新卒の自己PRは中途採用とは違う!

新卒で採用選考を受けるのと、中途採用選考を受けるのとでは、自己PRにおいても違いがあります。中途採用の場合、自己PRで実務経験をアピールすることができますが、新卒にはそれがありません。

新卒が自己PRするときには、以下のような点を取り上げてアピールするようにしましょう。

・アルバイトでの経験
・ゼミ活動で得た自分の能力
・部活動・サークルでの活躍
・慈善活動・ボランティアなど頑張ったこと

上記のような経験を効果的に自己PRに盛り込んでいく必要があります。

新卒の自己PRは中途採用とは違う!

新卒の自己PRで意識するべき5つのポイント

先程例示したような、学生時代の経験を自己PRに効果的に盛り込むために、押さえておきたい5つのポイントについて紹介します。このポイントは、内容を問わず自己PRに必要な基礎知識なので、ぜひマスターして役立ててください。

結論から述べる

まずは、自分の長所・アピールしたい事柄を最初に結論として伝えるようにしましょう。ダラダラと長い文を続けるよりも、一言で結論を述べた方が相手に伝わりやすくなるからです。
まず、一番伝えたい結論を述べ、続けて理由や裏付けを繋げていく形にすることで、よりシンプルな文面にすることができます。

わかりやすい論理展開にする

新卒で自己PRをするとき、伝えたいことが多岐にわたりすぎて熱意を必死にアピールしようとするあまりに、相手が理解し辛い文面になってしまうことがあります。
話があまりに長い、過程にばかりフォーカスしていて結論や結果が見えない、という自己PRは避けるようにしましょう。

結論

経験した内容

自分の長所がどのように活きたか

どのような結果が得られたか

その経験を通じて得た特性を、どのように就職後活かそうと考えているのか

上記の手順を意識して作成することで、順序立ててスッキリした文面の自己PRになります。

客観的な視点から発言する

自己分析をしよう、というのは就活中によく耳にするフレーズです。しかし、自己分析はどうしても主観的なものなので、客観性に欠けていることもあります。自分の長所や強みを客観視できる根拠が経験としてあるのであれば、それを活用すれば問題ありません。

逆にどうしても客観視できない場合は、「他己分析」で自分の周囲の人に意見を求める方法がおすすめです。他己分析をするときは、家族や友人、大学の講師・教授、といった自分をよく知る人物にお願いしてみましょう。

結果を明示する

経験・エピソードトークでは、どうしても「頑張ったこと」に力を入れてしまいがちになった経験は無いでしょうか。企業は、全体の利益向上のために役立つ人材を求めているので、「過程」よりも「結果」を重要視しています。

つまり、結果の伴わない経験をいくら力説しても、自己PRとしてアピール力の低いものになってしまうとも言えるでしょう。きちんと、エピソードトークの結果どのような利益や結果が得られたのかをきちんと明示するように心がけて下さい。

自分だけのキャッチフレーズを作る

企業の採用担当者は、人気企業であれば数千人規模の新卒者を選考対象としていることもあります。つまり、いくら例文に則ったすっきりした文面に収めることができても、目・耳をひくものでなければ埋もれてしまい、結果的に選考を通過できなかった……ということにもなりかねません。

内容を読みたくなるような、訴求力のあるキャッチフレーズや文言を入れて、他の志望者と違う人物だと採用担当者にアピールできる最後のひと押しに繋げましょう。

新卒の自己PRで意識するべき5つのポイント

新卒が陥りがちな不合格になりやすい自己PR

基本的な自己PRのポイントを踏まえて、ここではNGな自己PRの例を紹介します。自分が作成した自己PRが、次のようなNG例にあてはまっていないか確認してみてください。

なにが伝えたいのかわからない

結論が無いまま、頑張ったことやエピソードトークを一生懸命に展開しても、結局一番伝えたいことが採用担当者に伝わっていなければ意味がありません。
伝えたい強みとエピソードから得た結果、さらにその活かし方についてしっかり順序立ててアピールするようにしましょう。

