自己PRの作成で知っておきたい3つのこと
自己PRを作成する時に、完成したものを読んでみると自己紹介になってしまっていた、という経験がある人もいるのではないでしょうか。
事前知識をまったく知らずに書き始めると難しい事故PRも、実はちょっとしたポイントを意識するだけで、採用担当官に伝わりやすくなります。そこでここでは、自己PRの作成で知っておきたい3つポイントについて解説します。
①企業はなぜ自己PRを聞くの?
自己PRは企業側が採用を判断する上で、その人物が企業にとってどんな有益な働きをしてくれるのか、具体的な人物像と将来性を見るために聞かれます。
・その人がこれまでに活躍してきたのはどんな場面なのか
・志望動機・理由
・熱意の度合い
・コミュニケーション能力の有無
・論理的思考力があるか
上記のような点を、総合的に見ているのが自己PRです。
企業側は、自分たちと仕事をしていくパートナーとして相応しい人材なのか、限られた時間の中で判断しなければなりません。
数多くの志望者の中から、企業側が求めている人物かどうかを効率的に判断できる方法の1つとして、自己PRが用いられています。
②自己PRで伝えるべき点
自己PRで伝えるべき点は大きく分けて、「過去の経験」「身についた長所」「将来性」の3点です。
「自分の長所はどこで、過去このような場面で長所が発揮できたので、就職した際にはこんな場面で役立つ」と具体的な筋道を立ててPRすることが大切です。
特に注意すべきポイントは志望する職種によってなにをアピールすべきか異なる点です。例えば、事務関連の仕事を志望しているのに営業が得意なことを力説しても、企業が求めている人材とはかけ離れている、と感じるられることもあります。
つまり、企業の求める人物に自分の長所をどんな風に活用することができるのか、企業が求めている人物像やスキルをしっかりと把握しておく必要もあるのです。
③何をどう頑張ったかを具体的にしましょう
自己PRをする上で重要なポイントの1つが具体的に説明をするということです。
まずは例文を見てみましょう。
◆具体的でない例
「私の強みは、人をまとめられることです。学生時代も友人に頼りにされ、相談に乗った経験も多くあります。」
この例文を見て、主観的な印象を感じないでしょうか。
では次に、例文に具体的な経験を追加してみましょう。
◆具体的な経験を追加した例
「私の強みは、人をまとめられることです。学生時代にグループミーティングを行った場面では、メンバーの意見が割れた時に、双方の意見が反映される例案を提示した事でスムーズに進行することができました。それ以降、私は進行役を任されるようになりました。」
実際に過去にあったエピソードを1つ追加するだけで、自分の主張に裏付けができ、客観的な印象の自己PRになります。
客観性のある自己PRは説得力が増し、具体例が無い人の自己PRに比べて、主張を素直に受け取ってもらえるようになります。
企業側から見るリーダーシップの定義
例えば、自己PRで「リーダーシップがある」という強みをアピールするとします。
企業が求めているリーダーシップと、自分がイメージするものが違っていて失敗した、なんてことになったら悲しいですよね。
ここでは、企業が求める「リーダーシップがある人物」がどんなイメージなのかを4つ紹介します。
①みんなを引っ張ることができる
リーダーシップがある人物と言えば、みんなを引っ張ることのできる「統率者」のイメージがあるでしょう。
企業で働く時、チームやグループで1つの企画や仕事をこなす場面もあります。そんな時に、統率者としてみんなを引っ張っていける存在は、全体の流れをスムーズにすることができます。
つまり、仕事全体の効率化を図る上で非常に重要な存在ということです。効率がアップすればこなせる案件や企画の数も増加するので、企業の増収・増益に繋がってくると考えられます。
②チームのモチベーションを高くし、的確な目標設定ができる
チームのモチベーションを高くすることができる、というのも企業が求めるリーダーシップ像の一つです。
統率力がある人物がリーダーシップの柱とすれば、チームのモチベーションをアップさせられる人物は、補強を担っている存在だと言えます。
また、人間関係を円滑にし、場の雰囲気を和らげることができる、指導者やサポート側になった時に相手の長所を引き出せる、的確な目標設定ができる、というのもリーダーシップの例として挙げられます。
