そもそもなんで就活で趣味、特技が聞かれるの?
趣味、特技の書き方を具体的に見ていく前に、そもそもなぜ就活で趣味、特技が聞かれるのかをお話します。多くの企業が就活でこの質問をするという事は、趣味や特技には、企業が必要としている人物かどうかを明らかにするためのポイントが隠されているということになります。企業がどんなポイントを見ているのかを押さえた上で、アピールする内容を具体的に決めていきましょう。そうすることで、より効果的なエントリーシートを作ることができますよ。
就活生の人間性を知るため
趣味や特技を知ると、その人がどんな人間なのかを知ることができます。どんな風に物事をとらえ、どんなものに興味を示すのかということは、スキルや知識以前に、人としてどんなキャラクターを持っているのかということを知るポイントになります。体を動かす事が好き、人を喜ばせる事が好き、人と少し変わった事をするのが好き、など、その学生の根本的な価値観を知ることで、企業と価値観が合うのか、求める人物像と合うのかということを判断することができます。
物事に対しての取り組み方
人間は、好きなことに対しては情熱を持って取り組むことができます。就活で趣味や特技への取り組み方を質問することで、好きという気持ちのあるものに対してその人がどんな取り組み方をしてきたのか、またその結果どんなことが起きたのかを知ることができます。すると、これまでの趣味や特技への取り組み方の姿勢やプロセスを知ることで、仕事を実際にした時にどのように取り組めるのかということをイメージすることができるのです。
入社後に社員とうまくやっていくことができるか
趣味や特技はどんな人間なのかを知るのに良い質問であるとお話しましたが、「会社に合うキャラクターなのか」ということを判断できるものでもあります。例えば、体育会系出身の社員が多くスポーツでの交流がさかんな企業であれば、体を動かすのが好きな人は他の社員とうまくやっていくことができると考えられます。読書が好きな人が多く、本を積極的に読むことで新しい価値観を取り入れる文化のある企業では、本を読むことが好きな人は自然と溶け込めると考えられるでしょう。入社後に社員とうまくやっていけるのかどうか、その人の持つキャラクターを知るためにも趣味や特技の質問は大切なのです。
趣味と特技はなにが違うのか
就活において、趣味や特技に関する質問がいかに大切かをおわかりいただけたかと思いますが、「趣味」と「特技」の2つの言葉は何が違うのでしょうか。「趣味」とは、単純に好きなことを指します。ただ好きという感情で行っていて、そのレベルがどうであるかは全く関係ありません。
これに対して「特技」は、その物事を行うにあたって、他者と比べて自分のレベルが高いものを指します。ただ好きなだけでレベルが高くなければ「特技」とは言えません。ただし、「好きこそものの上手なれ」ともいうように、好きなものには情熱を注ぎやすいぶん、上達する可能性も高いことから、「趣味」と「特技」はイコールになるケースも多くあります。
趣味、特技を書くためのポイント
それでは、基本を押さえたところで、実際に趣味や特技をエントリーシートに書く際のポイントを見ていきましょう。あなたの他にも多くの学生がエントリーシートを提出しますので、より面接官の心をつかむエントリーシートに仕上げなければ評価をしてもらうことはできません。趣味や特技を考え付いたままに書くのではなく、戦略的に書くポイントを押さえていきましょう。
自分だけのエピソードを入れる
エントリーシートの内容が抽象的になり、いわゆる「ありがち」な内容になってしまわないために、具体的な「エピソード」を盛り込みましょう。具体的なシーンを描いてあげると、読み手はあなたの説明している内容をイメージしやすくなり、深く理解をしてもらえると同時に、踏み込んだ内容の会話ができるようになります。この時にぜひ使ってほしい表現方法が、「数字で説明する」ということです。「本をたくさん読んでいます」よりも、「毎日1冊必ず文庫本を読み、それを3年間続けています」の方が、イメージがわきやすく、インパクトもありますよね。
簡潔に伝える