結論までが長い

結論を最初に持ってきていないと、同じ文字数・時間の自己PRであっても、ダラダラと長い印象を与えてしまう可能性があります。一番伝えたい結論を述べ、その理由についてエピソードを交えて話す、という順序を守るようにしましょう。

エピソードから成長を感じられない

エピソードトークをする上で、結果が伴わないものは自己PRに使用しないように意識する必要があります。エピソードを通して得た経験や身に付いたスキルを御社で活かしたい、というアピールの方が、説得力のある文面になるからです。

履歴書と面接で言っていることが違う

履歴書に記入した自己PRと、面接の自己PRの内容が食い違ってしまわないように注意しましょう。ただし、就活中を通して考えが変わった時は、「履歴書(エントリーシート)では~~と記入しましたが、就活を通して〇〇という考えも持つようになりました」という形で付加していくとベターです。

自己PRの例文【志望職種に合わせた書き方】

これまで紹介してきた事を踏まえて、実際の例文を見てみましょう。特に重要なのは、企業が求めている人材とマッチする自己PRを意識することです。ここでは、営業職と事務職の自己PR例を紹介しますので、比較・検証や自分の志望職種に合わせた作成の参考にしてください。

【新卒向け】自己PR例文集:営業職

①私の長所は、冷静に状況を分析できるところです。
大学2年の頃、アパレル関係のショップでアルバイトしていました。ショップの売上が振るわず、前年割れが数ヶ月続いていました。
そこで、思い切って商品陳列を流行商品がショップの最前列になるように変更する提案を責任者にしてみたところ、お客様の来店数が増え、陳列変更したその月から売上が前年比10%もアップすることができました。
この経験で得た客観的に判断する能力を活かし、御社の売上アップに貢献していきたいと考えています。

②私には、最後まで責任感を持って取り組める長所があります。
高校生の頃、吹奏楽部で部長を任されていました。それまで人を纏める役割を全く経験したことがなく、着任して最初のコンクールでは、部内を上手くまとめられずに地区予選で敗退してしまいました。これではいけない、と感じ、個人練習・パート練習・全体練習の時間をきっちりと時間配分をして区切り、ダラダラと続かない練習スタイルに切り替えることにしました。
その結果、3年の最後のコンクールでは県大会で最優秀賞を獲得することができました。この経験を活かし、目標達成へ向けて最後まで諦めずに取り組み、営業企画のさらなるブラッシュアップの面で、お役に立てると考えております。

【新卒向け】自己PR例文集:事務職

①私の長所は、ミスなくコツコツと仕事を続けられる、継続力があるところです。
大学で所属していたテニスサークルでは、年に3~4回程度飲食店に20名以上でお世話になることがありました。私は毎回幹事の補佐として、集金やお釣りを管理する役割を任されていました。私の前任者は何度か計算が合わない、など問題が発生したこともありましたが、私は大学2年の頃から3年間続けてきて、1度も過不足が発生したことがありません。
この経験から、御社の経理の仕事において、ミスなく継続的な仕事を続けることができると考えております。

②私の強みは、リーダーシップがあるところです。
大学1年の時に、簿記2級の資格を取得した経験を活かし、スーパーのレジ締め作業などの経理のアルバイトをしていました。アルバイトながら、正社員の仕事のサポートとして売上の管理も行っていた経験があります。全体の売上のみのデータしか取っていなかったものを、食料品・衣料品などの分類ごとに分けて取るようにしたところ、ロスや売上の伸びが悪い売り場の把握ができるようになり、仕入れの調整も行いやすくなりました。
その結果全体売上も前年度から5%アップするに至りました。この経験を活かし、経理面から御社のロスや仕入れ状況の把握を売上の向上に繋げて、活躍していきたいと考えております。