仲間のモチベーションを上げて最大限のパフォーマンスを発揮することは、目標を達成するために非常に高価的なアプローチだと言えるからです。
③問題や困難な場面にも率先して対応できる
問題や困難な場面に遭遇した時、率先して対応できるか否かも、リーダーシップの条件として求められる部分です。
仕事をしていくなかで、「問題解決能力」は求められる素質の1つです。根気強く問題に立ち向かう姿勢は、同じ仕事をしている仲間にとって奮起させる材料にもなります。
②のモチベーションを高くさせる部分にも通じており、率先して問題対応する人物を見て周囲も触発されることで、結果的に早期解決に繋がってくる場面もあります。
④冷静に全体を見渡し、客観的な判断ができる
どんな場面でも冷静さを保てる、というのもリーダーシップとして求められる素質です。想定外の事態が発生した時に、冷静に全体を客観視できるというのは誰にでもできることではありません。この素質を持っている人であれば、瞬時の判断が求められるチームのリーダーや、部署の統括者を任されるような人材になる可能性もあります。
またリーダーのポジションでなくとも、冷静さを持っている人物であれば、自分の仕事をしっかりと客観視できるので、ミスが少なく済む場合もあります。企業が求めるリーダーシップがある人材というのは、率いる能力としてだけでなく、チームとして会社全体の利益に貢献できる人物であるともいえます。
リーダーシップを効果的に伝える3つのポイント
リーダーシップを自分の強みとしてアピールするとき、効果的に自己PRに組み込んでいくにはどうしたらいいか分からず、苦手意識のある人もいるのではないでしょうか。
ここでは、簡潔に要点を相手に伝えるための3つのポイントについて見ていきます。この3つのポイントをおさえるだけで、自己PRへの苦手意識解消に繋がってくるでしょう。
①具体的に示す
「過去の経験」を具体的に示す。これが簡潔に要点を相手に伝えるための1つ目のポイントです。
過去にどんな出来事、場面で自分がリーダーシップを発揮できたのかを具体例をあげて示します。
ここで提示する具体例は、サークルやゼミ活動でリーダー的役割をした経験のように仰々しいものである必要はありません。
友人関係でのやりとり、アルバイト中のちょっとした出来事でもOKです。その場合は、出来事よりもどんな役割だったのかを明確にすることで、次の②の項目が容易になります。
②リーダーシップを明確にする
企業が求めるリーダーシップの定義であげたような、自分にあるリーダーシップの素質を具体的に組み込みましょう。
過去の経験を通して自分のリーダーシップに気づくこともあれば、逆にその経験のおかげでリーダーシップが身についたということもあります。
ここで大切なのは、過去の経験での自分の役割ではなく、どんな長所が活かされたのかという点です。
①サークルでリーダーを努め、賞を取ることができた
②アルバイトで自分が提案したアイデアのおかげで、売上がアップした
このような過去の経験における具体例があったとします。
しかし、このままだとその経験を通してどんな長所が身に付いたのかが、ぼんやりしています。
①サークルでリーダーを努め、賞を取ることができた
→メンバーから上がった良いアイデアを抽出し、まとめることのできる統率力が身に付いた
②アルバイトで自分が提案したアイデアのおかげで、売上がアップした
→他のアルバイトもアイデアを出すようになり、従業員全員で良くしていこうという雰囲気を作る力が自分にあることに気付いた。
このように、過去の経験を身に付いたことにしっかりと結びつけることで、伝えたいことが明確になります。
③会社でそのリーダーシップがどう活きるのかを伝える
ワンランクアップした自己PRにする最後のポイントが、企業でその長所を実際にどう活かすことができるのか、という点です。
ここが伝えられずに②までで終わってしまうと、自己PRが自己紹介になってしまうこともあります。
長所を活かしたことで企業にこんなメリットを与えられる、という「将来性」についても触れてみましょう。
聞き手・読み手にとっても志望者の人物像がイメージしやすい自己PRになります。
履歴書で使える!自己PRの例文
これまでの説明を聞いても、いざ書くとなるとどのような自己PRを書けばいいのかピンと来ないこともありますよね。
そこでここからは、実際に例文を紹介していきます。効果的に伝える3つのポイントをしっかりとおさえながら、応募する職種に合致するように意識しましょう!
