【志望動機を書く前に…】押さえておきたい人事の仕事とは?

就活生には身近な企業の人事部ですが、そもそも人事とは何なのか考えたことはありますか?人事の仕事をやりたいと考えている人は是非調べてみましょう。調べてみると「人事」とは「社会や機構、組織の中で個人の身分や地位や能力の決定に関する事柄」という意味で出てくるかと思います。

企業は自分たちが持っている経営資源を使って利潤を追い求める組織です。経営資源とは主に「ヒト、モノ、カネ、情報」の4つに分かれ、効率的に運用するためにそれぞれ指定の部署で管理されています。「ヒト」の管理をしているところ、それが企業における人事部です。

では次に企業の経営資源である「ヒト」を管理する人事部には具体的にどのような機能があり、どういう仕事があるのかを見ていきましょう。
 

◇採用機能

就活生が人事の仕事をイメージするときに真っ先に出てくるのが、この採用機能です。新卒採用、中途採用、非正規採用など様々にありますが、統括しておこなっているのが人事部になります。企業によっては人事部は新卒採用と中途採用のみで、非正規はそれぞれの部署に任せるというところもあります。
 

◇処遇機能

その企業に所属する社員の配属先や人事の異動、昇進、昇給というそれぞれの処遇を管理する機能です。これも企業によって人事がどこまで管理するのかは異なります。
 

◇能力開発機能

例えば社員のスキル向上を目的に研修をおこなったりする役割です。経営資源であるヒトの管理はただ採用し、適切な部署へ配属させるだけでは更なる成長は見込めません。きちんと社員の能力開発という投資をおこなうことで、企業として利潤を追求しています。
 

◇人事制度の企画や立案

企業説明会で社内の評価制度などを詳しく説明してくれる企業があったかともいます。そんなに気にしていない…という人もいるかもしれませんが、自分のやった仕事をきちんと評価し、給与に反映してくれるかどうかはモチベーションの持続のためにもとても重要な点です。人事の仕事ではこのような社員への評価制度の設定や、それに伴う報酬制度の構築をおこないます。企業の社風や特徴が色濃く出るところなので、企業説明会で説明があるわけです。ここが整備されていないと、社員のやる気が低下し生産性が悪くなったり、離職率があがるなどの事態が起こります。
 

◇労務管理機能

ブラック企業という言葉が出てくるなど企業の労務環境は一歩間違えると社会問題になってしまいます。人事では社員の労働時間や賃金管理をおこなっており、それぞれの社員が適切な労働時間で働き、企業側はそれに相当する賃金を支払えているかをチェックしています。さらに最近は企業それぞれで残業時間の基準を設けて、それを超過している社員には個別で面談をおこなったり、その上司に意見を伺い、業務内容の見直しまで着手していきます。

【志望動機を書く前に…】押さえておきたい人事の仕事とは?

【志望動機を書く前に…】人事の仕事はなぜ必要なのか?

人事の仕事の内容が見えてきましたが、なぜ人事の仕事が必要なのか整理し理解しておきましょう。志望動機を書くうえでもとても重要なポイントです。
 

◇企業の人事情報をまとめる役割

まず1つ目は人事に関する情報をまとめる役割です。人事部があることで、まずどういう能力のある社員がどこにいるのかがわかります。そして例えば、人手が足りない部署が発生したときには人事に聞けばすぐに調整してくれますし、新規事業を立ち上げた時には必要となる社員をすぐに集めることが可能です。企業のヒト資源を有効に効率よく使うために、人事部で人事情報を収集しているといえます。
 

◇効率的にヒトという経営資源を活用する役割

企業の部署ごとに現場経営のリーダーがいるわけですが、彼らは経営資源のモノやカネに責任を持って業務を進めており、ヒトの管理や活用まで見ている余裕は正直ありません。そこで必要となるのが人事の仕事というわけです。OJT研修などに関わるのは現場のリーダーではありますが、OJT研修を企画したり、そもそもの現場のリーダーを育成するためには人事の能力開発機能などが必要になってきます。
 

◇モチベーション管理の役割

組織内で自ら目標を持ち仕事をこなしていく人も中にはいますが、すべての人がそうではありません。ときには上司の小間使いのような仕事ばかりで、モチベーションが下がってしまっている人もいます。そこで定期的に業務内容や働いている環境をチェックし、社員がモチベーション高く仕事ができるようにテコ入れをおこなうのが人事の役割です。またその結果が処遇機能や人事制度の企画・立案機能に影響するため、モチベーション管理は人事の役割として非常に重要なポイントです。

【志望動機を書く前に…】人事の仕事はなぜ必要なのか?

