就活における自己PRとはなにか

まずは、就活における自己PRの意味を考えてみましょう。就活生は、企業に興味を持ってもらうために自己PRを作成します。企業にとって必要な戦力なのかどうかを判断するための材料となるのが自己PRです。企業が存続するためには、利益を出し続ける必要があります。しかし、社会に進出したことがない就活生が企業で活躍できるかどうかは未知数です。そのため、就活生はどのような自己PRを企業が評価してくれるのかを考えなければいけません。

就活における自己PRとはなにか

そもそも行動力とはなにか

魅力的な自己PRを作成するために、行動力をアピールポイントとする人も少なくありません。しかし、行動力について考えれば考えるほど難しいと思ってしまうのではないでしょうか。そこで次に、就活における行動力とは一体何なのかをご紹介します。

「行動力」という言葉は漠然としている

世間一般で言われている行動力とは、非常に漠然としています。そのため、行動力が意味することは様々です。世間で認識されている行動力とは、実際に何かしらの行動を起こして、目標を実現していくための力を指しています。

一言で表現すると難しい言葉かもしれませんが、実はその意味を考えるとシンプルです。いままでの行動を振り返ってみると、似たような経験があるのではないでしょうか。自分が経験したことのないことにチャレンジしてみたり、新しい環境に飛び込んでみたりと、私たちは意識していないだけで何かしらの行動力を発揮しています。

行動力をもっと具体的な内容に整理しよう

何か新しいことに挑戦したことがあれば、誰でも行動力があることになります。そのため、自己PR内で「私は行動力があります」とだけ書いていても魅力的な内容にはなりません。もっと具体的に何を行ったのかを書く必要があります。

たとえば、大学で新しい団体を立ち上げたとしましょう。率先力があると採用担当者も評価してくれる可能性は高いですが、まだ魅力的な自己PRではありません。団体を立ち上げるためにどういったアクションを起こしたのかが大切です。どのようなことに苦労して、それをどう乗り越えていったのかなどについても盛り込みましょう。

なぜ行動したのかを伝えることが重要

成長し続ける人とは、どんな状況でも「なぜ」を考えられる人です。新しいことに挑戦するとき、何も考えずに行動する人はいません。どうしてそのような行動を取ろうと考えたのかについて、具体的に伝えることも重要です。

メンバーが最初から集まらないと分かっているのに新しい団体を立ち上げようとする人はいません。これは、需要がない製品を新しく販売しようとしないのと同じ考え方です。新しい団体を立ち上げるきっかけが何かあったはずです。「友人から頼まれた」「メディアでその分野が取り上げられていた」どのような理由であれ、明確に伝えましょう。

企業が考えている「行動力」を理解しよう

企業で求められる行動力とは、自分で物事を考えて行動する力のことです。最近では、新しい製品も次々と登場し、企業はその変化に対応していかなければいけません。常に挑戦し続けないことには、存続することが難しい時代に突入しています。社員の行動力は、企業が成長を続けるためには必要不可欠です。企業が生き残るためには、専門知識に富んだ即戦力を求めていると考える人も少なくないでしょう。

たしかに、知識が豊富で業務経験がある人は優遇されるかもしれません。しかし、将来性を秘めた新卒もポテンシャルを持っているという意味では、即戦力扱いになります。そして、大事なのは「仕事人としての即戦力」です。知識を持っていても指示待ち人間では意味がなく、状況に合わせた行動ができる人が求められています。

そもそも行動力とはなにか

自己PRで行動力をアピールするときの注意点

どういった行動力でも、自己PRとして使っても良いわけではありません。少しでも伝え方を間違えれば、印象の残りにくい内容になってしまいます。魅力的な自己PRにするためにも、行動力をアピールするときの注意点をいくつかご紹介します。

「なんとなく行動した」は評価されない

就活全体において、なるべく使いたくない言葉が「なんとなく」です。どうしてそのような行動をしたのかに対して、この言葉を使ってしまうと薄っぺらさが増してしまいます。採用担当者からも、何も考えていないと印象付けられてしまうかもしれません。この「なんとなく」を一度使うことは、行動力の魅力を下げていることと同じです。どれだけ内容が素晴らしくても、その一言によってすべてを台無しにしてしまうこともあります。企業は、常に「なぜ」が考えられる人を求めています。結果が出ていたとしても、行動した理由が「なんとなく」では評価が下がってしまうことは覚えておきましょう。