また文字数の指定がない場合、自己PRは300文字前後で記載するように心がけましょう。履歴書の場合は一般的に150~400字前後でまとめるように求められることが多くなっています。指定された文字数ギリギリまでしっかりアピールしましょう。
リーダーシップが伝わる例文①【事務職志望】
「私の長所は、客観視できるというリーダーシップを持っているところです。
飲食店のアルバイトをしていた時に、ポジションによって忙しい場所とそうではない場所があり、負担が偏っているという不満を持つ仲間が多くいました。
そこで私は、忙しい場所をサポートできるように、ポジションに縛られずに動くサポート係を新たな役割として配置する提案をしました。
その結果、負担の偏りが解消されてお客様をお待たせしてしまう時間も減り、店全体の回転率が向上したことで売上アップにも繋がりました。
この長所を活かし、チーム全体の効率化のために自分に今何ができるのか、冷静に分析しながら仕事を円滑に進める事で、貴社に貢献したいと考えております。」
リーダーシップが伝わる例文②【営業・販売職志望】
「私の長所は、人の長所を見抜くことができるところです。
映画サークルに所属していた時に、コンクールの提出期限間近になっても作成が進まないことがありました。
そこで全体ミーティングを行い、スケジュール管理がうまくできていないとの声が多くあることが分かりました。
私は、いつも課題の提出がとても早いメンバーがいる事を思い出し、各々に任せてしまっていたスケジュール管理をその人に統括してもらう提案をしました。
その結果、撮影も同時進行できるシーンがある事が分かり期限に間に合っただけでなく、余裕ができたことで作品の質も向上して賞を取ることができました。
この経験を活かし、チームとして誰がどんな仕事をすれば効率化できるのかを常に考え率先して行動し、貴社の売上アップに貢献したいと考えています。」
面接で使える!自己PRの例文
面接での自己PRは、基本的には履歴書と同じ内容を話すことを意識しましょう。履歴書という限られた文字数の中では伝えきれなかった、主観や志望企業への思いを更に深堀するように意識すると好印象に繋がります。
また、履歴書の文面を丸暗記したようなものではなく、口語(話し言葉)に置き換えるのも棒読みになってしまうのを解消するコツです。
リーダーシップが伝わる例文①【事務職志望】
「私の長所は、客観視できるというリーダーシップを持っているところです。
飲食店のアルバイトをしていた大学2年時に、ポジションによって忙しい場所とそうではない場所があり、負担が偏っているという不満を持つ仲間が多くいて、私自身も解消するにはどうしたらいいのか悩んでいました。
そこで私は、手が空いている人を活用すればいいのではないか?と考え、忙しい場所をサポートできるように、ポジションに縛られずに動くサポート係を新たな役割として配置する提案をしました。
その結果、負担の偏りが解消されてお客様をお待たせしてしまう時間も減り、店全体の回転率が向上したことで売上アップにも繋がりました。
この経験は、とても私の自信に繋がる出来事になりました。
この長所を活かし、御社の営業部門とのやりとりをしていく上で、事務職としてチーム全体の効率化のために自分に今何ができるのか、冷静に分析しながら仕事を円滑に進める事で、御社の作業効率アップにも貢献したいと考えております。」
リーダーシップが伝わる例文②【営業・販売職志望】
「私の長所は、人の長所を普段から自然に見抜くことができるところです。
映画サークルに所属していた時に、コンクールの提出期限間近になっても仲間同士で意見が割れた部分があり、作成がうまく進まないことがありました。
そこで全体ミーティングを行った時に、スケジュール管理がうまくできていないとの声が多くあることが分かりました。私自身もスケジュール管理は得意だと思っていましたが、私以上にいつも課題の提出がとても早いメンバーがいる事を思い出し、各々に任せてしまっていたスケジュール管理をその人に統括してもらう提案をし、私はそのサポートに回ることにしました。
その結果、撮影も同時進行できるシーンがある事が分かり期限に間に合っただけでなく、余裕ができたことで、スケジュール上カットしたシーンを盛り込む事ができたので、賞を取ることができました。
この経験で私には適材適所に人を配置して、仲間を引っ張っていく事ができる素質がある事に気付きました。
御社でこの経験を活かし、マーケティングチームとして誰がどんな仕事をすれば効率化できるのかを常に考え、独りよがりにならずに常に全体での仕事を意識し、御社の売上アップに貢献したいと考えています。」
リーダーシップを伝えるときの注意点
リーダーシップを長所として伝えたいのに、短所として認識されてしまったら悲しいですよね。実は自分ではこれがリーダーシップだ!と思っていても、違う印象になってしまうポイントがあります。リーダーシップを伝える時には、以下の3つのポイントに注意しましょう。
①自分勝手な人間と思われないように注意しましょう
見方を変えればリーダーシップがある人は、自分勝手に物事を進める人と捉えられる可能性があるので注意しましょう。
意見を発信することは重要ですが、自分の意見を独りよがりに押し通そうとするのはリーダーシップではありません。
自分だけの視点ではなく他の人の意見も参考にしながら、組織のためにどのように貢献したのかをアピールしましょう。
②リーダーシップを役割だけで判断しない
企業が求めるリーダーシップとは、リーダーの役割に就いた時に発揮されるもの、という意味ではありません。
大切なのは「率先していく」という姿勢です。リーダーの役割ではなくても、積極的に取り組む姿勢が試されているとも考えられます。
③どのような結果になったのかを明確に伝える
中身のないリーダーシップは意味がありません。
場の雰囲気をよくすることができるリーダーシップを活かして仕事をしていても、その結果どうなったのか、という点が重要なのです。
目標達成や売上アップなどの、目に見えた結果が必要になるのが「仕事」だとも言えるでしょう。
まとめ
リーダーシップは誰にでも備わっている素質です。
メンバーを統率する能力だけでなく、円滑に仕事をすすめるために自分から発信していける積極性、冷静な判断力をもって仕事を効率化する能力もリーダシップの一つといえます。
自分が持っているリーダーシップはなにか、まずは身近な出来事を振り返ってみてください。
自然にあなただけのオリジナルな自己PRも作っていけるようになるはずです。
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