事前準備が大切!
OB訪問は就活の中でも、企業のナマの情報に触れることができるまたとないチャンスです。日程だけを決めて準備もなく企業に行ってもOBの方に失礼にあたるとともに、せっかくのチャンスを活かすことができません。以下のような手順を踏んで、しっかりと事前準備をしておきましょう。
質問内容はある程度事前に準備しておこう
OBやOGは、自分の仕事だけでも十分に忙しいはずです。その人の時間を割いてもらうのですから、訪問するにあたってあらかじめ質問事項をしっかりと考えておく必要があります。事前に決めておかないと、その場で考えることになり、OBの時間を無駄にしてしまいます。後述する職場の雰囲気なのか、業界の展望なのか、具体的にメモしておきましょう。
OBによっては訪問のアポイントの時点で「どのようなことが知りたいですか」と質問してくれる方もいるため、アポイントを取る前に質問内容を準備してあると安心です。
質問内容が決まったら事前にメールを送っておこう
質問内容が決まったら、アポイントをとるためにメールを送りましょう。アポイントを取る手段としては、メールの他にも電話という手段もあります。希望する日程までに日にちがあまりない場合は、電話の方が確実で早いでしょう。
メールを送る場合、日程の候補をあらかじめ3つ程度提示し、先方に選んでもらいます。この時、相手から候補日が提案された場合、できる限り都合をつけて、何度も候補日を挙げてもらうという手間をかけないようにしましょう。
場所と時間をしっかりと確認しておこう
OB訪問は企業に出向く場合の他に、カフェなどの企業の外で行われる場合、同じ企業でも本社ではなく他の支社や事業所で行われる場合があります。自分の思い込みで間違った日時・場所に行ってしまえば、その時点でOBの厚意を無碍にしてしまうことになるのです。
事前の電話やメールのやりとりの最後には、「×月×日×時に伺わせていただきます。どうぞよろしくお願い致します」というように、日程の確認をしておきましょう。
OB訪問で何が得られるの?
OB訪問は就活において必ず行わなければならないものではありませんが、より深く企業研究を行ったり、具体的な仕事内容を知ったりするためには、企業で働くOBのナマの声を聞くことが一番です。以下のようなOB訪問のメリットがあることを把握しておくことで、OB訪問へのモチベーションも高まるでしょう。
進路の進め方に関する情報
就活の一番の問題は、人生を左右する進路の進め方です。どの業界を選び、その業界の中でもどの企業を選ぶのか、人生にたった一度しかない「新卒」というブランドを最大限に活かして、少しでも自分に合う企業、または条件のよい企業に就職するためには重要な決定事項です。OBは、既にその決定を下した結果、訪問先の企業に就職しています。
どうしてその業界を選んだのか、その職種に就いたのはなぜかといった進路の決め方について知ることで、自分の就活にも活かすことができるでしょう。
仕事内容の詳しい情報
会社説明会に参加して、部や課によってだいたいの仕事内容は把握していても、企業によって実際の仕事内容は異なります。大企業なら完全分業でも、ベンチャー企業ならすべて1人でこなすというように、企業規模によってもかなり異なるものです。OB訪問に行くことで、日々どういった業務をどのような流れで行っているのかを確認できるため、自分が実際に働いた時に任される仕事内容を把握できるかもしれません。
会社の実際の情報
公式WEBサイトや、企業のパンフレット・リーフレットには、会社をよく見せるための表現しかされていません。このような表向きに公表されている会社の情報は、どこでも確認できますが、OB訪問では実際の情報が聞けるでしょう。例えば社内の人間関係はどうか、社風は会社が主張しているカラーと一致しているかなどの情報は、OB訪問に行ってみてはじめて分かるものが多いでしょう。
社会人としてのプライベートや生活面に関する情報
OBは、企業で実際に働いている社会人としての先輩でもあります。その企業に就職すると、どれくらいの頻度で飲み会があって、ランチは社内で食べる人が多いのか、外食する人が多いのか、何時頃に帰宅するのかといった、リアルな情報をOBからの回答をもとに得ることができます。休日に何をして過ごしているかがわかれば、社内ゴルフコンペがある、休日は完全にフリー、社内サークルが充実しているなどの情報もわかります。
