OB訪問とは?どのような目的があるのか
そもそもOB訪問とは、主に自分が志望する企業に勤めている大学のOBOGを訪ねて会社や仕事に関する質問をすることを指しています。最も大きな目的は企業説明会や企業のホームページから読み取りにくい情報を得る、という部分です。
自分で企業の情報収集をしていくと、一般的な情報はある程度集めることができます。しかし、全ての情報がすぐに手に入るわけではなく、実際に働く上でのイメージを抱きにくいです。このギャップを解消するための方法としてインターンシップやOB訪問が存在します。
ただ情報をもらいにいく、というよりは、自己分析を含めた自分自身の現状と志望する企業との間にある差を埋めるため積極的に情報を獲得しにいく、というイメージです。改めて志望企業に勤める方に話を聞くことで、自分の自己分析や志望動機の巧拙を確認できるという側面もあります。
OB訪問のメリット
OB訪問は1対1で行うため、インターンシップよりも自分の知りたい情報をピンポイントで得ることができるでしょう。やはり企業説明会や採用ホームページよりもリアルな情報を得られるのは最大のメリットです。そして実は単に情報を得られるだけではなく、OB訪問を行うことには様々な副次的効果があります。
【社会人との繋がりができる】
OB訪問で得ることのできた繋がりはその後の就職活動を進めていくにあたって非常に有用です。きちんと礼節をもったやり取りを行えば、単発で終わることなく継続的に話ができる関係性を築くことができるでしょう。
また大学生にとって、保護者や教授、アルバイト先の方を除いた社会人とコミュニケーションをとる機会は実はそれほど多くありません。しかし、選考が始まると、企業の採用担当者をはじめとして初対面の社会人とコミュニケーションが必須となります。
OB訪問で適切な社会人とのコミュニケーションに慣れておくことは、直接的ではありませんが重要な選考対策になります。
【業界研究・企業研究の精度が高くなる】
一般的に業界研究や企業研究は、本や会社のホームページを用いて進めていきます。勿論統計データや調査データを用いたマクロな視点での比較もとても役に立つのですが、その企業ならではの強みや実際に働く上でのリアルな情報を洗い出すのは難しいです。
ある程度土台の部分を調べ、その企業で働くやりがいや事業の強み、キャリアステップなどについてまずは仮説を立てていきます。この仮説をOB訪問でぶつけてみることで、正しい部分は勿論、間違った認識をしていた部分にも気がつくことができます。
業界研究・企業研究はどうしても浅くなりがちなので、OB訪問を通じてその精度をあげることができれば他の就活生との差別化にもつながります。
【選考にプラスに働くこともある】
企業や業界によって事情が異なるため一概には言えないのですが、OB訪問を行ったという情報を採用担当部署にフィードバックする企業もあります。自らアプローチをして自社のことを知ろうとしている、という点で今後の対応が多少変化していくケースもあり、侮れません。
選考での優遇を期待してOB訪問を行う、というのは順序として逆です。訪問を受けてくれる方が一切選考とは関係ない部署にいる可能性もゼロではありません。結果として、企業に対する熱意が採用担当にも伝わりやすい、と理解しておきましょう。
勿論、OB訪問に際してやり取りに失礼な点があったりすると、マイナスな印象をフィードバックされてしまう可能性もあります。しっかりと準備をしてOB訪問に臨むと良いですね。
OB訪問にベストな時期とは?