新卒が陥りがちな不合格になりやすい自己PR

自己PRの例文【強みによって文面を変える】

これまで紹介してきた事を踏まえて、実際の例文を見てみましょう。特に重要なのは、企業が求めている人材とマッチする自己PRを意識することです。ここでは、営業職と事務職の自己PR例を紹介しますので、比較・検証や自分の志望職種に合わせた作成の参考にしてください。

【新卒向け】自己PR例文集:営業職

①私の長所は、冷静に状況を分析できるところです。
大学2年の頃、アパレル関係のショップでアルバイトしていました。ショップの売上が振るわず、前年割れが数ヶ月続いていました。そこで、思い切って商品陳列を流行商品がショップの最前列になるように変更する提案を責任者にしてみたところ、お客様の来店数が増え、陳列変更したその月から売上が前年比10%もアップすることができました。
この経験で得た客観的に判断する能力を活かし、御社の売上アップに貢献していきたいと考えています。

②私には、最後まで責任感を持って取り組める長所があります。
高校生の頃、吹奏楽部で部長を任されていました。それまで人を纏める役割を全く経験したことがなく、着任して最初のコンクールでは、部内を上手くまとめられずに地区予選で敗退してしまいました。これではいけない、と感じ、個人練習・パート練習・全体練習の時間をきっちりと時間配分をして区切り、ダラダラと続かない練習スタイルに切り替えることにしました。
その結果、3年の最後のコンクールでは県大会で最優秀賞を獲得することができました。この経験を活かし、目標達成へ向けて最後まで諦めずに取り組み、営業企画のさらなるブラッシュアップの面で、お役に立てると考えております。

【新卒向け】自己PR例文集:事務職

①私の長所は、ミスなくコツコツと仕事を続けられる、継続力があるところです。
大学で所属していたテニスサークルでは、年に3~4回程度飲食店に20名以上でお世話になることがありました。私は毎回幹事の補佐として、集金やお釣りを管理する役割を任されていました。私の前任者は何度か計算が合わない、など問題が発生したこともありましたが、私は大学2年の頃から3年間続けてきて、1度も過不足が発生したことがありません。
この経験から、御社の経理の仕事において、ミスなく継続的な仕事を続けることができると考えております。

②私の強みは、リーダーシップがあるところです。
大学1年の時に、簿記2級の資格を取得した経験を活かし、スーパーのレジ締め作業などの経理のアルバイトをしていました。アルバイトながら、正社員の仕事のサポートとして売上の管理も行っていた経験があります。全体の売上のみのデータしか取っていなかったものを、食料品・衣料品などの分類ごとに分けて取るようにしたところ、ロスや売上の伸びが悪い売り場の把握ができるようになり、仕入れの調整も行いやすくなりました。その結果全体売上も前年度から5%アップするに至りました。この経験を活かし、経理面から御社のロスや仕入れ状況の把握を売上の向上に繋げて、活躍していきたいと考えております。

自己PRの例文【強みによって文面を変える】

企業の求める人材に自分が合っている、とアピールするには企業の求めている人物像を把握しておく必要があります。ここでは、それぞれの強みに合わせた言い換え方の例を紹介していきます。そこへエピソードトークや活かし方を付け加えて、自分なりの自己PR完成に、ぜひ役立ててください。

【新卒向け】自己PR例文集:リーダーシップ
リーダーシップのある人、を求めている企業は非常に多くあります。つまり、「リーダーシップがあります」と単純に訴えても、他の志望者と同じになってしまい、アピールにつながらない懸念があります。

~リーダーシップを言い換える例文~

・全体を冷静に分析することができる
・グループで意見が対立した時に、打開案を打ち出せる
・全体が円滑に作業できるようにサポートができる

リーダーシップで重要なのは、自分の意見を主張することではなく、グループやチーム全体がどうすればスムーズに動けるかを考えられる人材であることです。単純に自分の意見を押し通す人物だと、誤解を受けないように注意しましょう。

