実例:広告代理店の営業職の場合

例えば、「広告代理店の営業職」とはどんな仕事をしているのでしょうか?

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得意先の直接担当として、課題のヒアリング、オリエンテーションに参加し、プレゼンテーションから広告実施まですべての責任を担います。社内ではマーケティング担当や制作(クリエイティブ)担当者、媒体担当などすべての担当者をまとめる調整役。スケジュール管理、コスト管理、業務品質管理等の責任を担います。広告会社内では得意先の代表としての役割、得意先では広告会社の代表としての役割を果たさねばなりません。

※株式会社マスメディアン マスナビ2016から引用
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仕事研究とは上記引用文の内容について皆さんがイメージできるレベルまで自分から質問をし、理解していくことを指します。

「得意先の直接担当として、」とは

「得意先の直接担当として、」とありますが、得意先とはどこだと思いますか?食品メーカー、化粧品メーカー、ホテル、保険会社などなど。OB・OG訪問をしたときは差し障りない範囲で具体事例を訊くといいですね。
 
 
OB・OGが話してくれたのが化粧品メーカーの事例だったとしましょう。「課題のヒアリング、オリエンテーションに参加し、」とありますが、具体的に化粧品メーカーの課題とは何なのでしょうか?新商品のブランディング、新商品の販促、既存商品のブランドチェンジなど得意先の状況によって千差万別の課題が存在します。
 
 
では、仮に化粧品メーカーの課題が新商品の販促にあったとしましょう。もっと具体的に言えば、新商品を消費者に1つでも多く購入してもらうためには、どのような広告マーケティングをすればよいのかという課題を化粧品メーカーが持っているとします。
 
 
営業担当は得意先が広告に使える予算を伺い、社内に戻ってテレビ・雑誌・新聞・ラジオをはじめ各種メディアやPRなどを利用してどのように販売戦略と販売戦術を立てるのがよいのか考えます。そしてその考えた販売戦略と販売戦術を「プレゼンテーションから広告実施まですべての責任を担います。」ということなんですね。

仕事を具体的に説明すると

「社内ではマーケティング担当や制作(クリエイティブ)担当者、媒体担当などすべての担当者をまとめる調整役。」とあります。販売戦略や販売戦術を考える上で、マーケティング担当からは他社で似たような商品がどんな販売手法でどれくらいの売上実績があるかなどを調査したり、どんな制作(クリエイティブ)内容であれば新商品が売れるのかを制作(クリエイティブ)担当者と相談したり、どのメディアがいくらのコストがかかるのかを媒体担当と相談したりします。そしてそれらを一つにまとめていかなくてはならないんですね。

実際に社内の人間たちとやりとりする中で「スケジュール管理、コスト管理、業務品質管理等の責任を担います。」ということになるわけです。プレゼンテーションをする日までに提案書を完成させられるようにスケジュールを調整し、得意先の予算内に収まるようにコストを管理し、得意先が満足してくれるように制作(クリエイティブ)を納品しなくてはならないということですね。

「広告会社内では得意先の代表としての役割、」を担うわけですが、社内の担当者から、得意先からの要望やトンマナなど、得意先はどう考えているのかを得意先の代表者として社内の担当者に話さなければならないという訳です。そうしなければ、社内の担当者はどんなマーケティング手法を提案すればいいのか、どんなメディアの情報を営業担当に教えればいいのか、わからなくなってしまうからです。

「得意先では広告会社の代表としての役割を果たさなければなりません。」ということですが、逆に得意先に販売戦略を提案しにいくとき、担当者を毎回連れて行くことは難しいので、担当者たちがどう考えているのかを得意先に伝え、得意先からの質問に対して広告会社の代表として答えなければなりません。ここで伝えるべき内容を間違えると「先日は〜〜と言っていましたよね?」と信用を失うことになります。

結局、働いている人に直接訊かなければわからない

このように、引用した文を覚えても、仕事を理解したことにはなりません。この文がどんな意味なのか、自分がイメージできるレベルで仕事を理解しなければならないのです。それが仕事研究です。

そして同じ営業職でも業界が違えばやることが変わります。
1社の仕事研究したからといって満足したり、その仕事はもう理解してるからセミナーに行かなくてもいいなどと考えないようにしましょう。

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