行動力が仕事にどのように影響するかを明確にする

企業にとって必要な戦力かどうかを判断するための材料が自己PRです。作成した自己PRに興味を持ってもらうことも大切ですが、採用担当者が本当に欲しいと思う人材であることをアピールしてはじめて、自己PRは完成します。

どれだけ行動力の内容が素晴らしても、それが仕事でどのように活かせるのかが伝わらなければ、本当の意味で魅力的な自己PRとは言うことはできません。自身の行動力が仕事にどのように影響を与えるのかを明確にしましょう。これを結論として持ってこなければ、あなたの行動力はただの自慢話になってしまいます。

抽象的なエピソードは評価されない

どのような内容であっても、話には具体性が求められます。行動するにあたって、どのようなことに苦労して、それをどうやって乗り越えたのかなどを具体的に伝えることで、相手に興味を持たせるエピソードとなります。

そもそも、内容が相手に何も伝わらなければ自己PRにはなりません。特に履歴書では文字数も制限されているため、簡潔に分かりやすく伝える必要があります。自分が理解できていれば良いと考えるのではなく、第三者にも分かるような内容に仕上げてください。友人や知人、家族など、周りの人に意見を聞くと良いでしょう。

自己PRで行動力をアピールするときの注意点

自己PRで行動力をアピールするときの書き方、伝え方

「文章力がない」「話すことが苦手」など、自己PRの表現方法に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。実は、書き方次第で魅力的な内容に仕上げることができます。自己PRで行動力をアピールするときの書き方・伝え方をご紹介します。

過去の具体的な出来事を深掘りしよう

自己PRで大切なのは、具体的なエピソードを例に出すことです。ただ、「私には行動力があります」と伝えるだけでは自己PRとして成り立ちません。しっかりと行動力があることを、具体例を使って論理的に伝える必要があります。自分がどのような経験をしてきたのか、振り返ってみてください。ほとんどの人が新しいことに挑戦したり、新たな人間関係を作ったりした経験があるのではないでしょうか。そのなかから、印象的なエピソードや魅力に感じるエピソード、成果を出したエピソードを一つ選んでください。その内容を仕上げることで、はじめて行動力が証明されます。

「なぜ行動したのか」にこだわって伝えよう

行動する上で、きちんと先のことまで考えられているのかも大切になってきます。ただ闇雲に行動するだけなら、誰だってできます。良く言えば、失敗を恐れずに行動できる人です。しかし、悪く言えば、何も考えていない人と思われてしまいます。何かアクションを起こすには、目標やビジョンを持っていることが大切です。仕事をする上でこれらのことが抜けていると、大きな損失につながってしまうかもしれません。そうならないためにも、どんな行動に対しても理由を付ける必要があります。具体的な理由を伝えることで、計画性を持って行動ができるというアピールにもなります。

似た事例も一緒に説明しよう

履歴書では文字数に制限がありますが、面接では違います。ひとつのエピソードにとどめるのではなく、複数のエピソードを使って行動力を説明することにより、自分のアピールポイントを強めることが可能です。メインのエピソードは履歴書に記載した内容で、そこに補足として新たなエピソードを付け加えてください。そうすることで、行動力に対する信ぴょう性も高まります。ただし、伝え方には注意してください。複数のエピソードを「あれも」「これも」と混ぜてしまうと、結局のところ何を伝えたいのか分からなくなってしまいます。

結論から伝えよう

何を伝えたいのか、結論は最初に持ってくるようにしましょう。行動力を自己PRとしたいのであれば、最初に「私には行動力があります」などとしてください。結論を先に述べることで、相手にどのような人間であるかを認識させることができます。

その次に、行動力を証明するための具体的なエピソードや結果、最後にその能力を仕事でどのようにし活かしていくことができるのかについてまとめます。結論を最初に伝えることは自己PRに限ったことではありません。就活中だけでなく、会社に入ってからプレゼンをするときでも、結論は最初に持ってくるようにしましょう。

自己PRで行動力をアピールするときの書き方、伝え方

【面接編】行動力の自己PR例文

自己PRをどのように完成させれば良いのか分からないという人もいるでしょう。伝え方は、一つや二つではありません。自分がどのような人間であるのかを伝える意味でも、工夫して文章を作っていってください。ここでは、面接で使える行動力の自己PR例文をご紹介します。

