就活メールの基本マナー

就活メールを送る際の原則は『早く』『簡潔・明快に』です。企業の担当者は、膨大なメールを読んでいます。

また、学生の面接スケジュールの調整など、多くの業務を抱えている状態です。メールの受け取り手のことを考え、相手がスピーディーに業務を進められる状況を考えましょう。

【返信は早めにする】

原則として、メールはとにかく早く返信しましょう。ただし、会社のメールは、相手の携帯に通知が届いてしまうこともあるため深夜や早朝などの時間などのタイミングは避けるのが無難です。

どれほど遅くても、必ず24時間以内には返しましょう。具体的な目安としては、午前中にメールが届いた場合は14時まで、午後届いたメールは、17〜18時などの相手のおよその終業時間まで、夜以降に届いたメールに関しては、翌日の午前中には返信するのがおすすめです。

【件名は簡潔明瞭に】

メールの件名も簡潔明瞭が原則です。自分の名前と用件を簡潔に書きましょう。受け取った相手が件名からメール内容がある程度推測できるように記載するのが件名の役割です。

先方から来たメールへの返信の場合は、タイトルを丸ごと新規に編集せず、『Re:』を残した状態で返信した方が分かりやすいです。タイトルの語尾に、名前や大学名などを入れておくとより丁寧です。

『ご質問』『お願い』などの具体的な用件をタイトルの先頭に入れておくと、メールを開く前に、先方が内容を判断できます。就活の窓口となる企業担当者は、毎日膨大な数のメールを受信しています。相手が読みやすい文面を心掛けましょう。

就活メールの基本マナー

本文のマナー

メール文面を作る際のマナーを解説しています。宛名から署名まで、チェックポイントをそれぞれ押さえて文面を作っていきましょう。用件を具体的に書くのがポイントです。また、相手への感謝を忘れないようにしましょう。

【まずは宛名と挨拶】

メールの冒頭に、まずは宛名を記載します。企業名は『株式会社』なども略さずに正式な形で書くのがマナーです。また、相手の部署名や名前が具体的に分かっている場合は、その後に続けます。

苗字だけなどと略さずに、フルネームで書くとより丁寧です。もしも具体名が分からない場合には『新卒採用ご担当者様』などと記載しましょう。

挨拶は、初めてのメールの場合には『お世話になります』、2回目以降のメールでは『お世話になっております』と記載します。

挨拶文に続き、自分のプロフィールを名乗りましょう。『〇〇大学〇〇学部〇〇学科の〇〇〇〇と申します』と、最初はフルネームで丁寧に記載しましょう。

【本題は結論から簡潔に】

メール文面は、結論から簡潔に記載しましょう。基本的には、挨拶の後に、『ご連絡ありがとうございます』とまずはお礼を述べた上で、『〇〇の件について、ご連絡です』という一文を続け、具体的に用件を書いていきます。

面接の日程であれば、面接の機会を与えられたことに対するお礼から始めましょう。志望動機や、企業への思いを簡潔に1文くらい記載するのもおすすめです。

ただし、あくまでも長文はNGです。ダラダラとしたメール文面は、読みづらい上に、印象も悪くしてしまいます。

【締めの挨拶と署名を忘れずに】

メールの締めでは必ず忙しい中、自分にメールを送っていただいたことへの感謝を伝える一文を入れましょう。『ご多用の中、恐れ入りますがよろしくお願い申し上げます』などが無難です。

凝った文章を入れる場所ではありませんので、定形的に締めるのがきれいです。署名には、自分の名前・大学名・学部名・学年・電話番号・メールアドレスを入れておきましょう。

名前の後にはふりがなやローマ字による読みがなを付けて、相手が名前の読み方を迷わないようにします。電話番号には、日中連絡が取りやすい携帯の番号などを入れておきましょう。

本文のマナー

面接の日程調整の返信例

面接の日程調整の返信メールの書き方を、文例付きで解説します。注意点をそれぞれしっかりと押さえておきましょう。特に、面接の日程を途中で変更する場合は要注意です。

【企業の指定する日程に返信する場合】

企業から「この日はどうですか」と面接日を提示された場合の返信例を紹介します。件名は変えずに、Re:で返信しましょう。

以下例文になります。
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この度は、ご連絡をいただき誠にありがとうございます。

それでは下記日程にて、ご指定の場所に伺います。

◯月◯日(◯)◯時

ご多忙な中恐れ入りますが、当日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
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【こちらの候補日を送る場合】

こちらから企業に日程候補日を指定する場合には、原則としてメールを送る日から2営業日以降を目安に、3〜5パターンほど送りましょう。偏った時間帯にせず、午前中・午後・終日可能な日など、幅広く入れておくのがベストです。

以下例文になります。
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この度は、書類選考通過のご連絡をいただき誠にありがとうございます。

面接の希望日程をお送り致します。

・◯月◯日(◯)10〜12時
・△月△日(△)13〜18時
・⬜︎月⬜︎日(⬜︎)終日

ご多忙な中恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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【日程の変更をお願いする場合】

日程の変更をお願いする場合は、日中のタイミングであればいきなりメールをする前にまずは電話をしましょう。

夜遅くなどに、急遽変更が必要になってしまった場合には、取り急ぎメールをして、翌朝電話連絡を入れるのも良いです。

とはいえ、原則として、日程の変更はするべきではありません。急用などのやむを得ない場合のみとしましょう。一番避けるべきは、無断で面接を欠席することです。

以下例文になります。
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×月×日(×)×時にお約束をいただいておりました面接ですが、
急遽、お伺いするのが難しくなってしまいました。

