そもそも広告業界とは?

広告とは、一般的にクライアント企業の開発・提供している商品やサービスを宣伝することを言います。広告業界に属する企業は、テレビCMやインターネット広告などを作成するのが仕事だと思っている人も少なくありません。ですが、これらは業界の一部でしかありません。

【クライアントの代わりに広告を作成する】

クライアントに代わって、売り出したい商品やサービスの広告を作成するのが広告企業の主な役割です。ただし、一言で広告と言っても、宣伝プランをクライアントに提案したり、イベントの企画・運用や、広告を出す場所・時間帯の枠を押さえたりなど、多種多様な仕事を担っているのが実態です。

業界の中でも、クライアントから初めに依頼を受けることが多いのが広告代理店と呼ばれる企業です。広告対象の商品・サービスをどのように宣伝するか、基本的なプランニングを行う役割を持っています。業界の花形と考えられており、特に人気の高い職種のため、広告業界と言えば広告代理店を思い浮かべる就活生も多いでしょう。

【広告業界の大まかな仕組み】

広告主はまず、広告代理店に商品やサービスの宣伝依頼を出し、そこから代理店がテレビやラジオ、新聞などの媒体に広告の出稿を依頼します。

そして、実際に広告を作るのは制作会社と呼ばれる企業で、代理店から委託を受けて仕事をするケースがほとんどです。プロモーションのためのイベントを開催する場合は、専門のイベント会社が担当します。広告主が直接、制作会社に広告物の制作を依頼するケースもありますが、大規模な宣伝のほとんどは代理店経由となります。

また、インターネット広告を使って宣伝する場合、メディアレップと呼ばれる広告枠の仕入れや販売を行う専門業者が、代理店と広告媒体企業との間に入るケースが多いようです。

このように、商品やサービスの宣伝には、代理店や制作会社、広告媒体を持つ企業との仲介業者など、さまざまな企業が関わっています。

そもそも広告業界とは?

大手総合広告代理店3社の特徴

広告業界と言っても多種多様な企業がありますが、中でも人気の高い業種は広告代理店です。日本には、170社以上の広告代理店がありますが、特に「電通」と「博報堂」、次いで「ADK(アサツー ディ・ケイ)ホールディングス」のシェアが大きく、就活生からの人気も抜群に高いようです。3社の特徴を見てみましょう。

【圧倒的なシェアを誇る「電通」】

電通は広告業界で圧倒的なシェアを誇るNO.1企業として知られています。テレビやラジオ、新聞などマス広告と呼ばれる媒体のほとんどを押さえているのが特徴で、売上高は5兆円にも上ります。2位の博報堂でも、売上高は1兆5000億円程度なので、圧倒的な売上を誇る大企業であることが分かるでしょう。

国内での地位が盤石なのに加えて、近年は海外展開に乗り出しており、イギリスやフランス、カナダなどで広告関連企業を買収して、活動範囲を広げています。売上高の約6割を海外で上げているため、今後さらに積極的にグローバル展開を進めるでしょう。

【クリエイティブが強み「博報堂」】

博報堂は電通に次いでNO.2のシェアを持つ広告代理店で、売上高こそ電通に大きく離されているものの、国内における広告市場のシェアは電通の24%に対して、21%とかなり競り合っています。特にクリエイティブ性に優れている企業と言われており、有名なクリエイターを何人も輩出しているのが特徴です。

デジタル領域にも強く、IT系のトップ広告代理店であるサイバーエージェントに次いで、第2位の売上高となっています。AppleやP&Gなどの有名企業と連携して、商品設計を行うことも多いようです。

【国民的キャラクターの版権を持つ「ADK」】

ADK(アサツー ディ・ケイ)は総合広告代理店の中では、電通と博報堂に次いで、第3位の売上を上げている企業です。2017年にアメリカの投資ファンドであるベインキャピタルの傘下に入ることと発表し、再上場に向けて成長の途上にある段階にあります。

特に、アニメ業界に強いのが特徴で、「ドラえもん」をはじめとした、有名なキャラクターの版権を持っています。「ワンピース」などの人気アニメのライセンスビジネスも数多く手掛けているようです。

大手総合広告代理店3社の特徴

大手IT系広告代理店3社の特徴

次に、IT系の広告代理店の有名企業3社を紹介します。もっとも有名なのが、インターネット広告界の雄であるサイバーエージェントで、次いでオプト、セプテーニと個性豊かな企業が続きます。

【国内トップ「サイバーエージェント」】

インターネット広告代理業界で、もっとも高い売上高を上げているのがサイバーエージェントです。単体売上高は約2200億円で、インターネット広告関連のグループ会社35社を含めると、約4200億円の売上高を誇ります。