では、具体的にOB訪問を行うとなった場合、いつからはじめればよいのでしょうか。また、訪問を行うのにベストな時期は存在するのでしょうか。結論から言うと、遅くとも3年生の10月頃までにはOB訪問を開始しておきたいです。
これには就職活動の大まかなスケジュールが関係しています。2019年3月現在だと、3年生の3月に選考情報が解禁になります。そして、3月中には書類選考が始まり、早ければ面接を行う企業も出てくるでしょう。
つまり、ここから逆算すると自己分析・業界研究の両方をある程度終えた状態で3月を迎えることが重要になります。3月に準備を始めるのでは少し遅いということですね。
また、OB訪問を行うための日程の調整に時間がかかってしまうことも考えられます。以上のことから、どんなに遅くても3年生の10月頃を目安にOB訪問関連の動きをスタートできると良いですね。10月から1カ月に1人ずつ訪問していけば3月の情報解禁までに5人のOBOGから話を聞ける計算です。
OB訪問を行うための流れ
実際にOB訪問を行うために必要な手順は以下の通りです。
・志望企業に在籍している大学のOBOGに連絡を取る
・メール等で日程調整を行う
・実際に訪問する
・訪問後御礼のメールを送る
特にOBへの連絡で戸惑う方も多いと思いますので、ここからは具体的な方法を詳しく解説していきます。
【OBに連絡を取る】
そもそも志望する企業に大学のOBが在籍しているかどうかわからない、わかっても直接の知り合いではない、という方が大半だと思います。そこで役に立つのがキャリアセンターです。
大学のキャリアセンターでは卒業生の就職先と連絡先を控えており、OB訪問を希望している旨を伝えれば情報を開示してもらえることがあります。必ずしも最新情報ではない場合もありますが、まずは確認してみるとよいでしょう。
もちろん直接の知り合いやゼミの教授の伝手などを通して連絡を取るのも一つの方法です。
【メール等で日程調整を行う】
OB訪問の際の連絡手段はメールが適切です。勿論、他のプラットフォームで連絡を取ることも可能ですが、いずれにしても相手に失礼の無いように連絡を送るのが基本です。ビジネスマナーを確認し、礼節を持った対応を心がけましょう。
注意したいのが、複数の候補日程を提示するという部分です。企業で働いている中忙しい合間をぬってOB訪問をお願いするので、ピンポイントで1日のみ日時を提示することは避け、なるべく複数の日程を提示して相手に選んでもらうようにしましょう。
【実際に訪問する】
日程が決まれば後は実際に訪問します。日程を決める際に場所も一緒に決めてしまいましょう。当日は待ち合わせ場所に10分前には着くよう余裕を持って外出してください。服装はスーツである必要性はありませんが、派手な私服は避けると良いですね。
訪問時に先方に次の予定や訪問の継続可能時間を確認しておくのも大切です。訪問する前に質問は適切な量を簡潔にまとめ、長すぎたり短すぎたりしないように時間を管理しておきましょう。
【訪問後お礼のメールを送る】
訪問後も必ずお礼のメールを送っておきましょう。今回貴重な時間を割いて会ってもらったこと、非常に良い学びをえられたこと、会社への志望度があがったことなどを文面に盛り込むと良いと思います。
このOB訪問一回だけではなく、継続してお会いする場合もあります。一度OB訪問を行った方とは最終的に内定が出るまで連絡を継続して取れる状態にしておくと良いです。必ず、たとえ最終的に他社に行くことになっても報告をしておくと良いですね。
【場合分け】OB訪問のメール例文
OB訪問の依頼メールを送信する時はビジネスメールのルールに則り失礼の無いように連絡をする必要があります。しかし、どんな文面でメールを送信すればいいか不安に思う方も多いでしょう。そこで、OB訪問に際して使える文面の例を場面ごとに分けて掲載します。
これらを参考にメールを送ってみてください。本文のみの掲載なので、宛名や署名等ビジネスメールに必要なルールはしっかりと自分で適用しましょう。
【最初にアポイントを取るとき】
はじめてご連絡差し上げます。私、〇〇大学△△学部の「名前」と申します。
現在私は就職活動を進めています。
先日大学のキャリアセンターで■■様のことを知り、
OB訪問をお願いしたく連絡いたしました。
つきましてはご多用とは存じますが、■■様の都合の良い日時をいくつかご教示いただけませんでしょうか。
恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
【メールで質問をするとき】
お世話になっております。〇〇大学△△学部の「名前」です。
この度はOB訪問についてご快諾いただき誠にありがとうございます。