先ほどお電話させていただいたのですが、
ご不在でしたので、取り急ぎメールにてご連絡させていただきます。

また勝手なお願いで恐縮なのですが、
もしも可能であれば、以下の日程のいずれかで再度ご調整いただけないでしょうか。

・◯月◯日(◯)10〜12時
・△月△日(△)13〜18時
・⬜︎月⬜︎日(⬜︎)終日

後ほど改めてお電話させていただきます。

ご多忙な中、お手数をお掛けしまして申し訳ございません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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面接の日程調整の返信例

そのほかの返信例

面接後や、選考の辞退、内定の承諾など、就活のさまざなフェーズで直面するシーンでのメール返信例を紹介します。特に、辞退する際は失礼にならないように慎重で丁寧な対応を心掛けましょう。

【面接後のお礼】

面接後のお礼メールは、遅くても翌日までに送りましょう。ここでもスピードがポイントになります。ダラダラと書かずに、簡潔にお礼と自分の気持ちを伝えることが大切です。

面接の感想などを一言入れるなどの工夫をし、いかにもテンプレートという、読み手にとって何も有益な情報がないメールを送るのはやめましょう。

以下は面接後のお礼メールの例文です。
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本日は、面接の機会をいただきましてありがとうございました。
お話を伺い、キャリアのイメージが具体的になりました。

ますます、貴社で仕事をしたいという思いが高まっております。
取り急ぎ、面接のお礼を申し上げたく、メール致しました。

本日は、ご多忙な中お時間をいただきありがとうございました。
末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
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【選考を辞退する場合】

選考を辞退する場合にも、早めに連絡をしましょう。辞退する理由を詳細に述べる必要はありません。

「諸般の事情により」というような表現で簡潔に記載するのがポイントです。辞退する企業にも、社会人になった後に、お世話になる可能性もあります。どこで縁があるか分かりません。マナーを守って、失礼のない対応をしましょう。

以下は辞退メールの例文になります。
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誠に申し訳ないのですが、
諸般の事情につき、面接を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。

貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、
身勝手なご連絡にて大変申し訳ございません。

また、メールにてのご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ではございますが、貴社のますますの発展をお祈り申し上げます。
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【内定の承諾】

承諾メールも、早めに送るようにしましょう。返信があまりにも遅れると内定辞退かと思われてしまうこともあります。

ただし、勤務条件・給与など、懸念点が残っていないことを自分の中で確認した上で、承諾するのが重要です。

もしも複数の選考が進んでいる場合には、正直に内定承諾を待ってもらえないかどうかお願いしてみましょう。猶予期間は企業によって異なりますが、目安として最長で1週間程度です。

以下は内定承諾メールの例文になります。
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この度は、内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。
貴社の内定を謹んでお受け致します。

1日も早く、戦力となれますよう精進に努めます。
4月より、貴社の一員となれますことを楽しみにしております。
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そのほかの返信例

返信で気を付けるべきポイント

メールを送るにあたって、気をつけるべきポイントについて解説します。『敬語』『改行』『絵文字や記号の使用NG』である点を前提としてメール文面を作成しましょう。ビジネスシーンであることを忘れない振る舞いが重要です。

【敬語を正しく使う】

社名や相手の名前をまずは正しく記載しましょう。敬語以前に、ここは絶対に間違えてはいけない部分です。また、敬語も正しく使いましょう。

例えば、口語では『御社』ですが、メールなどのドキュメントでは『貴社』と書かねばなりません。『見ました』『了解しました』などはNGです。『拝見しました』『かしこまりました』『承りました』など、ビジネスマナーとして正しい言葉遣いを心掛けましょう。

【改行や段落で読みやすく】

メールの返信文は、適度に改行や段落分けをしながら作成しましょう。スマートフォンで返信をする際には、つい見落としがちになるので要注意です。

スマートフォンで急ぎ返信する際には、パソコン画面でどのように見えているのかを確認しながら送るのは難しいため、『1行ごとに改行する』『25字くらいを目安に改行する』などの点を意識しましょう。

段落分けは、3〜4行ごとを目安にすると良いです。段落と段落の間は、1行空けると読みやすくなります。

【装飾や絵文字は使わない】

友達同士のメールで使うような絵文字は、使用NGです。また、文字を太字にしたり、書体を変えたりと過度な装飾をするのも避けましょう。

いずれも、ビジネスマナーとしては不適切です。『!』などの記号も、社会人同士で親しい間柄であれば成立しますが、入社前の状況でそのような記号を用いるのは不適切です。あくまでもメールは用件を簡潔に正しく伝えるビジネスツールということを忘れないようにしましょう。

返信で気を付けるべきポイント

メールの返信も失礼のないように

就活では、企業の採用担当者とのメールやり取りが欠かせません。まだ学生とはいえ、就活ではビジネスマナーを押さえた上でのやり取りが求められています。原則としては、スピード重視で行動し、失礼のない文面を心掛けましょう。

ダラダラと長く書かずに、簡潔で用件に対する明確な回答を記載するのがポイントです。敬語や文面の装飾などにも注意が必要です。注意点や具体的な文例を紹介しているので、参考にしながら取り組んでみましょう。

採用担当者は、とても多忙です。ノウハウはもちろん大切ですが、対応に迷う時には相手の立場に立って、自分がどう行動したら良いかを考えるスタンスで臨みましょう。

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