エピソードを盛り込むことがポイントだとお伝えしましたが、この時にやってしまいがちなのが「話が長くなってしまう」ということです。エントリーシートで伝える必要のない情報が入れば入るほど、あなたの言いたいことは伝わりづらくなり、読む側も混乱してしまいます。エントリーシートにエピソードを書く際は、本当に必要なことだけを簡潔に伝えましょう。エピソードを一度ざっと書き出し、徐々にいらない部分を削除して推敲していくと、簡潔にまとまります。
アピールしたいポイントを明確にしておく
自分のことを話すときに注意しなければならないのが、「結局何が言いたいのか」を明らかにしておくということです。エピソードを話すときは特に注意が必要で、「こういうことがありました」と事実を伝えるだけになってしまうと、読み手が「だから何?」と感じる内容になってしまう危険性があります。ただあったことを述べるのではなく、「だから私は、○○です」と、その話の中でアピールしたい内容を明確にしましょう。一番初めに結論を述べておくというのも一つの戦略で、言いたいことを先に宣言しておくと、相手もそれを意識しながらエントリーシートを読むため、アピールポイントを明確に示すことができます。
話を盛らない
趣味や特技の欄で、嘘をついたり話を盛ることはやめましょう。就活で良い評価を得るために、実際の自分より少しできるように書きたくなる気持ちは誰もが持っているかもしれません。しかし、面接で話を深堀されるなど、具体的な話をする必要が出てきた時に、嘘をついていることがばれてしまう可能性がおおいにあります。そもそも、選考で企業に嘘をつくような人を採用したいとは誰も思いませんよね。嘘をついたことで逆効果になってしまうことは避け、話を盛ったりすることなく、等身大のあなたで挑んでください。
趣味、特技一覧まとめ
さて、どんなものを自分の趣味や特技としてエントリーシートに書こうか、イメージがついてきた人もいるのではないでしょうか。しかし一方で、「これを趣味と言っていいの?」「何個くらい書けばいいの?」という疑問を持つ人もいるのでは。ここでは、趣味や特技としてアピールできるものの代表例を挙げていきます。
前提として1つお伝えしておきたいのが、趣味や特技は複数用意しておいた方が良いということです。企業によって食いつきのよいものが違う場合もありますし、いくつか挙げておいた方が、より話が膨らみやすいためです。自分ならどんな趣味や特技をアピールできそうなのか、いくつか考えてみてくださいね。
趣味一覧
・料理:休日は毎日家族に夕食をふるまって、家族に感謝されている
・読書:通学時間は本を読むことを日課にしていて、1か月に20冊のペースで読んでいる
・コーラス:高校からコーラスをしており、年に2回コンサートに出ている
・旅行:バックパッカーとして、大学入学以来海外を20か国回った
・家庭菜園:自宅の庭でトマトやナスなど10種類の野菜を育て、友達にお裾分けして喜ばれている
・サーフィン:休日は毎週必ず海へ行き、友人とリフレッシュをしている
・お菓子づくり:毎月新しいレシピに挑戦していて、うまくいくと家族からリクエストもあるほど
・マラソン:東京マラソン出場を目標に、毎日1時間ランニングをしはじめた
・ダンス:小学生の頃から続けており、平日の夕方毎日ダンスをしている。体を動かすことが大好き
・書道:心を落ち着かせる時間が好きで、月に1度書道の時間を作ってリラックスしている
・裁縫:細かい作業が好きで、常に裁縫道具を持ち歩いている。友人に感謝されたこともある
・ギター:好きなアーティストにあこがれて始めた。3曲をマスターし、最近新しい曲に挑戦している
特技一覧
・そろばん:小学生の頃から習っており、中学校でそろばん1級を取得した
・英語:海外留学2年間に行っていたので日常会話は問題なく話すことができる
・ピアノ:大学の入学式での演奏を頼まれるなど、高い技術を持っている
・節約:日用品や食品の安い店をリスト化し、独自の家計簿を作るなどして生活費を押さえる節約が得意
・占い:占いのスクールに1年前から通っていて、知識がついてきた
・マッサージ:マッサージ店でアルバイトをしており、指名数が店舗で一位になった
・イラスト:大学一年生の頃から、大学のパンフレットのデザインを担当している
・暗算:桁数の多い数字でも瞬時に計算ができるため、よく計算を頼まれる
・健康でいること:早寝早起きや3食規則正しく食べることを実践し、大学は一度も欠席したことがない
・記憶:一度聞いた内容は忘れない記憶力を持ち、テストで満点を取ることもしばしばある