OB訪問で有効な質問例
OB訪問は限られた時間の中で行われるため、短時間で効率的に様々な情報を得るためにも、質問内容はよく考えられたものに限定した方がよいでしょう。以下にご紹介する質問例を参考に、自分が知りたい内容を効率よく把握できる質問を考えておくことをおすすめします。
路の進め方に関する情報を知りたいときの質問例
進路の進め方についてOBに質問する場合、「今の仕事はどうですか?」などと尋ねてみても、OBは抽象的すぎて答えるのが難しいものです。OB・OGができるだけ答えやすいように、以下の質問例を参考に具体的な質問をぶつけてみましょう。
・○○さん(OB・OG)は、なぜこの会社に入られることを決断されたのですか
・○○さんが入社される前と後で、この会社に対するイメージはお変わりになりましたか
・(前の質問に続いて)変わったとすれば、どうお変わりになったのでしょうか
・業界研究でこの業界の他に迷っていた業界はありますか。また、この業界を選んだのは、どのような理由からでしょうか
・同業他社に比べて、この会社が最も優れていると思われる点を教えてください
質問を考える上で大切なのは、「OBがなぜこの会社(業種・職種)を選んだか」です。
自分の参考になるよう、「悩んだけれど、結果的にこれを選んだ」という理由がわかれば、あなたの進路の参考になるでしょう。
仕事内容の詳しい情報を知りたいときの質問例
実際にその企業に就職したら、どのような仕事を任されるのか、1日をどのように過ごすことになるのか、具体的に把握しておけば、入社後の「こんなはずじゃなかった……」というギャップを感じずに済みます。
そのためには、以下のような質問例を参考に、できるだけ具体的な仕事内容を教えてもらえるような質問をしましょう。
・現在はどのようなお仕事をされているのですか
・朝出社されてから帰られるまで、毎日をどのように過ごされているのでしょうか
・ここ数年で仕事内容に大きな変更点はありましたか
・仕事が大変だと思うのは、どんなときでしょうか
・1日の内勤と外勤の割合はどれくらいでしょうか
仕事内容で知りたいのは、1日のだいたいの流れで大枠をつかみ、さらにどのような仕事まで任される可能性があるのかを知るために、さらに掘り下げた質問をしていきます。特に内勤と外勤のバランスなどは実際に働いているOBに質問するのが一番ですから、OB訪問時に質問する意義があります。
会社の実際の情報を知りたいときの質問例
会社の雰囲気や社風など、その企業に入らないと分からない問題については、会社説明会などのオープンスペースでは話されにくく、また質問もしにくい内容のため知ることが困難なものです。しかしマンツーマン、あるいは少人数制のOB訪問であれば、会社の実際の情報について知ることができるかもしれません。
以下のような質問例を参考に、できるだけ具体的な情報を得られるような質問を考えて行きましょう。
・社内の雰囲気は、どのように感じられておられますか
・御社の将来性について、同業他社と比べてどのようにお考えですか
・特にお忙しい曜日はございますか
・一年で一番お忙しい時期はいつですか
雰囲気というものは言葉ではなかなか言い表せないものですが、OBが感じている雰囲気を知っておくことで、明るいのか、落ち着いているのか、開放的なのか閉鎖的なのかを知ることができます。実際の繁忙期がどれくらい続くのかという情報も、実際に働いているOBが実感しているところでしょうから、質問する意義があるでしょう。
社会人としてのプライベートや生活面に関する情報を知りたいときの質問例
OBは社会人としてあなたの先輩にあたるわけですから、社会人になるとどのような生活が待っているのかを質問することで、あなたが社会人になった時の生活をリアルに描くことができるでしょう。以下のような質問例を参考に、会社内のOBだけではなく、プライベートについても失礼のない範囲で質問してみましょう。
・休日は何をして過ごされていますか
・休日に上司の方や取引先の方とゴルフなどのスポーツをされることはありますか
・社内サークルはありますか。また○○さんはどのサークルに所属されていて、どのくらいの頻度で活動されていますか
・会社の飲み会は、年にどれくらい開催されますか
・昼休みは社内で昼食をとる方と、外食される方ではどれくらいの割合に分かれますか
