉えるように意識をしました。持ち前のポジティブな性格のおかげで、様々な困難を乗り越え、今はバイトリーダーとして働いています。社会人になった後も、(ビジネスシーンにつながるよう説明)

【例文4:協調性】

私の長所は「協調性」です。別々の大学の生徒が所属するボランティア活動団体の代表を務めており、違った意見や思いを聞き出してトラブルが発生しないよう心掛けていました。時には意見の衝突もありましたが、それぞれの言い分を受け止め、事なきを得た場面が幾つもあります。会社で働くようになった後も、ビジネスシーンにつながるよう説明)

【ストイックと吸収力】

「ストイック」「吸収力」を長所して挙げるなら、入社後に取りみたい内容を盛り込む文章がいいでしょう。

【例文5:ストイック】

私の長所は「ストイック」に物事に取り組むことです。社会人になった後は積極に仕事に取り組み、早くから周りの方々から一人前と評価されるよう務めたいと考えています。そのために(具体的な取り組みの内容を説明)

【例文6:吸収力】

私の長所は覚えが早い「吸収力」の高さです。志望業界は大学の専攻とは異なりますが、持ち前の吸収力で早くから専門的な知識を身に付けたいと考えています。そのために(具体的な取り組みの内容を説明)

長所を書くときの例文

短所を書くとき注意点

履歴書には長所だけではなく、短所も書く必要があります。

採用担当者は長所と短所の情報から応募者の性格を読んで、入社後のミスマッチを防ぎたいと考えているためです。

欠点となる短所ですが、書き方次第では評価される場合もあるので、紹介する注意点を押さえて書くように心掛けてみましょう。

【長所に言い換えられるものを書く】

短所は表現次第では長所に変わります。自己分析で複数の短所が見つかった人は、なるべく長所に言い換えられる短所を書くようにしましょう。

また克服を試みている短所を記載するのも悪くありません。自分を客観視している証拠になり、欠点を無くそうする姿勢が評価につながる可能性があるためです。

ただ長所と短所は矛盾しないように注意しましょう。

例えば長所が「継続力」で短所が「飽きっぽい」では、具体的なエピソードであっても説得力に欠けるでしょう。場合によって採用担当者から指摘されるかもしれません。

【業務に支障があるものは書かない】

「時間にルーズ」「忘れっぽい」など、業務に支障が出る恐れのある短所は書かないように心掛けましょう。

例えば「時間にルーズ」を短所として書いてしまえば、「遅刻するのではないか」「顧客との待ち合わせに遅れるのではないか」など、社会人としての基本ができないと判断されるかもしれません。

そのため、業務に何らかのマイナスの要素があると考えられる短所は書かないのが無難です。

短所を書くとき注意点

自分の強みをアピールしよう

履歴書において長所は自身をアピールするための重要な項目です。ただ長所は書き方に注意しないと曖昧な内容となり、採用担当者に伝わらない可能性があります。

過去のエピソードやビジネスシーンにつながるように工夫すれば、説得力のなる内容になるはずです。

また短所も見方を変えれば長所となるので、紹介した内容を参考に考えてみましょう。

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