【新卒向け】自己PR例文集:協調性

企業では全体の利益を常に考えられる、協調性のある人物も求められています。特に、企画開発などグループで仕事をするような部署では、必須の素質とも言えるでしょう。協調性をアピールする言い回しには、以下のようなものがあります。

~協調性を言い換える例文~

・相手の意見を聞き、役立てることができる
・相手が必要としていることを先回りして理解できる
・素直に周りに助けを求められる

協調性がある、と言っても自分の意見を持たずに、周囲に全て任せてしまうのはNGです。自分の意見を持った上で、より良くするために周囲の意見も柔軟に取り込める姿勢をアピールすることを心がけてください。

【新卒向け】自己PR例文集:責任感

責任感をアピールするのは、少し難易度が高めです。それは、責任感は仕事をする上で誰にでも備わっていて当たり前のもの、という前提があるからです。例えば、「遅刻しない」というのは当たり前に求められる要素で、アピールポイントにはならないでしょう。

表現の難しい責任感こそ、言い回しを変え、より具体的な長所としてアピールすることを心がけてください。

~責任感を言い換える例文~

・最後まで諦めずにやり遂げられる
・任されたこと以上の結果を出せる
・発言した内容を実行に移せる

【新卒向け】自己PR例文集:行動力

行動力がある、というのは抽象的な表現と捉えられる可能性があります。どのような場面で行動できるのか、具体的に言い換えると、より主張したいことが伝わりやすくなります。

~行動力を言い換える例文~

・人が嫌がる仕事でも率先して行える
・目標達成のために様々な角度から考察し、行動できる
・問題解決のための糸口を誰よりも早く見つけられます

企業によっては、同じ仕事を集中してコツコツと続けられることも、行動力がある人物像として捉えられることもあります。企業の求める人物像によって認識が違ってくる部分なので、上手くエピソードトークと組み合わせてアピールしてください。

自己PRのNG例文

逆に、どのような文面だと自己PRとして成り立たなくなってしまうのか、比較材料として気になりますよね。次のNG例文を読んで、考察してみましょう。

自己PRのNG例文

「私の長所は責任感があるところです。

高校生の頃から、5年間ずっと商品の仕分け作業を行うアルバイトを続けてきました。任された仕事を必ず期限内にやり遂げるために、自分なりに考え指導されていた手順とは違う方法で行うようにしたところ、手順を変える以前に比べて仕事を早く進められるようになり、周りの仕事を遅く感じるほどの違いを実感しました。自分で考えて行動することで、責任感を持って仕事に臨み、御社に貢献していきたいと考えています。」

上記の例文を見て、抽象的な印象を持った人もいるのではないでしょうか。
さらに、手順を相談無く変え、1人だけ仕事スピードが違う点も、周囲との協調性が無いと判断されてしまいかねない文面になっています。

また、エピソードトークも結果が伴うものではなく、何をどう活かして仕事をしていこうと考えているのか、明確なビジョンが伝わりません。

自己PRは「具体的に」「周囲との協調をベースにした行動」をアピールしていくように心がけたいですね。

自己PRは1分間で言えるようになっておこう!

企業の採用担当者は、一度エントリーシートに目を通しており、自己PRについても把握している状態で面接に入ります。面接時点で自己PRは1分程度が好ましいとされるのは、5分や10分も自己PRに割くのは、二度手間になってしまうからです。
また、この短時間に自分の言いたいこと、主張をロジカルに話せるトーク力も試されています。そのことから、自己PRを面接で行う時は、1分程度にまとめられるように事前に練習を重ねておきましょう。

まとめ

新卒の自己PRは、実務経験がない中でいかに学生時代の経験を結びつけてアピールができるかというポイントが重視されます。

自己PRで使用するエピソードトークは、大きな成果や利益を生んだ経験である必要はなく、身近なところから探せば問題ありません。練習を重ねながら、自分の最適なアピール方法や文言を見つけて、しっかりと志望企業の内定を取りたいですね。

まとめ

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