ポイントはここ!人事の志望動機を書く上で大切なこと

①人事は採用だけをおこなっている訳ではない

これまでの解説を見てきた通り、人事の仕事は採用の仕事だけではありません。
採用活動というのはほんの一部で、むしろ社内の人事情報の管理をしたり、社員への適切な処遇を検討して企業のヒト資源を有効的に活用するというのが最大の役割なのです。「就活をおこなっていく中で新卒の採用活動に取り組む社員の姿を見て魅力的に感じ志望した」という志望理由だけでは弱い、むしろ人事の仕事の本質をわかっていないと判断されてしまう可能性があります。
 

②「社員」目線ではなく、「経営・企業」目線で考えよう

人事の仕事は採用や研修を通して社員に向けてアプローチすることもありますが、社員という企業の経営資源を上手く活用して会社の利益追求に貢献するという部分も忘れないようにしましょう。新卒の志望動機ではこの「経営・企業」目線を汲み取ったほうが、きちんと人事の役割を理解しているという印象になります。
 

③人事の仕事への魅力を明確にする

人事採用で応募をすると「なぜ人事として採用されたいのか」という点が採用担当者にとって気になるポイントです。
自分自身が感じる人事の仕事への魅力をまとめておきましょう。そしてそれを魅力と感じたきっかけになる出来事は何なのか分析していきます。例えば「アルバイトで後輩のモチベーションを向上させた経験→仕事をするうえで人の気持ちにフォーカスすることは大切だと感じた→人事で社員一人一人が気持ちよく働けるようにして、企業の成長に貢献したい」という流れで志望動機を伝えれば、確固たる価値観のもとで、人事の仕事を理解し志望していることがわかります。
 

④なぜその企業に魅力を感じるのかも分析する

人事に対する熱い想いは伝えられても、なぜその企業の人事なのかというところまで伝えることができないと「他の企業の人事でもいいのでは?」と思われてしまいます。そのため企業に対する思いやどういう事業をやっているから魅力に感じたのかを伝えられるといいでしょう。文字数の関係で志望動機に書けない場合もありますが、面接で聞かれるので準備をしておきましょう。
 

⑤求められるスキルを理解しておく

人事の仕事で求められるスキルを理解しておくのも重要です。
例えば「コミュニケーション能力」「企画力」「調整力」「人をサポートするのが好き」「広い視点で捉える力」「責任感がある」などが挙げられます。自分が人事の仕事に向いていると思うポイント、そしてそのポイントが活かされた過去の出来事を洗い出しておきましょう。
 

⑥人事でのキャリアプランを考えておく

人事として採用されてからのキャリアプランも考えておくと、面接で聞かれたときにきちんと将来のことも見据えて考えていることが伝わり、志望度が高いことを示せます。人事で採用された場合、企業によってはそのままその仕事のみをおこなっていくキャリアになるのか、他の部署にも異動する可能性があるのかは違います。説明会で把握しておきましょう。その上でどういうキャリアプランで経験を積んでいきたいのか伝えるといいです。

ポイントはここ!人事の志望動機を書く上で大切なこと

【例文付き】人事の志望動機を書き方

では例文とともに、具体的にどのような流れで志望動機を書いていけばいいのか解説していきます。

①志望動機を一言で(結論ファースト)
→まずはなぜこの仕事をしたいのか、どういう働き方をしたいのかを一言で述べます。

例)私が貴社の人事を志望する理由は「勝てるチームを作る」という理念に共感し、人事のポジションから会社の成長を支えたいと考えたからです。

②なぜ人事の仕事をしたいのか
 人事として具体的にどのような仕事をしたいのか、など志望する理由を過去の経験と絡めて伝える
→次になぜその動機を持つことになったのかを語ります。説得力のある動機には、必ずその気持ちに至るための経験があります。過去にどのようなことがあって、その時に何を考えたのか、その考えをもとに将来はどういう仕事をしたいと思ったのか、自分の考えや価値観、人柄や能力が伝わるような話にしましょう。

例)私は飲食店で4年間アルバイトをしていました。ただ職場の離職率が高く、アルバイトの教育係になってから自分が教えてもすぐにやめてしまうのが残念でした。そこで店長とアルバイトの定着率をあげるために2つの施策をおこないました。1つは新しいメンバーが入ってきたら1週間に1度面談をおこなうこと、2つ目は業務上での改善案を自由に提出できる仕組みを作ることです。その結果、教育係として何が足りなかったのか、新しいメンバーが何を理解していないのかがわかるようになり、効率的に指導をおこなうことができました。また何でも言える仕組みができたことで職場の雰囲気が良くなり、売上も前年比を上回ることが多くなりました。この経験から人が働く環境をよくすることに興味を持ち、また環境がよくなるとパフォーマンスに大きな影響を及ぼすことを知りました。まさに勝てるチームを作るには人事の力が必要だと思いました。

③入社後に自分の経験やスキルを活かしてどうなりたいか
→最後に自分のどんなスキルや考え、経験で得た価値観を活かして、どのような働きをしたいのかを述べます。例えば、過去のエピソードが自分のスキルに関わることであれば「大学時代に培った〇〇というスキルを活かして~」と始められますし、価値観に関わるエピソードであれば「〇〇という考えを持って△△の業務に携わっていきたい~」など言うことができます。

例)入社後はこの経験から得た価値観を持って、貴社の働く環境をサポートして社員のパフォーマンスをあげ、結果的に貴社の成長に貢献していきたいです。

まとめ

人事の志望動機の書き方やポイントを解説してきましたが、いかがでしたか。人事は採用活動を中心におこなっているかと思いきや、企業の経営の面でとても重要な役割があることがわかりました。人事の採用は中途採用が多いのですが、新卒で採用をおこなうところもあります。会社という組織で人事が与える影響をきちんと理解して、志望動機を作成していきましょう。

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