内定承諾の基本マナー
志望企業から念願の内定通知が届くと、安心して気を抜いてしまう人が多いのではないでしょうか。内定をもらっても気を抜かず内定承諾のお礼をしましょう。基本的なマナーを守りながら返事をし、内定を確実なものにしましょう。
【返事は早めにする】
企業から送られる内定通知には、できるだけ早めに返事をすることが大切です。連絡を受け取ってから24時間以内を目安にすると良いでしょう。
内定通知が出された時点では、まだ内定が確約しているわけではありません。応募者が内定承諾をすることで、初めて正式に内定者となるのです。
人事担当者は、内定の連絡が無事届いているか、内定承諾が得られるのかどうか気にしています。内定承諾が得られない場合、次の候補者を繰り上げて内定させる必要があるため、なるべく早く返事が欲しいのです。
人事担当者からの印象を良いものにするためにも、返事は早く出した方が良いでしょう。あまりに内定承諾が遅くなると、内定辞退だと認識されることもあります。
【待ってもらうときは期限を明確に】
複数の企業に応募しており、他社の選考結果を待ってから返事をしたいというケースもあるでしょう。一定期間の猶予が欲しい場合は、企業に対して内定承諾の返事を待ってもらうように申し出ましょう。
一般的には、内定を保留できる期間は数日から1週間程度です。企業によっては、次の候補者にアプローチするため内定承諾の保留を受け付けてもらえないケースもあるため注意しましょう。
内定保留をする際の口実として「御社より志望度の高い企業がある」と告げると、あまり良い印象を持たれません。「御社と同じくらい第一志望の企業と迷っている」「進路について、じっくり考える時間が欲しい」という言い回しをするなど工夫しましょう。
【相手の連絡方法に合わせる】
内定承諾の連絡は、企業からくる内定通知の連絡形式に合わせれば問題ありません。電話による通知であれば電話で、メールであればメールで返事をしましょう。
ただし、確実に人事担当者に連絡をつなぎたい場合や、内定承諾の返事と共に急ぎ伝えたいことがある場合は電話でも構いません。
連絡するときのポイント
内定承諾の連絡をするときには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。マナーに関すること以外にも、内定が確定する前だからこそ確認しておきたい情報もあるため、後々後悔しないようにここで確認しておきましょう。
【労働条件などを確認する】
内定承諾をする前は、労働条件について、今一度、確認しやすいタイミングです。給料や福利厚生、残業時間や業務内容、予想される配属場所など、気になることは一通り聞いておきましょう。
人事担当者には「内定承諾をする前に、労働条件について確認させてほしい」とストレートに伝えてもいいでしょう。労働条件が内定承諾をするかどうかの判断材料になることは人事担当者も分かっているため、きちんと答えてくれます。
この時点で迷いが生じたなら、内定承諾の保留を検討できます。
【簡潔にお礼と意思を伝える】
内定承諾の返事をするときには、内定を受け入れる意思があることと、自分を内定者として選んでくれた企業へのお礼を伝えましょう。
企業がたくさんの応募者の中から自分を合格としてくれたこと、時間と労力を掛けて選考してくれたことに対して感謝の気持ちを持つことは大切です。心を込めたお礼の言葉は、入社意欲として人事担当者に伝わります。
内定承諾の例文
内定承諾の返事は、連絡形式によって流れや言い回しが異なるため、事前に内容をまとめておくと良いでしょう。参考になる例文を電話とメールそれぞれのパターンで準備しました。
また、企業指定の内定承諾書を返送する際に同封する添え状の例文も紹介します。
【電話連絡の場合】
電話連絡の場合は相手の返事によって多少言い回しが変わってきますが、基本的な流れは以下の通りです。
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私、内定通知のご連絡をいただいた○○大学の○○と申します。(窓口担当につながった場合「採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか」)
この度は内定通知をいただきまして、誠にありがとうございます。御社の内定をありがたくお受けさせていただきたいと思い、お返事のお電話をさせていただきました。入社後は御社に貢献できる人材を目指して努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
これ以降の流れですが、入社に必要な手続きや書類がございましたら、提出させていただきたいと思います。必要な準備についておうかがいしてもよろしいでしょうか。
改めまして、今後ともよろしくお願いいたします。
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【メール連絡の場合】
メール連絡の場合は、ある程度決まった形式となります。伝える情報の抜け漏れが無いように注意しましょう。
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件名:内定承諾のご連絡(○○大学○○(氏名))
宛名:○○株式会社 人事部 ○○様
お世話になっております。内定通知をいただきました、○○大学の○○です。
この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。貴社の内定をありがたくお受けさせていただきたく存じます。入社後は御社に貢献できる人材を目指して努力してまいりますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。
貴社で働ける日が来ることを心待ちにしております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
署名:○○大学○○学部 ○○(氏名)
電話番号・メールアドレス
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【内定承諾書の添え状の例文】
内定承諾書の添え状は、普段あまり書き慣れていない言い回しがあるため、戸惑う人が多いものです。以下の例文を参考にしてみてください。
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令和○年〇月○日
○○株式会社人事部
採用担当 ○○様
〒○○○-○○○○
(企業所在地)
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。この度は、内定通知をいただきまして誠にありがとうございました。
入社後は、貴社に貢献できる人材となれるように精進する所存です。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
つきましては、下記必要書類を同封させていただきますので、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。まずは書中をもちまして、内定のお礼を申し上げます。 敬具
記:内定承諾書 1通(ほか書類)
以上
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内定承諾後の辞退
企業に内定承諾をした後、何らかの理由で辞退しなければならなくなることはあります。さらに志望度の高い企業から内定通知が来たり、家の都合や進路変更などの事情があったりと、内定承諾時と状況が大きく変わることは誰にでも起こりうることです。
内定承諾後の辞退において気を付けるべきことを解説します。
【承諾後でも辞退できる】
一度内定承諾をしてしまっても、撤回して辞退することは可能です。内定承諾書には法的な拘束力はありません。そもそも、個人には法律上職業選択の自由があるため、企業が無理に引き留めることはできないのです。
とはいえ「とりあえず内定に承諾しておいて、後から辞退すればいい」と気軽に考えるのも考えものです。一度入社することを自分の意思で了承した以上、言葉と行動には責任が伴うことを覚えておきましょう。
【辞退するときのポイント】
応募者1人に内定を出すまでには、企業はたくさんのコストを掛けています。採用活動に掛かる広告料や説明会などのイベント料、本来の業務を抜けて採用活動に協力する社員の時間、選考に掛ける人事と面接官の労力などを費やして、内定者を選んでいるのです。
さらに、自分が合格したことで、他の候補者が不合格になっていること、自分が辞退することで企業は採用活動を再開しなければならないことも事実として挙げられます。
内定辞退をするときには、これらの大きな迷惑が発生することを意識しましょう。心から申し訳ないという気持ちをもって、誠意ある説明と謝罪をすることがポイントです。
内定が出ても気を抜かない
内定が出ても、内定承諾をするまではまだ気が抜けません。内定承諾をする際にはマナーを守り、なるべく早急に返事をしましょう。返事を保留する場合も、事情を說明し期限を明示して、ずるずると引き伸ばさないことが大切です。
万が一内定承諾後に辞退することになっても、法律上は問題ありません。しかし、自分に内定を出すまでに企業が掛けた労力と、辞退することで発生する迷惑を考えて、誠意をもって辞退することが大切です。
社会人のマナーを守った内定承諾をして、志望企業に無事入社できるようにしましょう。
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