・タイピング:パソコンのタイピングのコンテストに出場し、昨年関東大会で一位を取った
・将棋:テレビで見てあこがれて将棋を始め、四段にまでなった
就活のエントリーシートで評価される趣味例文
趣味例文①:読書
私の趣味は、読書をすることです。毎日通学時間には読書をすると決めていて、月に20冊以上を目標にしています。一度読み始めるとすぐに集中し、夕飯を食べるのも忘れて読んでいるということもあります。
本を読むことで新しい世界が見えてくるという感覚が好きで、これまで自分の知らなかった価値観や知識に触れるたびに興味がわいてきます。仕事でも、必要な情報や考え方を本から取り入れることによって、新しい知識を学び、成長していけるのではないかと思っています。
趣味例文②:お菓子作り
私は、お菓子を作る事が好きです。毎月新しいレシピに挑戦していて、時にはレシピ本に載っていないオリジナルなレシピを考え出すこともあります。私がお菓子作りを続けている理由は、自分が作ったもので家族や友人が「おいしい」と喜んでくれる顔を見るとうれしいからです。
人に喜んでもらうことをエネルギーにできる性格を活かして、仕事をする上でも、お客さんに喜んでもらうことを第一に考え、貴社に貢献出来たらと考えています。
(※例文タグ設置)
趣味例文➂:マラソン
私は、昨年からマラソンを始めました。もともと自分で決めた目標に向かってこつこつと努力をし、その成果が実る瞬間が好きで、その感覚を味わう一つとしてマラソンをやってみようと思い立ちました。今は毎日1時間ランニングをしており、お正月であろうと忙しい日であろうと、1年間欠かしたことはありません。
日々タイムが更新されていくことが楽しく、やはりこつこつと努力を積み重ねることは大切だと身をもって感じています。仕事をする上でもこつこつと着実に努力をする姿勢を持ち、一つ一つ確実に仕事を覚えていきたいと思っています。
就活のエントリーシートで評価される特技例文
特技例文①:そろばん
私はそろばんが得意です。小学生の頃からそろばんを習い始め、中学生の時に大人でも難しいといわれるそろばん1級を取得しました。
私の中学校で当時そろばん1級を持っているのは私だけで、学校から表彰されたこともあります。大学生になってからはそろばん塾で子供たちに教える講師をしています。そろばんで培った計算を素早くするスキルを活かすことで、お客様と商談をするときにも瞬時に適切な判断をすることができると考えています。
特技例文②:タイピング
私の特技は、タイピングです。昨年のコンテストでは、関東大会で優勝したほどの実力を持っており、大学の講義でもメモを取るのがはやいため、聞きそびれた内容を友人から質問されることがしばしばあります。
今の時代は、仕事でもほとんどの人がパソコンを使っているため、このスキルは重要なものだと考えています。議事録をとったり書類を作成したりする時に、私のタイピングスキルを活かすことで、スピード感と正確性をもって仕事を進めることができると思います。
特技例文➂:節約
私は、節約をすることが得意です。普段の生活では日用品や食品の安い店をリスト化して、オリジナルの家計簿を作成し家計の管理をしています。そうすることで、大きなお金が必要になった時や本当にお金が必要な場合に余裕をもって対処することができます。
どうすれば無駄を減らし、良いお金の使い方ができるかを常に考えている私は、お金を扱う貴社で仕事をする上でも特技を活かせると考えており、お金を扱う仕事を、責任を持って全うことができると思います。
まとめ
エントリーシートで聞かれることの多い「趣味、特技」の質問について、どう書いたらいいのか不安に思っている人に向けて、エントリーシートの趣味や特技の書き方を解説してきました。趣味や特技は、就活の選考においてその人の人間性を知るための質問として、とても大切なものです。
この書き方一つで就活の結果が変わってきますので、エントリーシートに趣味や特技を書く際はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。ポイントさえ押さえて戦略的に書くことができれば、趣味や特技を通してあなたの魅力が伝わるはずです。趣味や特技を戦略的にアピールして、就活を良い結果で終わらせましょう。
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