非常に心強く感じております。
二点事前にお伺いしたいことがあり、ご連絡差し上げております。
以下が質問内容となりますので、お手すきの際にご確認いただけますでしょうか。
(質問内容を簡潔に記す)
引き続きどうぞよろしくお願いします。
【OBから返信が来たとき】
いつもお世話になっております。〇〇大学△△学部の「名前」です。
お忙しい中ご連絡いただき誠にありがとうございます。
メールの内容、拝読しております。
当日の集合場所や時間について承知いたしました。
■■様にお会いできることを楽しみにしております。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
【OBへの訪問のお礼を伝えるとき【
いつもお世話になっております。〇〇大学△△学部の「名前」です。
先日は貴重なお時間を頂戴しまして誠にありがとうございました。
私自身まだまだ勉強不足な所もあり、■■様に実際にお会いしたことで、貴社で働く上で大切なことなどのイメージがより明確になりました。
これからも引き続き貴社を志望しながら就職活動を進めていく所存です。至らない点もあり、再度お力を借りることもあるかと思いますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
OB訪問で好印象を与える質問
OB訪問を実際に取り付けたあとはどんな質問をするか事前に考えておきましょう。せっかく志望度の高い企業で働く社員の方にお会いするのですから、できるだけ好印象を与えて訪問を終えたいですよね。そこで、OB訪問における印象管理の一つとして、質問内容についてまとめます。
【どのような質問が好印象を与えることができるのか】
基本的には自分が聞きたい質問をぶつけて良いのですが、訪問した社員の方が実際に働く上でどんなことを考えているのか、といった個人に焦点をあてた質問は効果的です。
あくまで企業説明会で話をする採用担当の方ではなくその企業で働く一個人に質問をするので、できるだけ先輩社員本人に関する話を深堀していくことでOB訪問にかける熱意を表現することができます。
福利厚生や待遇といったデリケートな質問は決してNGではないのですが、入社や成長への意欲と合わせて質問したり、「差し支えなければ教えていただきたいのですが」と一言断りをいれたりすることでバランスをとりながら聞きましょう。
もちろん、説明会やホームページで既にオープンになっている情報を聞き直すのは得策ではありません。
【OB訪問で好印象を与える質問例10選】
・入社されてからこれまでの仕事内容について順を追って教えていただけますか
・入社してから最もうれしかった(大変だった)エピソードを教えてください
・仕事を進めていく上でどんな部分にやりがいを感じますか
・御社に入社して良かったと感じる瞬間はどんな時ですか
・御社には業績に応じた表彰制度があると伺ったのですが、具体的にどんな方が表彰されているのでしょうか
・ゆくゆくはマネジメントにも挑戦したいのですが、役職についている人は新卒入社した後どのくらいの期間で昇進していったのでしょうか
・御社の評価制度の説明を聞いて、非常に良い印象を受けたのですが、やはり仕事の成果や頑張りは適切に評価されていると感じますか
・御社の企業理念に大変共感したのですが、実際に会社で働く上でそれを実感するタイミングはいつですか
・入社前と入社後で業務内容にギャップを感じたことはありましたか
・どのようなスケジュールで1日を過ごされていますか
OB訪問では服装のマナーにも気をつけよう!
OB訪問では服装のマナーにも気を付ける必要があります。上述の通り、スーツである必要はありませんが、TPOに合わせた適切な服装を選びましょう。最も良いのはいわゆるオフィスカジュアル、と呼ばれる類の服装です。男性・女性ともに共通してジャケットを羽織ることのできる服装を意識すると良いですね。
ダメージジーンズや派手な小物、極端に肩を出した服装などを避ければ基本的には自由な服装で構いませんが、いずれにせよ相手に不快感を与えることのないように気を付けることが大切です。
まとめ
今回はOB訪問について、その目的から実際の動き方、質問例までまとめてきました。OB訪問は就活生全員が必ず行わなければならないプロセスではありません。だからこそ、適切な方法でOB訪問を行うだけで、他の就活生と一回りも二回りも差をつけることが可能です。
皆さんも是非OB訪問に挑戦してみてはいかがでしょうか。うまくOB訪問を行うイメージがわかない方はまず、就活のプロである就職エージェントに相談してみましょう。
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