インターネット広告に関するものなら、どんな種類にも対応できるのが強みで、社内に多くのエンジニアも抱えています。広告以外にもSNSの運用や、インターネットテレビ事業など、幅広い事業領域を持っているのが特徴です。

【個性を尊重する「オプト」】

デジタル広告業界の筆頭として知られる広告代理店がオプトです。電通をはじめ、数多くの企業のデジタル化を支援してきた実績があり、リスティング広告やアドネットワーク、記事広告などに強みを持っています。

さらに、ビッグデータの活用にも注力しており、顧客や視聴者の行動履歴を元に広告の提案をすることで知られています。採用では多様性に富んだ人生を求めているようで、強い個性を持った人材が活躍できる職場と評されます。

【インフィード広告に強い「セプテーニ」】

セプテーニはもともと、人材採用コンサルティングを行っていた企業で、2000年からインターネット広告事業に参入した経緯を持っています。

SNSやモバイルサイトのタイムラインに表示される広告(インフィード広告)の売上が業界ナンバーワンで、代理店でありながら、自社で広告の制作も行っているのが特徴です。

企業のマーケティング支援を行うデジタルマーケティング事業のほかに、漫画アプリなどのサービスを提供する事業や、医療サービスなどにも取り組んでいます。分野にかかわらず、新しいことにどんどんチャレンジする社風のようです。

大手IT系広告代理店3社の特徴

広告業界の職種

続いて、広告業界の具体的な職種を解説します。大きく分けて、広告物を制作するクリエイティブ職と、広告効果を高める施策を打ち出すマーケティング職、そしてクライアントの要望を聞き、提案を行う営業職の3タイプに分かれています。

1職種に特化している企業もあれば、すべての役割を1社で担っている企業も少なくありません。

【クライアントと会社をつなぐ営業】

クライアント(広告主)に対して、商品やサービスの広告・プロモーション企画の提案を行うのが営業の主な仕事です。

広告主の抱えている課題やニーズを把握し、それを制作側に伝えるだけでなく、広告の制作においては、予算や人材、スケジュールの調整を行う役割も持っています。広告企業の窓口ののような存在と言えるでしょう。

【広告の効果を高めるマーケティング】

営業から伝えられた広告主の課題やニーズに対して、広告対象の商品・サービスを魅力的にプロモーションするための方法を考える役割がマーケティングです。もっとも効果的な広告枠を選定するのも仕事であり、決定した宣伝プランを元に、具体的な広告の制作内容をクリエイティブに伝えます。

【広告表現をつくるクリエイティブ】

実際に広告を制作するのがクリエイティブ職です。CMプランナーやアートディレクター、コピーライターなどが代表で、独自の感性を活かして多くの人に受け入れられる表現や、魅力的なコンテンツを制作します。広告の制作に憧れる学生も多く、かなりの人気職種となっています。業界外でも著名なプランナーやコピーライターなども多いです。

広告業界の職種

広告業界の現在と今後

広告業界は学生にとても高い人気がありますが、業界全体としては、今後どうなると予想されるでしょうか?業界研究の一環として、最近の動向を押さえておきましょう。

【インターネット媒体が成長を続ける】

電通が1947年から公開している「日本の広告費」によると、2020年の国内総広告費は6兆1594億円で、新型コロナウイルス感染症の影響で前年比88%まで落ち込んでいます。

マス四媒体と呼ばれる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」でみると、新聞3688億円、雑誌1233億円、ラジオ1066億円、テレビ1兆6599億円となっています。テレビ広告はここ数年、横ばい状態ですが、他3媒体は規模が小さくなっている状況です。

他方、インターネット広告2兆2290億円を記録し、右肩上がりに成長を続けており、この傾向は今後も続くと予想されます。

電通|日本の広告費
https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/

【今後はネット広告がより重視されていく】

従来よりインターネット広告を生業にしていた企業は、市場規模の拡大によって、ますます成長することが予想されます。これまでマス四媒体に力を入れていた広告代理店も、徐々にインターネット広告分野に軸足を移すでしょう。

今後は、あらゆる広告媒体にインターネットが絡んでくることになるはずです。これまで無名だった企業も、特定のインターネット広告の分野で急成長するかもしれません。広告業界への就職を希望している人は、必ず業界全体の流れをチェックしておきましょう。

広告業界の現在と今後

広告業界を研究しよう

広告業界の仕組みや、大手広告代理店の特徴を解説しました。広告業界は学生から人気が高く、企業にもよりますが、毎年かなりの競争率になります。

広告業界を志望している人は、どういう職種があるのかを知っておくとともに、各企業の特徴や強みを把握しておきましょう。業界全体のトレンドを掴んでおくことも大事です。

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