行動力が伝わる例文①

私の強みは行動力です。学生時代に「地域に少しでも貢献したい」という思いから、友人と共同でボランティア団体を立ち上げました。設立当初は人数も少なく、活動も満足にできませんでした。そこで、SNSを使ってメンバーを募集したり、ゲーム感覚で街の清掃活動ができるイベントを企画したりしたことで、少しずつ知名度を上げていくことができました。その結果、メンバーが大幅に増えるだけでなく、メディアでも紹介してもらえるまでになりました。この経験は御社でも活かせると考えており、新人の売り上げ実績No.1を目指して頑張っていきたいと考えています。

行動力が伝わる例文②

私は、目標達成に向けて計画を立て、それを実現する行動力があります。私は大学で英語を専攻し、それ以外でも英会話スクールに通い、日々語学力の向上に努めています。さらに語学力を磨くため、3年次には1年間の留学を経験しました。その際には、毎日の学習計画を立て、学校の勉強と自宅学習をしながら、現地の人とも積極的に交流しました。その結果、語学力が向上しただけでなく、広い視野で物事が見えるようになりました。御社では、留学で身に付けた語学力を活かすだけでなく、あらゆる視点から考えて、業績に貢献できればと考えています。

行動力が伝わる例文③

私は、どれだけ困難な状況でも、それを乗り越えるための行動力があります。IT企業のインターンシップに参加した際、社内で使われている業界用語が理解できずに苦しむ日々が続きました。そこで私はメモ帳とパソコンを常に持ち歩くようにし、分からない言葉はその場ですぐに検索することを実践しました。知らないことをそのままにするのではなく、解決するためにはどうすれば良いのかを考えた結果です。最終日の会議では、ほとんどの内容が理解できるようになりました。私はこの経験を活かし、営業という仕事でも様々な苦難を乗り越えていきたいと考えています。

【面接編】行動力の自己PR例文

【履歴書編】行動力の自己PR例文

話すことは得意なのに、文字に起こすことが苦手と言う人も多いのではないでしょうか。履歴書では文字数に制限があり、簡潔にまとめることが求められます。書き方は様々ですが、履歴書で使える行動力の自己PR例文をいくつかご紹介します。

行動力が伝わる例文①

私の強みは、必要なことを実行に移していく「行動力」です。大学時代、本屋でアルバイトをしていました。しかし、近くに大型店ができた影響で、徐々に客足が遠のいていきました。この状況を打破するため、ニーズや過去の売り上げ実績などを独自で調べ、店長に報告しました。そこから、ジャンル別に特設コーナーを設け、ポップやチラシを作って宣伝しするなど、様々な打開策を実施しました。その結果、売り上げは低迷期の1.5倍まで戻すことができました。この経験は、店舗の売り上げアップに貢献できると考えています。

行動力が伝わる例文②

私は、目標を達成するための方法を考え、行動に移すことができます。大学時代に空手部に所属し、キャプテンを務めていました。しかし、経験者と初心者の能力差が激しく、稽古をしても初心者部員は歯が立たないため、モチベーションが低下していました。そこで私は、以下のようなプランを部員に対して行いました。フィジカルを補うため、食事・筋トレメニューを一人ひとりに作成しました。毎週の「個人目標」を各部員に設定してもらい、不満や悩みを抱えていそうな部員は積極的に声を掛け、問題点を解決しました。これらのことを徹底した結果、初心者の部員を新人戦で5人中3人を入賞に導くことができました。この経験を活かし、どんな立場の人とも考えを共有し、業務の質の向上に貢献していきたいと考えています。

行動力が伝わる例文③

私の長所は行動力です。大学時代、バックパッカーとして30ヶ国に訪れました。現地のリアルな事情に触れるためにも、最低限のことだけ調べて、残るは現地の人と交流して情報を得るようにしました。自分が知らないことに触れることは刺激的で、それがモチベーションとなり、圧倒的な行動量を実現することができました。その結果、世界中で数多くの友人を作ることができただけではなく、知らない扉を開けることは、自分にとって必ずプラスになることを学びました。この経験を活かし、御社で新たな挑戦をしていきたいと考えています。

【履歴書編】行動力の自己PR例文

まとめ

「行動力がある」この言葉だけでは、漠然としすぎています。これを補うために、自己PRでは具体的なエピソードから行動力をアピールすることが大切です。また、いくつか例文をご紹介しましたが、書き方によって魅力的な内容に仕上げることができます。企業がどのような人材を必要としているのかを考えながら、自己PRをまとめていきましょう。

まとめ

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