学生には分からない、社会人の時間の過ごし方について知ることで、「自分もこんな風に過ごせる大人になりたい」と思い、就活へのモチベーションが高まるかもしれません。就職後の自分がイメージできないという方も、このような質問をすることでイメージしやすくなるのではないでしょうか。
女性の働き方に関する質問例
女性がOB・OG訪問を行う場合、女性だからこその疑問がある方もいるでしょう。男女共同参画社会とはいえ、まだまだ現実的には女性が働きにくさを感じている部分もあります。
実際に就職したら、女性にとって働きやすい会社なのかどうかを知るために、以下のような質問例を参考に、質問を考えて行きましょう。相手も同じ女性の場合、自分が入社した当時の不安が分かるため、細かなところも具体的に教えてもらえる可能性があります。
御社には、女性の管理職はいらっしゃいますか
・女性社員は、産休・育休を取得した後、どれくらいの割合で復帰されますか
・産休、育休から復帰後、長年勤務されている方はいらっしゃいますか
・子どもの急な発熱等の理由でお休みをいただいている方はいらっしゃいますか
・御社で勤務されていて、ワークライフバランスがとれていると実感されていますか
女性特有の問題といえば、やはり結婚・妊娠・出産・育児でしょう。封建的な社風の企業では、未だに妊娠や育児に理解の足りないところも多いため、OB・OG訪問の時点でライフイベント、ライフコースを前提にした質問を考えておくことが重要です。
特に産休・育休明けで復帰する社員が少なかったり、女性でキャリアアップしている社員が少なかったりした場合、少なくとも女性が働きやすい会社ではないことが推測できます。
OB訪問で質問するときの注意点
タテマエではなくホンネの情報を聞き出すためのOB訪問ですから、非公開情報を聞き出すことは就活を有利に進めるにあたって、大きな武器になるでしょう。しかし、ホンネの情報を聞き出すことで、あなたの印象を悪くしないよう、以下の注意点を意識しながらOB訪問を行いましょう。
OBが知人でも敬語で話す
OB訪問先を探す際、大学のキャリアセンターでOB・OG名簿を閲覧して見つけた先輩が顔見知りの先輩だったというケースもあります。また、大学の職員に相談して紹介されたOBが、実はゼミの先輩だったということもあるでしょう。このように、OBと既に知り合いだった場合、OB訪問の際につい軽口を叩いたり、敬語を使わなかったりすることがあります。2人の間ではそれでよくとも、そのやり取りを見ている他の社員から見れば、あなたが非常識な学生に映ってしまうため、OBがフランクな口調で話してきたとしても、必ず敬語で答えましょう。
相手が話したがらない内容はしつこく聞かない
ホンネを知るためのOB訪問ではありますが、どんなことでも質問してよいわけではありません。また、人によって琴線に触れる話題は異なるため、質問してみてあまり反応がよくなければ、すぐに話題を変えるという臨機応変さも必要です。OBが話したがらない内容をいつまでも掘り下げていると、悪印象を与えてしまうこともあるので注意しましょう。
会話に流れをつくる
OB訪問でありがちな学生の話し方として、自分が用意してきた質問を順番にぶつけてきて、疑問解消に努めようとするという失敗例があります。
短い時間を有効に使うためには、多くの質問をすることは大切ではありますが、唐突に話が展開すると、OBから「相手のことを考えずに自己中心的に話す人」という印象を持たれてしまう可能性があります。
質問をする際は、OBの反応も見ながら、話の流れの中で自然に質問できるように心がけましょう。
まとめ
OB訪問で最も聞きたいのは、その会社で働く場合の具体的なイメージです。そのため会社説明会や合同説明会でいくらでも聞けるような内容は省きましょう。あなたが知りたい内容別に、この記事でご紹介してきた質問例を参考にしながら、絶対に聞いておきたい項目をいくつかピックアップしておくことをおすすめします。
短い時間を有効に使って、その会社で働いた場合の自分のイメージが広がるような質問をすることで、就活面接でも志望動機や入社後のビジョンなどについて、具体的に回答できるというメリットも生まれます。OB訪問を有効活用し、就活自体を有利に運べるよう、事前にしっかりと準備をしておきましょう。
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